この記事でわかること:
- 昼夜間人口比89.8(県内25位) で、同規模帯の11市のなかでは見附市に次いで下から2番目という五泉市の位置
- 社会減▲176人(20位・緩やか) に対し、自然減▲657人(20位・同規模帯11市中3番目に深刻) という増減内訳の対照
- 5年減少率が ▲7.35%(2015→2020) → ▲4.06%(2020→2025) に減速したピーク越えのパターン
- 2050年推計▲43.7%と、新潟市への通勤圏として県内で置かれる相対的な位置
① 五泉市の人口 ── ベッドタウン型で自然減深刻の中規模市
五泉市の人口動態を1画面で捉えるための3つのキー数値です。以下の3行を押さえれば、この記事の主役が全て見えます。
【主役:ベッドタウン化の水準】
昼夜間人口比 89.8(県内25位) ── 昼間人口が夜間人口を▲4,853人下回る昼間流出型。同規模帯の11市(小千谷・加茂・十日町・見附・糸魚川・妙高・五泉・阿賀野・佐渡・魚沼・胎内)の中で、見附市(88.5)に次いで下から2番目。
【対比:社会減と自然減の非対称】
社会減 ▲176人(県内20位) / 自然減 ▲657人(県内20位) ── 社会減の絶対値は同規模帯11市の中央値付近にとどまる一方、自然減は佐渡市(▲963人)・十日町市(▲668人)に次いで11市中3番目。
【推移:ピーク越え】
5年減少率 ▲5.77%(2010→2015) → ▲7.35%(2015→2020) → ▲4.06%(2020→2025) ── 直近5年は減速に転じたが、減少基調そのものは継続。
② 新潟市東隣・6市町に接する下越の合併市
五泉市は新潟県の下越地方に位置し、新潟市の東隣に接します。阿賀野川の支流・早出川流域の田園地帯で、チューリップ・牡丹の産地として知られます。ニット(シルク・繊維)の産地でもあります。2006年1月に旧・五泉市と村松町が合併して現在の市制となりました。
隣接自治体:新潟市・阿賀野市・阿賀町・三条市・加茂市・田上町(下越の内陸に位置し、6市町に接する立地)。
面積は351.91 km²(県内16位)、人口密度は129.8人/km²(県内16位) で、いずれも県内で中程度の水準です。
③ 現状:人口45,690人(12位)と昼夜間比89.8(25位)の非対称構造
人口45,690人(県内12位)・昼夜間人口比89.8(県内25位) の組み合わせが、五泉市の県内における現在の位置を最も端的に示します。人口規模は12位で中位ですが、昼夜間比25位という値は昼間人口が夜間人口より1割少ないベッドタウン型の都市構造を示唆します。
| 指標 | 値 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 総人口 | 45,690人 | 12位 |
| 世帯数 | 19,094世帯 | 12位 |
| 面積 | 351.91 km² | 16位 |
| 人口密度 | 129.8人/km² | 16位 |
| 昼夜間人口比 | 89.8 | 25位(下位) |
| 高齢化率 | 34.4% | 17位(低い方) |
| 年少人口率 | 9.0% | 19位(津南町と同率) |
人口45,690人は、11位の十日町市(47,124人)との差が約1,400人、13位の阿賀野市(39,165人)との差が約6,500人あり、12位の座はしばらく安定する位置にあります。
昼夜間人口比89.8(25位)は、新潟市(101.3・6位)・長岡市(102.4・4位)・三条市(104.2・3位)といった流入型の都市と対照的に、明確な流出側の水準です。この点は⑦節で詳しく扱います。
高齢化率34.4%(低い方から17位)は県内で中位の高齢化水準で、同規模帯11市の中央値と近い水準にとどまります。
数値の意味(データから読み取れる範囲): 人口規模は県内12位で中位、昼夜間比は25位で下位という組み合わせは、五泉市が県内の中で「規模は中位、昼間流出は上位」という非対称な位置にあることを示しています。
④ 5年減少率▲7.35%→▲4.06%:2015-2020年をピークに減速
5年減少率が▲5.77% → ▲7.35% → ▲4.06% と、2015→2020年をピークに減速に転じている ── これが五泉市の推移面での特徴です。減少基調そのものは続いていますが、3期連続で拡大する市町村(長岡市など)とは異なる「峠越え型」の推移になっています。
| 年 | 人口 | 前期比 |
|---|---|---|
| 2010年(国勢調査) | 54,550人 | — |
| 2015年(国勢調査) | 51,404人 | ▲3,146人(▲5.77%) |
| 2020年(国勢調査) | 47,625人 | ▲3,779人(▲7.35%) |
| 2025年(住民基本台帳) | 45,690人 | ▲1,935人(▲4.06%) |
▼【グラフ:population_trend.png — 五泉市の人口推移(2010〜2025年)折れ線グラフ】

→ 2015→2020年の▲7.35%が減少のピークで、直近5年は▲4.06%に減速。ただし依然として年▲1.79%(人口増減率2024)で減少中。
2010〜2025年の累計減少は▲8,860人(▲16.2%) で、15年で人口の約6分の1が失われた計算になります。ただし2015→2020年をピークに直近5年は減速しており、同規模帯11市の中では減速側に位置するパターンに該当します。県内2位の長岡市と比較すると、長岡市が3期連続で減少率が拡大しているのに対し、五泉市は減速に転じており、異なる推移パターンとなっています。
数値の意味(データから読み取れる範囲): 5年減少率のピーク越えパターン は五泉市が同規模帯11市の中でも減速側に位置していることを示していますが、直近5年の▲4.06%は依然として年約▲1,935人(累計)の減少ペースに相当し、減速は「改善」を意味するものではありません。
⑤ 社会減▲176は同規模帯中央値/自然減▲657は11市中3番目
社会減▲176人と自然減▲657人の対照 が、五泉市の増減内訳における最大の特徴です。総減少▲833人のうち自然減が79%を占め、社会減の緩やかさと自然減の深刻さが同居しています。
| 区分 | 内訳 | 人数 |
|---|---|---|
| 転入(社会増) | 国内転入 + 国外転入 | 843人 |
| 転出(社会減) | 国内転出 + 国外転出 | 1,009人 |
| 社会増減 | 転入−転出±職権記載消除等 | ▲176人(県内20位) |
| 出生(自然増) | — | 153人 |
| 死亡(自然減) | — | 810人 |
| 自然増減 | 出生−死亡 | ▲657人(県内20位) |
| 総増減 | 社会増減+自然増減 | ▲833人(▲1.79%) |
▼【グラフ:population_breakdown.png — 社会増減・自然増減の比較(2024年)横棒グラフ】

→ 総減少▲833人の79%が自然減。社会減の絶対値は上越市・長岡市より小さく、自然減は同規模帯11市中で佐渡・十日町に次ぐ3番目。
社会減▲176人は転出1,009人・転入843人の差で発生しており、両側で人が動く「動きのある地域」の減少パターンです。上越市(▲580人)・長岡市(▲549人)といった規模の大きい市と比べると絶対値では小さく、同規模帯11市の中央値(▲161人前後)とほぼ同水準にとどまります。11市の中では、佐渡市(▲270人)・十日町市(▲336人)よりも社会減は緩やかです。
自然減▲657人は出生153人・死亡810人という絶対数からくる大きな減少です。同規模帯11市の中で自然減の絶対値が五泉市を上回るのは佐渡市(▲963人)・十日町市(▲668人)の2市のみで、五泉市は11市中3番目に位置します。既存記事では出生153人に対する死亡810人の比率を「死亡/出生比5.3倍」と表現しており、比較として村上市(5.6倍)・佐渡市(6.6倍)に次ぐ深刻な水準です。
数値の意味(データから読み取れる範囲): 社会減の緩やかさ(▲176人)と自然減の深刻さ(▲657人)の対照 は、新潟市への通勤圏として一定の定住需要がある一方、市内の年齢構成に由来する自然減は同規模帯11市の中でも上位に位置することを示しています。社会減の緩和と自然減の深刻さが同じ地域で並列している構造です。
⑥ 高齢化率34.4%は中位・年少人口率9.0%は津南と同率
| 区分 | 人口 | 割合 | 県内順位(低い方) |
|---|---|---|---|
| 65歳以上(高齢者) | 15,717人 | 34.4% | 17位 |
| 15〜64歳(生産年齢) | 25,858人 | 56.6% | — |
| 14歳以下(年少) | 4,115人 | 9.0% | 19位(津南町と同率) |
高齢化率34.4%(低い方から17位) は県内で中位の高齢化水準です。同規模帯11市の中央値と近い水準で、農山村・離島の高齢化率上位(阿賀町44.6%・関川村39.9%・佐渡市38.2%)や、主要都市(新潟28.3%・長岡29.7%・三条31.3%)とは離れた中間帯に位置します。
年少人口率9.0%(19位) は津南町と同率で、県内でも低い部類に入ります。生産年齢層56.6%と高齢層34.4%のバランスは同規模帯の他市と大差なく、この年齢構成が⑤節で見た自然減▲657人の背景となっています。
⑦ 昼夜間比89.8・見附に次ぐ下から2番目:ベッドタウン化の水準
昼夜間人口比89.8(県内25位)・昼間流出▲4,853人 が、五泉市の県内における最も独自性の高い位置づけです。同規模帯11市の中で、見附市(88.5)に次いで下から2番目の水準にあります。
| 項目 | 人数・比率 | 県内順位(高い方) |
|---|---|---|
| 夜間人口(常住人口) | 47,625人 | — |
| 昼間人口 | 42,772人 | — |
| 昼夜間人口比 | 89.8 | 25位(下位) |
→ 昼間に約4,850人が市外へ流出する構造。同規模帯11市中で見附市(88.5)に次ぐ下から2番目、県内では昼夜間流出型16市町村の中で下位。
昼夜間人口比(昼間人口÷夜間人口×100)が89.8で県内25位。夜間人口47,625人に対して昼間人口42,772人と、その差は▲4,853人にのぼります。県内25位は「上から25番目」=「下から6番目」の位置で、明確な昼間流出型の水準です。
同規模帯11市の中では、下位から見附(88.5)・五泉(89.8)・阿賀野(90.9)・加茂(93.3)・魚沼(95.3)・妙高(96.7)・十日町(97.7)・糸魚川(99.2)・胎内(99.4)・佐渡(100.0)・小千谷(100.1)の順で、五泉市は見附市に次ぐ下から2番目です。11市の中央値(96.7)から約7ポイント低い水準にあります。
県内で昼夜間比が100を下回る昼夜間流出型は16市町村(新発田・加茂・十日町・見附・村上・糸魚川・妙高・五泉・阿賀野・魚沼・胎内・弥彦・田上・阿賀・出雲崎・関川)で、五泉市はこの集合の中でも下位に位置します。対照的に、新潟市(101.3・6位)・長岡市(102.4・4位)・三条市(104.2・3位)は明確な流入型です。
数値の意味(データから読み取れる範囲): 昼間の市内活動人口が夜間人口の約9割にとどまるという水準は、五泉市が新潟市の東隣(約20km)という立地から昼間の通勤・通学流出を大きく吸収されていることを示します。同規模帯11市の中で見附市に次ぐ下から2番目という位置が、五泉市を単なる「12位の中規模市」ではなく「ベッドタウン型の中規模市」として県内で位置づける根拠になっています。
⑧ 2050年▲43.7%:同規模帯中央値より若干マイルド
2050年には26,794人(2020年比▲43.7%) まで縮小する見通しで、現在の人口の約59%までの縮小になります。減少率▲43.7%は県内で減少幅が小さい方から17位です。
| 年 | 推計人口 | 2020年比 |
|---|---|---|
| 2020年(実績) | 47,625人 | — |
| 2040年(推計) | 33,178人 | ▲30.3%(▲1.4万人) |
| 2050年(推計) | 26,794人 | ▲43.7%(▲2.1万人) |
▼【グラフ:population_forecast.png — 五泉市の将来人口推計(2020/2040/2050年)棒グラフ】

同規模帯11市の中央値(▲45.1%)と比較すると、五泉市は若干マイルドな側に位置します。11市の中では、佐渡市(▲49.6%)・十日町市(▲47.8%)・妙高市(▲46.7%)・魚沼市(▲46.5%)よりも緩やかで、加茂市(▲48.8%)・糸魚川市(▲45.1%)よりも緩やかな一方、見附市(▲31.4%)・胎内市(▲39.5%)・小千谷市(▲39.2%)・阿賀野市(▲38.8%)よりは深刻な位置にあります。
40年で約2.1万人が失われる規模で、2040年時点で約3.3万人(▲30.3%)まで縮小し、2050年には約2.7万人となります。新潟市自体の2050年推計も▲21.9%と減少するため、隣接する近郊型の位置による相対的な緩さが今後も維持される保証はありません。
⑨ 五泉市の3つの独自軸:ベッドタウン構造・自然減深刻・減速転換
五泉市を県内30市町村の中で他と入替不可な形で位置づける独自軸は、以下の3つです。それぞれが独立した観察軸として成り立っており、この3軸の重なりが五泉市の輪郭を決めています。
独自軸1:新潟市東隣という立地が生んだ「12位の中規模市の中で最も昼間が空く」水準
昼夜間人口比89.8(県内25位) は、五泉市を人口規模順の中央(12位)から昼夜間比順の下位(25位)へと大きくずらす独自軸です。同規模帯の11市(小千谷・加茂・十日町・見附・糸魚川・妙高・五泉・阿賀野・佐渡・魚沼・胎内)の中では見附市(88.5)に次いで下から2番目、県内の昼夜間流出型16市町村の中でも下位に位置します。昼間流出▲4,853人という絶対数は県内でも大きい方に入り、五泉市を「12位の中規模市」ではなく「新潟市東隣のベッドタウン型」として県内で位置づけます。人口規模の順位と昼夜間比の順位が13ランク離れている点が、この独自軸を他市町村と入替不可にしています。
独自軸2:社会減が緩やかでも自然減が深刻という「ベッドタウンの盲点」
社会減▲176人と自然減▲657人の対照 は、五泉市の増減構造を県内で特徴づけるもう1つの独自軸です。社会減▲176人は同規模帯11市の中央値と近い水準で、佐渡(▲270人)・十日町(▲336人)よりも緩やかにとどまりますが、自然減▲657人は同規模帯11市中で佐渡(▲963人)・十日町(▲668人)に次ぐ3番目です。新潟市への通勤圏として社会減が抑えられる一方で、市内の年齢構成に由来する自然減までは緩和されていないという構造がここに現れています。「新潟市に近ければ人口減少は緩む」という単純な予測が、五泉市では自然減で否定される形になっています。
独自軸3:減少率が拡大→ピーク→減速に転じた「峠越え型」の推移パターン
5年減少率が▲5.77% → ▲7.35% → ▲4.06% と2015→2020年をピークに減速に転じた峠越えのパターン は、同規模帯11市の中でも3期連続で拡大する市町村とは異なる推移です。ただし直近5年の▲4.06%は依然として年▲1,935人(累計)の減少ペースで、2050年推計▲43.7%と組み合わせると、減速は「改善」ではなく「拡大の一時停止」として読むのが妥当です。長岡市など3期連続拡大型の中規模市と、五泉市の峠越え型を分けて捉えることで、五泉市の推移面での相対的な位置が見えます。
まとめ
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 現在の人口 | 45,690人(2025年1月1日)・県内12位(11位十日町市と約1,400人差) |
| 5年減少率3期 | ▲5.77% → ▲7.35% → ▲4.06%(2015→2020年ピーク・減速に転じたパターン) |
| 増減内訳(2024年) | 社会減▲176人(緩やか・20位)/自然減▲657人(同規模帯11市中3番目・20位) |
| 昼夜間人口比 | 89.8・県内25位(下位)・同規模帯11市で見附市に次ぐ下から2番目 |
| 2050年推計 | 26,794人(2020年比▲43.7%・減少幅が小さい方から17位) |
出典・情報基準日
| データ | 出典 | 基準日 |
|---|---|---|
| 人口・世帯数・人口動態 | 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」 | 2025年1月1日(動態は2024年1月〜12月) |
| 年齢別人口 | 総務省「住民基本台帳年齢階級別人口」 | 2025年1月1日 |
| 国勢調査人口(2010/2015/2020) | 総務省「令和2年国勢調査」等 | 各年10月1日 |
| 昼夜間人口比 | 総務省「令和2年国勢調査 従業地・通学地集計」 | 2020年10月1日 |
| 将来人口推計 | 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」 | 2023年推計公表 |
| 面積 | 国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」 | 2026年4月1日現在 |
運営者情報は https://niigata-data.com/about 等を参照してください。
本記事の数値は情報基準日時点のものです。最新の状況は各出典元および対象自治体の公式情報をご確認ください。
次回更新推奨:2026年8月頃(令和8年住民基本台帳公表後)

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