この記事でわかること:
- 聖籠町は昼夜間人口比129.8(県内1位・最高)・高齢化率24.6%(県内1位・最低)・年少人口率14.4%(県内1位・最高)・2050年減少率▲12.5%(減少幅県内1位・最小)の4指標同時県内1位を県内30市町村で単独に成立させる新潟東港・工業地帯の集積町
- 面積37.57 km²のコンパクトな市域に人口密度372.3人/km²(県内4位)の集積が生まれ、昼間に+4,251人が町外から流入する構造
- 2020年まで2期連続で人口が増加し、2020〜2025年に初めて減少に転じたが、2050年推計は12,480人(2020年比▲12.5%)で減少幅は県内で最も緩やか
- ① 37.57 km²の工業集積町:人口13,986人・県内21位・人口密度県内4位の凝集構造
- ② 新潟東港・東港工業地帯が支える「若さ×集積×将来維持」4指標同時県内1位という特殊性
- ③ 人口推移(2010〜2025年):工業雇用に支えられた2期連続増加と2020年ピーク後の初減少
- ④ 2024年動態:新潟東港の雇用が支える社会増+12人(県内で正の社会増減5市町村の末尾)と自然減▲81人
- ⑤ 年齢構成:工業雇用が支える高齢化率24.6%(県内最低)と年少人口率14.4%(県内最高)の同時成立
- ⑥ 昼夜間人口比129.8(県内最高):新潟東港・東港工業地帯へ+4,251人が流入する構造
- ⑦ 将来人口推計(社人研 令和5年推計):新潟東港の工業雇用が支える2050年▲12.5%は県内で最も緩やかな縮小
- ⑧ 新潟東港・東港工業地帯を擁するコンパクト工業集積町の人口データを読む — 移住検討者・地域研究者への視点
- まとめ
- 出典・情報基準日
① 37.57 km²の工業集積町:人口13,986人・県内21位・人口密度県内4位の凝集構造
聖籠町の総人口は13,986人で県内21位、世帯数5,111・面積37.57 km²・人口密度372.3人/km²という構成です。人口規模21位に対して人口密度は県内4位という水準で、37.57 km²のコンパクトな市域に人口が凝集した構造がこの町の骨格にあたります。
| 指標 | 値 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 総人口 | 13,986人 | 21位 |
| 世帯数 | 5,111世帯 | 21位 |
| 面積 | 37.57 km² | 26位 |
| 人口密度 | 372.3人/km² | 4位 |
| 高齢化率 | 24.6% | 1位(低い方から・県内最低) |
| 年少人口率 | 14.4% | 1位(県内最高) |
人口密度372.3人/km²は県内4位の水準で、県内上位は新潟市1,048.9・燕市685.3・見附市488.5・聖籠町372.3・田上町333.7の順です。政令市の新潟市と、燕・見附という県内屈指の産業集積都市に続く4位で、13,986人規模の町が県内密度上位圏に入るのは、37.57 km²のコンパクトな市域に人口・産業施設が凝集した結果です。
高齢化率24.6%は県内で高い方から30番目(低い方から1番目・県内最低)、年少人口率14.4%は県内1位(県内最高)で、若さの両側の指標で県内単独首位に立ちます。人口規模21位に対して、人口密度4位・高齢化率1位(最低)・年少人口率1位(最高)の3指標で県内上位に位置する構造は、以降の章で確認する昼夜間人口比129.8・2050年減少率▲12.5%と組み合わさって、聖籠町の複合的な位置を構成します。
② 新潟東港・東港工業地帯が支える「若さ×集積×将来維持」4指標同時県内1位という特殊性
聖籠町の人口データの中核は、「昼夜間人口比129.8(県内1位)」×「高齢化率24.6%(県内1位・最低)」×「年少人口率14.4%(県内1位)」×「2050年減少率▲12.5%(減少幅県内1位・最小)」の4指標を県内で単独に県内1位で保持する点にあります。県内30市町村の中で、この4指標を同時に県内1位で満たす自治体は聖籠町の1町のみです。
聖籠町は新潟県の下越地方・新潟市の北東部に位置し、北は胎内市・新発田市、東は阿賀野市、南西は新潟市と接します。日本海沿岸に新潟東港(東港工業地帯)を擁し、製造業・エネルギー産業の集積が際立ちます。周辺自治体との合併には参加せず、独立した町制を維持しています。
「若さ」の側の2指標(高齢化率24.6%・年少人口率14.4%)と「集積」の側の1指標(昼夜間人口比129.8)と「将来維持」の1指標(2050年減少率▲12.5%)の3軸が同時に県内単独首位に立つ構造は、37.57 km²のコンパクトな市域に新潟東港・東港工業地帯の重工業集積が凝集し、通勤流入で昼間人口が夜間の約130%に達し、その工業雇用が現役世代の定住を支えて子育て世代を維持するという因果連鎖の帰結です。
阿賀町を除く人口1.4万人以下の9町村(聖籠・田上・弥彦・湯沢・津南・関川・刈羽・出雲崎・粟島浦)における4指標の分布を見ると、聖籠町は4指標すべての最大値または最小値を単独占有しています。9町村の高齢化率中央値は37.0%(田上)・最大値は関川村39.9%、聖籠町の24.6%は9町村最小値で、9町村で30%を下回るのは聖籠町のみです。9町村の昼夜間人口比中央値は100.0・最大値は聖籠町の129.8、次点は湯沢町111.8で、聖籠町との差は18.0ポイントの量的断絶があります。9町村の2050年減少率中央値は▲46.5%・最大値(減少幅最小)は聖籠町の▲12.5%、次点は刈羽村▲19.4%で、こちらも6.9ポイントの段差があります。年少人口率も9町村最大値は聖籠町14.4%です。
高齢化率で県内2位は新潟市28.3%、3位は燕市29.6%、4位は長岡市29.7%と、県内屈指の産業集積都市が続きます。聖籠町の24.6%はそれらの産業都市をさらに3.7〜5.1ポイント下回る位置に立ちます。年少人口率で県内2位は刈羽村11.4%、3位は新発田市・新潟市の11.1%(同率タイ)で、県内で14%台に達するのは聖籠町のみです。2050年減少率で県内2位は刈羽村▲19.4%、3位は新潟市▲21.9%で、聖籠町の▲12.5%はこの2市町村をさらに6.9〜9.4ポイント上回る緩やかさです。
「若さ」「集積」「将来維持」の3軸が同時に県内単独首位に立つ自治体は県内30市町村で聖籠町のみで、以降の章で確認する動態・年齢構成・昼夜間人口比・将来推計の数値は、この工業集積という因果構造の起点の上に立ちます。
③ 人口推移(2010〜2025年):工業雇用に支えられた2期連続増加と2020年ピーク後の初減少
2010年から2025年までの15年間で、聖籠町の人口は13,724人から13,986人へと+262人(+1.9%)増加しました。5年ごとの前期比は+2.3%→+1.6%→▲1.9%と推移し、2010→2020年は2期連続で増加を続けた後、2020〜2025年に初めて減少に転じました。
| 年 | 人口 | 前期比 |
|---|---|---|
| 2010(国勢調査) | 13,724人 | — |
| 2015(国勢調査) | 14,040人 | +316人(+2.3%) |
| 2020(国勢調査) | 14,259人 | +219人(+1.6%) |
| 2025(住民基本台帳) | 13,986人 | ▲273人(▲1.9%) |
▼【グラフ:population_trend.png — 聖籠町の人口推移(2010〜2025年):2010→2020年は2期連続で+2.3%→+1.6%と増加、2020〜2025年に▲1.9%で初めて減少に転じたトレンド転換点】

2010→2015年に+316人(+2.3%)、2015→2020年に+219人(+1.6%)と2期連続で増加を記録した点は、県内で一貫して減少を続ける多くの自治体と対比する位置にあたります。2020年時点の14,259人が聖籠町の人口ピークで、2020→2025年は▲273人(▲1.9%)と初めて減少に転じました。それでも2010年比では+262人(+1.9%)と、15年前より多い人口水準を維持しています。
直近5年(2020→2025年)の▲1.9%というペースは、次章で確認する2024年動態の自然減▲81人・社会増+12人の構造から生じる減少幅で、増加期の2010〜2020年から減少期への移行が高齢化による自然減の拡大に規定されている構造です。ただし章⑦で確認する2050年推計▲12.5%が県内で最も緩やかな水準にとどまるという数値は、この15年間で構築された14,000人前後の人口基盤と、章⑥で確認する昼夜間人口比129.8が示す工業雇用の吸引力の継続と対応します。
④ 2024年動態:新潟東港の雇用が支える社会増+12人(県内で正の社会増減5市町村の末尾)と自然減▲81人
聖籠町の2024年動態は、自然減▲81人に対し社会増+12人が同時発生し、総増減は▲69人(▲0.49%)となっています。
| 区分 | 値 | 内訳 |
|---|---|---|
| 転入 | 641人 | — |
| 転出 | 624人 | — |
| 社会増減 | +12人 | 転入−転出±職権記載消除等 |
| 出生 | 95人 | — |
| 死亡 | 176人 | — |
| 自然増減 | ▲81人 | 出生 − 死亡 |
| 総増減 | ▲69人(▲0.49%) | 社会 + 自然 |
▼【グラフ:population_breakdown.png — 2024年動態:社会+12+自然▲81で総▲69/県内で正の社会増減を持つのは新潟・湯沢・妙高・弥彦・聖籠の5市町村のみ】

社会増減+12人は県内で正の社会増減を持つ5市町村の末尾(5位)にあたります。県内で社会移動が転入超過となる自治体は新潟市+441人(1位)・湯沢町+265人(2位)・妙高市+54人(3位)・弥彦村+24人(4位)・聖籠町+12人(5位)の5市町村のみで、他の25市町村はすべて社会減の側にあります。阿賀町を除く人口1.4万人以下の9町村における社会増減の中央値は▲4.0人、この9町村で正の社会増減に立つのは湯沢町・弥彦村・聖籠町の3町村です。
一方の自然減▲81人は、死亡176人と出生95人の差から生じる数値で、死亡数は出生数の約1.9倍(176÷95)にあたります。出生95人という規模は、県内で年少人口率が最高(14.4%)である聖籠町の年齢構成(章⑤参照)と対応する数値です。総減少▲69人のうち自然減▲81人がそれを上回る規模で発生し、社会増+12人がその約15%(12÷81)を戻すことで▲69人の水準に収まっている構造です。
社会増+12人・自然減▲81人・総▲69人という組み合わせは、章⑥で確認する昼夜間人口比129.8が示す工業雇用の吸引力によって社会側で転入超過を保ちつつ、章⑤で確認する高齢化率24.6%(県内最低)ですら自然減の絶対値▲81人を発生させる年齢構成の構造化を同時に示します。2020年まで続いた増加期から2025年の減少期への移行と対応する数値です。
⑤ 年齢構成:工業雇用が支える高齢化率24.6%(県内最低)と年少人口率14.4%(県内最高)の同時成立
年齢構成の3区分は次のとおりです。総人口13,986人のうち65歳以上が3,439人で全体の24.6%、14歳以下は2,009人で14.4%、15〜64歳の生産年齢人口は8,538人(61.0%)となっています。
| 区分 | 人口 | 割合 | 県内順位 |
|---|---|---|---|
| 65歳以上(高齢者) | 3,439人 | 24.6% | 1位(低い方から・県内最低) |
| 15〜64歳(生産年齢) | 8,538人 | 61.0% | — |
| 14歳以下(年少) | 2,009人 | 14.4% | 1位(県内最高) |
高齢化率24.6%は県内で最も低く、県内2位の新潟市28.3%・3位の燕市29.6%・4位の長岡市29.7%という県内屈指の産業集積都市をさらに3.7〜5.1ポイント下回ります。阿賀町を除く人口1.4万人以下の9町村における高齢化率の中では、9町村最大値の関川村39.9%・中央値の田上町37.0%とは水準が異なり、9町村で30%を下回るのは聖籠町の24.6%のみです。次点は弥彦村31.7%・刈羽村32.2%で、聖籠町とは7.1〜7.6ポイントの段差があります。
年少人口率14.4%は県内1位(県内最高)で、県内2位の刈羽村11.4%を3.0ポイント上回り、県内で14%台に達する自治体は聖籠町のみです。次点の刈羽村11.4%・3位の新発田市および新潟市11.1%(同率タイ)・5位の長岡市および南魚沼市10.9%(同率タイ)が11%〜10%台に並ぶ中で、聖籠町の14.4%は3ポイント以上の量的断絶を持って離れて分布します。
高齢化率24.6%(県内最低)と年少人口率14.4%(県内最高)の同時成立は、若さの両側の指標で県内単独首位に立つ構造で、年少層2,009人・65歳以上3,439人の絶対数の差1,430人が「工業雇用を軸とする現役世代定住が子育て世代の維持につながる」構造として数値対比に表れています。生産年齢人口8,538人(61.0%)は、章⑥で確認する昼夜間人口比129.8で昼間に+4,251人が流入する構造の主体で、日中の町内活動人口は名目上の8,538人より大きくなります。
⑥ 昼夜間人口比129.8(県内最高):新潟東港・東港工業地帯へ+4,251人が流入する構造
昼夜間人口比(昼間人口÷夜間人口×100)は129.8で、県内1位(最高)に位置します。夜間人口14,259人に対して昼間人口が18,510人と+4,251人多い位置で、夜間人口の29.8%相当が昼間に町外から流入する構造です。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 夜間人口(常住人口) | 14,259人 |
| 昼間人口 | 18,510人 |
| 昼夜間人口比 | 129.8(県内1位・最高) |
| 昼間の差 | +4,251人(夜間人口の29.8%相当) |
129.8は県内で単独首位の水準で、県内2位の湯沢町111.8を18.0ポイント上回る位置に立ちます。湯沢町の111.8は苗場・湯沢温泉などのリゾート観光集積と重なる流入型で、聖籠町の129.8とは質的に異なる位置にあります。3位以下は三条市104.2・長岡市102.4・柏崎市101.8・新潟市101.3・南魚沼市100.6と、県内の主要産業都市が101〜104の帯に分布しますが、聖籠町の129.8はそれらをさらに25〜28ポイント上回る位置に離れて分布します。
阿賀町を除く人口1.4万人以下の9町村中で流入型(100超)は聖籠町129.8と湯沢町111.8の2町のみで、9町村中で129を超えるのは聖籠町のみです。9町村の昼夜間人口比中央値は100.0で、聖籠町の129.8はそれを29.8ポイント上回ります。逆側には田上町78.4・関川村86.1・弥彦村86.8・出雲崎町87.8が位置し、9町村の中でも流入型と流出型の両端に分かれる分布です。
+4,251人という昼間の流入規模は、37.57 km²(章①参照)のコンパクトな市域に新潟東港(東港工業地帯)の製造業・エネルギー産業の集積が凝集し、周辺自治体(新潟市・新発田市・胎内市・阿賀野市)からの通勤流入を吸引する構造の帰結です。名目上の夜間人口14,259人に対して昼間人口18,510人という規模は、章⑤で確認した生産年齢人口8,538人だけでは説明できない大量の通勤流入があることを示し、この工業雇用の吸引力は章④で確認した社会増+12人(県内5位)と数値上対応します。
昼間の流入構造が固定化する一方で、章④の自然減▲81人が総減少を規定する構造にあります。「若さ(高齢化率24.6%・年少人口率14.4%の県内単独首位)」と「集積(昼夜間人口比129.8の県内単独首位・+4,251人流入)」が同一自治体で成立するのは、37.57 km²コンパクト市域への工業集積という立地条件が生み出す聖籠町固有の位置で、県内30市町村の他の29市町村では成立しない構造です。
⑦ 将来人口推計(社人研 令和5年推計):新潟東港の工業雇用が支える2050年▲12.5%は県内で最も緩やかな縮小
国立社会保障・人口問題研究所〈社人研〉令和5年推計によると、聖籠町の人口は2020年14,259人から2040年13,215人(2020年比▲7.3%)、2050年12,480人(同▲12.5%)へと推移する見通しです。
| 年 | 推計人口 | 2020年比 |
|---|---|---|
| 2020(実績) | 14,259人 | — |
| 2040(推計) | 13,215人 | ▲1,044人(▲7.3%) |
| 2050(推計) | 12,480人 | ▲1,779人(▲12.5%) |
▼【グラフ:population_forecast.png — 聖籠町の将来推計:2020年14,259→2040年13,215→2050年12,480、2050年は▲12.5%で減少幅は県内30市町村中1位(最小)】

2050年減少率▲12.5%は県内30市町村中減少幅が最も小さい(減少幅小さい方から1位)位置で、県内で単独首位の緩やかさです。県内2位(減少幅小さい方から)は刈羽村▲19.4%、3位は新潟市▲21.9%、4位は長岡市▲26.2%、5位は燕市▲29.9%と続きますが、聖籠町の▲12.5%は2位の刈羽村を6.9ポイント上回る緩やかさ、3位の新潟市を9.4ポイント上回る位置に立ちます。
阿賀町を除く人口1.4万人以下の9町村における2050年減少率の中央値は▲46.5%・最大値(減少幅最小)は聖籠町の▲12.5%・最小値(減少幅最大)は関川村の▲55.3%で、9町村内の分布幅は42.8ポイントに及びます。聖籠町の▲12.5%は9町村の中央値▲46.5%を34.0ポイント上回る緩やかさで、9町村内の分布の一端に単独で位置します。県内で減少幅が深刻な側の自治体(阿賀町▲61.8%・関川村▲55.3%・佐渡市▲49.6%)とは40〜50ポイント差があり、県内の減少率分布の中で聖籠町のみが▲12%台の帯に入ります。
絶対数では2020年14,259人から2050年12,480人へと1,779人が失われる推計で、この規模は2020年時点の人口の約12%にあたります。2040年時点では13,215人と1.3万人台を維持し、2050年でも12,480人と1.2万人台の水準を保つ軌道です。37.57 km²の市域に12,480人が住む状態でも、人口密度は約332人/km²を維持し、県内の中では依然として集約型の水準にとどまります。
「章⑥で見た昼夜間人口比129.8(県内1位)」と「章⑤で見た高齢化率24.6%(県内最低)・年少人口率14.4%(県内最高)」の3つの県内単独首位が、章⑦の2050年▲12.5%(減少幅県内最小)という将来の水準と組み合わさることで、4指標同時県内1位という聖籠町の複合的な位置が中長期にわたって維持される見通しが数値上示されています。ただし章④で確認した自然減▲81人・社会増+12人の動態は、工業雇用の維持が今後の推移を規定する変数であり続けることを同時に示しています。
⑧ 新潟東港・東港工業地帯を擁するコンパクト工業集積町の人口データを読む — 移住検討者・地域研究者への視点
聖籠町の人口データの骨格は、章①〜⑦で見た「昼夜間人口比129.8(県内1位・最高)」「高齢化率24.6%(県内1位・最低)」「年少人口率14.4%(県内1位・最高)」「2050年減少率▲12.5%(減少幅県内1位・最小)」の4指標同時県内1位を、37.57 km²のコンパクトな市域に新潟東港・工業地帯の集積を擁する立地条件で単独に保持する構造にあります。関心層別に整理します。
新潟東港・工業地帯圏への移住を検討する読者
数値上、聖籠町は社会増+12人(県内で正の社会増減を持つ5市町村中末尾)という受け入れ実績を持つ自治体で、高齢化率24.6%(県内最低)・年少人口率14.4%(県内最高)という若さの両側の指標を県内単独首位で保持しています。県内で正の社会増減を持つ5市町村(新潟市+441・湯沢町+265・妙高市+54・弥彦村+24・聖籠町+12)の中で、聖籠町は「新潟東港・工業地帯の集積を持つコンパクトな工業集積町」という独自の位置にあり、新潟市への通勤圏に位置しつつ、37.57 km²の市域内で工業雇用を軸とする現役世代の定住が続いている構造です。
年少人口率14.4%は県内で唯一14%台に達する水準で、子育て世代の定住が県内他の29市町村よりも明確に進んでいる数値ですが、37.57 km²のコンパクトな市域で農地・工業地帯が混在した独自の土地利用構造を持ち、単独町制を維持する小規模自治体としての生活情報(医療・教育・交通アクセス・買物環境等)は数値では判断できません。意思決定に用いる場合は現地一次情報での確認が必要になります。
工業集積町の持続性を分析する地域研究者・雇用政策研究者
聖籠町は、「若さ(高齢化率24.6%・年少人口率14.4%の県内単独首位)」×「集積(昼夜間人口比129.8の県内単独首位・+4,251人流入)」×「将来維持(2050年減少率▲12.5%の減少幅県内最小)」の3軸を同時に県内単独首位で保持する県内で唯一の自治体で、この複合構造は工業集積町の持続性研究の一次データとして参照可能な位置にあります。
阿賀町を除く人口1.4万人以下の9町村(聖籠・田上・弥彦・湯沢・津南・関川・刈羽・出雲崎・粟島浦)における4指標の分布を見ると、聖籠町は9町村の中で人口最大(13,986人)・高齢化率最小(24.6%)・昼夜間人口比最大(129.8)・2050年減少率最大(▲12.5%=減少幅最小)の4指標すべてで一端を単独占有する外れ値の位置です。9町村の他の8町村(田上・弥彦・湯沢・津南・関川・刈羽・出雲崎・粟島浦)が過疎進行・自然減深刻・若年層流出という共通パターンの中で分布する一方、聖籠町はその真逆の水準に単独で立ちます。
面積37.57 km²(県内26位)×人口密度372.3人/km²(県内4位)×昼間流入+4,251人の3条件が同時成立するのは県内で聖籠町のみで、9町村の中で聖籠町が外れ値として位置づけられる物理的な条件と対応します。人口1万〜2万人帯で聖籠町・田上町の2町のみがコンパクトな市域を保持しますが、田上町(人口密度333.7・昼夜間人口比78.4・社会減▲76人)とは構造が真逆で、37.57 km²市域への新潟東港・東港工業地帯の集積という条件が聖籠町を単独カテゴリに置きます。将来推計の2050年▲12.5%が県内で単独首位の緩やかさにとどまる点も、工業集積という立地条件がもたらす人口構造の持続性を観察できる事例として、県内で独自の位置にあります。
まとめ
聖籠町は、昼夜間人口比129.8(県内1位・最高)と高齢化率24.6%(県内1位・最低)と年少人口率14.4%(県内1位・最高)と2050年減少率▲12.5%(減少幅県内1位・最小)の4指標を同時に県内1位で保持する県内30市町村で唯一の自治体です。この4指標同時県内1位という複合構造は、37.57 km²のコンパクトな市域に新潟東港・東港工業地帯の重工業集積が凝集し、通勤流入で昼間人口が夜間の約130%(+4,251人流入)に達する立地条件と重なります。工業雇用を軸とする現役世代の定住が「若さ(高齢化率最低・年少人口率最高)」を維持し、それが「将来の縮小の緩やかさ(2050年減少率最小)」に接続する因果連鎖が数値上成立している構造です。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 現在の人口 | 13,986人(2025年1月1日)・県内21位/面積37.57 km²のコンパクトな市域に人口密度372.3人/km²(県内4位)で集積 |
| 高齢化率 | 24.6%・県内1位(低い方から・県内最低)/県内2位の新潟市28.3%・3位の燕市29.6%を3.7〜5.0ポイント下回る |
| 年少人口率 | 14.4%・県内1位(県内最高)/県内で14%台に達するのは聖籠町のみ・2位の刈羽村11.4%を3.0ポイント上回る |
| 2024年動態 | 総▲69人(▲0.49%)/社会+12人(県内5位・正の社会増減5市町村中末尾)+自然▲81(死亡176÷出生95=約1.9倍) |
| 昼夜間人口比 | 129.8・県内1位(最高)/昼間+4,251人が新潟東港・工業地帯へ流入・2位の湯沢町111.8を18.0ポイント上回る量的断絶 |
| 人口推移 | 2010→2020年で+535人(2期連続増加)、2020→2025年に▲273人(▲1.9%)で初めて減少に転じる/2010年比では+262人(+1.9%)で15年前より多い水準を維持 |
| 2050年推計 | 12,480人(2020年比▲12.5%)・減少幅は県内30市町村中1位(最小)/2位の刈羽村▲19.4%を6.9ポイント上回る緩やかさ |
「若さ」「集積」「将来維持」の3軸を同時に県内単独首位で保持する4指標同時県内1位の構造を、県内30市町村で聖籠町のみが成立させる—この位置が、聖籠町の人口データを県内他29市町村と分ける核にあたります。
出典・情報基準日
| データ | 出典 | 基準日 |
|---|---|---|
| 人口・世帯数・人口動態 | 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」 | 2025年1月1日(動態は2024年1月〜12月) |
| 年齢別人口 | 総務省「住民基本台帳年齢階級別人口」 | 2025年1月1日 |
| 国勢調査人口(2010/2015/2020) | 総務省「令和2年国勢調査」等 | 各年10月1日 |
| 昼夜間人口比 | 総務省「令和2年国勢調査 従業地・通学地集計」 | 2020年10月1日 |
| 将来人口推計 | 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」 | 2023年推計公表 |
| 面積 | 国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」 | 2026年4月1日現在 |
運営者情報は niigata-data.com/about 等を参照してください。
本記事の数値は情報基準日時点のものです。最新の状況は各出典元および対象自治体の公式情報をご確認ください。
次回更新推奨:2026年8月頃(令和8年住民基本台帳公表後)

コメント