高田観測所の気候データ|上越市・妙高市 年間の雨量は県内で一番多いが、1時間あたりは真ん中

データ

上越市と妙高市の気候を、気温と降水量の2つの指標から分析します。

2市の気候の特徴は、年間に降る雨の量が県内で一番多いことです。ただし1時間あたりの最大は34.4 mmで県内13番目で、短い時間に集中して降る土地ではありません。

上越市・妙高市の気温と降水の数字は、高田観測所の値です。市役所から観測所までは上越市が4.7 km、妙高市が9.1 kmで、2市は同じ観測所の数字を使っています。

年間の雨量は2,922.5 mmで県内30市町村のうち一番多い値ですが、1時間あたりの最大は34.4 mmで県内13番目です。この記事の数字と、上越市・妙高市が公表しているハザードマップを合わせて見ると、住む場所を考えるときの参考になります。土砂災害の指定区域の数は2市で違うので、確かめる場所は市ごとに変わります。

  • 年間の雨量は2,922.5 mmで県内で一番多い値です。ただし1時間あたりの最大は34.4 mmで県内13番目、10分あたりの最大は13.8 mmで県内15番目です。
  • 1日続く雨の最大は年最大日降水量106.7 mmで、県内で3番目に多い値です。
  • 1日に50 mmを超えた日は年9.1 日で、県内で一番多い日数です。3番目の糸魚川市は6.3 日です。
  • 25年で年間の雨量は+236.9 mm増えましたが、1時間あたりの最大は▲6.9 mm減っています。
  • 降水の値は上越市と妙高市で同じです。土砂災害の指定区域は4,049 件と662 件で違います。

気温と降水を測っているのは高田の1地点、使うのは上越市と妙高市

気温と降水は、市町村ごとに測っているわけではありません。

気象庁が数字を出しているのは観測地点です。市域のどこで測っても同じ値になるわけではなく、市町村の区切りとは別に、観測地点ごとに記録されています。この記事が扱う高田観測所の数字を使っているのは、上越市と妙高市の2市です。

高田観測所は、上越市にある気象庁の観測地点です。観測所の標高は13 mで、この観測所を使う市町村は2市です。市役所から観測所までの距離は、上越市が4.7 km、妙高市が9.1 kmです。ここでいう距離は、それぞれの市役所から高田観測所までのもので、市町村の中心をどこに置くかの目安として市役所を使っています。市域の外れは、この距離よりも遠くなります。

2市の土地の条件は違います。

指標上越市妙高市
市街地標高8 m280 m
海岸距離(市街地から)0 km30 km
海に面するか面する面しない
海岸線の長さ76.9 km0.0 km
主要河川関川・保倉川関川・矢代川
境界を接する市町村の数42
気象庁の一次細分区域上越上越

市街地標高と海岸距離はどちらも概数です。市街地標高は市街地の代表点の高さ、海岸距離は5 km刻みで記録されています。

2市はどちらも特別豪雪地帯に指定されています。上越市は旧上越市など12区域、妙高市は全域です。特別豪雪地帯は、豪雪地帯対策特別措置法にもとづいて国が指定した区分で、新潟県は30市町村すべてが豪雪地帯、うち18が特別豪雪地帯です。

各市の公式サイトによると、上越市は高田平野が市街地で、山間部を多く含む広い市域です。妙高市は妙高山麓の山あいの都市で、市街地(旧新井)は比較的平坦だと書かれています。流れる主要河川は、上越市が関川と保倉川、妙高市が関川と矢代川で、関川は2市に共通します。境界を接するのは上越市が4市町村、妙高市が2市で、妙高市が接する2市のうち1つが上越市です。2市とも長野県と接しています。

ここから先に出てくる気温と降水の数字が2市で同じ値になるのは、この1地点で測ったものだからです。


年間の雨量は県内1位、短い時間は中位

年間平均気温14.3 ℃と年間降水量2,922.5 mmから始めて、雨を1日・1時間・10分間に区切っていきます。

30年の動きと、県内のほかの市町村との位置関係

年間平均気温は1年の平均、年間降水量は1年の合計です。2014〜2023年の10年平均で、年間平均気温は14.3 ℃、年間降水量は2,922.5 mmです。

この降水量は、雨と雪を合わせた量です。雪は水に換算して数えるため、冬に降る分も含まれます。月別で数えた1年の合計のうち、12〜3月の降水量は49%にあたります。

▼【グラフ:takada_dodai_suii.png 年間平均気温と年間降水量の5年区間平均6区間(左が気温・右が降水)】

▼【グラフ:takada_dodai_sanpu.png 県内30市町村の年間平均気温と年間降水量(2014〜2023年の10年平均)】

5年区間平均で並べると、気温は一方向に上がってきたわけではありません。2004〜2008年の13.94 ℃から2009〜2013年は13.80 ℃に下がり、直近の2019〜2023年が14.58 ℃で6区間のうち一番高い区間です。猛暑日(最高気温が35 ℃以上の日)も直近の2019〜2023年が12.4 日で一番多い区間です。

年間降水量は、直近の2019〜2023年の2,975.2 mmが6区間のうち一番多い区間です。ただし1999〜2003年も2,973.4 mmで、ほぼ並びます。

年間の雨量と、1日に50 mmを超えた日の数

日50mm超日数は、1日の降水量が50 mmを超えた日が年に何日あったかを数えたものです。日100mm超日数は100 mmを超えた日の数です。

1日に50 mmを超えた日は年9.1 日で、県内で一番多い日数です。3番目に多い糸魚川市は6.3 日で、離れています。100 mmを超えた日は年0.7 日で、妙高市・阿賀町と並んで県内で2番目に多い日数です。こちらは年1日に届きません。

年間に降る量が多いだけでなく、1日に50 mmを超えた日の数も県内で一番多い、という並びになります。

時間の幅を短くとるほど下がる県内の位置

年最大日降水量は、1年のうち1日の降水量が一番多かった日の値です。年最大1時間降水量は1時間の降水量が一番多かった1時間の値、年最大10分間降水量はその10分間の値です。

指標時間の幅値(2014〜2023年の10年平均)県内順位
年間降水量1年2,922.5 mm1番目に多い
年最大日降水量1日106.7 mm3番目に多い
年最大1時間降水量1時間34.4 mm13番目に多い
年最大10分間降水量10分間13.8 mm糸魚川市と並んで15番目に多い

▼【グラフ:takada_rain_timescale_rank.png 年間・1日・1時間・10分間で見た県内順位の並び(上が1番目)】

時間の幅を短くとるほど、県内での位置は下がります。1年でまとめた量は一番多く、1日でも3番目に入りますが、1時間では13番目、10分間では15番目です。見るのは1日続く雨のほうで、その年最大日降水量は106.7 mmです。

観測史上最大の1時間雨量、夏の暑さ、25年前との差

雨の強さの階級は、気象庁が1時間雨量で分けた区分です。10年平均の34.4 mmは「激しい雨」(1時間30 mm以上50 mm未満)にあたります。

▼【グラフ:takada_rain_intensity_scale.png 気象庁の階級に当てた10年平均34.4 mm・観測史上最大91.0 mm(2006年)・記録的短時間大雨の基準100 mm】

1994〜2023年の30年の観測では、2006年に「猛烈な雨」にあたる1時間91.0 mmを記録しています。これが観測史上最大です。「猛烈な雨」は1時間80 mm以上の区分です。1日では2017年の173.5 mmが観測史上最大です。記録的短時間大雨情報は、数年に一度しかないような短時間の大雨を観測したときに出される情報で、基準は地域ごとに違い、上越は1時間100 mmです。

気温は、最高気温と最低気温のしきい値ごとに、年に何日あったかを見ます。

指標定義値(2014〜2023年の10年平均)県内順位
夏日数最高気温が25 ℃以上の日年120.8 日1番目に多い
真夏日数最高気温が30 ℃以上の日年49.5 日3番目に多い
猛暑日数最高気温が35 ℃以上の日年8.5 日14番目に多い
熱帯夜数最低気温が25 ℃以上の夜年8.5 日14番目に多い
冬日数最低気温が0 ℃を下回る日年45.3 日12番目に多い
真冬日数最高気温が0 ℃を下回る日年0.6 日新潟市と並んで5番目に少ない

最高気温が25 ℃以上の日は年120.8 日ありますが、35 ℃以上の日は年8.5 日、最低気温が25 ℃以上の夜も年8.5 日です。真冬日は年0.6 日で、年1日に届きません。

25年前の5年平均(1994〜1998年)と直近の5年平均(2019〜2023年)を比べると、次の差になります。

指標25年前の5年平均との差県内順位(29市町村)
年間降水量+236.9 mm増えた量が2番目に大きい
年最大日降水量▲3.3 mm増えた量が14番目に大きい
年最大1時間降水量▲6.9 mm増えた量が2番目に小さい
日100mm超日数▲0.6 日増えた量が一番小さい(柏崎市・糸魚川市・刈羽村と同率)
年間平均気温+0.8 ℃上がった量が17番目に大きい
猛暑日数+7.4 日増えた量が12番目に大きい
熱帯夜数+8.4 日増えた量が11番目に大きい
真夏日数+11.4 日増えた量が一番小さい
夏日数+10.2 日増えた量が一番小さい
真冬日数+0.2 日増えた量が3番目に大きい

年間の雨量は増え、1時間あたりと1日の最大は減っています。真夏日と夏日は+11.4 日・+10.2 日で増えていますが、29市町村のなかでは一番増えていません。真冬日の+0.2 日と日100mm超日数の▲0.6 日は、もとが年1日に届かない指標で、動きの幅も0.2 日・0.6 日です。上の表の順位が29市町村なのは、聖籠町に1994〜1998年の値がないためです。

30年のうち7 年で1時間50 mm以上を記録していますが、記録的短時間大雨の基準100 mmには達していません。

気温は直近の5年が一番高く、雨は年間の量が多い一方で、1時間あたりの強さは県内の真ん中に収まっています。


土砂災害の区域が県内2番目に多い市と、14番目の市

降水の値が2市で同じでも、土砂災害の指定区域の数は市で違います。

指定区域は、警戒区域と特別警戒区域を足した数で数えます。土砂災害警戒区域は、土砂災害のおそれがあるとして指定された区域です。特別警戒区域はそのうち、建物が壊れて人に危害が及ぶおそれがある区域で、合計は両方を足した数です。

指標上越市妙高市
警戒区域数2,442 件398 件
特別警戒区域数1,607 件264 件
合計区域数4,049 件662 件
合計区域数の県内順位2番目に多い14番目に多い
1km格子数(表面雨量指数の基準)973429

▼【グラフ:takada_dosha.png 2市の土砂災害 警戒区域と特別警戒区域の積み上げ】

合計区域数で県内で一番多いのは長岡市の4,762 件で、上越市の4,049 件はその次に入ります。妙高市の662 件は県内で14番目です。区域の数は指定された区域の数で、被害が起きた回数ではありません。

表面雨量指数は、大雨注意報・警報の基準に使われる指数のひとつで、1km四方の格子ごとに定められています。市内の浸水想定と土砂災害の指定区域は、各市のハザードマップに載っています。

表面雨量指数の1km格子は上越市が973、妙高市が429で、市町村に1つの代表値はありません。

降水の値が同じ2市でも、備える対象の数は上越市のほうが多く、確かめる場所は市ごとのハザードマップに分かれます。


まとめ

上越市と妙高市は、年間の雨量が2,922.5 mmで県内30市町村のうち一番多く、年間平均気温は14.3 ℃で、佐渡市・聖籠町と並んで県内3番目に高い土地です。1年の合計で見ると、雨の備えは厚めに見ておきたい土地といえます。

ただし、分けて見ると見え方が変わります。

  • 1時間あたりの最大は34.4 mmで県内13番目、10分あたりの最大は13.8 mmで県内15番目です。
  • 1日続く雨の最大は106.7 mmで県内3番目、1日に50 mmを超えた日は年9.1 日で県内で一番多い日数です。
  • 25年前と比べると、年間の雨量は+236.9 mmで増え、1時間あたりの最大は▲6.9 mmで減っています。
  • 土砂災害の指定区域は上越市4,049 件・妙高市662 件で、降水の値が同じでも市で違います。

雨の備えを考えるときは、1日続く雨の最大と1日に50 mmを超えた日の数を見て、上越市・妙高市それぞれのハザードマップで指定区域を確かめておくと参考になります。


この記事の数値が示す範囲

  • この記事が使っている統計は、気温と降水の観測値です。降水量には雪の分が水に換算して含まれますが、積雪の深さや降雪量の統計は使っていません。
  • 豪雪地帯・特別豪雪地帯は法律にもとづく指定で、気象の分類ではありません。
  • 気温と降水の値は、高田にある1つの観測地点の値です。上越市の市街地(海岸から0 km)と妙高市の市街地(標高280 m)のどちらの気候でもなく、市町村全体の気候でもありません。
  • 年間平均気温・年間降水量・夏日・真夏日・猛暑日・熱帯夜・冬日・真冬日・年最大日降水量・年最大1時間降水量・年最大10分間降水量・日50mm超日数・日100mm超日数は、2014〜2023年の10年平均です。単年の値ではありません。
  • 観測史上最大の値は1994〜2023年の30年の観測値です。10年平均とは別の基準です。
  • 5年区間平均と25年前との差も、10年平均とは別の基準です。25年前との差は、2019〜2023年の5年平均と1994〜1998年の5年平均を比べたものです。
  • 年最大10分間降水量の5年区間は2009〜2013年からの3本だけです。それ以前は観測していません。
  • 25年前との差の順位は29市町村で数えています。聖籠町に1994〜1998年の値がないためです。観測史上最大と50 mm以上・30 mm以上の年数は、聖籠町だけ21年分の観測です。
  • 気象庁の雨の強さの階級は1時間雨量に対するものです。日降水量や10分間降水量には使えません。
  • 土砂災害の区域数は、県が指定した区域の数です。被害が起きた回数を数えたものとは別です。
  • 大雨注意報・警報の基準は1km四方の格子ごとです。市町村に1つの代表値はありません。
  • 市街地標高と海岸距離は概数です。市街地標高は代表点の高さ、海岸距離は5 km刻みで記録されています。海岸距離は市街地から海岸までの距離で、市域が海に面しているかとは別の指標です。

出典・情報基準日

出典基準日・年次使っている値
気象庁『アメダス観測所一覧』基準日なし観測所名・番号・標高・市役所からの距離・この観測所を使う市町村数
気象庁『過去の気象データ検索』2014〜2023年の10年平均/1994〜2023年の観測値/5年区間平均6区間/25年前との差気温・降水のすべて
気象庁『雨の強さと降り方』全国共通の階級(基準日なし)「激しい雨」「非常に激しい雨」「猛烈な雨」の区分
気象庁『気象防災速報(記録的短時間大雨)の発表基準一覧表』2026年5月28日現在記録的短時間大雨の1時間雨量基準100 mm・一次細分区域・表面雨量指数の格子数
新潟県『土砂災害警戒区域等マップ』2025年3月31日現在土砂災害の警戒区域・特別警戒区域・合計
国土交通省『豪雪地帯対策特別措置法に基づく指定地域』2026年4月1日現在豪雪地帯の指定と範囲
国土交通省 国土数値情報『行政区域(N03)』2026年1月1日基準境界を接する市町村・その数・海に面するか・海岸線の長さ
各市町村公式サイト概数(基準日なし)市街地標高・海岸距離・主要河川・市街地と地形の説明

データの見方

  • 10年平均は、その期間に観測された値を平均したものです。単年の値とは一致しません。
  • 5年区間平均は1994〜1998年から2019〜2023年までの6区間で、1年も重なりません。
  • 県内順位は新潟県の市町村のうちの順位です。同じ値の市町村があるときは同じ順位に並びます。

免責

本記事は公表統計をもとに作成したもので、個別の判断の結果について責任を負いません。


運営者情報

新潟県の公的データをもとに、市町村別のデータ記事を作成しています。

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