燕市の住宅着工件数は?持家・貸家の推移と県内比較をデータで分析(R5年)

住宅着工件数

燕市では年間421戸の住宅が着工されています(R5年度)。新潟県30市町村の中で着工戸数は4位、1,000人あたり着工戸数は1位です。

新潟県30市町村のうち21市町村で住宅着工が10年で3割以上減少するなか、燕市はH25年度比で+2.9%と数少ない「10年で増加」の5市町村の一つです。しかも中身は「持家が減り、貸家が2倍以上に増える」構造変化が進んでいます。

この記事では、国土交通省「建築着工統計調査」をもとに、燕市の住宅着工件数の推移・持家と貸家の内訳・人口比較・県内での位置づけを整理します。


この記事でわかること

  • R5年度(2023年度)の新設住宅着工戸数は421戸(県内4位・1,000人あたり1位
  • H25年度比で+2.9%増加(新潟県30市町村のうち増加した5市町村の一つ)
  • 着工住宅のうち持家が55.3%(233戸)、貸家が38.0%(160戸)、分譲が6.7%(28戸)
  • 貸家着工は10年で71戸→160戸(+125%)と大きく増加し、持家は328戸→233戸(-29%)に減少
  • 1,000人あたり着工戸数は5.54戸/千人(県平均を大きく上回り県内1位)

① 住宅着工サマリー(R5年度)

燕市の住宅着工の現状を確認します。

区分着工戸数比率県内順位
合計421戸4位
持家233戸55.3%
貸家160戸38.0%
分譲住宅28戸6.7%

※出典:国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度)

燕市の住宅着工は約6割を持家が占めていますが、貸家の比率が38.0%と比較的高い水準にあります。県内の同規模市(新発田市・三条市)と比べても貸家比率が突出しています。


▼【グラフ:tsubame_県内ランキング.png 新潟県30市町村 新設住宅着工戸数ランキング(R5年度・燕市を強調)】


② 住宅着工の推移(H25→H30→R5)

過去10年間(2013〜2023年度)の住宅着工件数の変化を確認します。

年度合計持家貸家分譲
H25年度(2013年度)409戸328戸71戸7戸
H30年度(2018年度)529戸271戸219戸39戸
R5年度(2023年度)421戸233戸160戸28戸
10年変化(H25→R5)+2.9%-29.0%+125.4%+300.0%

燕市の合計着工戸数はH25年度の409戸からR5年度の421戸+2.9%増加しています。新潟県30市町村のうち21市町村が10年で3割以上減少するなか、増加を維持しているのは5市町村のみで、燕市はその一つです。ピークはH30年度(529戸)で、R5年度はやや減少していますが、H25年度水準を上回っています。

中身を分解すると、10年間で持家が-29%減少する一方、貸家が+125%増加(71戸→160戸)・分譲が+300%増加(7戸→28戸)しています。「持家中心」から「貸家・分譲が加わった構成」への構造変化が進んでいます。


▼【グラフ:tsubame_着工推移.png 燕市と近隣市町村の住宅着工推移(H25→H30→R5)】


③ 用途別の内訳と変化

着工住宅の内訳(持家・貸家・分譲)の変化を確認します。

用途H25年度H30年度R5年度10年変化
持家328戸(80.2%)271戸(51.2%)233戸(55.3%)-29.0%
貸家71戸(17.4%)219戸(41.4%)160戸(38.0%)+125.4%
分譲7戸(1.7%)39戸(7.4%)28戸(6.7%)+300.0%

H25年度時点では住宅着工の8割が持家でしたが、R5年度は5割強まで低下しています。代わって貸家(17%→38%)と分譲(2%→7%)が比率を大きく伸ばしました。

貸家着工はH30年度に219戸でピークを迎え、R5年度は160戸に減少しています。ただしH25年度の71戸と比べると2倍以上の水準を維持しており、この10年で燕市の住宅供給に貸家が定着したことが読み取れます。

⚠️ 注意: 着工統計は住宅の「供給側」(建設が開始された住宅の数)を記録したデータです。「貸家着工が多い=燕市の賃貸需要が強い」と直接断定することはできません。


▼【グラフ:tsubame_用途別.png 燕市の用途別 新設住宅着工内訳(R5年度)】


④ 人口との比較(1,000人あたり着工戸数)

人口規模が異なる市町村を比較するため、人口1,000人あたりの着工戸数を確認します。

指標燕市県内順位
人口(R7年1月1日)75,935人
着工戸数(R5年度)421戸4位
1,000人あたり着工戸数5.54戸1位

燕市の1,000人あたり着工戸数は5.54戸/千人で、新潟県30市町村の1位です。参考として、県内2位は新潟市(5.32戸)、3位は聖籠町(5.08戸)で、燕市はこの3市町村が他を引き離す形になっています。

着工戸数の絶対数では県内4位(新潟市・長岡市・上越市に次ぐ)ですが、人口規模で補正すると県内で最も住宅が建てられている市町村という評価に変わります。


⑤ 県内での位置づけ(近隣市町村比較)

燕市と近隣市町村(三条市・弥彦村・見附市・長岡市)の住宅着工戸数(R5年度)を比較します。

市町村名着工戸数(合計)1,000人あたり持家比率
燕市421戸5.54戸55.3%
三条市308戸3.38戸66.6%
弥彦村6戸0.80戸100.0%
見附市103戸2.71戸90.3%
長岡市1,094戸4.29戸61.2%

燕市は近隣の三条市(人口約9.1万人)と比べて着工戸数・1,000人あたりのいずれも上回っています。特に貸家比率38.0%は近隣で突出して高く、見附市(貸家0戸)・三条市(貸家比率21.4%)と比べて構造が大きく異なります。


⑥ データの見方・注意点

着工戸数は住宅需要を直接示すものではありません

建築着工統計の着工戸数は、建設が開始された住宅の数を記録したものです。着工を決定するのは建て主(持家の場合)や建築業者・不動産業者(貸家・分譲の場合)であり、着工数の多さが直接的に「住宅需要の強さ」を示すものではありません。この記事でも「〜の着工が多い」「〜の割合が高い」までをデータから述べています。

H30年度のピークについて

貸家着工はH30年度に219戸のピークを記録し、R5年度は160戸に減少しています。単年度の増減だけで「貸家市場が縮小した」と判断することは難しく、H25年度(71戸)との比較も含めて長期の傾向で捉える必要があります。


まとめ

燕市の住宅着工の特徴

  • R5年度(2023年度)の住宅着工は421戸で県内4位、1,000人あたり着工は5.54戸1位
  • H25→R5の10年で+2.9%増加。21市町村が3割以上減少するなか、増加した5市町村の一つ
  • 着工住宅の55.3%が持家、38.0%が貸家。持家は10年で-29%減少、貸家は+125%増加という構造変化
  • 貸家比率38.0%は近隣(見附市0.0%・三条市21.4%)と比べて突出して高い

出典

  • 新設住宅着工戸数・用途別内訳:
    国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度・平成30年度・平成25年度)
  • 人口(1,000人あたり計算用):
    総務省(住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数 令和7年1月1日現在)
  • 産業タイプ・製造業従業者数:
    総務省(国勢調査 令和2年)/経済産業省(工業統計)

データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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