新潟県30市町村・県平均と中央値との差で見る所得格差マップ(R5年度)

ランキング

新潟県30市町村の1人当たり課税対象所得を、県平均277.1万円県中央値273.3万円
2つの基準からの差で並べると、最上位から最下位までの幅は 62.8万円 になります。

県平均差が最も大きいのは新潟市の+42.5万円、最も小さいのは津南町の-20.3万円で、
1位の新潟市と2位の上越市(+28.3万円)の差は 14.2万円 あります。

県平均277.1万円は県中央値273.3万円より3.8万円高くなっており、
この3.8万円の間に 聖籠町・南魚沼市・胎内市の3市町村が入っています。
この3市町村は「平均で見ると下位半分・中央値で見ると上位半分」という位置づけになります。

30市町村を「県平均超え・中央値超え」「平均以下・中央値超え」「平均以下・中央値以下」に分けると、
両プラス12市町村・狭間3市町村・両マイナス15市町村という分布です。

この記事では、総務省「市町村税課税状況等の調べ」をもとに、
30市町村それぞれの県平均・県中央値からのズレを一覧で確認します。


この記事でわかること

  • 県平均差ランキング1位は新潟市(+42.5万円)、最下位は津南町(-20.3万円)で、県内の格差幅は62.8万円です
  • 県平均差プラスは12市町村、マイナスは18市町村で、平均を境にすると下側に多く分布しています
  • 県平均277.1万円と県中央値273.3万円の3.8万円の間に聖籠町・南魚沼市・胎内市の3市町村が入り、「平均以下・中央値超え」という狭間の位置に立ちます
  • 上越3市(上越・糸魚川・妙高)は全員県平均超えで、県内で唯一「地域内すべての市町村が平均超え」のブロックです
  • 農業型4市町村(関川村・粟島浦村・佐渡市・津南町)は全員県平均以下で、県平均差は-11.2〜-20.3万円の帯に集まっています

① 県平均差ランキング(全30市町村・R5年度)

R5年度(2023年度)の新潟県30市町村について、1人当たり課税対象所得と県平均値(277.1万円)との差を大きい順に並べた一覧です。プラスは県平均超え、マイナスは県平均以下を表します。

順位市町村1人当たり所得県平均差県中央値差地域産業タイプ
1新潟市319.5万円+42.5万円+46.2万円下越複合型
2上越市305.4万円+28.3万円+32.0万円上越高付加価値製造業型
3長岡市302.5万円+25.4万円+29.2万円中越製造業集積型
4燕市300.8万円+23.7万円+27.5万円下越製造業集積型
5三条市297.9万円+20.8万円+24.6万円中越製造業集積型
6柏崎市292.8万円+15.7万円+19.5万円中越製造業集積型
7刈羽村292.5万円+15.4万円+19.1万円中越製造業集積型
8糸魚川市286.6万円+9.5万円+13.3万円上越製造業集積型
9妙高市284.3万円+7.2万円+11.0万円上越高付加価値製造業型
10新発田市283.9万円+6.8万円+10.6万円下越複合型
11湯沢町282.6万円+5.5万円+9.3万円中越複合型
12小千谷市281.3万円+4.2万円+8.0万円中越製造業集積型
13聖籠町275.7万円-1.4万円+2.4万円下越製造業集積型
14南魚沼市274.8万円-2.3万円+1.5万円中越複合型
15胎内市273.9万円-3.2万円+0.6万円下越高付加価値製造業型
16弥彦村272.7万円-4.3万円-0.6万円下越製造業集積型
17見附市271.3万円-5.8万円-2.1万円中越製造業集積型
18出雲崎町267.4万円-9.6万円-5.9万円中越製造業集積型
19十日町市266.6万円-10.5万円-6.7万円中越複合型
20魚沼市266.2万円-10.9万円-7.1万円中越製造業集積型
21関川村265.9万円-11.2万円-7.4万円下越農業型
22粟島浦村265.8万円-11.2万円-7.5万円岩船離島農業型
23阿賀野市265.1万円-12.0万円-8.3万円下越製造業集積型
24田上町261.7万円-15.4万円-11.6万円下越製造業集積型
25五泉市261.3万円-15.8万円-12.1万円下越製造業集積型
26村上市261.1万円-15.9万円-12.2万円下越製造業集積型
27加茂市260.8万円-16.2万円-12.5万円下越製造業集積型
28佐渡市257.9万円-19.2万円-15.4万円佐渡農業型
29阿賀町257.3万円-19.7万円-16.0万円下越製造業集積型
30津南町256.7万円-20.3万円-16.6万円中越農業型

分布の要点:

  • 県内の格差幅(+42.5〜-20.3)は 62.8万円
  • 1位新潟市(+42.5万円)と2位上越市(+28.3万円)の差は 14.2万円 で、1位のみ離れた位置にあります
  • 2位〜12位は約3万円刻みで並び、13位聖籠町以降がマイナスゾーンに入ります
  • 平均以下ゾーンは13位聖籠町から30位津南町までの 18市町村(全体の60.0%)

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)


▼【グラフ:ranking_gap_bar.png 30市町村の県平均差ランキング(プラス〜マイナス)】


② 4分類(県平均差・県中央値差の組み合わせ)

県平均277.1万円と県中央値273.3万円の2つの基準を組み合わせると、30市町村は次の3グループに分かれます。県平均が県中央値より高いため、「平均超え・中央値以下」は論理的に発生しません。

分類定義市町村数全体比
A:平均超え・中央値超え平均差プラスかつ中央値差プラス1240.0%
B:平均以下・中央値超え(狭間ゾーン)平均差マイナスかつ中央値差プラス310.0%
C:平均以下・中央値以下平均差マイナスかつ中央値差マイナス1550.0%
合計30100.0%

分類の要点:

  • A(両プラス)12市町村:県内で「平均から見ても中央値から見ても上位」に立つグループ
  • B(狭間ゾーン)3市町村:県平均と県中央値の3.8万円の間にちょうど入る位置。平均で見ると下位半分・中央値で見ると上位半分という少数派の位置づけ
  • C(両マイナス)15市町村:県内の半数がここに入り、平均・中央値のどちらから見ても下位側

③ 各分類の内訳

分類A:平均超え・中央値超え(12市町村)

順位市町村1人当たり所得県平均差県中央値差地域産業タイプ
1新潟市319.5万円+42.5万円+46.2万円下越複合型
2上越市305.4万円+28.3万円+32.0万円上越高付加価値製造業型
3長岡市302.5万円+25.4万円+29.2万円中越製造業集積型
4燕市300.8万円+23.7万円+27.5万円下越製造業集積型
5三条市297.9万円+20.8万円+24.6万円中越製造業集積型
6柏崎市292.8万円+15.7万円+19.5万円中越製造業集積型
7刈羽村292.5万円+15.4万円+19.1万円中越製造業集積型
8糸魚川市286.6万円+9.5万円+13.3万円上越製造業集積型
9妙高市284.3万円+7.2万円+11.0万円上越高付加価値製造業型
10新発田市283.9万円+6.8万円+10.6万円下越複合型
11湯沢町282.6万円+5.5万円+9.3万円中越複合型
12小千谷市281.3万円+4.2万円+8.0万円中越製造業集積型

分類B:平均以下・中央値超え(狭間ゾーン・3市町村)

順位市町村1人当たり所得県平均差県中央値差地域産業タイプ
13聖籠町275.7万円-1.4万円+2.4万円下越製造業集積型
14南魚沼市274.8万円-2.3万円+1.5万円中越複合型
15胎内市273.9万円-3.2万円+0.6万円下越高付加価値製造業型

3市町村とも、県平均差はマイナス(下位半分)ですが、県中央値差はプラス(上位半分)です。県平均と県中央値の3.8万円のズレの間に位置する市町村になります。

分類C:平均以下・中央値以下(15市町村)

順位市町村1人当たり所得県平均差県中央値差地域産業タイプ
16弥彦村272.7万円-4.3万円-0.6万円下越製造業集積型
17見附市271.3万円-5.8万円-2.1万円中越製造業集積型
18出雲崎町267.4万円-9.6万円-5.9万円中越製造業集積型
19十日町市266.6万円-10.5万円-6.7万円中越複合型
20魚沼市266.2万円-10.9万円-7.1万円中越製造業集積型
21関川村265.9万円-11.2万円-7.4万円下越農業型
22粟島浦村265.8万円-11.2万円-7.5万円岩船離島農業型
23阿賀野市265.1万円-12.0万円-8.3万円下越製造業集積型
24田上町261.7万円-15.4万円-11.6万円下越製造業集積型
25五泉市261.3万円-15.8万円-12.1万円下越製造業集積型
26村上市261.1万円-15.9万円-12.2万円下越製造業集積型
27加茂市260.8万円-16.2万円-12.5万円下越製造業集積型
28佐渡市257.9万円-19.2万円-15.4万円佐渡農業型
29阿賀町257.3万円-19.7万円-16.0万円下越製造業集積型
30津南町256.7万円-20.3万円-16.6万円中越農業型

▼【グラフ:ranking_gap_scatter.png 県平均差×県中央値差の散布図(4分類)】


④ 地域別×格差の傾向

30市町村を地域別に見ると、県平均差の分布は次のとおりです。

地域総市町村数平均超え平均以下平均差の範囲
下越13310+42.5 〜 -19.7万円
中越1266+25.4 〜 -20.3万円
上越330+28.3 〜 +7.2万円
佐渡101-19.2万円
岩船離島101-11.2万円

地域別の観察:

  • 上越3市(上越市・糸魚川市・妙高市)は全員県平均超えで、5地域のうち唯一「地域内すべての市町村が平均超え」のブロックです。3市の県平均差は+28.3・+9.5・+7.2万円で、いずれも上位10位以内に入っています
  • 下越13市町村は分布が最も広く、+42.5〜-19.7万円の62.2万円の帯に広がります。平均超えは3市町村(新潟・燕・新発田)のみで、10市町村が平均以下です
  • 中越12市町村は6市町村ずつが平均超え・平均以下に分かれ、+25.4〜-20.3万円の45.7万円の帯に分布しています

⑤ 意外な観察

県平均差・県中央値差のデータから読み取れる観察を4つ取り上げます。

1. 狭間ゾーンに位置する3市町村(聖籠・南魚沼・胎内)

  • 県平均277.1万円と県中央値273.3万円の間の3.8万円という狭い帯に、聖籠町(-1.4/+2.4万円)・南魚沼市(-2.3/+1.5万円)・胎内市(-3.2/+0.6万円)の3市町村が入っています
  • この3市町村は「平均で見ると下位半分・中央値で見ると上位半分」という位置づけになります
  • 「1人当たり所得の平均」と「中央値」で県内順位の見え方が変わる市町村です

2. 上越3市の全員平均超え

  • 上越市(+28.3万円)・糸魚川市(+9.5万円)・妙高市(+7.2万円)の3市はすべて県平均差プラスで、地域内で平均以下の市町村は1つもありません
  • 産業タイプは高付加価値製造業型が2市(上越・妙高)、製造業集積型が1市(糸魚川)
  • 下越13市町村(平均超え3・平均以下10)、中越12市町村(平均超え6・平均以下6)と比べて、平均超え率が際立ちます

3. 農業型4市町村の全員平均以下

  • 農業型に分類される4市町村(関川村・粟島浦村・佐渡市・津南町)は、地域が下越・岩船離島・佐渡・中越とバラバラですが、県平均差はすべてマイナスに揃っています
  • 4市町村の県平均差は-11.2万円(関川村・粟島浦村)〜-20.3万円(津南町)の帯にあり、下振れ側に集まっています
  • 関川村と粟島浦村の県平均差はどちらも-11.2万円 で同値です(順位は21位・22位に分かれますが実質同水準)
  • ただし、農業所得は自家消費・現物収入が課税対象所得に含まれない場合があり、実態の生活水準との差に注意が必要です

4. 1位新潟市と2位上越市の14.2万円ギャップ

  • 県平均差1位の新潟市(+42.5万円)は、2位の上越市(+28.3万円)と14.2万円離れています
  • 2位から12位(+28.3〜+4.2万円)は約3万円刻みで並び、新潟市だけが離れた位置にあります
  • 県平均277.1万円は新潟市を含む30市町村の平均、県中央値273.3万円は真ん中の値です。両者の差3.8万円は、新潟市のような上位側の数値が平均を引き上げているためです

▼【グラフ:ranking_gap_region.png 5地域別の格差分布】


⑥ データの見方・注意点

順位=豊かさではありません

県平均差・県中央値差の順位は、1人当たり課税対象所得の相対的な位置を示すデータ上の指標にすぎません。順位が高い(低い)ことをもって「豊かな地域」「そうでない地域」等の価値判断はできません。順位はあくまでデータ上の相対位置を示すものです。

「平均」と「中央値」は別の指標です

平均は全市町村の値の合計を市町村数で割った値、中央値は市町村を並べたときの真ん中の値です。県平均277.1万円と県中央値273.3万円のように両者に差がある場合、上位側の数値が平均を引き上げていることを意味します。同じ市町村でも、どちらの基準から見るかで「上位・下位」の位置づけが変わります。

課税対象所得は手取り収入ではありません

課税対象所得(合計所得金額)は、給与・事業・農業などの各所得から給与所得控除等の所得種別の控除を差し引いた所得の合計です。実際の手取り収入とは異なります。

農業地域では過小表示になる場合があります

農業所得は申告による実額ですが、自家消費・現物収入は含まれない場合があります。農業型に分類される市町村(関川村・粟島浦村・佐渡市・津南町)では、1人当たり課税対象所得が実態の生活水準より低く見える可能性があります。

小規模自治体は年次変動が大きい可能性があります

粟島浦村は納税義務者数が極めて少なく(125人)、少数の高所得者・低所得者の増減で1人当たり所得が動きやすい規模です。単年度の順位は変動しうる点に注意が必要です。


まとめ

新潟県30市町村・県平均と中央値との差で見る所得格差マップ(R5年度)の要点

  • 県平均差1位は新潟市(+42.5万円)、最下位は津南町(-20.3万円)で、県内の格差幅は 62.8万円 です
  • 平均超え12市町村・平均以下18市町村で、平均を境にすると下側に多く分布しています
  • 県平均277.1万円と県中央値273.3万円の3.8万円の間に、聖籠町・南魚沼市・胎内市の3市町村が「平均以下・中央値超え」の狭間ゾーンとして入ります
  • 上越3市(上越・糸魚川・妙高)は全員県平均超えで、県内で唯一「地域内すべての市町村が平均超え」のブロックです
  • 農業型4市町村(関川村・粟島浦村・佐渡市・津南町)は全員県平均以下で、県平均差は-11.2〜-20.3万円の帯に集まっています
  • 1位新潟市と2位上越市の差は14.2万円あり、2位以下は約3万円刻みで並んでいます

出典

  • 1人当たり課税対象所得・所得割納税義務者数:
    総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)
  • 産業タイプ・地域区分:
    総務省(国勢調査 令和2年)をもとに分類

データ基準日:令和5年度(2023年度)
次回更新推奨:令和6年度データ公表後

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