糸魚川市では年間93戸の住宅が着工されています(R5年度)。新潟県30市町村の中で着工戸数は13位、1,000人あたり着工戸数は17位です。
H25年度比で-63.1%減少(252戸→93戸で△159戸)と、県内でも大きい部類の減少幅です。貸家比率38.7%は近隣で最も高く、大都市(新潟市32.8%)を上回る水準です。用途別では持家-61%・貸家-67%・分譲横ばいと貸家と持家が並行して大きく縮小しており、構造変化を伴わない全用途縮小型のパターンです。
この記事では、国土交通省「建築着工統計調査」をもとに、糸魚川市の住宅着工件数の推移・持家と貸家の内訳・人口比較・県内での位置づけを整理します。
この記事でわかること
- R5年度(2023年度)の新設住宅着工戸数は93戸(県内13位・1,000人あたり17位)
- H25年度比で-63.1%減少
- 着工住宅のうち持家58.1%(54戸)・貸家38.7%(36戸)・給与住宅0.0%(0戸)・分譲3.2%(3戸)
- 1,000人あたり着工戸数は2.44戸/千人(県平均2.70戸・県内17位)
① 住宅着工サマリー(R5年度)
糸魚川市の住宅着工の現状を確認します。
| 区分 | 着工戸数 | 比率 | 県内順位 |
|---|---|---|---|
| 合計 | 93戸 | — | 13位 |
| 持家 | 54戸 | 58.1% | — |
| 貸家 | 36戸 | 38.7% | — |
| 給与住宅(社宅等) | 0戸 | 0.0% | — |
| 分譲住宅 | 3戸 | 3.2% | — |
※出典:国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度)
持家が58.1%、貸家が38.7%で、貸家比率が比較的高い構成です。貸家比率38.7%は近隣で最も高く、上越市(16.6%)・柏崎市(23.0%)・妙高市(0.0%)と比べて突出しています。分譲3.2%は近隣中規模市町村より低く、給与住宅(社宅等)は0戸です。
▼【グラフ:itoigawa_県内ランキング.png 新潟県30市町村 新設住宅着工戸数ランキング(R5年度・糸魚川市を強調)】

② 住宅着工の推移(H25→H30→R5)
過去10年間(2013〜2023年度)の住宅着工件数の変化を確認します。
| 年度 | 合計 | 持家 | 貸家 | 給与 | 分譲 |
|---|---|---|---|---|---|
| H25年度(2013年度) | 252戸 | 140戸 | 108戸 | 1戸 | 3戸 |
| H30年度(2018年度) | 204戸 | 115戸 | 84戸 | 1戸 | 4戸 |
| R5年度(2023年度) | 93戸 | 54戸 | 36戸 | 0戸 | 3戸 |
| 10年変化(H25→R5) | -63.1%減少 | -61.4% | -66.7% | — | +0.0% |
糸魚川市の合計着工戸数はH25年度の252戸からR5年度の93戸へ推移しました(△159戸・-63.1%)。減少はH25→H30の5年間で-19.0%、H30→R5の5年間で-54.4%と後半5年で急激に半減しました。県内でも大きい部類の減少幅となっています。
10年間の推移を用途別に見ると、持家が-61.4%減少(140戸→54戸で△86戸)、貸家が-66.7%減少(108戸→36戸で△72戸)と両用途で並行して大きく減少しています。分譲は3戸→3戸と横ばいです。貸家減少幅(△72戸)が持家減少幅(△86戸)に匹敵する規模で、構造変化を伴わない全用途縮小型のパターンとなっています。用途構成比はほぼ変わらず(持家55.6%→58.1%・貸家42.9%→38.7%)、絶対数のみが縮小しています。
▼【グラフ:itoigawa_着工推移.png 糸魚川市と近隣市町村の住宅着工推移(H25→H30→R5)】

③ 用途別の内訳と変化
着工住宅の内訳(持家・貸家・分譲)の変化を確認します。
| 用途 | H25年度 | H30年度 | R5年度 | 10年変化 |
|---|---|---|---|---|
| 持家 | 140戸(55.6%) | 115戸(56.4%) | 54戸(58.1%) | -61.4% |
| 貸家 | 108戸(42.9%) | 84戸(41.2%) | 36戸(38.7%) | -66.7% |
| 給与住宅 | 1戸(0.4%) | 1戸(0.5%) | 0戸(0.0%) | — |
| 分譲 | 3戸(1.2%) | 4戸(2.0%) | 3戸(3.2%) | +0.0% |
H25年度時点で持家が55.6%を占めていたのに対し、R5年度は58.1%となっています。貸家は42.9%→38.7%、分譲は1.2%→3.2%と推移しています。
⚠️ 注意: 着工統計は住宅の「供給側」(建設が開始された住宅の数)を記録したデータです。「特定の用途の着工が多い=その用途の需要が高い」と直接断定することはできません。
▼【グラフ:itoigawa_用途別.png 糸魚川市の用途別 新設住宅着工内訳(R5年度)】

④ 人口との比較(1,000人あたり着工戸数)
人口規模が異なる市町村を比較するため、人口1,000人あたりの着工戸数を確認します。
| 指標 | 糸魚川市 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 人口(R7年1月1日) | 38,041人 | — |
| 着工戸数(R5年度) | 93戸 | 13位 |
| 1,000人あたり着工戸数 | 2.44戸 | 17位 |
糸魚川市の1,000人あたり着工戸数は2.44戸/千人で、新潟県30市町村の17位です。県平均(2.70戸/千人)をやや下回り、近隣(上越市3.56戸・柏崎市2.51戸)と比べても低い水準です。
⑤ 県内での位置づけ(近隣市町村比較)
糸魚川市と近隣市町村(上越市・妙高市・柏崎市・南魚沼市・長岡市)の住宅着工戸数(R5年度)を比較します。
| 市町村名 | 着工戸数(合計) | 1,000人あたり | 持家比率 |
|---|---|---|---|
| 糸魚川市 | 93戸 | 2.44戸 | 58.1% |
| 上越市 | 643戸 | 3.56戸 | 67.3% |
| 妙高市 | 62戸 | 2.10戸 | 90.3% |
| 柏崎市 | 191戸 | 2.51戸 | 66.0% |
| 南魚沼市 | 118戸 | 2.25戸 | 89.8% |
| 長岡市 | 1,094戸 | 4.29戸 | 61.2% |
糸魚川市の着工戸数93戸は近隣6市町村で5位で、長岡市(1,094戸)・上越市(643戸)・柏崎市(191戸)・南魚沼市(118戸)を下回っています。持家比率58.1%は近隣で最も低く、妙高市(90.3%)・南魚沼市(89.8%)・上越市(67.3%)・柏崎市(66.0%)・長岡市(61.2%)を下回っています。逆に貸家比率38.7%は近隣で最も高く、集合住宅の存在感がある構成です。1,000人あたりでは2.44戸で、近隣6市町村中5位となっています。
⑥ データの見方・注意点
着工戸数は住宅需要を直接示すものではありません
建築着工統計の着工戸数は、建設が開始された住宅の数を記録したものです。着工を決定するのは建て主(持家の場合)や建築業者・不動産業者(貸家・分譲の場合)であり、着工数の多さが直接的に「住宅需要の強さ」を示すものではありません。この記事でも「〜の着工が多い」「〜の割合が高い」までをデータから述べています。
小規模市町村のデータ変動について
年間の着工件数が少ない市町村では、1〜2件の変動が変化率に大きく影響します。単年度の変化率のみで「増加傾向」「減少傾向」と判断するには注意が必要です。
まとめ
糸魚川市の住宅着工の特徴
- R5年度(2023年度)の住宅着工は93戸で県内13位、1,000人あたり着工は2.44戸で17位
- H25→R5の10年で-63.1%減少(△159戸)。県内でも大きい部類の減少幅で、H30→R5の5年間で-54.4%と後半5年で急激に半減
- 着工住宅の58.1%が持家、38.7%が貸家(近隣で最も高い貸家比率)、3.2%が分譲
- 用途別の10年変化:持家-61.4%(140戸→54戸で△86戸)/貸家-66.7%(108戸→36戸で△72戸)/分譲は3戸→3戸で横ばい。貸家減少幅が持家減少幅に匹敵する規模で、構造変化を伴わない全用途縮小型のパターン
出典
- 新設住宅着工戸数・用途別内訳:
国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度・平成30年度・平成25年度) - 人口(1,000人あたり計算用):
総務省(住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数 令和7年1月1日現在) - 産業タイプ:
総務省(国勢調査 令和2年)
データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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