加茂市では年間84戸の住宅が着工されています(R5年度)。新潟県30市町村の中で着工戸数は15位、1,000人あたり着工戸数は8位です。
H25年度比で-21.5%減少(107戸→84戸で△23戸)と、県内で3割以上減少している21市町村と比べて減少幅は小さめです。用途別に対照的な10年変化があり、持家が-49%減少した一方、貸家は+67%増加(18戸→30戸)、分譲は+800%増加(1戸→9戸)と、持家減少に対して貸家・分譲は増加する構造変化が進んでいます。持家比率82.2%→53.6%へ大きく低下しました。
この記事では、国土交通省「建築着工統計調査」をもとに、加茂市の住宅着工件数の推移・持家と貸家の内訳・人口比較・県内での位置づけを整理します。
この記事でわかること
- R5年度(2023年度)の新設住宅着工戸数は84戸(県内15位・1,000人あたり8位)
- H25年度比で-21.5%減少
- 着工住宅のうち持家53.6%(45戸)・貸家35.7%(30戸)・給与住宅0.0%(0戸)・分譲10.7%(9戸)
- 1,000人あたり着工戸数は3.49戸/千人(県平均2.70戸・県内8位)
① 住宅着工サマリー(R5年度)
加茂市の住宅着工の現状を確認します。
| 区分 | 着工戸数 | 比率 | 県内順位 |
|---|---|---|---|
| 合計 | 84戸 | — | 15位 |
| 持家 | 45戸 | 53.6% | — |
| 貸家 | 30戸 | 35.7% | — |
| 給与住宅(社宅等) | 0戸 | 0.0% | — |
| 分譲住宅 | 9戸 | 10.7% | — |
※出典:国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度)
持家が53.6%、貸家が35.7%で、貸家比率が比較的高い構成です。貸家比率35.7%は近隣で最も高く、三条市(21.4%)・五泉市(18.8%)・燕市(18.3%)を上回っています。分譲比率10.7%も近隣中位、給与住宅(社宅等)は0戸です。
▼【グラフ:kamo_県内ランキング.png 新潟県30市町村 新設住宅着工戸数ランキング(R5年度・加茂市を強調)】

② 住宅着工の推移(H25→H30→R5)
過去10年間(2013〜2023年度)の住宅着工件数の変化を確認します。
| 年度 | 合計 | 持家 | 貸家 | 給与 | 分譲 |
|---|---|---|---|---|---|
| H25年度(2013年度) | 107戸 | 88戸 | 18戸 | 0戸 | 1戸 |
| H30年度(2018年度) | 108戸 | 77戸 | 20戸 | 1戸 | 10戸 |
| R5年度(2023年度) | 84戸 | 45戸 | 30戸 | 0戸 | 9戸 |
| 10年変化(H25→R5) | -21.5%減少 | -48.9% | +66.7% | — | +800.0% |
加茂市の合計着工戸数はH25年度の107戸からR5年度の84戸へ推移しました(△23戸・-21.5%)。減少は5年前のH30時点まではほぼ横ばい(+0.9%)だったものが、H30→R5の5年間で-22.2%と直近5年間で減少に転じました。県内で3割以上減少している21市町村と比較すると、加茂市の減少幅は小さめです。
10年間の推移を用途別に見ると対照的な変化があります。持家が-48.9%減少(88戸→45戸で△43戸)と大きく減少した一方、貸家は+66.7%増加(18戸→30戸で+12戸)、分譲は+800.0%増加(1戸→9戸で+8戸)と増加しています。持家-43戸に対し貸家・分譲は+20戸増加した形となり、全体減少幅が小さめに抑えられました。用途構成は持家82.2%→53.6%へ大きく変化しています。
▼【グラフ:kamo_着工推移.png 加茂市と近隣市町村の住宅着工推移(H25→H30→R5)】

③ 用途別の内訳と変化
着工住宅の内訳(持家・貸家・分譲)の変化を確認します。
| 用途 | H25年度 | H30年度 | R5年度 | 10年変化 |
|---|---|---|---|---|
| 持家 | 88戸(82.2%) | 77戸(71.3%) | 45戸(53.6%) | -48.9% |
| 貸家 | 18戸(16.8%) | 20戸(18.5%) | 30戸(35.7%) | +66.7% |
| 給与住宅 | 0戸(0.0%) | 1戸(0.9%) | 0戸(0.0%) | — |
| 分譲 | 1戸(0.9%) | 10戸(9.3%) | 9戸(10.7%) | +800.0% |
H25年度時点で持家が82.2%を占めていたのに対し、R5年度は53.6%となっています。貸家は16.8%→35.7%、分譲は0.9%→10.7%と推移しています。
⚠️ 注意: 着工統計は住宅の「供給側」(建設が開始された住宅の数)を記録したデータです。「特定の用途の着工が多い=その用途の需要が高い」と直接断定することはできません。
▼【グラフ:kamo_用途別.png 加茂市の用途別 新設住宅着工内訳(R5年度)】

④ 人口との比較(1,000人あたり着工戸数)
人口規模が異なる市町村を比較するため、人口1,000人あたりの着工戸数を確認します。
| 指標 | 加茂市 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 人口(R7年1月1日) | 24,079人 | — |
| 着工戸数(R5年度) | 84戸 | 15位 |
| 1,000人あたり着工戸数 | 3.49戸 | 8位 |
加茂市の1,000人あたり着工戸数は3.49戸/千人で、新潟県30市町村の8位です。県平均(2.70戸/千人)の約1.3倍で、着工総数(15位)より人口比の順位(8位)が大きく高く、人口規模の割に着工数が多い市町村となっています。人口24,079人と近隣の中で小さい部類ながら、着工戸数を維持しています。
⑤ 県内での位置づけ(近隣市町村比較)
加茂市と近隣市町村(三条市・田上町・五泉市・阿賀野市・燕市)の住宅着工戸数(R5年度)を比較します。
| 市町村名 | 着工戸数(合計) | 1,000人あたり | 持家比率 |
|---|---|---|---|
| 加茂市 | 84戸 | 3.49戸 | 53.6% |
| 三条市 | 308戸 | 3.38戸 | 66.6% |
| 田上町 | 17戸 | 1.61戸 | 100.0% |
| 五泉市 | 128戸 | 2.80戸 | 71.9% |
| 阿賀野市 | 141戸 | 3.60戸 | 82.3% |
| 燕市 | 421戸 | 5.54戸 | 55.3% |
加茂市の着工戸数84戸は近隣6市町村で5位で、燕市(421戸)・三条市(308戸)・阿賀野市(141戸)・五泉市(128戸)を下回り、田上町(17戸)を上回っています。持家比率53.6%は近隣で最も低く、燕市(55.3%)に近い水準で、五泉市(71.9%)・阿賀野市(82.3%)・田上町(100.0%)・三条市(66.6%)と比べて低くなっています。1,000人あたりでは3.49戸で、燕市(5.54戸)・阿賀野市(3.60戸)に次ぐ近隣3位となっています。
⑥ データの見方・注意点
着工戸数は住宅需要を直接示すものではありません
建築着工統計の着工戸数は、建設が開始された住宅の数を記録したものです。着工を決定するのは建て主(持家の場合)や建築業者・不動産業者(貸家・分譲の場合)であり、着工数の多さが直接的に「住宅需要の強さ」を示すものではありません。この記事でも「〜の着工が多い」「〜の割合が高い」までをデータから述べています。
小規模市町村のデータ変動について
年間の着工件数が少ない市町村では、1〜2件の変動が変化率に大きく影響します。単年度の変化率のみで「増加傾向」「減少傾向」と判断するには注意が必要です。
まとめ
加茂市の住宅着工の特徴
- R5年度(2023年度)の住宅着工は84戸で県内15位、1,000人あたり着工は3.49戸で8位(着工総数より人口比の順位が大きく高い)
- H25→R5の10年で-21.5%減少(△23戸)。H25→H30はほぼ横ばい(+0.9%)で、H30→R5の5年間で-22.2%と直近5年間で減少に転じた。県内で3割以上減少している21市町村と比較すると減少幅は小さめ
- 着工住宅の53.6%が持家、35.7%が貸家(近隣で最も高い貸家比率)、10.7%が分譲
- 用途別に対照的な10年変化:持家-48.9%減少(88戸→45戸で△43戸)/貸家+66.7%増加(18戸→30戸で+12戸)/分譲+800%増加(1戸→9戸で+8戸)。持家-43戸に対し貸家・分譲は+20戸増加。持家中心構造から用途多様化へ変化
出典
- 新設住宅着工戸数・用途別内訳:
国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度・平成30年度・平成25年度) - 人口(1,000人あたり計算用):
総務省(住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数 令和7年1月1日現在) - 産業タイプ:
総務省(国勢調査 令和2年)
データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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