長岡市の産業構造|製造業集積型・県内2位規模のNo.2万能型・新潟市に次ぐ12指標2位(R2/R4)

市町村

長岡市(中越地域の中核・人口約26万人・2005年〜2010年にかけて周辺10市町村と合併した広域自治体)の産業構造は、新潟市に次いで県内2位となる指標が12項目(総就業者・製造品出荷額・現金給与総額・製造業事業所数・製造業従業者数・農業経営体数・経営耕地面積・製造業就業・医療福祉・卸小売・建設・教育のすべて)で揃う「No.2の万能型構造」を持ちます。

一方、付加価値額のみ約2,564億円で県内3位(1位新潟市4,553億円・2位上越市2,878億円)で、規模5指標2位の中で付加価値額だけ上越市(高付加価値製造業型)に追い抜かれる乖離があります。1人あたり付加価値額は1,024万円(県内15位)で、県平均加重1,188万円を約164万円下回ります。

産業タイプは製造業集積型ですが、第2次比率30.3%は集積型判定式の閾値30.0%を+0.3ptで超えるギリギリの境界位置で、集積型18市町村内では最低18位の水準です。12項目2位の万能型構造を軸に、集積型内で境界に位置する構造・付加価値額のみ上越市に抜かれる乖離から、長岡市の産業構造を読み解きます。


  1. この記事でわかること
  2. ① 長岡市の産業構造の中心軸(新潟市に次ぐ12項目2位「No.2万能型構造」)
  3. ② 長岡市の産業タイプ(製造業集積型・第2次比率30.3%は集積型内最低18位の境界型)
  4. ③ 産業別就業者数と分布(総就業者128,543人・第3次64.6%の分布)
  5. ④ 10年間の産業構造変化(後半5年△5.48%の急減・情報通信+23.1%増・農業△28.7%減)
  6. ⑤ 主要業種の詳細(就業者数上位5業種・製造業21.3%×卸小売16.5%×医療福祉13.1%の分散構造)
  7. ⑥ 万能型構造の中で唯一の乖離:製造業の付加価値額のみ県内3位で上越市に抜かれる
  8. ⑦ 農業(経営体2位×耕地2位×1戸あたり14位×1haあたり23位・大規模水田地帯とコシヒカリ)
  9. ⑧ 中越地域の中核×製造業集積型グループ内最大規模(集積型内で規模6指標1位×境界型集積構造)
  10. ⑨ 就職・起業・移住検討者への読み方
    1. 視点1:就職・転職検討者向け(県内2位規模の多業種選択肢)
    2. 視点2:起業・出店検討者向け(県内2位規模の広域商圏)
    3. 視点3:移住検討者向け(中越地域の中核×複合的な産業構造)
  11. ⑩ データの見方・注意点
  12. まとめ
    1. 長岡市の産業構造の中心軸:新潟市に次ぐ12項目2位の「No.2万能型構造」
    2. 万能型構造の中で唯一の乖離:付加価値額のみ県内3位
    3. 集積型グループ内での位置
    4. 10年間の産業構造変化
    5. 派生指標で見える意外な観察
  13. この記事の執筆・データについて
  14. 出典

この記事でわかること

  • 新潟市に次ぐ県内2位指標が12項目の「No.2万能型構造」(総就業・製造品出荷・現金給与・製造業事業所・従業者・農業経営体・耕地面積・製造業・医療福祉・卸小売・建設・教育のすべて)
  • 19業種のうち16業種が県内2位で、単一業種依存ではなく多業種を県内2位で保有する均等分布型構造
  • 産業タイプは製造業集積型、第2次比率30.3%は集積型内最低18位(判定式閾値+0.3ptの境界位置)
  • 製造品出荷額約6,571億円(県内2位)・現金給与総額約983億円(県内2位)ですが、付加価値額のみ約2,564億円で県内3位(上越市2,878億円に追い抜かれる)
  • 1人あたり付加価値額1,024万円(県内15位)で、県平均加重1,188万円を約164万円下回る
  • 10年間で総就業者は△7.7%(△10,665人)減少、後半5年(2015→2020)△5.48%が前半5年(2010→2015)△2.31%の約2.4倍のペース
  • 業種別10年変化では情報通信+23.1%が最大増加率・医療福祉+11.9%(+1,791人・絶対数最大増加)・農業△28.7%が減少

① 長岡市の産業構造の中心軸(新潟市に次ぐ12項目2位「No.2万能型構造」)

19業種中16業種で県内2位を保有し、単一業種依存ではなく多業種を均等に県内2位で保有する「万能型構造」が長岡市の中心軸です。

長岡市の産業構造の最大の特徴は、新潟市に次いで県内2位を占める指標が12項目にわたることです。総就業者・製造品出荷額・現金給与総額・製造業事業所数・製造業従業者数・農業経営体数・経営耕地面積・製造業就業・医療福祉・卸小売・建設・教育のすべてが県内2位で、単一業種への集中ではなく多業種を均等に県内2位で保有する構造となります。

長岡市が新潟市に次ぐ県内2位を占める指標を整理します。

指標長岡市の値県内順位1位(新潟市の値)
総就業者数128,543人2位376,334人
製造品出荷額約6,571億円2位約11,851億円
現金給与総額約983億円2位約1,390億円
製造業事業所数854か所2位1,068か所
製造業従業者数25,045人2位35,970人
農業経営体数3,795戸2位7,032戸
経営耕地面積14,079ha2位28,463ha
E_製造業(就業者)27,370人2位45,628人
P_医療・福祉(就業者)16,837人2位54,566人
I_卸売業・小売業(就業者)21,166人2位66,328人
D_建設業(就業者)11,290人2位32,570人
O_教育(就業者)6,621人2位20,445人

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)・経済産業省(工業統計調査 令和4年)・農林水産省(農林業センサス 令和2年)

総就業・製造品出荷・現金給与・製造業事業所数・従業者数・農業経営体・耕地面積・製造業・医療福祉・卸小売・建設・教育の12項目すべてが県内2位です。

「No.2万能型構造」の意味

19業種のうち16業種が県内2位を占め、県内2位以外は農業・林業(3位)・公務(3位)・電気ガス(3位)・漁業(4位)の4業種のみです。単一業種への集中度(新潟市の情報通信県内シェア59.5%等)はみられず、多業種を県内2位で保有する構造は、県内で長岡市に固有の分布パターンとみられます。

3位以下の他市町村と比較すると、長岡市の万能型構造の性格が明確になります。3位以下の主要市町村(上越市・三条市・柏崎市等)は特定業種で県内2位を占める場合はありますが、12項目以上を県内2位で揃える市町村は長岡市のみです。

構造上の含意

「No.2万能型構造」は、長岡市が中越地域の中核として、製造業・卸小売・医療福祉・教育・建設・農業のいずれの業種でも県内2位規模の集積を持つことを示します。総就業者128,543人は県内2位で、1位新潟市376,334人の34.2%(約3分の1強)の規模、3位上越市94,235人の約1.36倍の水準となります。

12項目2位の構造は、章⑦で確認する製造業集積型18市町村内で規模6指標1位(集積型総就業者の28.9%を占める)という位置と対応しています。長岡市は「県内No.2の総合力」と「製造業集積型グループの中核」の二重の位置を持つ市町村と読み取れます。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

19業種中16業種で県内2位・12項目2位揃いの構造は、県内で長岡市に固有の分布パターンです。単一業種依存ではなく多業種均等分布型であるため、業種構成の多様性・広域商圏機能・都市サービス機能の充実度を示す指標として読み取れます。ただし各業種の労働生産性(1人あたり付加価値額等)は章⑤で個別に確認する必要があります。


② 長岡市の産業タイプ(製造業集積型・第2次比率30.3%は集積型内最低18位の境界型)

12項目2位の万能型構造を持ちながら、産業タイプ判定では「製造業集積型」に分類。ただし集積型判定式の閾値+0.3ptの境界位置です。

長岡市の産業タイプは「製造業集積型」ですが、第2次産業比率30.3%は産業タイプ判定式の閾値(第2次≧30.0%)を+0.3ptで超えるギリギリの境界位置で、集積型18市町村内では最低18位の水準となります。章①で確認した「12項目2位のNo.2万能型構造」と対応する境界型集積の性格です。

長岡市の産業構造を数値で確認します。

指標数値県内順位(30市町村中)
産業タイプ製造業集積型
総就業者数(2020年)128,543人2位
第1次産業就業者比率3.4%27位
第2次産業就業者比率30.3%20位
第3次産業就業者比率64.6%5位
主要業種1位製造業 27,370人全就業者の21.3%
製造品出荷額(2022年)約6,571億円2位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)、経済産業省(工業統計調査 令和4年)

→ 総就業者128,543人は県内2位・製造品出荷額6,571億円も県内2位ですが、第2次比率30.3%は集積型判定式閾値30.0%を+0.3ptで超えるギリギリの境界位置で集積型内最低18位です。

集積型18市町村内での境界位置

集積型に分類される18市町村内で第2次比率の分布を確認します。

集積型内順位市町村第2次比率
1位燕市40.4%
2位小千谷市38.1%
3位聖籠町36.8%
4位五泉市36.2%
5位糸魚川市35.5%
6位三条市35.4%
18位(最低)長岡市30.3%

→ 集積型グループ内で長岡市30.3%は最低18位で、集積型上位の燕市40.4%・小千谷市38.1%・聖籠町36.8%とは5〜10pt離れた水準です。

集積型内で第2次比率が最も低いのは長岡市30.3%で、仮に第2次比率が30.0%未満であれば産業タイプは「複合型」に分類されるため、長岡市の集積型分類は境界ギリギリの位置にあります。

一方、第3次産業比率64.6%(県内5位)は集積型分類の中では例外的に高く、県内で第3次比率が長岡市より高いのは湯沢町・新潟市・南魚沼市・十日町市の4市町のみです。

長岡市の産業構造は、「製造業集積型」というラベルを持ちながら、実質的には「都市サービス機能を伴った境界型集積」と読み取れます。章①で確認した「12項目2位の万能型構造」と、この境界型集積の性格は表裏一体の関係にあります。


③ 産業別就業者数と分布(総就業者128,543人・第3次64.6%の分布)

長岡市の産業別就業者比率と県内順位を整理します。

指標数値県内順位(30市町村中)
総就業者数128,543人2位
第1次産業就業者比率3.4%27位
第1次産業就業者数4,324人
第2次産業就業者比率30.3%20位
第2次産業就業者数38,888人
第3次産業就業者比率64.6%5位
第3次産業就業者数83,070人

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 総就業者128,543人(県内2位)・第3次64.6%(県内5位)で、集積型分類の中では第3次比率が例外的に高い分布です。

総就業者数128,543人は県内2位で、1位新潟市376,334人の34.2%(約3分の1強)の規模、3位上越市94,235人の約1.36倍の水準となります。第3次産業比率64.6%は県内5位で、県平均(単純平均)59.9%を+4.7ポイント上回ります。第1次産業比率3.4%は県内27位・第2次産業比率30.3%は県内20位です。

▼【グラフ:nagaoka_産業構造.png 新潟県30市町村の産業別就業者比率(2020年・長岡市を強調)】


④ 10年間の産業構造変化(後半5年△5.48%の急減・情報通信+23.1%増・農業△28.7%減)

10年で総就業者△7.7%減少・後半5年△5.48%が前半5年△2.31%の約2.4倍のペースで急減しました。

2010年から2020年までの10年間で、長岡市の総就業者数は△7.7%(△10,665人)減少しました。特徴的なのは減少が後半5年に集中している点で、前半5年(2010→2015)△2.31%に対し後半5年(2015→2020)△5.48%と約2.4倍のペースで急減しています。

2010年から2020年までの就業者数と産業構造の推移を整理します。

総就業者数第1次比率第2次比率第3次比率
2010年(H22)139,208人4.3%31.4%62.1%
2015年(H27)135,990人3.9%31.1%63.7%
2020年(R2)128,543人3.4%30.3%64.6%
10年変化△10,665人(△7.7%)△0.9pt△1.1pt+2.5pt

※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)

→ 総就業者は前半5年△2.31%から後半5年△5.48%へと減少ペースが約2.4倍に加速し、第3次産業比率は+2.5pt上昇して64.6%に達しました。

主要業種の10年間の就業者数変化を整理します。

業種2010年2020年10年変化
情報通信1,435人1,767人+332人(+23.1%)
医療・福祉15,046人16,837人+1,791人(+11.9%)
教育6,107人6,621人+514人(+8.4%)
製造業29,984人27,370人△2,614人(△8.7%)
卸売業・小売業24,466人21,166人△3,300人(△13.5%)
宿泊・飲食業6,873人5,883人△990人(△14.4%)
建設業13,313人11,290人△2,023人(△15.2%)
農業・林業5,863人4,180人△1,683人(△28.7%)

※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)

→ 情報通信+23.1%が最大増加率・医療福祉+11.9%(+1,791人・絶対数最大増加)が伸長する一方、農業△28.7%・卸小売△13.5%(△3,300人・絶対数最大減少)・建設△15.2%・製造△8.7%が減少しています。

10年間の増加業種は情報通信+23.1%・医療福祉+11.9%・教育+8.4%・複合+6.4%・不動産+6.1%・電気ガス+0.5%の6業種で、いずれも第3次高次業種となります。

情報通信の+23.1%は県内の情報通信業種変化率で9位、医療福祉の+11.9%は絶対数では県内19位ですが+1,791人の伸長は長岡市の業種別増加の中で絶対数最大となります。

一方、減少業種は農業・林業△28.7%(△1,683人)・鉱業△45.8%(△193人)が第1次で減少し、第2次では建設業△15.2%(△2,023人)・製造業△8.7%(△2,614人)が減少しています。

第3次でも卸小売△13.5%(△3,300人・絶対数最大減少)・宿泊飲食△14.4%(△990人)・生活娯楽△15.2%(△820人)・金融保険△9.9%(△322人)が減少し、第3次商業サービス系業種の減少と、情報通信・医療福祉・教育等の高次業種の伸長が同時に進行する構造となっています。

長岡市の総就業者△7.7%減は、県内30市町村で減少幅が下から10番目に小さい水準です。県内で減少幅が特に大きい阿賀町△18.2%・佐渡市△18.0%・関川村△16.1%・糸魚川市△13.6%と比較すると、長岡市の減少幅は県内中位より上(減少幅が小さい方)に位置しています。

長岡市の10年変化は、総就業者数の減少ペースが後半5年に加速する中で、第3次高次業種(情報通信・医療福祉・教育)が伸長し、第1次・第2次と第3次商業サービス系が減少する「第3次サービス化」の構造とみられます。

医療・福祉+11.9%増は高齢化に伴う医療・介護需要の変化がみられ、情報通信+23.1%増は中越地域のIT関連拠点機能の変化がうかがえますが、業種別増減の背景は複数の要因が絡み合うため、単一の因果として断定はできません。

▼【グラフ:nagaoka_産業変化.png 長岡市の産業構造推移(2010→2015→2020年・積み上げ棒)】


⑤ 主要業種の詳細(就業者数上位5業種・製造業21.3%×卸小売16.5%×医療福祉13.1%の分散構造)

就業者数の多い上位5業種を確認します。

順位業種名就業者数就業者比率
1位製造業27,370人21.3%
2位卸売業・小売業21,166人16.5%
3位医療・福祉16,837人13.1%
4位建設業11,290人8.8%
5位その他サービス業6,900人5.4%

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 製造業27,370人(21.3%)が最大業種ですが、卸小売16.5%・医療福祉13.1%も規模が大きく、上位3業種で50.9%を占める分散構造です。

主要業種1位「製造業」の就業者比率21.3%は、単一業種として就業者の約5人に1人を占める水準です。2位の卸売業・小売業(16.5%)との差は+4.8ポイント、3位の医療・福祉(13.1%)との差は+8.2ポイントとなります。

1位から3位までを合わせた上位3業種で全就業者の50.9%を占める構造で、燕市の上位3業種63.4%・新潟市の44.2%と比較すると中間的な集中度に該当します。この分散度は、章①で確認した「19業種中16業種県内2位」の万能型構造と対応しています。

主要業種1位「製造業」の21.3%は、県内で製造業を主要業種1位とする25市町村の中で15番目の水準で、燕市35.2%・三条市28.8%・小千谷市28.6%等の上位集積市町村より低く、集積型分類の中では境界レベルに位置します。長岡市の第2次比率30.3%が集積型内最低18位(章②参照)である構造と対応しています。

主要業種2位「卸売業・小売業」(21,166人・16.5%)は県内2位で、県内合計171,625人のうち約12.33%が長岡市に集中しており、中越地域の商業拠点機能を反映した水準となっています。

主要業種3位「医療・福祉」(16,837人・13.1%)は県内2位で、章④で確認したとおり10年で+11.9%(+1,791人)成長した業種です。長岡市の業種別10年変化で絶対数最大の増加を示しています。

▼【グラフ:nagaoka_就業者数.png 長岡市の業種別就業者数(2020年・上位10業種)】


⑥ 万能型構造の中で唯一の乖離:製造業の付加価値額のみ県内3位で上越市に抜かれる

12項目2位の万能型構造の中で唯一の乖離:出荷額・現金給与総額・事業所数・従業者数が県内2位ですが、付加価値額だけ約2,564億円で県内3位となり、上越市(約2,878億円)に追い抜かれます。

章①で確認した「12項目2位のNo.2万能型構造」の中で、唯一の乖離が製造業の付加価値額です。長岡市の製造業は製造品出荷額約6,571億円(県内2位)・現金給与総額約983億円(県内2位)・製造業事業所数854か所(県内2位)・製造業従業者数25,045人(県内2位)の規模5指標が県内2位ですが、付加価値額のみ約2,564億円で県内3位(1位新潟市4,553億円・2位上越市2,878億円)となり、上越市が長岡市を315億円・1.12倍上回る乖離構造となっています。

2022年の製造業指標を規模と効率の両面で整理します。

指標数値県内順位
製造品出荷額(2022年)約6,571億円2位
付加価値額(2022年)約2,564億円3位
現金給与総額(2022年)約983億円2位
付加価値率39.0%22位
製造業事業所数854か所2位
製造業従業者数25,045人2位
1人あたり出荷額約2,624万円/人12位
1人あたり付加価値額1,024万円/人15位

※出典:経済産業省(工業統計調査 令和4年)※従業者4人以上の事業所が対象

→ 出荷額・現金給与総額・事業所数・従業者数の規模4指標は県内2位ですが、付加価値額のみ県内3位で、1人あたり付加価値額は県内15位となっています。

新潟市・長岡市・上越市の3市製造業指標を対比します。

指標新潟市長岡市上越市
産業タイプ複合型製造業集積型高付加価値製造業型
総就業者数376,334人128,543人94,235人
製造品出荷額約11,851億円約6,571億円約5,901億円
付加価値額約4,553億円約2,564億円約2,878億円
現金給与総額約1,390億円約983億円約709億円
製造業事業所数1,068854373
製造業従業者数35,970人25,045人16,008人
1人あたり付加価値額1,266万円/人1,024万円/人1,798万円/人
事業所あたり従業者数約33.7人約29.3人約42.9人
付加価値率38.4%39.0%48.8%

※出典:経済産業省(工業統計調査 令和4年)

→ 出荷額・従業者数では長岡が上越を上回りますが、付加価値額では上越(約2,878億円)が長岡(約2,564億円)を1.12倍上回り、付加価値率でも上越48.8%が長岡39.0%を9.8pt上回っています。

「多数中規模事業所」型構造との対応

長岡市の「規模5指標2位×付加価値額のみ3位」の乖離パターンは、上越市(高付加価値製造業型)との構造対比の中で明確になります。上越市は事業所数373・従業者数16,008人と長岡市の約44%・64%の規模ですが、1事業所あたり従業者数約42.9人・付加価値率48.8%と、少数の大規模事業所を持つ構造となります。

一方、長岡市は事業所数854・従業者25,045人・1事業所あたり約29.3人・付加価値率39.0%で、多数の中規模事業所を広く抱える構造と読み取れます。これは章①の「万能型構造」(単一業種依存ではなく多業種均等分布)と、事業所規模の面でも整合的な性格です。

1人あたり付加価値額1,024万円/人は県内15位で、県平均(加重平均)1,188万円/人を約164万円下回ります。

県内で1人あたり付加価値額の上位には妙高市2,146万円・胎内市1,959万円・上越市1,798万円・阿賀野市1,516万円等が並び、少数の大規模事業所や特定業種(電力・化学・食品加工大手等)が単独立地する市町村が中心となっています。長岡市の1,024万円は、集積型分類18市町村内では8位の水準です。

長岡市の製造業は、県内で新潟市に次ぐ2位の絶対規模を持ちながら、付加価値額では上越市(高付加価値製造業型)に追い抜かれる「規模5指標2位×付加価値額3位」の乖離構造をとります。

この乖離は、上越市の「少数大規模事業所×高付加価値率」型と、長岡市の「多数中規模事業所×中間付加価値率」型の構造差とみられます。1人あたり付加価値額は製造業事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性指標であり、個別事業所の給与や賃金水準そのものではない点に注意が必要です。

▼【グラフ:nagaoka_県内ランキング.png 新潟県内 製造品出荷額ランキング(長岡市を強調)】


⑦ 農業(経営体2位×耕地2位×1戸あたり14位×1haあたり23位・大規模水田地帯とコシヒカリ)

経営体3,795戸(県内2位)・経営耕地14,079ha(県内2位)と規模最大級ですが、1戸あたり453万円(14位)・1haあたり122万円(23位)と効率は中位〜下位に位置します。

農業も章①で確認した「12項目2位の万能型構造」の一部で、経営体数・経営耕地面積が県内2位です。ただし、農業産出額と単位あたり効率は規模順位と乖離しており、大規模水田地帯を広く抱える稲作主体の構造が特徴となります。

農業の規模と効率を整理します。

指標数値県内順位
農業産出額(2022年推計)約172億円4位
農業経営体数(2020年)3,795戸2位
経営耕地面積(2020年)約14,079ha2位
農家1戸あたり産出額453万円/戸14位
農地1haあたり産出額122万円/ha23位

※出典:農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年・農林業センサス 令和2年)

→ 経営体3,795戸(県内2位)・耕地14,079ha(県内2位)と規模最大級ですが、1戸あたり453万円(14位)・1haあたり122万円(23位)と効率は中位〜下位です。

「規模2位×効率下位」の乖離構造

長岡市の農業経営体数3,795戸は新潟市(7,032戸)に次ぐ県内2位、経営耕地面積約14,079haも新潟市(約28,463ha)に次ぐ県内2位で、いずれも規模最大級の水準です。

一方、農業産出額約172億円は県内4位(1位新潟市約535億円・2位新発田市約236億円・3位村上市約209億円)で、規模順位より2ランク下位に位置します。

単位あたり指標は県中位〜下位に位置します。

  • 農家1戸あたり産出額453万円/戸(県内14位):経営体数順位2位と12ランクの乖離
  • 農地1haあたり産出額122万円/ha(県内23位):耕地面積順位2位と21ランクの乖離

参考までに、1戸あたり産出額の上位市町村は新発田市1,266万円・村上市1,262万円・胎内市1,039万円・弥彦村861万円・新潟市761万円等で、いずれも園芸・畜産・果樹等の高付加価値農業を含む市町村となります。

1haあたり産出額の上位は阿賀町360万円・村上市331万円・胎内市289万円・津南町278万円等で、傾斜地の果樹・野菜栽培や畜産を含む市町村が並びます。

長岡市の「規模2位×1戸あたり14位×1haあたり23位」の乖離パターンは、これらの「高付加価値農業型」とは異なり、大規模水田地帯を広く抱える稲作主体の構造とみられます。

主要農産品

長岡市の主な農産品は、コシヒカリ(山古志・栃尾・川口地区を含む中越地方の稲作地帯)と、市が推進する「長岡野菜16品目」(伝統野菜・地域特産野菜)、およびえだまめ(越一寸)等の野菜類です(長岡市公式情報・JA越後ながおか・JA柏崎ながおか等の公表情報より)。

2005年〜2010年にかけて旧栃尾市・旧山古志村・旧川口町等を含む周辺10市町村と合併した広域自治体で、越後平野・山間地域の両方を含む広範な農業地帯を保有しています。

経営耕地面積約14,079ha(約141km²)は市域内に大規模水田地帯が広がる規模で、都市部と農村部が同一市域に混在する構造となります。

製造業集積型の中の農業の位置

長岡市は産業タイプ「製造業集積型」で第1次産業就業者比率3.4%(県内27位)と低位ですが、農業産出額約172億円(県内4位)の水準を保有しています。製造業集積型18市町村内では農業産出額2位(1位村上市約209億円)で、集積型分類の中でも農業の規模が例外的に大きな市町村とみられます。


⑧ 中越地域の中核×製造業集積型グループ内最大規模(集積型内で規模6指標1位×境界型集積構造)

製造業集積型18市町村内で規模6指標が1位で集積型総就業者の28.9%を占めますが、第2次比率30.3%は集積型内最低18位の境界型集積構造です。

長岡市は中越地域の中核都市として、県内で最も製造業集積が濃い中越地域の10市町村(長岡・三条・燕・柏崎・見附・小千谷・加茂・弥彦・田上・出雲崎)の中心に位置します。

本章では、製造業集積型18市町村内での長岡市の位置と、中越地域内での位置の2つの視点で長岡市の広域構造を整理します。

製造業集積型18市町村内での長岡市の位置

産業タイプ「製造業集積型」に分類される18市町村の中での長岡市の位置を確認します。

指標長岡市の値集積型内順位(/18)
総就業者数128,543人1位
製造品出荷額約6,571億円1位
付加価値額約2,564億円1位
現金給与総額約983億円1位
製造業事業所数854か所1位
製造業従業者数25,045人1位
農業産出額約172億円2位
第2次産業比率30.3%18位(集積型内で最低)
1人あたり付加価値額1,024万円/人8位
付加価値率39.0%13位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)・経済産業省(工業統計調査 令和4年)・農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)

→ 集積型18市町村内で規模6指標が1位・集積型グループ全体の総就業者の28.9%を占めますが、第2次産業比率30.3%は集積型内最低18位となります。

集積型18市町村の総就業者合計444,935人のうち、長岡市の128,543人は28.9%(約3割)を占めます。

製造品出荷額・付加価値額・現金給与総額・製造業事業所数・製造業従業者数の6項目も集積型グループ内で1位で、長岡市が製造業集積型グループ全体の中で規模最大の中核市であることが数値で確認できます。

一方、第2次産業比率30.3%は集積型内で最低18位で、集積型上位の燕市40.4%・小千谷市38.1%・聖籠町36.8%等とは5〜10pt離れた水準です。

中越地域内での長岡市の位置

中越地域の産業タイプ分布を確認します。

市町村産業タイプ総就業者数第2次比率
長岡市製造業集積型128,543人30.3%
三条市製造業集積型49,378人35.4%
燕市製造業集積型41,335人40.4%
柏崎市製造業集積型38,970人34.5%
見附市製造業集積型20,045人34.5%
小千谷市製造業集積型17,202人38.1%
加茂市製造業集積型12,736人34.1%
弥彦村製造業集積型4,154人34.9%
田上町製造業集積型5,462人32.2%
出雲崎町製造業集積型1,998人32.3%
十日町市複合型26,103人29.0%
南魚沼市複合型28,656人27.8%
湯沢町複合型3,822人14.4%
津南町農業型4,914人23.0%

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 中越地域14市町村のうち10市町村が製造業集積型で県内で最も製造業集積が濃い地域です。長岡市は中核として2位三条市(49,378人)の約2.6倍の総就業規模を持ちます。

中越地域14市町村のうち10市町村が「製造業集積型」に分類され、県内で最も製造業集積が濃い地域となります。

長岡市の総就業者128,543人は中越地域の他集積型市町村(三条市49,378人・燕市41,335人・柏崎市38,970人等)を大きく上回り、中越地域の中核として2位三条市の約2.6倍の規模となっています。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

長岡市は製造業集積型18市町村内で規模6指標1位(集積型総就業者の28.9%を占める)でありながら、第2次比率30.3%は集積型内最低18位の境界型集積構造という乖離を持ちます。

これは、中越地域の中核都市として製造業以外の第3次サービス機能(卸小売・医療福祉・教育等)も県内2位規模で保有しているためで、章①で確認した「12項目2位のNo.2万能型構造」と一体の性格となります。長岡市を「製造業集積型の中核」と「中越地域の広域拠点」の両面から捉えることが、集積型グループ内の他市町村(燕市・三条市・小千谷市等)との構造的な差異を理解するうえで妥当な視点となります。


⑨ 就職・起業・移住検討者への読み方

本章は「長岡市 移住」「長岡市 就職」「長岡市 起業」等の検索意図に対する、産業構造データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。

視点1:就職・転職検討者向け(県内2位規模の多業種選択肢)

長岡市は総就業者128,543人(県内2位)・主要業種1位製造業27,370人(21.3%)・2位卸小売21,166人(16.5%)・3位医療福祉16,837人(13.1%)と、県内2位の規模かつ多業種の選択肢を持つ労働市場となります。章①で確認した「19業種中16業種県内2位」の万能型構造が、就業者側の視点からは「多業種の選択肢」として現れます。

読み取り材料データ根拠
労働市場の規模(多業種)総就業者128,543人(県内2位・新潟市の34.2%規模)
製造業の就業機会製造業27,370人(21.3%・県内2位)・事業所ベース従業者25,045人・事業所854か所(県内2位)
商業関連の就業機会卸小売21,166人(16.5%・県内2位)・県内シェア12.33%
医療・福祉分野の就業機会医療福祉16,837人(13.1%・県内2位)・10年で+11.9%(+1,791人・絶対数最大増加)
第3次高次業種の選択肢情報通信1,767人(県内2位・10年+23.1%)・金融保険2,932人(2位)・学術技術2,931人(2位)・教育6,621人(2位)

長岡市は県内で新潟市に次ぐ規模の労働市場で、19業種中16業種が県内2位を占める均等分布型構造です。特に医療福祉と情報通信は10年で伸長した業種で、求人比率の変化がみられます。

1人あたり付加価値額1,024万円(県内15位)は製造業事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性指標で、個別事業所の給与そのものではありません。

視点2:起業・出店検討者向け(県内2位規模の広域商圏)

長岡市の産業構造は製造業21.3%を主軸としつつ、卸小売16.5%・医療福祉13.1%・建設業8.8%・その他サービス5.4%が上位を占め、事業所ベースの幅広い需要基盤を持ちます。「12項目2位の万能型構造」は起業・出店の視点からは「BtoC・BtoBともに幅広い需要基盤」として現れます。

読み取り材料データ根拠
卸小売BtoC・BtoBの市場規模卸小売就業者21,166人(県内2位・県内シェア12.33%)・中越地域の商業拠点機能
製造業BtoB市場の規模製造品出荷額約6,571億円(県内2位)・現金給与総額約983億円(県内2位)・事業所854か所(県内2位)
医療福祉関連の需要拡大医療福祉就業者16,837人・10年で+11.9%(+1,791人)増加
情報通信関連の需要拡大情報通信就業者1,767人(県内2位)・10年で+23.1%(+332人・最大増加率)
農業BtoC・BtoBの規模農業産出額約172億円(県内4位)・経営体3,795戸(2位)・経営耕地約14,079ha(2位)

長岡市は中越地域の中核として、県内2位規模の広域商圏を対象とした事業基盤があるとみられます。中越地域14市町村のうち10市町村が製造業集積型で、県内で最も製造業集積が濃い地域の中核に位置します。

視点3:移住検討者向け(中越地域の中核×複合的な産業構造)

長岡市は中越地域の中核都市で、生活サービスに関わる業種(医療福祉16,837人・卸小売21,166人)が県内2位規模で、農業も一定規模(産出額約172億円・県内4位)を保有する複合的な産業構造を持ちます。

読み取り材料データ根拠
生活サービスの水準医療福祉16,837人(13.1%・県内2位)・卸小売21,166人(16.5%・県内2位)
就業先の選択肢の広さ上位3業種で全就業者の50.9%(残り49.1%は他16業種に分散・県内2位規模の業種構成)
中越地域の中核機能教育6,621人(県内2位)・その他サービス6,900人(県内2位)・公務3,629人(3位)
農業・水稲+長岡野菜農業経営体3,795戸(県内2位)・経営耕地14,079ha(県内2位)・主要農産品コシヒカリ/長岡野菜16品目/えだまめ(越一寸)等
地理的位置(中越地域中核)2005年合併の広域自治体(旧栃尾市・旧山古志村・旧川口町等を含む)・信越本線・上越新幹線の要衝

個別の医療施設・商業施設・住環境・住宅コスト・保育・学校情報は本記事の範囲外です。移住の意思決定にあたっては、これらの別データを別途参照してください。

⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、移住・就業・起業の意思決定を代替するものではありません。


⑩ データの見方・注意点

産業タイプ分類は目安です

本記事の「産業タイプ」(製造業集積型・高付加価値製造業型・農業型・複合型・都市サービス型等)は、産業別就業者比率と製造業指標を組み合わせた分類です。同一タイプでも市町村ごとに主要業種・規模・変化パターンは異なるため、タイプラベルだけで判断せず、本文の各指標を合わせて確認してください。

就業者比率と生産性は別指標です

第1/2/3次産業の就業者比率は「誰がどこで働いているか」を示す指標です。1人あたり付加価値額(製造業事業所ベース)は「製造業の労働生産性の目安」を示す別の指標であり、就業者比率が高いほど生産性が高いとは限りません。

製造業指標は事業所ベースです

⑥で提示する製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額は、経済産業省「工業統計調査」の事業所ベース集計です。市町村内に本社を置く企業ではなく、事業所(工場・作業所等)が市町村内にあることが集計基準となります。県外本社の事業所も含まれる場合があります。

農業産出額は推計値です

⑦で提示する農業産出額は農林水産省「市町村別農業産出額(推計)」による推計値です。市町村単位の農業産出額は農林水産省が農業経営体調査・作物統計等から推計しており、実額とは差が生じる場合があります。

農業産出額と農家収入は別です

農業産出額は市町村内で生産された農産物の推定額(生産額ベース)で、農家の手取り収入とは異なります。生産コスト・流通経費・農業経営体の規模差により、産出額と農家収入の関係は市町村ごとに異なります。

主要業種比率の分母は総就業者数です

③〜⑤で提示する主要業種の比率は、国勢調査「産業(大分類)別就業者数」を分母として計算しています。分母は当該市町村に居住する15歳以上就業者(従業地ではなく居住地ベース)です。市町村外へ通勤する就業者も含まれます。

10年変化は国勢調査5年ごとの比較です

④で提示する2010年→2015年→2020年の10年変化は、国勢調査(5年ごと実施)の3時点比較です。年次データではないため、単年度のショック(特定事業所の開設・閉鎖等)の影響が5年間の中で吸収されている場合があります。

産業タイプは順位ではありません

産業タイプの分類(製造業集積型等)は市町村の産業構造の特徴を示す分類であり、優劣を示すものではありません。「複合型」が「農業型」より優れているという意味ではなく、産業の集中度や分散度の違いを示す指標です。


まとめ

長岡市の産業構造の中心軸:新潟市に次ぐ12項目2位の「No.2万能型構造」

  • 新潟市に次ぐ県内2位指標が12項目(総就業・製造品出荷・現金給与・製造業事業所・製造業従業者・農業経営体・耕地面積・製造業・医療福祉・卸小売・建設・教育のすべて)で揃う「No.2万能型構造」が長岡市の中心軸
  • 19業種のうち16業種が県内2位で、単一業種依存ではなく多業種を県内2位で保有する均等分布型構造。県内で長岡市に固有の分布パターン
  • 産業タイプは製造業集積型、第2次比率30.3%は集積型判定式閾値30.0%を+0.3ptで超える境界位置(集積型内では最低18位)
  • 上位3業種で50.9%を占める分散構造(燕市63.4%・新潟市44.2%と比較して中間的な集中度)

万能型構造の中で唯一の乖離:付加価値額のみ県内3位

  • 製造品出荷額約6,571億円(県内2位)・現金給与総額約983億円(県内2位)の規模ですが、付加価値額のみ約2,564億円で県内3位(上越市約2,878億円に1.12倍で追い抜かれる)
  • 1人あたり付加価値額1,024万円(県内15位)で、県平均加重1,188万円を約164万円下回る
  • 上越市(少数大規模事業所×付加価値率48.8%)と長岡市(多数中規模事業所×付加価値率39.0%)の構造差
  • 農業経営体3,795戸(県内2位)・経営耕地約14,079ha(県内2位)の規模最大級ですが、1戸あたり453万円(14位)・1haあたり122万円(23位)の「大規模水田型」構造

集積型グループ内での位置

  • 製造業集積型18市町村内では規模6指標1位(集積型グループ全体の総就業者の28.9%を占める)×第2次比率は集積型内最低18位の乖離
  • 中越地域14市町村のうち10市町村が製造業集積型で、県内で最も製造業集積が濃い地域の中核(2位三条市の約2.6倍の総就業規模)

10年間の産業構造変化

2010年から2020年にかけて総就業者は△7.7%(△10,665人)減少しました。特徴的なのは減少ペースが後半5年に加速している点で、前半5年△2.31%に対し後半5年△5.48%と約2.4倍のペースで減少しています。

業種別では情報通信+23.1%が最大増加率・医療福祉+11.9%(+1,791人・絶対数最大増加)・教育+8.4%が伸長する一方、農業△28.7%・建設△15.2%・宿泊飲食△14.4%・卸小売△13.5%(△3,300人・絶対数最大減少)・製造△8.7%が減少しました。

第3次産業比率は+2.5pt上昇して64.6%に達し、就業者△7.7%減は県内で減少幅が下から10番目に小さい水準です。

派生指標で見える意外な観察

  • 新潟市に次ぐ「県内2位」指標が12項目:19業種中16業種が県内2位で、農業・林業(3位)・公務(3位)・電気ガス(3位)・漁業(4位)を除いて、ほぼすべての業種で新潟市に次ぐ2位を保有する「No.2の万能型構造」
  • 付加価値額のみ県内3位で上越市に追い抜かれる:規模5指標2位×付加価値額3位の乖離で、上越市(高付加価値製造業型・少数大規模事業所×付加価値率48.8%)と長岡市(多数中規模事業所×付加価値率39.0%)の構造差
  • 製造業集積型18市町村中で規模6指標1位×第2次比率は集積型内最低18位:集積型グループ全体の総就業者の28.9%を占める中核でありながら、第2次比率30.3%は集積型判定式閾値30.0%を+0.3ptで超えるギリギリの境界位置
  • 後半5年△5.48%が前半5年△2.31%の約2.4倍のペースで急減:10年変化の中で減少が後半に集中しており、業種別では情報通信+23.1%・農業△28.7%の両極的変化
  • 業種別10年変化の両極:増加率トップ情報通信+23.1%(+332人)×絶対数最大増加 医療福祉+11.9%(+1,791人)×絶対数最大減少 卸小売△13.5%(△3,300人)×最大減少率 農業△28.7%(△1,683人)
  • 農業「経営体2位×耕地2位×1戸あたり14位×1haあたり23位」:規模順位は県内最大級ですが、単位あたり効率は中位〜下位で、大規模水田地帯を広く抱える稲作主体の構造

この記事の執筆・データについて

執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和2年(2020年)国勢調査/令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額(推計)/令和2年(2020年)農林業センサス/令和3年(2021年)経済センサス-活動調査
更新日: 2026-09-05
運営者情報: https://niigata-data.com/運営者情報/
データの利用について: https://niigata-data.com/privacy-policy/

本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・事業判断助言ではありません。移住・就業・起業・出店等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。


出典

  • 産業別就業者数(第1〜3次産業・主要業種):
    総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)
  • 製造品出荷額・製造業従業者数・付加価値額:
    経済産業省(工業統計調査 令和4年)
  • 農業産出額:
    農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)
  • 農家数・農地面積:
    農林水産省(農林業センサス 令和2年)
  • 事業所数・従業者数:
    総務省・経済産業省(経済センサス-活動調査 令和3年)

派生値の算出方法:

本記事で使用する「県平均・県合計・倍率」等の派生値は、新潟県30市町村の集計値から算出しました。

  • 県平均:30市町村の該当指標の単純平均
  • 県合計:30市町村の該当指標の合計値
  • 県内順位:30市町村を該当指標の降順(または昇順)でソートした順位
  • 1人あたり付加価値額:付加価値額 ÷ 製造業従業者数(工業統計調査の事業所ベース)
  • 主要業種比率:業種別就業者数 ÷ 総就業者数(国勢調査)

データ基準日:令和2年(2020年)国勢調査・令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額
次回更新推奨:令和7年(2025年)国勢調査データ公表後、令和6年(2024年)工業統計調査データ公表後

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