村上市では年間114戸の住宅が着工されています(R5年度)。新潟県30市町村の中で着工戸数は11位、1,000人あたり着工戸数は20位です。
H25年度比で-46.7%減少(214戸→114戸で△100戸)していますが、内訳は用途別に対照的です。持家が10年で-54%減少(186戸→85戸で△101戸)と大きく落ち込む一方、貸家は26戸→25戸(-3.8%)とほぼ横ばいを維持しています。持家減少幅(△101戸)が全体減少幅(△100戸)とほぼ一致し、全体減少は事実上「持家減少」で説明できる構造となっています。
この記事では、国土交通省「建築着工統計調査」をもとに、村上市の住宅着工件数の推移・持家と貸家の内訳・人口比較・県内での位置づけを整理します。
この記事でわかること
- R5年度(2023年度)の新設住宅着工戸数は114戸(県内11位・1,000人あたり20位)
- H25年度比で-46.7%減少
- 着工住宅のうち持家74.6%(85戸)・貸家21.9%(25戸)・給与住宅0.9%(1戸)・分譲2.6%(3戸)
- 1,000人あたり着工戸数は2.13戸/千人(県平均2.70戸・県内20位)
① 住宅着工サマリー(R5年度)
村上市の住宅着工の現状を確認します。
| 区分 | 着工戸数 | 比率 | 県内順位 |
|---|---|---|---|
| 合計 | 114戸 | — | 11位 |
| 持家 | 85戸 | 74.6% | — |
| 貸家 | 25戸 | 21.9% | — |
| 給与住宅(社宅等) | 1戸 | 0.9% | — |
| 分譲住宅 | 3戸 | 2.6% | — |
※出典:国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度)
持家が74.6%を占め、戸建てが中心となっています。貸家比率21.9%は近隣(阿賀野市12.8%・関川村0%等)と比べて高く、分譲2.6%は近隣中規模市町村よりも低い水準です。給与住宅(社宅等)は1戸・0.9%と軽微です。
▼【グラフ:murakami_県内ランキング.png 新潟県30市町村 新設住宅着工戸数ランキング(R5年度・村上市を強調)】

② 住宅着工の推移(H25→H30→R5)
過去10年間(2013〜2023年度)の住宅着工件数の変化を確認します。
| 年度 | 合計 | 持家 | 貸家 | 給与 | 分譲 |
|---|---|---|---|---|---|
| H25年度(2013年度) | 214戸 | 186戸 | 26戸 | 0戸 | 2戸 |
| H30年度(2018年度) | 163戸 | 138戸 | 20戸 | 0戸 | 5戸 |
| R5年度(2023年度) | 114戸 | 85戸 | 25戸 | 1戸 | 3戸 |
| 10年変化(H25→R5) | -46.7%減少 | -54.3% | -3.8% | — | +50.0% |
村上市の合計着工戸数はH25年度の214戸からR5年度の114戸へ推移しました(△100戸・-46.7%)。減少はH25→H30の5年間で-23.8%、H30→R5の5年間で-30.1%とほぼ均等に進みました。
10年間の推移を用途別に見ると、持家が-54.3%減少(186戸→85戸で△101戸)と大きく減少した一方、貸家は-3.8%(26戸→25戸で△1戸)とほぼ横ばいを維持しています。分譲は+50.0%増加(2戸→3戸で+1戸)で絶対数は極小です。持家減少幅(△101戸)が全体減少幅(△100戸)とほぼ一致しており、全体減少は事実上「持家減少」で説明できる構造となっています。
▼【グラフ:murakami_着工推移.png 村上市と近隣市町村の住宅着工推移(H25→H30→R5)】

③ 用途別の内訳と変化
着工住宅の内訳(持家・貸家・分譲)の変化を確認します。
| 用途 | H25年度 | H30年度 | R5年度 | 10年変化 |
|---|---|---|---|---|
| 持家 | 186戸(86.9%) | 138戸(84.7%) | 85戸(74.6%) | -54.3% |
| 貸家 | 26戸(12.1%) | 20戸(12.3%) | 25戸(21.9%) | -3.8% |
| 給与住宅 | 0戸(0.0%) | 0戸(0.0%) | 1戸(0.9%) | — |
| 分譲 | 2戸(0.9%) | 5戸(3.1%) | 3戸(2.6%) | +50.0% |
H25年度時点で持家が86.9%を占めていたのに対し、R5年度は74.6%となっています。貸家は12.1%→21.9%、分譲は0.9%→2.6%と推移しています。
⚠️ 注意: 着工統計は住宅の「供給側」(建設が開始された住宅の数)を記録したデータです。「特定の用途の着工が多い=その用途の需要が高い」と直接断定することはできません。
▼【グラフ:murakami_用途別.png 村上市の用途別 新設住宅着工内訳(R5年度)】

④ 人口との比較(1,000人あたり着工戸数)
人口規模が異なる市町村を比較するため、人口1,000人あたりの着工戸数を確認します。
| 指標 | 村上市 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 人口(R7年1月1日) | 53,492人 | — |
| 着工戸数(R5年度) | 114戸 | 11位 |
| 1,000人あたり着工戸数 | 2.13戸 | 20位 |
村上市の1,000人あたり着工戸数は2.13戸/千人で、新潟県30市町村の20位です。県平均(2.70戸/千人)を下回り、着工総数(11位)と人口比の順位(20位)に大きな差があります。人口53,492人に対して着工114戸となっており、人口規模ほど着工が伴っていない状況です。
⑤ 県内での位置づけ(近隣市町村比較)
村上市と近隣市町村(新発田市・胎内市・関川村・新潟市・阿賀野市)の住宅着工戸数(R5年度)を比較します。
| 市町村名 | 着工戸数(合計) | 1,000人あたり | 持家比率 |
|---|---|---|---|
| 村上市 | 114戸 | 2.13戸 | 74.6% |
| 新発田市 | 328戸 | 3.58戸 | 57.6% |
| 胎内市 | 66戸 | 2.46戸 | 48.5% |
| 関川村 | 17戸 | 3.40戸 | 52.9% |
| 新潟市 | 4,049戸 | 5.32戸 | 48.5% |
| 阿賀野市 | 141戸 | 3.60戸 | 82.3% |
村上市の着工戸数114戸は近隣6市町村で4位で、新潟市(4,049戸)・新発田市(328戸)・阿賀野市(141戸)を下回っています。持家比率74.6%は阿賀野市(82.3%)に次ぐ近隣2位で、新発田市(57.6%)・胎内市(48.5%)・関川村(52.9%)・新潟市(48.5%)と比べて高い水準です。1,000人あたりでは2.13戸で、近隣6市町村で最も低い水準となっており、胎内市(2.46戸)・関川村(3.40戸)・新発田市(3.58戸)を下回ります。
⑥ データの見方・注意点
着工戸数は住宅需要を直接示すものではありません
建築着工統計の着工戸数は、建設が開始された住宅の数を記録したものです。着工を決定するのは建て主(持家の場合)や建築業者・不動産業者(貸家・分譲の場合)であり、着工数の多さが直接的に「住宅需要の強さ」を示すものではありません。この記事でも「〜の着工が多い」「〜の割合が高い」までをデータから述べています。
小規模市町村のデータ変動について
年間の着工件数が少ない市町村では、1〜2件の変動が変化率に大きく影響します。単年度の変化率のみで「増加傾向」「減少傾向」と判断するには注意が必要です。
まとめ
村上市の住宅着工の特徴
- R5年度(2023年度)の住宅着工は114戸で県内11位、1,000人あたり着工は2.13戸で20位(着工総数より人口比の順位が大きく低い)
- H25→R5の10年で-46.7%減少(△100戸)。H25→H30・H30→R5とも約2〜3割減少と持続的
- 着工住宅の74.6%が持家、21.9%が貸家、2.6%が分譲。近隣で阿賀野市(82.3%)に次ぐ2番目の持家比率
- 用途別に対照的な10年変化:持家が-54.3%減少(186戸→85戸で△101戸)/貸家はほぼ横ばい(-3.8%)(26戸→25戸)/分譲+50.0%(2戸→3戸)。持家減少幅(△101戸)が全体減少幅(△100戸)とほぼ一致し、全体減少は事実上「持家減少」で説明できる構造
出典
- 新設住宅着工戸数・用途別内訳:
国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度・平成30年度・平成25年度) - 人口(1,000人あたり計算用):
総務省(住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数 令和7年1月1日現在) - 産業タイプ:
総務省(国勢調査 令和2年)
データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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