田上町の観光客データ ピーク月でも年間の10.4%で県内で一番平坦、年間79.1万人は県内20位

市町村

田上町は年間 79.1 万人の観光客が訪れる県内 20 位の観光地です。県全体(約 6,336 万人)の 1.25% を占めます。

田上町の観光構造で数値上目立つのは、コロナ前(2019 年)比 199.6% で県内 2 位という点です。2019 年の 39.6 万人から 2024 年の 79.1 万人へ、ほぼ 2 倍になっています。県内でコロナ前の 2 倍に達しているのは五泉市(200.0%)と田上町の 2 市町のみです。

もう 1 つの特徴が月別の平坦さです。最多の 10 月(8.2 万人)と最少の 1 月(4.1 万人)の差は 2.0 倍にとどまり、これは阿賀野市と並んで県内で最も小さい振幅です。12 か月のうち 8 か月が月 6.8〜8.2 万人の範囲に収まります。

この記事では、田上町の観光客数を 13 年間の推移・観光分類の内訳・月別の集客カレンダー・主要観光施設 4 か所の集中度から整理します。人口 10,581 人の町に年間 79.1 万人が訪れるとき、その人出がいつ・どこに向かっているのかを数値で確認します。訪問時期を選ぶとき・移住や出店を検討するときの判断材料になる部分もあわせて示します。


▼【グラフ:田上町_県内ランキング.png 新潟県内 30 市町村の観光客入込数ランキング(2024 年・田上町を強調表示)】


田上町の観光を支える 4 施設

田上町で主要観光地点として計上されているのは 4 か所です。

施設名分類2023 年2024 年町全体シェア前年比
道の駅たがみ都市型観光422,742 人447,800 人56.6%+5.9%
ごまどう湯っ多里館温泉・健康124,626 人123,688 人15.6%−0.8%
護摩堂山自然94,500 人89,640 人11.3%−5.1%
湯田上温泉温泉・健康55,030 人55,243 人7.0%+0.4%
施設 4 か所 合計─696,898 人716,371 人90.6%+2.8%

施設把握率 90.6% は県内で高い部類

4 施設の合計 716,371 人は町全体入込 79.1 万人の 90.6% にあたります。施設に計上されていない部分は 9.4%(7.5 万人)のみで、公開データから集客の所在をほぼ追える自治体です。

道の駅たがみが町全体の 56.6%

最大の道の駅たがみは 447,800 人で、町全体の 56.6%(最大施設の集中度・県内 5 位)を占めます。この利用者数は県内の道の駅(15 市町村)で 9 位、主要観光地点を入込数順に並べると 23 位にあたります。

上位 3 施設(道の駅たがみ・ごまどう湯っ多里館・護摩堂山)で 83.6%(県内 4 位)です。

2024 年に増えたのは道の駅

2024 年、4 施設のうち増えたのは道の駅たがみ(+5.9%・+25,058 人)と湯田上温泉(+0.4%)です。ごまどう湯っ多里館(−0.8%)・護摩堂山(−5.1%)は減りました。4 施設の合計は +2.8%、町全体は +3.2% で、ほぼ同じ動きです。

温泉 2 施設(ごまどう湯っ多里館・湯田上温泉)の合計 178,931 人は町全体の 22.6% にあたり、観光分類「温泉・健康」の比率(22.6%)と一致します。


13 年推移(2012〜2024 年):2021 年に水準が変わった

年(和暦)観光客入込数前年比
2012 年(H24)46.5 万人─
2013 年(H25)43.0 万人−7.5%
2014 年(H26)42.2 万人−1.9%
2015 年(H27)40.6 万人−3.8%
2016 年(H28)39.1 万人−3.7%
2017 年(H29)40.6 万人+3.8%
2018 年(H30)39.8 万人−2.0%
2019 年(R1)39.6 万人−0.5%
2020 年(R2)39.9 万人+0.8%
2021 年(R3)64.8 万人+62.4%
2022 年(R4)72.0 万人+11.1%
2023 年(R5)76.6 万人+6.4%
2024 年(R6)79.1 万人(13 年間のピーク)+3.2%

2020 年に前年を上回った県内 2 市町の 1 つ

2020 年(R2)は 39.6 万人から 39.9 万人へ +0.8% と、前年を上回っています。県内 30 市町村で 2020 年に増加したのは阿賀野市(+1.6%)と田上町の 2 市町のみで、他の 28 市町村は減少しました(参考:上越市 −64.2%・佐渡市 −58.9%・柏崎市 −57.2%)。

2021 年に +62.4% で水準が変わった

2012〜2020 年は 39.1〜46.5 万人の幅で推移し、どちらかといえば減少傾向でした。2021 年(R3)に 64.8 万人へ +62.4%(+24.9 万人)と増え、以降 72.0 万人・76.6 万人・79.1 万人と積み上げています。

2024 年の 79.1 万人は 13 年間で最も多い年です。2012 年(46.5 万人)と比べても +32.6 万人、13 年変化は +83.8%(県内 4 位) にあたります。

コロナ前比 199.6%(県内 2 位)

2019 年(39.6 万人)と 2024 年(79.1 万人)を比べると 199.6%(県内 2 位) です。県内でコロナ前の 2 倍に達しているのは五泉市(200.0%)と田上町の 2 市町のみで、コロナ前の水準に戻ったのではなく、別の水準へ移ったことを示す数字にあたります。


▼【グラフ:田上町_入込数推移.png 田上町の観光客入込数の推移(2012〜2024 年)】


観光の種類(分類別内訳):都市型 56.6% + 温泉 22.6%

観光分類比率該当施設
都市型観光56.6%道の駅たがみ
温泉・健康22.6%ごまどう湯っ多里館・湯田上温泉
自然11.3%護摩堂山
スポーツ・レクリエーション8.2%─
歴史・文化1.2%─
行祭事・イベント0.0%─

都市型観光 56.6% は道の駅たがみ 1 施設と一致し、温泉・健康 22.6% は温泉 2 施設の合計と一致します。自然 11.3% は護摩堂山です。4 分類と 4 施設がほぼ対応する構成になっています。

スキー場・海水浴場はありません。行祭事・イベントは 0.0% です。


▼【グラフ:田上町_分類別.png 田上町の観光分類別内訳(2024 年)】


月別カレンダー:振幅 2.0 倍・県内で最も平坦な部類

月観光客数年間シェア
1 月(最少)4.1 万人5.2%
2 月4.7 万人5.9%
3 月5.4 万人6.9%
4 月7.5 万人9.5%
5 月8.1 万人10.2%
6 月7.1 万人9.0%
7 月6.8 万人8.6%
8 月7.4 万人9.4%
9 月7.3 万人9.3%
10 月(最多)8.2 万人10.4%
11 月7.5 万人9.4%
12 月4.9 万人6.2%

8 か月が月 6.8〜8.2 万人の範囲

4 月から 11 月までの 8 か月はいずれも月 6.8〜8.2 万人の範囲に収まり、シェアでも 8.6〜10.4% と 1.8 ポイント差です。この 8 か月で年間の 75.8% が入ります。

ピーク月集中度 10.4% は県内で最も低い部類で、「最も混む月」と「それ以外」の差がほとんどありません。

振幅倍率 2.0 倍

最多の 10 月(82,109 人)と最少の 1 月(41,136 人)の比は 2.0 倍です。この振幅は阿賀野市(2.0 倍)と並んで県内で最も小さい水準です。

落ち込むのは 1 月(4.1 万人)・2 月(4.7 万人)・12 月(4.9 万人)の 3 か月ですが、いずれも 4 万人台を保ちます。冬集中度(12〜2 月)は 17.3% で、12 か月を均等に割った 25% に近い水準です。


▼【グラフ:田上町_月別推移.png 田上町の月別観光客数(2024 年・R4〜R6 の 3 年比較)】


田上町の観光を選ぶときの判断材料

どの月も月 4〜8 万人台で収まります。差が小さいことが訪問・移住・出店のそれぞれに何を意味するかを見ます。

いつ行っても月 4〜8 万人台

時期月別入込年間シェア
10 月・5 月8.1〜8.2 万人10.2〜10.4%
4 月・11 月・8 月・9 月7.3〜7.5 万人9.3〜9.5%
6 月・7 月6.8〜7.1 万人8.6〜9.0%
3 月5.4 万人6.9%
12 月・2 月・1 月4.1〜4.9 万人5.2〜6.2%

4〜11 月の 8 か月が 6.8〜8.2 万人で並び、その差は 1.2 倍にとどまります。最も少ない 1 月でも 4.1 万人あり、混雑を避けることを理由に訪問月を選ぶ必要は、県内の他の観光地に比べて小さくなります。

集客の 90.6% が 4 施設に集まる

主要観光地点は 4 か所で、合計が町全体の 90.6% を占めます。最大の道の駅たがみで 56.6%、温泉 2 施設で 22.6%、護摩堂山で 11.3% です。

道の駅たがみの利用者数 447,800 人は県内 9 位で、町全体入込の半分以上にあたります。スキー場・海水浴場はなく、行祭事・イベントも 0.0% です。

移住検討者向け:1 年を通して住民の 4 倍以上が訪れる

月入込住民 1 人あたり
10 月(最多)8.2 万人7.76 人(県内 12 位)
1 月(最少)4.1 万人3.89 人

人口 10,581 人に対して、最も混む 10 月は住民 1 人あたり 7.76 人(県内 12 位)です。最少の 1 月でも住民の 3.89 倍が訪れており、1 年を通して観光客が住民数を大きく上回ります。年間の観光客/人口比は 74.73 倍(県内 6 位)です。

さらに面積が 31.71 km² と県内で狭いため、観光客/km² は 24,935.7 人(県内 2 位) になります。1 位は弥彦村(93,437 人)で、田上町はそれに次ぐ密度です。人出は町内の限られた範囲、とくに道の駅たがみ周辺に集まります。

季節による差が小さいぶん、観光客の人出は年間を通してほぼ一定の条件として続きます。特定の繁忙期に偏らず、4 施設が通年で動く構造です。

事業出店検討者向け:通年型の需要と 1 施設への集中

月別需要は 4.1〜8.2 万人で、振幅 2.0 倍(県内最小級)です。季節営業ではなく通年営業を前提にできる需要の形といえます。

一方で需要の 56.6% が道の駅たがみ 1 施設に集まり、4 施設合計では 90.6% です。この 4 か所から離れた立地では観光客の通行量がほとんど計上されていません。観光客/km² が県内 2 位である一方、需要の所在は限られた範囲に集中しています。


田上町のデータを見るときの注意点

1. 2021 年に水準が変わっている

2012〜2020 年は 39.1〜46.5 万人で推移していましたが、2021 年に 64.8 万人(+62.4%)へ増え、以降 70 万人台で推移しています。この前後で水準が異なるため、2021 年をまたぐ比較には集計対象施設の範囲を含めた確認が必要です。

2. コロナ前比 199.6% は「回復」ではない

コロナ前比 199.6%(県内 2 位)は、2019 年(39.6 万人)の水準に戻ったのではなく、その 2 倍に達していることを示します。基準となる 2019 年が 13 年間で低い部類の年であった点も含めて見る必要があります。

3. 4 分類と 4 施設がほぼ対応している

観光分類の都市型 56.6%・温泉健康 22.6%・自然 11.3% は、それぞれ道の駅たがみ・温泉 2 施設・護摩堂山と数値が一致します。分類別の比率は、実質的にこの 4 施設の内訳として読むことになります。

4. 推計値・宿泊内訳の非公表

観光客入込数は各観光施設の利用者数を市町村が集計・推計した値で、実測値ではありません。市町村ごとに集計対象施設・カウント方法が異なるため、市町村間の比較は「概ねの規模感」として扱う必要があります。宿泊者数・日帰り客数の内訳、消費額の市区町村別データは新潟県の調査で非公表です。


まとめ

2024 年の田上町(数値一覧)

項目2024 年県内順位
観光客入込数79.1 万人(県全体の 1.25%)・13 年間のピーク20 位
前年比+3.2%11 位
コロナ前(2019 年)比199.6%2 位
長期変化(2013 年→2024 年)+83.8%4 位
最多月10 月 8.2 万人(10.4%)─
最少月1 月 4.1 万人(5.2%)・振幅 2.0 倍振幅の小ささ 県内最小級
冬集中度(12〜2 月)17.3%─
ピーク月入込/人口比7.76 人12 位
最少月入込/人口比3.89 人─
最大の観光分類都市型観光 56.6%─
主要観光地点数4 か所─
最大施設道の駅たがみ(56.6%)施設集中度 5 位
上位 3 施設集中度83.6%4 位
施設 4 か所の把握率90.6%─
道の駅利用者数(1 施設)447,800 人9 位
観光客/人口比74.73 倍6 位
観光客/km²24,935.7 人2 位

この数値が示していること

田上町で県内上位に並ぶのは、コロナ前比 199.6%(2 位)・13 年変化 +83.8%(4 位)・観光客/km² 24,935.7 人(2 位)・観光客/人口比 74.73 倍(6 位)です。入込の絶対数は 20 位ですが、「伸び」と「密度」の指標では上位に入ります。

増加がいつ起きたかは 13 年の推移に表れています。2012〜2020 年は 39.1〜46.5 万人の幅で、どちらかといえば減少傾向でした。2021 年に +62.4%(39.9 万人 → 64.8 万人)と増え、以降 72.0 万人・76.6 万人・79.1 万人と積み上げています。コロナ前比 199.6% という数字は、2019 年の水準に戻ったのではなく別の水準へ移ったことを指しています。なお 2020 年は前年比 +0.8% と、県内で 2 市町しかない「コロナ年に増えた自治体」の 1 つでもあります。

集客の形は、県内でも平坦かつ集中しています。振幅 2.0 倍は阿賀野市と並んで県内最小級で、4〜11 月の 8 か月が月 6.8〜8.2 万人で並び、最少の 1 月でも住民 1 人あたり 3.89 人が訪れます。一方で需要の 56.6% は道の駅たがみ 1 施設に、90.6% は 4 施設に集まっています。面積 31.71 km² に対する観光客/km² が県内 2 位であることと合わせると、「年間を通して、狭い範囲に、一定の人出がある」という形の町です。


出典

  • 観光客入込数:新潟県観光政策課(令和 6 年観光客入込数・消費額調査)
  • 主要観光地点入込数:新潟県観光政策課(同調査 表 7)
  • 人口:新潟県(住民基本台帳人口 令和 7 年 1 月 1 日現在)

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