加茂市の気候カード:加茂川小盆地の丘陵部と土砂578箇所

データ

この記事でわかること:

  • 加茂市の年間平均気温・夏日・猛暑日・年間降水量・土砂災害警戒区域数の10年平均値
  • 加茂市が三条観測所を共有する三条市・燕市とどこが同じで、どこが違うのか
  • 加茂川沿いの小盆地・丘陵部立地・海岸45km・市街地標高35mという加茂市の物理条件
  • 特別豪雪地帯・全域指定という豪雪地帯区分の加茂市の位置
  • 過去30年で気温・猛暑日・熱帯夜がどれだけ増えたか、直近5年の月別気温と月別降水量

① 加茂市の気候カード:加茂川小盆地の丘陵部と土砂578箇所

加茂市の10年平均気候指標(2014-2023年)と物理条件は下表の通りです。

指標
年間平均気温14.2℃
猛暑日数(10年平均)年間8.9日
夏日数(10年平均)年間119.4日
熱帯夜数(10年平均)年間12.7日
年間降水量1,999mm
日100mm超日数(10年平均)年間0.3日
土砂災害警戒区域数(合計)578箇所(警戒335/特別警戒243)
地形区分丘陵部
海岸距離/市街地標高45km/35m
気候タイプ積雪計なし平野/特別豪雪地帯・全域指定
参照観測所三条観測所(8.1km W・観測所標高9m)

加茂市の年間平均気温・年間降水量・猛暑日等の指標は、同じ三条観測所を参照する三条市・燕市と数値が完全一致します。市町村ごとに変わるのは土砂災害警戒区域数(578箇所)と近隣比較の相手、および地形(丘陵部)・海岸距離(45km)・市街地標高(35m)・豪雪地帯指定範囲(特別豪雪・全域)です。三条観測所を共有する3市の中で加茂市は唯一の丘陵部立地に該当し、市街地標高35mは3市で最も高い値となっています。

② 加茂川沿いの小盆地:3市で唯一の丘陵部立地

加茂市は海岸から45kmの内陸に位置し、市街地標高は35mです。三条観測所を参照する3市の物理条件を並べると、加茂は3市の中で唯一「丘陵部」の地形区分に該当します。

地形区分海岸距離市街地標高主要河川
加茂市丘陵部45km35m加茂川(単独)
三条市平野部40km7m信濃川と五十嵐川
燕市平野部15km5m信濃川と中ノ口川

加茂市の市街地標高35mは三条市7mの5倍、燕市5mの7倍にあたります。海岸距離45kmは3市で最も内陸に位置します。加茂市は加茂川沿いの小盆地に古い町並みが広がる市街地構造で、周囲を丘陵に囲まれています。参照している三条観測所は三条市街地の低地(標高9m)にあるため、加茂川小盆地内や上流の山間部の気温・降水量は本記事の値と異なる可能性があります。海岸45kmの内陸に位置し、加茂川流域の小盆地に古い町並みを持つ加茂市は、同観測所共有3市の中で唯一の丘陵部立地として市域の輪郭を形成しています。

③ 特別豪雪地帯・全域指定:3市の中で加茂だけの位置

三条観測所を共有する3市の豪雪地帯区分は市ごとに異なります。加茂市は特別豪雪地帯・全域指定で、3市の中で唯一「全域+特別豪雪」の指定を持ちます。

豪雪地帯区分指定範囲
加茂市特別豪雪地帯全域
三条市特別豪雪地帯一部(旧下田村)
燕市豪雪地帯全域

三条市は特別豪雪地帯ですが指定範囲は旧下田村の一部のみ、燕市は全域指定ですが豪雪地帯(特別豪雪ではない)区分です。加茂市は3市の中で「特別豪雪」と「全域」の両方を同時に満たす唯一の市です。加茂市の主分類は「積雪計なし平野」で、三条観測所は積雪計を持つ観測所ですが、加茂市に直接の観測所はありません。豪雪地帯・特別豪雪地帯・全域指定は同観測所共有3市の中で加茂市のみに該当し、県央地域で3市の指定範囲が段階的に異なる中で加茂は最も広い指定範囲を持ちます。

④ 土砂災害警戒区域578箇所:3市中位の3.5倍差

加茂市の土砂災害警戒区域は合計578箇所で、内訳は警戒区域335箇所・特別警戒区域243箇所です。同観測所共有3市を並べると、加茂市は中位に該当します。

警戒区域特別警戒区域合計
三条市804箇所
加茂市335243578箇所
燕市166箇所

加茂市の578箇所は燕市166箇所の3.48倍、三条市804箇所の0.72倍にあたります。気温・降水量・猛暑日等の気候指標が3市で完全同一の中、土砂災害警戒区域数だけが4.8倍のレンジで分岐しています。加茂川流域の小盆地・丘陵部という市域構造が、この中位の位置に対応しています。住宅選定・事業立地の検討では、加茂市の警戒区域335箇所と特別警戒区域243箇所の位置を市の土砂災害警戒区域マップで確認する使い方が可能です。加茂578・三条804・燕166の並びの中で加茂は中位に該当し、燕の3.48倍・三条の0.72倍という位置に加茂だけの数値が存在します。

⑤ 30年で気温+0.74℃・猛暑日+6.6日・熱帯夜+7.0日

三条観測所の1994-2003年平均と2014-2023年平均を比較すると、30年間で以下のように変化しています(三条グループ3市共通)。

指標30年前比
平均気温+0.74℃
年間降水量+66.3mm
猛暑日+6.6日
熱帯夜+7.0日
冬日-9.7日
真冬日-0.6日
日100mm超+0.2日

10年区切り3期間の年間平均気温・年間降水量は以下の推移をたどっています。

期間年間平均気温年間降水量
1994〜2003年平均13.4℃1,932.7mm
2004〜2013年平均13.6℃2,195.8mm
2014〜2023年平均14.2℃1,999.0mm
2020〜2024年5年平均14.54℃2,058.7mm

▼【グラフ:kamo_avg_temp_30y.png|加茂市の年間平均気温30年推移(1994-2024)】

直近5年(2020-2024)の年間平均気温14.54℃は、10年平均14.2℃を0.34℃上回っています。直近5年の猛暑日平均は12.2日で、10年平均8.9日を3.3日上回っています。気温+0.74℃・猛暑日+6.6日・熱帯夜+7.0日の増加幅は三条グループ3市で共通で、この地域全体の30年変化を加茂も共有しています。

⑥ 直近5年の月別気温:2023年8月は月平均30.6℃

直近5年(2020-2024)の三条観測所の月別平均気温は、2023年8月に月平均30.6℃を記録しています(三条グループ3市共通)。同月の月最高気温は39.8℃、月最低気温は23.9℃でした。

202020212022202320245年平均
6月22.422.122.322.422.722.4
7月23.726.326.726.926.626.0
8月27.826.726.930.628.028.0
9月24.522.323.725.825.224.3

▼【グラフ:kamo_monthly_temp_5y.png|加茂市の直近5年月別平均気温】

2023年8月の月平均30.6℃と月最高39.8℃は、三条観測所での直近5年内で最も高い夏の記録です。2024年は4月月平均14.1℃・6月月平均22.7℃・10月月平均18.3℃と、5年間で各月最高の値を並べています。2023年8月月平均30.6℃と最高気温39.8℃は、三条観測所での過去5年内で最も高い夏の記録に該当し、加茂市を含む3市共通の記録となっています。

⑦ 年間降水量1,999mmと2つの記録的月

加茂市の年間降水量は10年平均で1,999mmです。直近5年の月別降水量を確認すると、2020年7月と2022年12月の2つの月に多雨の記録が並んでいます。

記録年月降水量5年平均
7月2020年500.5mm273.7mm
12月2022年455.5mm366.3mm
11月2021年311.5mm238.5mm
8月2022年249.5mm153.4mm

▼【グラフ:kamo_monthly_precip_5y.png|加茂市の直近5年月別降水量(三条観測所)】

2020年7月の月降水量500.5mmは、直近5年で最も多い月の値です。2022年12月の月降水量455.5mmは、直近5年の12月で最多の値です。7月は梅雨末期の集中降雨、12月は冬季北陸型の降雨という異なる季節の記録が並んでいます。加茂市の年間降水量1,999mmを月別に分解すると、12月の5年平均366.3mmが年間で最も多い月で、11月238.5mm・7月273.7mmと続きます。2020年7月500.5mmと2022年12月455.5mmは、梅雨末期の集中降雨と冬季北陸型降雨という2つの季節に対応する月別記録となっています。

⑧ 主要月の気候カレンダー(6-9月/11-2月抜粋)

加茂市は「積雪計なし平野」タイプに該当するため、注意期間は夏季(6-9月)の高温と冬季(11-2月)の降雨に集約されます。8ヶ月抜粋のカレンダーは以下の通りです。

5年平均気温5年平均降水量期間の位置づけ
6月22.4℃106.4mm梅雨入り前後
7月26.0℃273.7mm梅雨末期・集中降雨
8月28.0℃153.4mm夏の最高月・猛暑日集中
9月24.3℃170.4mm残暑と秋雨
11月11.2℃238.5mm冬型降雨の入口
12月4.6℃366.3mm年間で最多の月
1月2.7℃207.0mm冬季降雨
2月3.4℃143.3mm冬季降雨の後半

夏季は7-8月の集中降雨と高温が並び、冬季は11-2月に月200mm前後の降雨が続きます。特別豪雪地帯・全域指定の加茂市では、この11-2月の降雨は市域上流部で降雪に変わる期間です。6-9月の高温と11-2月の降雨は、加茂市の年間気候の輪郭を示す期間として、移住・住宅選択時の年間シミュレーションに使える情報となっています。

⑨ 加茂川流域+県央4市町の比較(三条・燕・田上・五泉)

加茂市の気候を、同じ三条観測所を参照する三条市・燕市と、加茂川流域の南隣の田上町・東隣の五泉市(両町とも新津観測所参照)と並べます。

市区町村年間平均気温猛暑日数(10年平均)年間降水量土砂災害区域数
加茂市14.2℃(21位)8.9日(10位)1,999mm(19位)578箇所(17位)
三条市14.2℃(19位)8.9日(9位)1,999mm(18位)804箇所(11位)
燕市14.2℃(22位)8.9日(11位)1,999mm(20位)166箇所(25位)
田上町13.6℃(11位)12.4日(3位)1,830mm(24位)181箇所(24位)
五泉市13.6℃(9位)12.4日(1位)1,830mm(22位)708箇所(13位)

出典:気象庁 過去の気象データ検索(10年平均は2014-2023年)/新潟県「土砂災害警戒区域等マップ」

▼【グラフ:kamo_nearby_climate.png|加茂川流域+県央4市町の年間平均気温・猛暑日比較】

加茂・三条・燕は気温降水量指標が完全同一で、順位のみ辞書順的な安定ソートで1位差の位置に並びます。加茂市は土砂災害区域数で3市中位(三条804 > 加茂578 > 燕166)に該当します。加茂川流域の南隣にある田上町は新津観測所を参照するため、猛暑日12.4日と加茂より多い側の値を持ちます。東隣の五泉市も新津観測所参照で、土砂708箇所と加茂より多い値です。気温降水量が3市同一の中で加茂の土砂578箇所は3市中位という差が、加茂川流域圏を含めたエリア選定の目安になります。

⑩ まとめ:加茂市の気候の輪郭

加茂市の気候の輪郭は、次の4点に集約されます。

  • 加茂川小盆地の丘陵部立地:海岸45km・市街地標高35m・加茂川流域の小盆地に古い町並み。三条観測所を共有する3市の中で唯一の丘陵部立地
  • 特別豪雪地帯・全域指定:3市の中で唯一「全域+特別豪雪」の指定範囲。三条は特別豪雪の一部指定、燕は豪雪の全域指定で加茂とは指定範囲が異なる
  • 土砂災害警戒区域578箇所:警戒335・特別警戒243の合計。3市中位で燕166の3.48倍・三条804の0.72倍
  • 観測値は三条市・燕市と同一:年間平均気温14.2℃・猛暑日8.9日・年間降水量1,999mmは三条観測所を共有する3市で共通。加茂固有に変わるのは土砂・地形・豪雪指定範囲・近隣比較

30市町村中の加茂市の順位は、年間平均気温21位・年間降水量19位・土砂17位でいずれも中位帯に位置します。加茂川小盆地・丘陵部立地・特別豪雪地帯全域指定・土砂578箇所という4点を加茂市の気候の輪郭とし、移住・住宅・事業立地の検討時に読み解いてください。

観測所についての注記

参照観測所について: 加茂市にはAMeDAS観測所がないため、三条観測所(8.1km W)の観測値を使用しています。同じ三条観測所を参照する三条市・燕市の気温・降水量指標は、本記事と同じ数値になります。市町村ごとに変わるのは⑦土砂災害警戒区域数と⑨近隣比較の相手のみです。

三条観測所は加茂市役所から8.1km西の位置にあり、標高9mの三条市街地に設置されています。加茂川小盆地内・上流の山間部の気温・降水量は本記事の値と異なる可能性があります。加茂市の10年平均は2014-2023年、直近5年月別データは2020-2024年、土砂災害警戒区域数は最新指定を使用しています。

データ・情報基準日

指標期間出典
年間平均気温・年間降水量(10年平均)2014-2023年気象庁 過去の気象データ検索
猛暑日・夏日・熱帯夜・冬日・真冬日(10年平均)2014-2023年気象庁 過去の気象データ検索
日100mm超日数(10年平均)2014-2023年気象庁 過去の気象データ検索
月別気温・月別降水量(直近5年)2020-2024年気象庁 過去の気象データ検索
30年前比の集計1994-2003年平均と2014-2023年平均の差気象庁 過去の気象データ検索より算出
土砂災害警戒区域数最新指定新潟県「土砂災害警戒区域等マップ」
地形区分・海岸距離・市街地標高・主要河川各市町村公式サイト
豪雪地帯区分・指定範囲最新指定各市町村公式サイト

情報基準日:2026年9月6日

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