刈羽村の1人当たり所得は県内7位(292.5万円)|規模27位・1人当たり7位の20ランク差は上位10位で最大・変化率29位・製造業集積型のデータ(R5年度)

市町村

刈羽村(新潟県中越地域・中越12市町村の1つ)の1人当たり課税対象所得(R5年度)は 292.5万円 で、新潟県30市町村中 7位 です。

10年で +7.2%(+19.5万円) 変化しましたが、変化率の順位は県内 29位(単独同率) で、額の順位(7位)と変化率の順位(29位)に 22ランクの乖離 が観察できます。さらに、課税対象所得総額の規模順位は県内 27位(納税義務者数も27位)で、規模指標(27位)と1人当たり指標(7位)の順位差 20ランク は、県内上位10位10市町村の中で 最も大きい乖離幅 として観察できます。推計手取りは 343.6万円(県内7位)で、10年で+7.4万円(+2.2%)変化しています。

主要業種1位は製造業(就業者比率22.4%)、2位は医療・福祉(14.8%)、3位は建設業(12.3%)で、産業タイプは 製造業集積型、総就業者数 2,224人 の村単位の小規模自治体です。

この記事は、総務省「市町村税課税状況等の調べ」ほかの公的統計をもとに、刈羽村の所得水準・10年変化・規模と1人当たりの20ランク乖離・後半5年の変化率失速・所得種類別の内訳・中越12市町村内での位置づけ・製造業集積型の産業構造・移住検討者/事業者への読み方までを、記事単体で判断材料が読み取れる構造で整理したものです。


この記事でわかること

  • R5年度の1人当たり課税対象所得は 292.5万円(県内 7位/30市町村中)・県平均+15.4万円・県中央値+19.1万円
  • 課税対象所得総額は約 59.9億円(県内 27位・シェア0.20%)・所得割納税義務者は 2,049人(県内 27位・シェア0.20%)
  • 規模指標(27位)と1人当たり指標(7位)の順位差 20ランク は上位10位10市町村の中で 最も大きい乖離幅
  • H25→R5の10年変化は +7.2%(+19.5万円) で、変化率順位は県内 29位(単独同率)・上位10位で最下位の水準
  • 前半(H25→H30)+4.99%・後半(H30→R5)+2.06%で、後半変化率は前半の約41%に鈍化・課税対象所得後半変化率は -1.72%(マイナス)
  • 所得割納税義務者 2,049人 のうち 83.0%が給与所得者(単独同率)、農業所得者は0.4%(3市町村同率:新潟・刈羽・見附)
  • 1人当たり住民税(所得割)は約 9.5万円・実効税率 3.3%(8市町村同率)
  • 推計手取りはR5の 343.6万円(県内7位)・10年で +7.4万円(+2.2%)・変化率順位は県内 28位
  • 産業タイプは 製造業集積型、主要業種は製造業22.4%・医療福祉14.8%・建設業12.3%(村単位・上位10位で建設業3位入りは刈羽村のみ)
  • 中越12市町村では 4位(長岡・三条・柏崎に次ぐ)、中越圏内の県内順位範囲は 県内3〜30位

① 刈羽村の1人当たり所得(規模27位×1人当たり7位の20ランク乖離は上位10位で最大・R5年度サマリー)

刈羽村の住民所得の全体像を数値で確認します。

指標数値県内順位(30市町村中)
1人当たり課税対象所得292.5万円7位
所得割納税義務者数2,049人27位
課税対象所得(総額)約59.9億円27位
推計手取り343.6万円7位
1人当たり住民税(実額)約9.5万円7位
実効税率3.3%3位(8市町村同率)

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)

1人当たり所得は県内7位である一方、規模指標(所得割納税義務者数・課税対象所得総額)はいずれも県内27位で、規模指標(27位)と1人当たり指標(7位)で 20ランクの順位差 があります。県平均(277.1万円)を +15.4万円、県中央値(273.3万円)を +19.1万円 上回っています。県内1位の新潟市(319.5万円)との差は -27.0万円、県内30位(津南町 256.7万円)との差は +35.8万円 です。

所得割納税義務者の県内シェアは 0.20%、課税対象所得総額のシェアも 0.20% で、いずれも県内シェアは1%未満の小規模自治体です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

規模指標(27位)と1人当たり指標(7位)で20ランクの順位差がある構造は、刈羽村が県内で「規模帯の下位・1人当たり水準が上位帯」に位置する構造の観察です。県内で1人当たり所得が刈羽村を上回る6市町村(新潟・上越・長岡・燕・三条・柏崎)は、いずれも規模指標が県内1〜7位で1人当たりも上位帯にあります。刈羽村のように「規模20位以下・1人当たり10位以内」の位置に該当するのは、県内上位10位の中で刈羽村のみとなる観察です。


▼【グラフ:kariwa_県内ランキング.png 新潟県30市町村 1人当たり課税対象所得ランキング(R5年度・刈羽村を強調)】


② 県内順位と中越圏内での位置づけ(中越4位・変化率22ランク乖離は上位10位で最大)

R5年度の1人当たり課税対象所得の県内上位10市町村を確認します。

順位市町村1人当たり所得規模順位順位差地域
1位新潟市319.5万円1位0下越
2位上越市305.4万円3位1上越
3位長岡市302.5万円2位1中越
4位燕市300.8万円6位2下越
5位三条市297.9万円4位1中越
6位柏崎市292.8万円7位1中越
7位刈羽村292.5万円27位20中越
8位糸魚川市286.6万円12位4上越
9位妙高市284.3万円18位9上越
10位新発田市283.9万円5位5下越
  • 県平均:277.1万円(刈羽村 +15.4万円)
  • 県中央値:273.3万円(刈羽村 +19.1万円)
  • 県30位(津南町)との差:+35.8万円

刈羽村の1人当たり所得は上位10位中で7番目の水準にあります。上位6市町村(新潟・上越・長岡・燕・三条・柏崎)の1人当たり所得は292.8万円以上で、刈羽村(292.5万円)との差は0.3万円〜27.0万円の範囲です。県内6位の柏崎市(292.8万円)との差は -0.3万円と極めて近接しており、6位・7位は同水準で並んでいます。

規模指標と1人当たり指標の20ランク乖離は上位10位で最大

上表の「規模順位」は課税対象所得総額の県内ランキングで、「順位差」は1人当たり所得順位と規模順位の差の絶対値です。刈羽村の順位差20ランクは、上位10位10市町村の中で 最も大きい順位差 として観察できます。上位10位の他9市町村はいずれも規模順位が県内1〜18位に収まっており、規模順位20位以下となる市町村は上位10位で刈羽村(27位)のみです。

中越12市町村内での位置づけ

刈羽村は中越12市町村(長岡市・三条市・柏崎市・湯沢町・小千谷市・南魚沼市・見附市・出雲崎町・十日町市・魚沼市・津南町)で1人当たり所得 4位 です。中越圏内1位は長岡市(302.5万円・県内3位)、2位は三条市(297.9万円・県内5位)、3位は柏崎市(292.8万円・県内6位)で、刈羽村はこれに次ぐ位置となります。

中越圏の県内順位範囲は 県内3〜30位 で、圏内に県内3位(長岡市)から県内30位(津南町)まで含まれる分布です。圏内格差(長岡市302.5万円 − 津南町256.7万円)は 45.8万円 で、県格差62.8万円(1位-30位)の約73%を占めます。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

中越圏12市町村のうち刈羽村は4位で、長岡市・三条市・柏崎市に次ぐ位置にあります。この上位4市町村はいずれも産業タイプが製造業関連(長岡・三条・柏崎・刈羽はいずれも製造業集積型)で、中越圏の中で1人当たり所得の上位帯を占める観察となります。刈羽村は上位4市町村の中で唯一の「村」単位の自治体で、規模指標27位(所得割納税義務者2,049人)という極小規模のもとで1人当たり所得の上位帯に位置しているという構造の観察です。


▼【グラフ:kariwa_所得推移.png 刈羽村の1人当たり課税対象所得の推移(H25→H30→R5)】


③ 10年間の推移と後半5年の失速(前半+4.99% → 後半+2.06%)

過去10年間(H25→H30→R5)の住民所得の変化を確認します。

指標H25→R5の10年変化
1人当たり課税対象所得+19.5万円(+7.2%)
実効税率-0.1ポイント
課税対象所得(総額)+2.5%
納税義務者数-94人(-4.39%)
推計手取り+7.4万円(+2.2%)
推定給与収入+12.0万円

前半(H25→H30)の1人当たり所得の変化率は +4.99%、後半(H30→R5)は +2.06% で、後半変化率は前半の約41%(半減以下)に鈍化した推移となっています。上位10位の他市町村では前後半でほぼ同率または後半加速のパターンが見られる例(燕市・糸魚川市・妙高市など)が観察されますが、刈羽村は後半5年に変化幅が明確に鈍化する推移です。

変化率+7.2%(県内29位)は上位10位で最下位

R5の1人当たり所得ランキングは県内7位、10年変化率ランキングは県内29位(変化率は刈羽村の単独同率)で、その差は 22ランク です。県内上位10位10市町村の中で変化率順位20位以下となるのは、新潟市(変化率20位)・柏崎市(変化率26位)・刈羽村(変化率29位)の3市町村で、刈羽村は上位10位の中で最も変化率順位が低い水準となります。

上位10位の変化率ランキングを並べると:

額順位市町村10年変化率変化率順位
1位新潟市+11.3%20位
2位上越市+11.5%17位(同率)
3位長岡市+11.5%17位(同率)
4位燕市+15.6%4位
5位三条市+13.9%9位
6位柏崎市+8.8%26位(単独同率)
7位刈羽村+7.2%29位(単独同率)
8位糸魚川市+15.0%6位
9位妙高市+11.7%15位
10位新発田市+11.7%15位(同率)

刈羽村の +7.2% は上位10位10市町村の中で最も低い変化率水準です。上位10位の大部分は +11〜16% 台に分布しており、刈羽村の +7.2% はこれらを4〜8ポイント下回る値となっています。

課税対象所得後半変化率 -1.72%(マイナス)

課税対象所得(総額)の後半5年変化率は -1.72% で絶対値としてマイナス方向の推移です。10年通算では課税対象所得総額 +2.5% と伸びていますが、これは前半5年に増加した分で後半5年の減少を上回っている構造の観察です。上位10位の他市町村では課税対象所得後半5年がマイナスに転じる例は少なく、刈羽村の後半-1.72%は上位10位の中で観察例の少ないパターンとなります。

この構造には納税義務者数の10年変化 -94人(-4.39%) が対応しており、納税義務者数の減少が課税対象所得総額の伸びを打ち消す構造として観察できます。1人当たり所得+7.2%と課税対象所得総額+2.5%の差4.7ポイントは、納税義務者数-4.39%の減少と対応した観察です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

10年変化率 +7.2%(県内29位・単独同率)という順位は、刈羽村が「1人当たり所得の水準は県内上位帯(7位)を維持する一方、10年の伸び幅は上位10位の中で最も鈍化している」構造にあることを示す観察です。前半5年(+4.99%)から後半5年(+2.06%)へ変化幅が半減以下に鈍化した推移、および課税対象所得総額の後半-1.72%というマイナス方向の変化は、上位10位の中で観察例の少ないパターンです。額の順位(7位)と変化率の順位(29位)の22ランク差は、額の順位(7位)と規模の順位(27位)の20ランク差と並行して観察できる構造となります。これは因果関係の断定ではなく、順位パターン・前後半の変化幅の分布・納税義務者数の減少との対応関係を観察したものです。


④ 所得種類別の内訳(給与所得者83.0%・単独同率)

所得割納税義務者の所得源泉の内訳を確認します。

所得区分納税義務者数比率
給与所得者1,701人83.0%
営業等所得者36人1.8%
農業所得者9人0.4%
その他303人14.8%
合計2,049人100%

給与所得者が83.0%を占めています。営業等所得者は1.8%、農業所得者は0.4%、その他(年金所得等を含む)は14.8%です。給与所得者比率83.0%は県内8位で、この比率は刈羽村 単独同率 の値です。

上位10位10市町村の給与所得者比率を並べると、新潟81.9%・上越82.7%・長岡82.6%・燕84.9%・三条83.2%・柏崎80.5%・刈羽83.0%・糸魚川80.1%・妙高81.4%・新発田82.2%です。刈羽村83.0%は上位10位の中で燕市84.9%・三条市83.2%に次ぐ3番目に高い水準となります。

農業所得者比率0.4%は3市町村同率

農業所得者比率0.4%は、新潟市・刈羽村・見附市の 3市町村同率グループ に属します(県内21位)。刈羽村の農業所得者数9人は絶対数として県内下位、納税義務者数2,049人という分母のもとで比率は0.4%となります。

農業産出額は 6.0億円(県内27位) で、産出額規模と農業所得者比率(0.4%)はいずれも県内下位帯に位置しています。就業形態と所得申告の関係で、農業由来の生活水準は課税対象所得に完全には反映されない可能性があります(⑨データの見方参照)。

営業等所得者36人・その他所得者303人

営業等所得者36人・比率1.8%は絶対数・比率とも県内下位帯の水準です。その他所得者303人・比率14.8%は年金所得等を含む区分で、上位10位10市町村の中では中位に位置します。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

給与所得者比率83.0%が単独同率であり、上位10位で3番目に高い水準にあるという観察は、刈羽村の所得構成が「給与所得中心の構造で、営業等・農業所得の比重は低い」構造にあることを示すデータです。総就業者2,224人(⑥参照)のうち製造業499人・医療福祉329人など雇用型就業の比重が高い産業構造が背景にあります(産業構造と所得区分の対応の観察であり、因果関係の断定ではありません)。


▼【グラフ:kariwa_所得種類別.png 刈羽村の所得種類別 所得割納税義務者数(R5年度)】


⑤ 推計手取りと住民税・実効税率(手取り転換率61.7%・実効税率3.3%は8市町村同率)

住民税(所得割)の実額と、社会保険料・所得税を含む推計手取りの構造を確認します。

住民税(所得割)と実効税率

指標H25年度R5年度10年変化
1人当たり住民税(所得割)概ね9万円台約9.5万円(95,426円)概算ベースで微増
実効税率(住民税÷課税対象所得)3.4%3.3%-0.1ポイント

R5の実効税率3.3%は県内 3位、刈羽村・上越市・長岡市・燕市・三条市・柏崎市・糸魚川市・湯沢町の 8市町村同率 に属します。県平均差は +0.1ポイント で県平均とほぼ同水準です。上位10位の中では、新潟市の実効税率4.5%(県内1位・単独同率)に対して、他9市町村は3.2〜3.3%の範囲に集中しています。

10年間の実効税率の変化 -0.1ポイント(H25:3.4% → R5:3.3%)はマイナス方向で、刈羽村の1人当たり住民税実額の変化率が1人当たり所得の10年変化率+7.2%を下回るため、実効税率は結果として低下しています。

推計手取りの構造

課税対象所得(給与所得)から給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、各年度の公式保険料率・税制を用いて手取りを試算しました。

項目R5年度10年変化(H25→R5)
推定給与収入(※1)約420.6万円+12.0万円
1人当たり住民税(実額)約9.5万円概算ベースで微増
推計手取り約343.6万円+7.4万円(+2.2%)

推計手取り343.6万円は県内 7位、推計手取り変化率+2.2%は県内 28位 で、額と変化率の順位に 21ランクの乖離 があります。1人当たり所得における22ランクの乖離(7位 vs 29位)と同型(額上位・変化率下位)のパターンが、推計手取りでもほぼ同じ幅で観察されます。

手取り転換率61.7%の観察

推定給与収入(額面)の10年増加+12.0万円のうち、税・社会保険料の増加を差し引いた後に手取りとして残る割合は 61.7%(手取り転換率)です。給与収入増+12.0万円のうち約38%(+4.6万円分)は社会保険料・所得税・住民税実額の増加に吸収され、手取りとして残るのは +7.4万円となっています。

県内上位10位の他市町村の手取り転換率と比較すると、刈羽村の手取り転換率61.7%は上位10位内では下位帯に位置します。実効税率が10年で-0.1ポイントとやや低下していること、給与収入の10年増加幅+12.0万円が上位10位の中では下位帯(柏崎市+17.1万円・新潟市+27.9万円などと比べて小さい)ことが対応した観察となります(因果関係の断定ではなく、複数指標間の対応関係の観察です)。

※1 給与収入は課税対象所得(給与所得)から各年度の給与所得控除(所得税法の計算式)で逆算した推定値です。
※2 推計手取りの計算モデル・想定料率・控除条件は記事末の「出典」欄に明示しています。


⑥ 刈羽村の主力産業(建設業3位入りは上位10位で刈羽村のみ・製造+医療+建設で就業者49.5%)

刈羽村の産業構造と所得水準の対応関係を、複数データで観察します。

産業タイプと就業構造

刈羽村は産業構造マスター(総務省 国勢調査 令和2年)で 製造業集積型 に分類されています。県内で製造業集積型に該当する市町村は複数あり、上位10位内では製造業関連の産業タイプに属する市町村が多くを占めます。

総就業者数は 2,224人(総就業者数10年変化率 -11.1%)です。総就業者数は10年で約280人減少しており、納税義務者数の10年変化 -94人(-4.39%)と方向は一致した推移となります。

主要業種は次の通りです。

順位業種就業者比率就業者数
1位製造業22.4%499人
2位医療・福祉14.8%329人
3位建設業12.3%274人

3業種合計で就業者の 49.5% を占めます。

主要業種3位に建設業が入る村単位の産業構成

主要業種3位が建設業となる産業構成は、県内上位10位10市町村の中で刈羽村のみに観察される構成です。上位10位の他9市町村では主要業種3位が卸売業・小売業・医療福祉・製造業などとなっています。刈羽村の建設業12.3%(274人)は、村単位の総就業者2,224人という母数のもとで主要業種3位に入る比率となっています。

製造業関連の規模指標と効率指標

製造業関連の指標(経済産業省 工業統計調査 令和4年)と農業産出額(農林水産省 令和4年)は次の通りです。

指標数値県内順位
製造業従業者数299人下位帯
製造品出荷額約43.9億円28位
付加価値額約23.1億円28位
1人あたり付加価値額774万円23位
農業産出額6.0億円27位

規模指標(製造品出荷額28位・付加価値額28位)は県内下位帯、1人あたり付加価値額(23位)も下位帯に位置します。上位10位内では、規模指標が県内下位帯となる市町村は刈羽村のみで、他9市町村の製造業規模指標は概ね県内上位帯に位置します。

なお1人あたり付加価値額774万円は 製造業事業所ベースの分母 で算出された指標で、住民所得の1人当たり課税対象所得292.5万円(所得割納税義務者ベース)とは分母が異なる別の指標です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

刈羽村の産業構造は「製造業主導(就業者22.4%)・3業種で就業者の49.5%を占める構成」と「主要業種3位に建設業が入る村単位の産業構成」の組合せです。総就業者2,224人という村単位の極小規模自治体としては、製造業・医療福祉・建設業の3業種構成で就業者の約半数を占める構造となります。総就業者数の10年変化 -11.1% は納税義務者数の10年変化 -4.39% と方向を同じくしており、就業者数の減少が納税義務者数の減少に対応する構造として観察できます。ただしこれらは所得水準との相関の観察であり、産業構造が住民所得を決定しているという因果関係を意味するものではありません。



⑦ 中越12市町村比較でみる刈羽村の位置(中越4位・上位4市町村はいずれも製造業集積型で並ぶ)

刈羽村が属する中越圏は、県内3圏域(下越・中越・上越)の中で12市町村を含む中規模の圏域です。中越圏の1人当たり所得と刈羽村の位置を確認します。

中越圏の県内順位範囲と刈羽村の位置

中越圏12市町村(長岡市・三条市・柏崎市・刈羽村・湯沢町・小千谷市・南魚沼市・見附市・出雲崎町・十日町市・魚沼市・津南町)の1人当たり所得は、県内順位で 3位(長岡市)から30位(津南町) まで広く分布します。刈羽村は中越圏内 4位、県内7位に位置します。

中越圏上位4市町村を並べると:

中越順位市町村1人当たり所得県内順位産業タイプ
1位長岡市302.5万円3位製造業集積型
2位三条市297.9万円5位製造業集積型
3位柏崎市292.8万円6位製造業集積型
4位刈羽村292.5万円7位製造業集積型

中越圏上位4市町村(長岡・三条・柏崎・刈羽)はいずれも産業タイプが製造業集積型で、県内順位3〜7位に集中しています。4市町村の1人当たり所得の差は最大で10.0万円(長岡市 – 刈羽村)、最小で0.3万円(柏崎市 – 刈羽村)で、いずれも近接した水準です。

中越圏内で規模指標下位・1人当たり上位のパターン

中越圏内での規模指標(課税対象所得総額)ランキングは、長岡市 県内2位・三条市 県内4位・柏崎市 県内7位・刈羽村 県内27位 で、刈羽村のみ規模指標が下位帯に位置します。中越圏上位4市町村のうち、規模指標(2位・4位・7位・27位)と1人当たり指標(3位・5位・6位・7位)の順位差は、長岡1・三条1・柏崎1・刈羽20 で、刈羽村の20ランク差は圏内他3市とは異なる規模構造の観察です。

中越圏の分布幅と圏内格差

中越圏の圏内格差(長岡市302.5万円 − 津南町256.7万円)は 45.8万円 で、県格差62.8万円(1位-30位)の約 73% に相当します。中越圏は3圏域の中で下越圏に次ぐ広い分布幅(幅27ランク)を持ち、刈羽村はこの中で上位4位に位置します。

参考として、下越圏(幅28ランク・県内1〜29位)は分布幅が最も広い圏域、上越圏(幅7ランク・県内2〜9位)は分布幅が最も狭い圏域です。中越圏はその中間帯で、上位4市町村(長岡・三条・柏崎・刈羽)と下位帯(十日町・魚沼・津南)の間に広い分布を持ちます。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

刈羽村は中越圏の上位4市町村の1つとして、長岡市・三条市・柏崎市に次ぐ位置にあります。この上位4市町村はいずれも製造業集積型の産業タイプを持ち、県内順位3〜7位の帯に並んで観察されます。中越圏の分布幅が県格差の約73%を占めるという構造は、圏内で1人当たり所得の水準が上位帯(3〜7位)と下位帯(20位台後半〜30位)に分かれていることを示す観察です。刈羽村はこの中で上位帯に属する村単位の自治体で、規模指標が県内27位という下位帯に位置しながら1人当たり所得は圏内上位4位に位置する構造の観察となります。


⑧ 移住検討者・事業者への読み方

本章は「刈羽村 移住」「刈羽村 平均年収」「刈羽村 手取り」「刈羽村 所得」等の検索意図に対する、データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。

移住検討者への読み取り材料

読み取り材料データ根拠
中越圏4位・県内7位の所得水準292.5万円・県内7位・県平均+15.4万円
給与所得者中心(83.0%・単独同率)給与所得者比率83.0%・給与所得者1,701人
村単位の極小規模自治体(納税義務者2,049人・県内27位)課税対象所得総額シェア0.20%
実効税率3.3%は8市町村同率・県平均+0.1ポイント実効税率同率グループ8市町村・県平均とほぼ同水準
推計手取りは県内7位水準推計手取り343.6万円・R5想定料率による試算値
中越圏内は上位4市町村(長岡・三条・柏崎・刈羽)に集中中越圏4位・県内順位3〜7位に上位4市町村が並ぶ

事業者への読み取り材料

読み取り材料データ根拠
総就業者2,224人・県内シェア0.20%の商圏納税義務者2,049人・シェア0.20%
製造業BtoBは小規模(製造品出荷額43.9億円・県内28位)付加価値額23.1億円・県内28位
主要業種3位に建設業12.3%(村単位の産業構成)建設業就業者274人
3業種で就業者49.5%(製造+医療+建設で約半分)製造22.4+医療14.8+建設12.3
農業所得者比率0.4%は3市町村同率(新潟・刈羽・見附)農業産出額6.0億円・県内27位
1人あたり付加価値額774万円(県内23位)は労働生産性の観察製造業事業所ベースの指標

研究者・地域理解への読み取り材料

読み取り材料データ根拠
規模指標(27位)と1人当たり指標(7位)の20ランク差は上位10位で最大課税対象所得ランキング27位・1人当たり所得ランキング7位
額と変化率の順位乖離22ランク(7位 vs 29位)は上位10位で最大変化率ランキング29位・1人当たり所得ランキング7位
変化率+7.2%は刈羽村の単独同率(上位10位で最下位の水準)変化率同率グループは刈羽村のみ
推計手取りでも同型の乖離21ランク(7位 vs 28位)推計手取り7位・推計手取り変化率28位
前半+4.99% vs 後半+2.06%(約41%に鈍化)上位10位で観察例の少ない後半鈍化パターン
課税対象所得後半変化率-1.72%(マイナス)上位10位で観察例の少ないマイナス方向の推移
納税義務者数10年-94人(-4.39%)総就業者数10年-11.1%と方向一致
給与所得者比率83.0%は単独同率(県内8位・上位10位で3番目に高い)給与所得者中心の所得構成
農業所得者比率0.4%は3市町村同率(新潟・刈羽・見附)農業産出額と申告比率の対応
実効税率3.3%は8市町村同率・10年-0.1ポイント低下実効税率同率グループ8市町村
主要業種3位に建設業が入るのは上位10位で刈羽村のみ上位10位の他9市町村の3位は卸売・医療・製造など
中越圏内で規模指標下位・1人当たり上位のパターンは刈羽村のみ中越圏上位4市町村中の規模順位27位

⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、投資助言・移住助言・個別の意思決定を代替するものではありません。


⑨ データの見方・注意点

順位=豊かさではありません

1人当たり課税対象所得の順位は、後述する複数の解釈上の制約を含んだ指標に基づいています。順位が高いことをもって「豊かな地域」「移住すべき地域」等の価値判断を行うことはできません。順位はあくまで所得割の課税ベース上の数値の相対比較です。

課税対象所得は手取り収入ではありません

課税対象所得(合計所得金額)は、給与・事業・農業などの各所得から給与所得控除等の所得種別の控除を差し引いた所得の合計です。ここからさらに基礎控除・社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除等を差し引いた額が住民税・所得税の課税標準となります。課税対象所得と実際の手取り収入は異なります。

推計手取りの計算モデル

⑤の推計手取りは、給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、公式保険料率と概算率を用いた試算値です。想定料率(協会けんぽ新潟県の概算率)と控除モデル(基礎控除・配偶者控除・扶養控除1人)は記事末の「出典」欄に明示しています。実際の手取りは家族構成・扶養控除・iDeCo/生命保険料控除等の個別事情で大きく変動します。

実効税率3.3%(8市町村同率)は「税率設定の違い」ではありません

⑤で提示した実効税率3.3%は「1人当たり住民税実額 ÷ 1人当たり課税対象所得」で算出された結果値です。市町村が独自に税率を3.3%に設定したという意味ではありません。所得規模・控除後所得の構造・所得税との連動の結果として算出された実効的な数値であり、他市町村との差を「税率設定の違い」として解釈することはできません。

極小規模自治体の指標変動について

刈羽村の所得割納税義務者数は2,049人と少数です。少数の分母のもとでは、少数の納税義務者の異動(転入・転出・所得区分の変更等)が指標全体に影響します。10年変化率・シェア・比率等の指標を解釈する際にはこの規模特性に留意が必要です。また、後半5年の課税対象所得-1.72%等のマイナス方向の変化も、極小規模自治体の変動特性の中で観察するのが妥当です。

課税対象所得10年変化率+2.5%と1人当たり所得10年変化率+7.2%の差

課税対象所得(総額)の10年変化率+2.5%と1人当たり所得の10年変化率+7.2%の差 +4.7ポイントは、納税義務者数の10年変化 -4.39% と対応した観察です。1人当たり所得は伸びていても、納税義務者数(分母)の減少で総額の伸びが打ち消される構造となります。これは因果関係の断定ではなく、指標間の対応関係の観察です。

農業地域では過小表示になる場合があります

農業所得は申告による実額ですが、自家消費・現物収入は含まれない場合があります。刈羽村の農業所得者比率は0.4%(3市町村同率)、農業産出額は6.0億円(県内27位)で、就業形態と所得申告の関係で農業由来の生活水準が課税対象所得に完全には反映されない可能性があります。

所得割納税義務者は全住民ではありません

課税対象所得が控除額を下回る場合(所得が低い・年金受給のみ等)は所得割の納税義務者に含まれません。R5年度の刈羽村の所得割納税義務者数は2,049人で、これは全人口とは異なります。高齢化が進んだ市町村では分母が小さくなり、1人当たり所得が見かけ上高くなる場合があります。

1人あたり付加価値額と1人当たり所得の混同注意

⑥で提示した1人あたり付加価値額 774万円(県内23位)は 製造業事業所ベース の指標で、住民所得の1人当たり課税対象所得292.5万円(所得割納税義務者ベース)とは分母が異なる別の指標です。両者を同一の「1人あたり所得」として扱うことはできません。

産業タイプ「製造業集積型」の内訳は本記事の範囲外

産業構造マスターにおける「製造業集積型」は複数市町村に該当する分類です。個別業種(機械・電子部品・素材産業など)の内訳や、事業所別の付加価値構造は本記事の使用データでは扱っていません。個別業種の議論を要する場合は、事業所ベース統計等の別データをご参照ください。


まとめ

刈羽村の住民所得の特徴(データから読み取れる範囲)

  • 1人当たり課税対象所得は 292.5万円 で県内 7位/30市町村中(R5年度)。県平均+15.4万円・県中央値+19.1万円・県内1位の新潟市との差-27.0万円
  • 課税対象所得総額は約 59.9億円(県内27位・シェア0.20%)・所得割納税義務者は 2,049人(県内27位・シェア0.20%)
  • 規模指標(27位)と1人当たり指標(7位)の順位差 20ランク は、県内上位10位10市町村の中で最も大きい乖離幅
  • H25→R5の10年で +7.2%(+19.5万円)。前半(H25→H30: +4.99%)から後半(H30→R5: +2.06%)へ変化幅が約41%に鈍化。課税対象所得後半変化率は -1.72%(マイナス)
  • 所得割納税義務者2,049人(県内シェア0.20%)のうち 83.0%が給与所得者(単独同率・県内8位)、農業所得者は0.4%(3市町村同率:新潟・刈羽・見附)、その他所得者は14.8%
  • 実効税率 3.3%は8市町村同率(県平均+0.1ポイント・10年-0.1ポイント低下)。1人当たり住民税実額は約9.5万円で県内7位
  • 推計手取りは10年で 約7.4万円増加(+2.2%・県内28位)。給与収入増+12.0万円のうち 61.7% が手取りに転換
  • 産業タイプは 製造業集積型、主要業種は製造業22.4%(499人)・医療福祉14.8%(329人)・建設業12.3%(274人)。主要業種3位に建設業が入るのは県内上位10位で刈羽村のみ
  • 中越圏4位(長岡・三条・柏崎に次ぐ)・中越圏内の県内順位範囲は県内3〜30位

移住検討者・事業者への読み方(判断材料)

  • 移住検討者: 中越圏4位・県内7位の所得水準・給与所得者中心(83.0%単独同率)・実効税率と手取り水準は上位帯・村単位の極小規模自治体(納税義務者2,049人)
  • 事業者: 総就業者2,224人・県内シェア0.20%の商圏・製造業BtoBは小規模(付加価値額県内28位)・主要業種3位に建設業12.3%が入る村単位の産業構成
  • 研究者・地域理解: 規模と1人当たりの20ランク乖離は上位10位で最大・額と変化率の22ランク乖離も上位10位で最大・後半5年で変化率が約41%に鈍化・課税対象所得後半-1.72%は上位10位で観察例が少ない・中越圏上位4市町村は製造業集積型で並ぶ

派生指標で見える意外な観察

  • 1人当たり所得7位 ですが 課税対象所得総額の規模は県内27位。この規模と1人当たりの20ランク差は上位10位10市町村で最も大きい乖離幅
  • 10年変化率+7.2%は県内29位(単独同率) で上位10位の中で最も変化率順位が低い水準。上位10位で変化率20位以下は3市町村のみ(新潟20位・柏崎26位・刈羽29位)
  • 推計手取り7位・推計手取り変化率28位21ランクの乖離。1人当たり所得と同型のパターンが観察される
  • 前半変化率+4.99% vs 後半変化率+2.06%(後半変化率は前半の約41%)。上位10位で観察例の少ない後半鈍化パターン
  • 課税対象所得後半変化率-1.72%(マイナス)。10年通算では課税対象所得+2.5% と伸びるが、これは前半の増加が後半の減少を上回る構造の観察
  • 納税義務者数10年-94人(-4.39%)。総就業者数10年-11.1%と方向一致
  • 給与所得者比率83.0%は刈羽村の単独同率(県内8位)。上位10位で燕市84.9%・三条市83.2%に次ぐ3番目に高い水準
  • 農業所得者比率0.4%は3市町村同率(新潟・刈羽・見附)
  • 実効税率3.3%は8市町村同率(刈羽・上越・長岡・燕・三条・柏崎・糸魚川・湯沢)。10年-0.1ポイント低下
  • 主要業種3位に建設業12.3%が入る 産業構成は、県内上位10位で刈羽村のみに観察されるパターン
  • 中越圏12市町村中4位(長岡・三条・柏崎に次ぐ)。中越圏上位4市町村はいずれも製造業集積型

この記事の執筆・データについて

執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和5年度(2023年度)市町村税課税状況等の調べ/国勢調査 令和2年/工業統計調査 令和4年/市町村別農業産出額(推計)令和4年
更新日: 2026-09-05
運営者情報: https://niigata-data.com/運営者情報/
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本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・税務相談ではありません。移住・就職・事業判断等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。

刈羽村は単一自治体として集計されており、村内地区別ごとの所得水準・産業構造は本記事の使用データ(刈羽村一括集計)では扱えません。地区別の議論を要する場合は、刈羽村が公表する統計等の別データをご参照ください。


出典

  • 1人当たり課税対象所得・所得割納税義務者数・住民税(所得割)実額・所得種類別納税義務者数:
    総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年・平成30年・平成25年)
  • 産業別就業者数・産業タイプ・主要業種1〜3位・総就業者数:
    総務省(国勢調査 令和2年)
  • 製造業従業者数・製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額:
    経済産業省(工業統計調査 令和4年)
  • 農業産出額:
    農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)

推計値について:
本記事の「推計手取り」は総務省 課税対象所得から社会保険料・所得税・住民税を控除した試算値です。
想定料率:

  • H25:厚生年金 8.737%/健保 4.985%/雇保 0.5%
  • H30:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.3%
  • R5:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.6%
    (協会けんぽ新潟県の概算率を使用)
    控除モデル:基礎控除(H25・H30: 38万、R5: 48万)・配偶者控除・扶養控除1人・社会保険料控除
    データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
    次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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