上越市では年間643戸の住宅が着工されています(R5年度)。上位2都市(新潟市4,049戸・長岡市1,094戸)に次ぐ県内3位で、1,000人あたり着工戸数は7位です。
H25年度比で-43.8%減少(1,144戸→643戸で△501戸)と上位3市の中では最大の減少幅を示しています。貸家が10年で-72%減少(386戸→107戸で△279戸)と急激に落ち込む一方、分譲住宅は+104%増加(48戸→98戸)と2倍超に拡大しました。貸家減少幅(△279戸)と持家減少幅(△277戸)はほぼ同規模で、両者で全体減少(△501戸)の大部分を占めます。
この記事では、国土交通省「建築着工統計調査」をもとに、上越市の住宅着工件数の推移・持家と貸家の内訳・人口比較・県内での位置づけを整理します。
この記事でわかること
- R5年度(2023年度)の新設住宅着工戸数は643戸(県内3位・1,000人あたり7位)
- H25年度比で-43.8%減少
- 着工住宅のうち持家67.3%(433戸)・貸家16.6%(107戸)・給与住宅0.8%(5戸)・分譲15.2%(98戸)
- 1,000人あたり着工戸数は3.56戸/千人(県平均2.70戸・県内7位)
① 住宅着工サマリー(R5年度)
上越市の住宅着工の現状を確認します。
| 区分 | 着工戸数 | 比率 | 県内順位 |
|---|---|---|---|
| 合計 | 643戸 | — | 3位 |
| 持家 | 433戸 | 67.3% | — |
| 貸家 | 107戸 | 16.6% | — |
| 給与住宅(社宅等) | 5戸 | 0.8% | — |
| 分譲住宅 | 98戸 | 15.2% | — |
※出典:国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度)
持家が67.3%を占め、戸建てが中心となっています。分譲比率15.2%は県内で中位程度、給与住宅(社宅等)5戸・0.8%と近隣中規模市町村より若干高い水準です。
▼【グラフ:joetsu_県内ランキング.png 新潟県30市町村 新設住宅着工戸数ランキング(R5年度・上越市を強調)】

② 住宅着工の推移(H25→H30→R5)
過去10年間(2013〜2023年度)の住宅着工件数の変化を確認します。
| 年度 | 合計 | 持家 | 貸家 | 給与 | 分譲 |
|---|---|---|---|---|---|
| H25年度(2013年度) | 1,144戸 | 710戸 | 386戸 | 0戸 | 48戸 |
| H30年度(2018年度) | 1,104戸 | 531戸 | 473戸 | 1戸 | 99戸 |
| R5年度(2023年度) | 643戸 | 433戸 | 107戸 | 5戸 | 98戸 |
| 10年変化(H25→R5) | -43.8%減少 | -39.0% | -72.3% | — | +104.2% |
上越市の合計着工戸数はH25年度の1,144戸からR5年度の643戸へ推移しました(△501戸・-43.8%)。減少はH25→H30の5年間で-3.5%と緩やかでしたが、H30→R5の5年間で-41.8%と急激に進みました。減少ペースが後半5年で加速しており、上位3市(新潟市・長岡市・上越市)の中では減少幅が最も大きくなっています。
10年間の推移を用途別に見ると、持家が-39.0%減少(710戸→433戸で△277戸)、貸家が-72.3%減少(386戸→107戸で△279戸)と大きく減少した一方、分譲は+104.2%増加(48戸→98戸で+50戸)と2倍超に拡大しています。貸家の減少幅(△279戸)と持家の減少幅(△277戸)はほぼ同規模で、両者で全体減少(△501戸)の大部分を占めます。
▼【グラフ:joetsu_着工推移.png 上越市と近隣市町村の住宅着工推移(H25→H30→R5)】

③ 用途別の内訳と変化
着工住宅の内訳(持家・貸家・分譲)の変化を確認します。
| 用途 | H25年度 | H30年度 | R5年度 | 10年変化 |
|---|---|---|---|---|
| 持家 | 710戸(62.1%) | 531戸(48.1%) | 433戸(67.3%) | -39.0% |
| 貸家 | 386戸(33.7%) | 473戸(42.8%) | 107戸(16.6%) | -72.3% |
| 給与住宅 | 0戸(0.0%) | 1戸(0.1%) | 5戸(0.8%) | — |
| 分譲 | 48戸(4.2%) | 99戸(9.0%) | 98戸(15.2%) | +104.2% |
H25年度時点で持家が62.1%を占めていたのに対し、R5年度は67.3%となっています。貸家は33.7%→16.6%、分譲は4.2%→15.2%と推移しています。
⚠️ 注意: 着工統計は住宅の「供給側」(建設が開始された住宅の数)を記録したデータです。「特定の用途の着工が多い=その用途の需要が高い」と直接断定することはできません。
▼【グラフ:joetsu_用途別.png 上越市の用途別 新設住宅着工内訳(R5年度)】

④ 人口との比較(1,000人あたり着工戸数)
人口規模が異なる市町村を比較するため、人口1,000人あたりの着工戸数を確認します。
| 指標 | 上越市 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 人口(R7年1月1日) | 180,440人 | — |
| 着工戸数(R5年度) | 643戸 | 3位 |
| 1,000人あたり着工戸数 | 3.56戸 | 7位 |
上越市の1,000人あたり着工戸数は3.56戸/千人で、新潟県30市町村の7位です。県平均(2.70戸/千人)の約1.3倍で、上位(新潟市5.32戸・長岡市4.29戸)よりは低い水準です。着工総数は県内3位ですが、人口規模が県内3位(180,440人)と大きいため人口比では7位となっています。
⑤ 県内での位置づけ(近隣市町村比較)
上越市と近隣市町村(妙高市・糸魚川市・柏崎市・南魚沼市・十日町市)の住宅着工戸数(R5年度)を比較します。
| 市町村名 | 着工戸数(合計) | 1,000人あたり | 持家比率 |
|---|---|---|---|
| 上越市 | 643戸 | 3.56戸 | 67.3% |
| 妙高市 | 62戸 | 2.10戸 | 90.3% |
| 糸魚川市 | 93戸 | 2.44戸 | 58.1% |
| 柏崎市 | 191戸 | 2.51戸 | 66.0% |
| 南魚沼市 | 118戸 | 2.25戸 | 89.8% |
| 十日町市 | 64戸 | 1.36戸 | 96.9% |
上越市の着工戸数643戸は近隣5市町村のなかで最多で、2位の柏崎市(191戸)の約3.4倍にあたります。持家比率67.3%は柏崎市(66.0%)と近い水準で、妙高市(90.3%)・南魚沼市(89.8%)・十日町市(96.9%)と比較すると分譲・貸家の存在感が大きい構成です。1,000人あたりでは3.56戸で近隣で最も高く、2位の柏崎市(2.51戸)を上回っています。
⑥ データの見方・注意点
着工戸数は住宅需要を直接示すものではありません
建築着工統計の着工戸数は、建設が開始された住宅の数を記録したものです。着工を決定するのは建て主(持家の場合)や建築業者・不動産業者(貸家・分譲の場合)であり、着工数の多さが直接的に「住宅需要の強さ」を示すものではありません。この記事でも「〜の着工が多い」「〜の割合が高い」までをデータから述べています。
小規模市町村のデータ変動について
年間の着工件数が少ない市町村では、1〜2件の変動が変化率に大きく影響します。単年度の変化率のみで「増加傾向」「減少傾向」と判断するには注意が必要です。
まとめ
上越市の住宅着工の特徴
- R5年度(2023年度)の住宅着工は643戸で県内3位(新潟市・長岡市に次ぐ)、1,000人あたり着工は3.56戸で7位
- H25→R5の10年で-43.8%減少(△501戸)。上位3市の中で最大の減少幅で、特にH30→R5の5年間で-41.8%と後半5年で急減
- 着工住宅の67.3%が持家、16.6%が貸家、15.2%が分譲。近隣中規模市町村(柏崎市66.0%)に近い戸建て中心の構成
- 用途別に対照的な10年変化:貸家が-72.3%減少(386戸→107戸で△279戸)/持家が-39.0%減少(710戸→433戸で△277戸)/分譲が+104.2%増加(48戸→98戸で+50戸)と2倍超に拡大
出典
- 新設住宅着工戸数・用途別内訳:
国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度・平成30年度・平成25年度) - 人口(1,000人あたり計算用):
総務省(住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数 令和7年1月1日現在) - 産業タイプ:
総務省(国勢調査 令和2年)
データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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