柏崎市の1人当たり所得は県内6位(292.8万円)|変化率26位・上位10位で額と変化率の順位差20ランク(2番目の乖離)・製造業集積型のデータ(R5年度)

市町村

柏崎市(新潟県中越地域・中越12市町村の1つ)の1人当たり課税対象所得(R5年度)は 292.8万円 で、新潟県30市町村中 6位 です。

10年で +8.8%(+23.6万円) 変化しましたが、変化率の順位は県内 26位(単独同率) で、額の順位(6位)と変化率の順位(26位)に 20ランクの乖離 が観察できます。この20ランク差は所得上位10位の中で 2番目に大きい乖離幅(1位は刈羽村22ランク差)です。推計手取りは 343.7万円(県内6位)で、10年で+11.7万円(+3.5%)変化しています。

主要業種1位は製造業(就業者比率22.5%)で、産業タイプは 製造業集積型、付加価値額 約892.8億円は県内6位、製造品出荷額 約2,015.5億円も県内6位 の中規模製造業集積の構造です。

この記事は、総務省「市町村税課税状況等の調べ」ほかの公的統計をもとに、柏崎市の所得水準・10年変化・上位10位で2番目に大きい順位乖離・所得種類別の内訳・中越12市町村内での位置づけ・製造業集積型の産業構造・移住検討者/事業者への読み方までを、記事単体で判断材料が読み取れる構造で整理したものです。


この記事でわかること

  • R5年度の1人当たり課税対象所得は 292.8万円(県内 6位/30市町村中)・県平均+15.7万円・県中央値+19.5万円
  • H25→R5の10年変化は +8.8%(+23.6万円) で、変化率順位は県内 26位(単独同率)
  • 上位10位で額と変化率の順位差が 20ランク(6位 vs 26位) で、上位10位で2番目に大きい乖離(1位は刈羽村22ランク差)
  • 所得割納税義務者 37,331人(県内シェア3.65%・県内7位)のうち 80.5%が給与所得者(単独同率)、農業所得者は0.1%(3市町村同率)、その他所得者は16.9%(上位10位で最高値)
  • 課税対象所得総額 約1,092.9億円(県内シェア3.57%・県内7位)・課税対象所得の10年変化率は +2.9% で、上位10位内では2番目に低い水準(1位は刈羽村+2.5%)
  • 1人当たり住民税(所得割)は約 9.7万円・実効税率 3.3%(8市町村同率)
  • 推計手取りはR5の 343.7万円(県内6位)・10年で +11.7万円(+3.5%)・変化率順位は県内 25位
  • 産業タイプは 製造業集積型、主要業種1位は 製造業22.5%(8,755人)、付加価値額県内6位・製造品出荷額県内6位
  • 中越12市町村では 3位(長岡・三条に次ぐ)、中越圏内の県内順位範囲は 県内3〜30位

① 柏崎市の1人当たり所得(R5年度サマリー)

柏崎市の住民所得の全体像を数値で確認します。

指標数値県内順位(30市町村中)
1人当たり課税対象所得292.8万円6位
所得割納税義務者数37,331人7位
課税対象所得(総額)約1,092.9億円7位
推計手取り343.7万円6位
1人当たり住民税(実額)約9.7万円6位
実効税率3.3%3位(8市町村同率)

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)

1人当たり所得は県内6位、規模指標(所得割納税義務者数・課税対象所得総額)は県内7位で、規模指標(7位)と1人当たり指標(6位)で1ランクの差があります。県平均(277.1万円)を +15.7万円、県中央値(273.3万円)を +19.5万円 上回っています。県内1位の新潟市(319.5万円)との差は -26.7万円、県内30位(津南町 256.7万円)との差は +36.1万円 です。

所得割納税義務者の県内シェアは 3.65%、課税対象所得総額のシェアは 3.57% で、シェア差 -0.08ポイント(3.57% – 3.65%)は、柏崎市の課税対象所得の集約度が納税義務者数の集約度をわずかに下回っていることを示す観察です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

規模指標(7位)と1人当たり指標(6位)で1ランクの差がある構造は、柏崎市が県内で「規模帯の中位・1人当たり水準が上位帯」に位置していることを示す観察です。県内で1人当たり所得が柏崎市を上回るのは新潟市・上越市・長岡市・燕市・三条市の5市町村で、いずれも県内主要製造業関連地域または政令市に該当します。柏崎市の県内6位という位置は、上位10位の中で中位に位置しています。


▼【グラフ:kashiwazaki_県内ランキング.png 新潟県30市町村 1人当たり課税対象所得ランキング(R5年度・柏崎市を強調)】


② 県内順位と中越圏内での位置づけ|県内6位・県内7位刈羽村と+0.3万円差の近接帯・中越圏3位で長岡三条に次ぐ

R5年度の1人当たり課税対象所得の県内上位10市町村を確認します。

順位市町村1人当たり所得10年変化率変化率順位地域
1位新潟市319.5万円+11.3%20位下越
2位上越市305.4万円+11.5%17位(同率)上越
3位長岡市302.5万円+11.5%17位(同率)中越
4位燕市300.8万円+15.6%4位下越
5位三条市297.9万円+13.9%9位中越
6位柏崎市292.8万円+8.8%26位(単独同率)中越
7位刈羽村292.5万円+7.2%29位中越
8位糸魚川市286.6万円+15.0%6位上越
9位妙高市284.3万円+11.7%15位上越
10位新発田市283.9万円+11.7%15位(同率)下越
  • 県平均:277.1万円(柏崎市 +15.7万円)
  • 県中央値:273.3万円(柏崎市 +19.5万円)
  • 県30位(津南町)との差:+36.1万円

柏崎市の1人当たり所得は上位10位中で6番目の水準にあります。上位5位の市町村(新潟・上越・長岡・燕・三条)はいずれも1人当たり所得297万円台以上で、柏崎市(292.8万円)との差は5.1万円〜26.7万円の範囲です。一方、県内7位の刈羽村(292.5万円)との差は +0.3万円 と近接しており、6位・7位はほぼ同水準に並んでいます。柏崎市(6位)はこの 近接帯(6位・7位)の上位側 に位置し、中越圏の中越12市町村では長岡市(3位)・三条市(5位)に次ぐ3番目です。

中越12市町村内での位置づけ

柏崎市は中越12市町村(長岡市・三条市・刈羽村・湯沢町・小千谷市・南魚沼市・見附市・出雲崎町・十日町市・魚沼市・津南町)で1人当たり所得 3位 です。中越圏内1位は長岡市(302.5万円・県内3位)、2位は三条市(297.9万円・県内5位)で、柏崎市はこれに次ぐ位置となります。

中越圏の県内順位範囲は 県内3〜30位 で、圏内に県内3位(長岡市)から県内30位(津南町)まで含まれる分布です。圏内格差(長岡市302.5万円 − 津南町256.7万円)は 45.8万円 で、県格差62.8万円(1位-30位)の約73%を占めます。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

柏崎市(6位)と刈羽村(7位)で +0.3万円差(近接帯) を形成する構造は、県内上位10位の中で最も接近した順位ペアの1つです。中越圏12市町村のうち柏崎市は3位で、長岡市・三条市とともに圏内上位3市を構成しています。この上位3市はいずれも産業タイプが製造業関連(長岡市:製造業集積型・三条市:製造業集積型・柏崎市:製造業集積型)で、中越圏の中で1人当たり所得の上位帯を占める観察となります。中越圏は下越圏(1〜29位・幅28ランク)や上越圏(2〜9位・幅7ランク)と異なり、県内3位から30位までの広い分布幅(幅27ランク)を持つ圏域で、柏崎市はその中で上位3位に位置します。


③ 10年間の推移と「額6位・変化率26位」の20ランク乖離|上位10位で2番目に大きい差・前後半ほぼ同率+4.3%の推移

過去10年間(H25→H30→R5)の住民所得の変化を確認します。

指標H25→R5の10年変化
1人当たり課税対象所得+23.6万円(+8.8%)
実効税率-0.2ポイント
課税対象所得(総額)+2.9%
納税義務者数-2,124人(-5.38%)
推計手取り+11.7万円(+3.5%)
推定給与収入+17.1万円

前半(H25→H30)の1人当たり所得の変化率は +4.27%、後半(H30→R5)は +4.32% で、前後半でほぼ同率(差+0.05ポイント)の推移となっています。上位10位の多くの市町村では後半5年に変化幅が加速するパターン(燕市・糸魚川市・妙高市などは後半変化率が前半を大きく上回る推移)が観察されますが、柏崎市は前後半でほぼ変化幅が変わらない推移です。この 前後半ほぼ同率+4.3% の推移は、上位10位内で観察例の少ないパターンです。

「額6位・変化率26位」の20ランク乖離(上位10位で2番目)

R5の1人当たり所得ランキングは県内6位、10年変化率ランキングは県内26位(変化率は柏崎市の単独同率)で、その差は 20ランク です。この20ランクの順位差は、県内上位10位10市町村の中で 2番目に大きい乖離幅(1位は刈羽村22ランク差)となっています。

上位10位に含まれる10市町村を「額と変化率の乖離」で分類すると:

  • 乖離が大きい上位グループ(額上位・変化率下位):新潟市(1位 vs 20位・差19ランク)・上越市(2位 vs 17位・差15ランク)・長岡市(3位 vs 17位・差14ランク)・柏崎市(6位 vs 26位・差20ランク)・刈羽村(7位 vs 29位・差22ランク)
  • 乖離が小さい上位グループ(額上位・変化率も上位):燕市(4位 vs 4位)・三条市(5位 vs 9位)・糸魚川市(8位 vs 6位)・妙高市(9位 vs 15位)・新発田市(10位 vs 15位)

柏崎市は前者に属し、上位10位で額と変化率の順位差20ランクは 2番目に大きい乖離幅(1位は刈羽村22ランク・変化率順位29位・額7位の組合せ)です。同じ「乖離が大きい上位グループ」5市町村の中でも、柏崎市(20ランク)と刈羽村(22ランク)は乖離幅が19ランク以上で並び、新潟・上越・長岡の主要3市(14〜19ランク)より大きい乖離幅です。刈羽村は変化率29位・額7位の組合せ、柏崎市は変化率26位・額6位の組合せで、いずれも「額上位・変化率下位」に振れた極端側の構造です。

課税対象所得10年変化率+2.9%は上位10位で2番目に低い水準

課税対象所得(総額)の10年変化率は +2.9% で、上位10位10市町村の中で 2番目に低い水準(1位は刈羽村+2.5%)です。上位10位のうち大部分は+7%以上の範囲にあり(刈羽村+2.5%・妙高市+4.9%を除く)、柏崎市の +2.9% はその大部分の水準を+4ポイント以上下回る値です。

この構造には納税義務者数の10年変化 -2,124人(-5.38%) が対応しており、1人当たり所得の +8.8% の変化に対して、課税対象所得(総額)の伸びは納税義務者数の減少で打ち消される形で +2.9% にとどまっています。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

10年変化率+8.8%(県内26位・単独同率)という順位は、柏崎市が「1人当たり所得の水準は県内上位帯(6位)を維持する一方、10年の伸び幅は上位グループの中で相対的に鈍化している」構造にあることを示す観察です。上位10位の中で変化率20位以下の市町村は新潟市(20位)・柏崎市(26位)・刈羽村(29位)の3市町村で、この3市町村はいずれも額と変化率の順位差が19〜22ランクの範囲にあります。柏崎市はこの中で額の順位(6位)と変化率の順位(26位)の差が20ランクとなっており、上位10位では刈羽村22ランクに次ぐ 2番目に大きい乖離幅 です。刈羽村と同じ「乖離が特に大きい」極端側に位置しますが、柏崎市は前半+4.27%・後半+4.32%とほぼ同率で緩やかに推移した経路である点が、上位10位の中で観察例の少ないパターンとなります。因果関係の断定ではなく、額と変化率の順位パターン・前後半の変化幅の分布を観察したものです。


▼【グラフ:kashiwazaki_所得推移.png 柏崎市の1人当たり課税対象所得の推移(H25→H30→R5)】


④ 所得種類別の内訳(給与所得者80.5%・その他所得者16.9%の構造)

所得割納税義務者の所得源泉の内訳を確認します。

所得区分納税義務者数比率
給与所得者30,053人80.5%
営業等所得者934人2.5%
農業所得者52人0.1%
その他6,292人16.9%
合計37,331人100%

給与所得者が80.5%を占めています。営業等所得者は2.5%、農業所得者は0.1%、その他(年金所得等を含む)は16.9%です。給与所得者比率80.5%は県内24位で、この比率は柏崎市 単独同率 の値です。

上位10位10市町村の給与所得者比率を並べると、新潟81.9%・上越82.7%・長岡82.6%・燕84.9%・三条83.2%・柏崎80.5%・刈羽83.0%・糸魚川80.1%・妙高81.4%・新発田82.2%です。柏崎市80.5%は上位10位の中で糸魚川市80.1%に次ぐ2番目に低い水準となります。

その他所得者比率16.9%は上位10位で最も高い水準

その他所得者比率16.9%は、上位10位10市町村の中で最も高い値です。上位10位の他9市町村のその他所得者比率はいずれも柏崎市の16.9%を下回っており、柏崎市は上位10位内で「給与所得以外の所得区分(年金所得等を含むその他)の比重が最も厚い」構造として観察できます。

農業所得者比率0.1%は、柏崎市・糸魚川市・湯沢町の 3市町村同率グループ に属します。柏崎市の農業所得者数52人は絶対数として県内下位、納税義務者数37,331人という分母のもとで比率は0.1%となります。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

給与所得者比率80.5%が単独同率であり、その他所得者比率16.9%が上位10位で最高値であるという観察は、柏崎市の所得構成が「給与所得以外の所得区分の比重が県内上位帯の中で相対的に厚い」構造にあることを示すデータです。給与所得者数30,053人は絶対数として上位10位内で中位の規模、営業等所得者934人・農業所得者52人は絶対数としても比率としても下位に位置します。

農業産出額は 46.7億円(県内16位) と規模がある一方、農業所得者比率は0.1%と低い水準です。就業形態と所得申告の関係で、農業由来の生活水準は課税対象所得に完全には反映されない可能性があります(⑨データの見方参照)。


▼【グラフ:kashiwazaki_所得種類別.png 柏崎市の所得種類別 所得割納税義務者数(R5年度)】


⑤ 推計手取りと住民税・実効税率|手取り6位・変化率25位で19ランク乖離・実効税率3.3%は8市町村同率

住民税(所得割)の実額と、社会保険料・所得税を含む推計手取りの構造を確認します。

住民税(所得割)と実効税率

指標H25年度R5年度10年変化
1人当たり住民税(所得割)約9.5万円約9.7万円(97,498円)+0.3万円(実額ベース)
実効税率(住民税÷課税対象所得)3.5%3.3%-0.2ポイント

R5の実効税率3.3%は県内 3位、柏崎市・上越市・長岡市・燕市・三条市・刈羽村・糸魚川市・湯沢町の 8市町村同率 に属します。県平均差は +0.1ポイント で県平均とほぼ同水準です。上位10位の中では、新潟市の実効税率4.5%(県内1位・単独同率)に対して、他9市町村は3.2〜3.3%の範囲に集中しています。同率8市町村のうち、分母(1人当たり課税対象所得)が県内6位に位置するのは柏崎市で、1人当たり住民税の実額としても県内6位となります。

10年間の実効税率の変化 -0.2ポイント(H25:3.5% → R5:3.3%)はマイナス方向で、柏崎市の1人当たり住民税実額の変化率が1人当たり所得の10年変化率+8.8%を下回るため、実効税率は結果として低下しています。上位10位の中では、上越市・長岡市も同じく-0.2ポイントの実効税率低下を観察しており、新潟市(+0.9ポイント上昇)を除く上位帯の多くは横ばい〜低下方向の推移となっています。

推計手取りの構造

課税対象所得(給与所得)から給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、各年度の公式保険料率・税制を用いて手取りを試算しました。

項目R5年度10年変化(H25→R5)
推定給与収入(※1)約421.0万円+17.1万円
1人当たり住民税(実額)約9.7万円+0.3万円(概算)
推計手取り約343.7万円+11.7万円(+3.5%)

推計手取り343.7万円は県内 6位、推計手取り変化率+3.5%は県内 25位 で、額と変化率の順位に 19ランクの乖離 があります。1人当たり所得における20ランクの乖離(6位 vs 26位)と同型(額上位・変化率下位)のパターンが、推計手取りでもほぼ同じ幅で観察されます。1人当たり所得の20ランク乖離が上位10位で2番目に大きい乖離幅であるのに対して、推計手取りでも19ランクという近い幅で同型の乖離が現れる構造です。

手取り転換率68.4%の観察

推定給与収入(額面)の10年増加+17.1万円のうち、税・社会保険料の増加を差し引いた後に手取りとして残る割合は 68.4%(手取り転換率)です。給与収入増+17.1万円のうち約32%(+5.4万円分)は社会保険料・所得税・住民税実額の増加に吸収され、手取りとして残るのは +11.7万円となっています。

県内上位10位の他市町村と比較すると、柏崎市の手取り転換率68.4%は概ね70%前後の水準にあり、上位10位内では中程度に位置します。実効税率が10年で-0.2ポイントとやや低下していること、給与収入の10年増加幅+17.1万円が上位10位の中では下位帯(新潟市+27.9万円・上越市+26.7万円と比べて小さい)ことが対応した観察となります(因果関係の断定ではなく、複数指標間の対応関係の観察です)。

※1 給与収入は課税対象所得(給与所得)から各年度の給与所得控除(所得税法の計算式)で逆算した推定値です。
※2 推計手取りの計算モデル・想定料率・控除条件は記事末の「出典」欄に明示しています。


⑥ 柏崎市の主力産業(製造業)と所得構造の対応|製造業22.5%+医療福祉13.7%+卸売業12.7%・付加価値額県内6位・効率指標11位で5ランク差

柏崎市の産業構造と所得水準の対応関係を、複数データで観察します。

産業タイプと就業構造

柏崎市は産業構造マスター(総務省 国勢調査 令和2年)で 製造業集積型 に分類されています。県内で製造業集積型に該当する市町村は複数あり、上位10位内では多くの市町村が製造業関連の産業タイプに属します。

産業別就業者比率(2020年)は第2次産業 34.5%、総就業者数は 38,970人(総就業者数10年変化率 -11.0%)です。総就業者数は10年で約4,800人減少しており、納税義務者数の10年変化 -2,124人(-5.38%)と方向は一致した推移となります。

主要業種は次の通りです。

順位業種就業者比率就業者数
1位製造業22.5%8,755人
2位医療・福祉13.7%5,346人
3位卸売業・小売業12.7%4,939人

3業種合計で就業者の 48.9% を占めます。主要業種1位の製造業22.5%は、上位10位の製造業集積型6市町村(長岡21.3%・三条28.8%・燕35.2%・柏崎22.5%・糸魚川21.2%・刈羽22.4%)の中では中位帯に位置し、燕・三条ほど単一業種に集中していない構成です。

製造業関連の規模指標と効率指標

製造業関連の指標(経済産業省 工業統計調査 令和4年)と農業産出額(農林水産省 令和4年)は次の通りです。

指標数値県内順位
製造業従業者数7,573人上位圏
製造業現金給与総額約326.3億円6位
製造品出荷額約2,015.5億円6位
付加価値額約892.8億円6位
1人あたり付加価値額1,179万円11位
農業産出額46.7億円16位

規模指標(製造品出荷額6位・付加価値額6位・現金給与総額6位)が県内6位でそろっている一方、1人あたり付加価値額(11位)とは 5ランクの順位差 があります。規模指標と効率指標で順位帯が異なる構造の観察です。

上位10位内の製造業関連市町村(長岡市・三条市・燕市・柏崎市・糸魚川市・刈羽村など)の中で、柏崎市の1人あたり付加価値額1,179万円(11位)は中位の水準です。

なお1人あたり付加価値額1,179万円は 製造業事業所ベースの分母 で算出された指標で、住民所得の1人当たり課税対象所得292.8万円(所得割納税義務者ベース)とは分母が異なる別の指標です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

柏崎市の産業構造は「製造業主導(就業者22.5%)・3業種で就業者の48.9%を占める中程度の分散度」と「製造業規模指標県内6位・効率指標県内11位(5ランク差)」の組合せです。1人当たり課税対象所得の県内順位(6位)は、製造業規模指標3種(現金給与総額・出荷額・付加価値額)の県内順位(6位)と同じ順位帯に並んでいる観察となります。県内主要製造業集積地の中で中規模の集積として、中越圏の産業構造の一角を占める構造の観察です。総就業者数の10年変化 -11.0% は納税義務者数の10年変化 -5.38% とほぼ同方向に動いており、就業者数の減少が納税義務者数の減少に対応する構造として観察できます。ただしこれらは所得水準との相関の観察であり、産業構造が住民所得を決定しているという因果関係を意味するものではありません。


⑦ 中越12市町村比較でみる柏崎市の位置|中越圏3位・長岡と三条に次ぐ・上位3市はいずれも製造業関連

柏崎市が属する中越圏は、県内3圏域(下越・中越・上越)の中で12市町村を含む中規模の圏域です。中越圏の1人当たり所得と産業タイプの分布を確認します。

中越圏の県内順位範囲と柏崎市の位置

中越圏12市町村(長岡市・三条市・柏崎市・刈羽村・湯沢町・小千谷市・南魚沼市・見附市・出雲崎町・十日町市・魚沼市・津南町)の1人当たり所得は、県内順位で 3位(長岡市)から30位(津南町) まで広く分布します。柏崎市は中越圏内3位、県内6位に位置します。

中越圏上位3市町村を並べると:

中越順位市町村1人当たり所得県内順位
1位長岡市302.5万円3位
2位三条市297.9万円5位
3位柏崎市292.8万円6位
4位刈羽村292.5万円7位

中越圏上位3市(長岡・三条・柏崎)はいずれも県内順位3〜6位に集中し、上位10位以内に収まっています。3市の1人当たり所得の差は最大で 9.7万円(長岡市 – 柏崎市)と近接した水準で、柏崎市(292.8万円)は3位・4位帯(柏崎292.8・刈羽292.5)の上位側に位置します。中越圏の上位3市(長岡・三条・柏崎)はいずれも産業タイプが製造業関連に該当し、この上位3市に次ぐ4位の刈羽村も含めた 中越圏上位4市町村がすべて製造業関連の産業タイプ に属する構成となります。

中越圏の分布幅と圏内格差

中越圏の圏内格差(長岡市302.5万円 − 津南町256.7万円)は 45.8万円 で、県格差62.8万円(1位-30位)の約 73% に相当します。中越圏は3圏域の中で 下越圏に次ぐ広い分布幅(幅27ランク)を持ち、柏崎市はこの中で上位3位に位置します。

参考として、下越圏(幅28ランク・県内1〜29位)は分布幅が最も広い圏域、上越圏(幅7ランク・県内2〜9位)は分布幅が最も狭い圏域です。中越圏はその中間帯で、上位3市(長岡・三条・柏崎)と下位帯(十日町・魚沼・津南)の間に広い分布を持ちます。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

柏崎市は中越圏の上位3市の1つとして、長岡市(302.5万円・県内3位)・三条市(297.9万円・県内5位)に次ぐ位置にあります。3市の所得差は最大9.7万円で、中越圏上位3市は近接した水準で並ぶ構成です。この上位3市はいずれも製造業関連の産業構造を持ち、県内順位3〜6位の帯に並んで観察されます。中越圏の分布幅が県格差の約73%を占めるという構造は、圏内で1人当たり所得の水準が上位帯(3〜6位)と下位帯(20位台後半〜30位)に分かれていることを示す観察です。柏崎市はこの中で上位帯に属する中規模製造業集積地としての位置づけとなります。


⑧ 移住検討者・事業者への読み方

本章は「柏崎市 移住」「柏崎市 平均年収」「柏崎市 製造業」「柏崎市 手取り」等の検索意図に対する、データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。

移住検討者への読み取り材料

読み取り材料データ根拠
中越圏3位・県内6位の所得水準292.8万円・県内6位・県平均+15.7万円
給与所得者中心(80.5%・上位10位で下位帯)給与所得者比率80.5%(単独同率)・給与所得者30,053人
その他所得者比率16.9%は上位10位で最も厚い構造給与以外の所得区分の比重が上位10位で最も高い
実効税率3.3%は8市町村同率・県平均+0.1ポイント実効税率同率グループ8市町村・県平均とほぼ同水準
推計手取りは県内6位水準推計手取り343.7万円・R5想定料率による試算値
中越圏内の分布は上位3市(長岡・三条・柏崎)に集中中越圏3位・県内順位3〜6位に上位3市が並ぶ

事業者への読み取り材料

読み取り材料データ根拠
中越圏3位の商圏(納税義務者37,331人・県内シェア3.65%)納税義務者数県内7位・中越圏内3位
製造業関連BtoB:製造品出荷額県内6位・付加価値額県内6位出荷額2,015.5億円・付加価値額892.8億円
1人あたり付加価値額1,179万円(県内11位)は労働生産性の観察製造業事業所ベースの指標
3業種で就業者の48.9%(産業分散度が中程度)製造22.5+医療13.7+卸売12.7
製造業従業者7,573人・製造業就業者8,755人主要業種1位・就業者比率22.5%
農業産出額46.7億円県内16位・農業所得者比率0.1%(3市町村同率)産出額規模と申告比率の乖離

研究者・地域理解への読み取り材料

読み取り材料データ根拠
額と変化率の順位乖離20ランク(6位 vs 26位)は上位10位で2番目に大きい1人当たり所得ランキング6位・変化率ランキング26位・1位は刈羽村22ランク差
変化率+8.8%は柏崎市の単独同率変化率同率グループは柏崎市のみ
推計手取りでも同型の乖離19ランク(6位 vs 25位)推計手取り6位・推計手取り変化率25位
前半+4.27% vs 後半+4.32%(ほぼ同率の推移)上位10位で観察例の少ないパターン
課税対象所得10年変化率+2.9%は上位10位で2番目に低い大部分は+7%以上(刈羽村+2.5%・妙高市+4.9%を除く)
納税義務者数10年変化-5.38%(-2,124人)総就業者数10年-11.0%と方向一致
その他所得者比率16.9%は上位10位で最も高い給与以外の所得区分の比重の観察
手取り転換率68.4%は上位10位で中程度水準給与収入+17.1万円 vs 手取り+11.7万円
中越圏3市(長岡・三条・柏崎)はいずれも製造業関連圏内上位3市の産業構造

⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、投資助言・移住助言・個別の意思決定を代替するものではありません。


⑨ データの見方・注意点

順位=豊かさではありません

1人当たり課税対象所得の順位は、後述する複数の解釈上の制約を含んだ指標に基づいています。順位が高いことをもって「豊かな地域」「移住すべき地域」等の価値判断を行うことはできません。順位はあくまで所得割の課税ベース上の数値の相対比較です。

課税対象所得は手取り収入ではありません

課税対象所得(合計所得金額)は、給与・事業・農業などの各所得から給与所得控除等の所得種別の控除を差し引いた所得の合計です。ここからさらに基礎控除・社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除等を差し引いた額が住民税・所得税の課税標準となります。課税対象所得と実際の手取り収入は異なります。

推計手取りの計算モデル

⑤の推計手取りは、給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、公式保険料率と概算率を用いた試算値です。想定料率(協会けんぽ新潟県の概算率)と控除モデル(基礎控除・配偶者控除・扶養控除1人)は記事末の「出典」欄に明示しています。実際の手取りは家族構成・扶養控除・iDeCo/生命保険料控除等の個別事情で大きく変動します。

実効税率3.3%(8市町村同率)は「税率設定の違い」ではありません

⑤で提示した実効税率3.3%は「1人当たり住民税実額 ÷ 1人当たり課税対象所得」で算出された結果値です。市町村が独自に税率を3.3%に設定したという意味ではありません。所得規模・控除後所得の構造・所得税との連動の結果として算出された実効的な数値であり、他市町村との差を「税率設定の違い」として解釈することはできません。

課税対象所得10年変化率+2.9%と1人当たり所得10年変化率+8.8%の差

課税対象所得(総額)の10年変化率+2.9%と1人当たり所得の10年変化率+8.8%の差 +5.9ポイントは、納税義務者数の10年変化 -5.38% と対応した観察です。1人当たり所得は伸びていても、納税義務者数(分母)の減少で総額の伸びが打ち消される構造となります。これは因果関係の断定ではなく、指標間の対応関係の観察です。

農業地域では過小表示になる場合があります

農業所得は申告による実額ですが、自家消費・現物収入は含まれない場合があります。柏崎市の農業所得者比率は0.1%(3市町村同率)と低いですが、農業産出額は46.7億円(県内16位)と一定の規模があり、就業形態と所得申告の関係で農業由来の生活水準が課税対象所得に完全には反映されない可能性があります。

所得割納税義務者は全住民ではありません

課税対象所得が控除額を下回る場合(所得が低い・年金受給のみ等)は所得割の納税義務者に含まれません。R5年度の柏崎市の所得割納税義務者数は37,331人で、これは全人口とは異なります。高齢化が進んだ市町村では分母が小さくなり、1人当たり所得が見かけ上高くなる場合があります。

1人あたり付加価値額と1人当たり所得の混同注意

⑥で提示した1人あたり付加価値額 1,179万円(県内11位)は 製造業事業所ベース の指標で、住民所得の1人当たり課税対象所得292.8万円(所得割納税義務者ベース)とは分母が異なる別の指標です。両者を同一の「1人あたり所得」として扱うことはできません。

産業タイプ「製造業集積型」の内訳は本記事の範囲外

産業構造マスターにおける「製造業集積型」は複数市町村に該当する分類です。個別業種(機械・電子部品・素材産業など)の内訳や、事業所別の付加価値構造は本記事の使用データでは扱っていません。個別業種の議論を要する場合は、事業所ベース統計等の別データをご参照ください。


まとめ

柏崎市の住民所得の特徴(データから読み取れる範囲)

  • 1人当たり課税対象所得は 292.8万円 で県内 6位/30市町村中(R5年度)。県平均+15.7万円・県中央値+19.5万円・県内1位の新潟市との差-26.7万円
  • H25→R5の10年で +8.8%(+23.6万円)。前半(H25→H30: +4.27%)と後半(H30→R5: +4.32%)がほぼ同率の推移
  • 所得割納税義務者37,331人(県内シェア3.65%・県内7位)のうち 80.5%が給与所得者(単独同率)、農業所得者は0.1%(3市町村同率:柏崎・糸魚川・湯沢)、その他所得者は16.9%(上位10位で最も厚い)
  • 実効税率 3.3%は8市町村同率(県平均+0.1ポイント・10年-0.2ポイント低下)。1人当たり住民税実額は約9.7万円で県内6位
  • 推計手取りは10年で 約11.7万円増加(+3.5%・県内25位)。給与収入増+17.1万円のうち 68.4% が手取りに転換
  • 産業タイプは 製造業集積型、主要業種1位は 製造業22.5%(8,755人)、付加価値額県内6位・製造品出荷額県内6位
  • 中越圏3位(長岡・三条に次ぐ)・中越圏内の県内順位範囲は県内3〜30位

移住検討者・事業者への読み方(判断材料)

  • 移住検討者: 中越圏3位・県内6位の所得水準・給与所得者中心・製造業就業機会が中規模・実効税率と手取り転換率は県平均近辺の水準・その他所得者比率が上位10位で最も厚い構造
  • 事業者: 中越圏3位の商圏(納税義務者県内シェア3.65%)・製造業関連BtoBは付加価値額県内6位・出荷額県内6位・3業種で就業者48.9%の中程度の分散度
  • 研究者・地域理解: 額と変化率の20ランク乖離は上位10位で2番目に大きい差(1位は刈羽村22ランク)・変化率単独同率・前後半ほぼ同率の推移・課税対象所得10年+2.9%は上位10位で下から2番目(1位は刈羽村+2.5%)・中越圏上位3市は製造業関連の産業構造

派生指標で見える意外な観察

  • 1人当たり所得6位 ですが 10年変化率は26位(単独同率)20ランクの乖離。この20ランク差は上位10位で2番目に大きい乖離幅(1位は刈羽村22ランク)
  • 上位10位で変化率20位以下は3市町村のみ(新潟市20位・柏崎市26位・刈羽村29位)。柏崎市は額の順位(6位)と変化率順位(26位)の差が20ランクで、刈羽村22ランクに次ぐ2番目
  • 推計手取り6位・推計手取り変化率25位19ランクの乖離。1人当たり所得と同型のパターンが観察される
  • 前半変化率+4.27% vs 後半変化率+4.32%(差+0.05ポイント)。上位10位の多くが後半加速するパターンとは異なり、前後半でほぼ同率の推移
  • 課税対象所得10年変化率+2.9%は上位10位で下から2番目(1位は刈羽村+2.5%)。大部分の市町村は+7%以上(刈羽村+2.5%・妙高市+4.9%を除く)で、柏崎市はその大部分の水準を+4ポイント以上下回る
  • 納税義務者数10年-2,124人(-5.38%)。総就業者数10年-11.0%と方向一致
  • 給与所得者比率80.5%は柏崎市の単独同率(県内24位)。上位10位で糸魚川市80.1%に次ぐ2番目の低さ
  • その他所得者比率16.9%は上位10位で最も高い。給与所得以外の所得区分の比重が上位10位で最も厚い構造
  • 農業所得者比率0.1%は3市町村同率(柏崎・糸魚川・湯沢)
  • 実効税率3.3%は8市町村同率(柏崎・上越・長岡・燕・三条・刈羽・糸魚川・湯沢)。10年-0.2ポイント低下は上越市・長岡市と同水準
  • 中越圏12市町村中3位(長岡・三条に次ぐ)。中越圏上位3市はいずれも製造業関連の産業タイプ

この記事の執筆・データについて

執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和5年度(2023年度)市町村税課税状況等の調べ/国勢調査 令和2年/工業統計調査 令和4年/市町村別農業産出額(推計)令和4年
更新日: 2026-09-05
運営者情報: https://niigata-data.com/運営者情報/
データの利用について: https://niigata-data.com/privacy-policy/

本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・税務相談ではありません。移住・就職・事業判断等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。

柏崎市は単一自治体として集計されており、市内地区別(旧柏崎市街地・旧西山町・旧高柳町等)ごとの所得水準・産業構造は本記事の使用データ(柏崎市一括集計)では扱えません。地区別の議論を要する場合は、柏崎市が公表する地区別統計等の別データをご参照ください。


出典

  • 1人当たり課税対象所得・所得割納税義務者数・住民税(所得割)実額・所得種類別納税義務者数:
    総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年・平成30年・平成25年)
  • 産業別就業者数・産業タイプ・主要業種1〜3位・総就業者数・第2次産業比率:
    総務省(国勢調査 令和2年)
  • 製造業従業者数・製造業現金給与総額・製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額:
    経済産業省(工業統計調査 令和4年)
  • 農業産出額:
    農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)

推計値について:
本記事の「推計手取り」は総務省 課税対象所得から社会保険料・所得税・住民税を控除した試算値です。
想定料率:

  • H25:厚生年金 8.737%/健保 4.985%/雇保 0.5%
  • H30:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.3%
  • R5:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.6%
    (協会けんぽ新潟県の概算率を使用)
    控除モデル:基礎控除(H25・H30: 38万、R5: 48万)・配偶者控除・扶養控除1人・社会保険料控除
    データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
    次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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