新潟市の就業者数は37万6,334人で、2位の長岡市(12万8,543人)の約2.9倍にのぼります。
就業者数は市町村の経済規模・産業集積の規模を示す基本指標です。
上位3市(新潟市・長岡市・上越市)で全県就業者の約55%を占め、新潟県の経済機能が上位市に集中している実態が読み取れます。この記事では、国勢調査2020年のデータをもとに、新潟県30市町村の就業者数と10年間の変化を比較します。
この記事でわかること
- 就業者数1位は新潟市(37万6,334人)、30位は粟島浦村(263人)で、規模に約1,431倍の格差がある
- 上位3市(新潟市・長岡市・上越市)で新潟県全体の就業者の約55%を占める
- 30市町村のうち29市町村が2010年比で就業者減少し、増加は聖籠町(+7.4%)のみ
- 最も減少率が大きいのは阿賀町(-18.2%)と佐渡市(-18.0%)で、人口流出・高齢化が深刻な状況とみられる
- 就業者数が1万人未満の市町村は10市町村(全体の33%)を占め、県内の人口・経済規模の偏在が大きい
就業者数ランキング(2020年・全30市町村)
| 順位 | 市町村名 | 就業者数(2020年) | 就業者数(2010年) | 10年変化(人数) | 10年変化率(%) | 産業タイプ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 新潟市 | 376,334人 | 387,416人 | -11,082人 | -2.9% | 複合型 |
| 2 | 長岡市 | 128,543人 | 139,208人 | -10,665人 | -7.7% | 製造業集積型 |
| 3 | 上越市 | 94,235人 | 99,617人 | -5,382人 | -5.4% | 高付加価値製造業型 |
| 4 | 三条市 | 49,378人 | 51,257人 | -1,879人 | -3.7% | 製造業集積型 |
| 5 | 新発田市 | 47,539人 | 48,425人 | -886人 | -1.8% | 複合型 |
| 6 | 燕市 | 41,335人 | 42,592人 | -1,257人 | -3.0% | 製造業集積型 |
| 7 | 柏崎市 | 38,970人 | 43,787人 | -4,817人 | -11.0% | 製造業集積型 |
| 8 | 南魚沼市 | 28,656人 | 30,686人 | -2,030人 | -6.6% | 複合型 |
| 9 | 村上市 | 28,555人 | 31,214人 | -2,659人 | -8.5% | 製造業集積型 |
| 10 | 十日町市 | 26,103人 | 29,992人 | -3,889人 | -13.0% | 複合型 |
| 11 | 佐渡市 | 26,029人 | 31,746人 | -5,717人 | -18.0% | 農業型 |
| 12 | 五泉市 | 24,053人 | 26,499人 | -2,446人 | -9.2% | 製造業集積型 |
| 13 | 阿賀野市 | 20,647人 | 22,602人 | -1,955人 | -8.6% | 製造業集積型 |
| 14 | 見附市 | 20,045人 | 20,469人 | -424人 | -2.1% | 製造業集積型 |
| 15 | 糸魚川市 | 19,998人 | 23,133人 | -3,135人 | -13.6% | 製造業集積型 |
| 16 | 魚沼市 | 17,946人 | 20,072人 | -2,126人 | -10.6% | 製造業集積型 |
| 17 | 小千谷市 | 17,202人 | 19,474人 | -2,272人 | -11.7% | 製造業集積型 |
| 18 | 妙高市 | 14,978人 | 17,141人 | -2,163人 | -12.6% | 高付加価値製造業型 |
| 19 | 胎内市 | 13,953人 | 15,184人 | -1,231人 | -8.1% | 高付加価値製造業型 |
| 20 | 加茂市 | 12,736人 | 14,556人 | -1,820人 | -12.5% | 製造業集積型 |
| 21 | 聖籠町 | 7,220人 | 6,722人 | +498人 | +7.4% | 製造業集積型 |
| 22 | 田上町 | 5,462人 | 6,027人 | -565人 | -9.4% | 製造業集積型 |
| 23 | 津南町 | 4,914人 | 5,651人 | -737人 | -13.0% | 農業型 |
| 24 | 阿賀町 | 4,469人 | 5,462人 | -993人 | -18.2% | 製造業集積型 |
| 25 | 弥彦村 | 4,154人 | 4,454人 | -300人 | -6.7% | 製造業集積型 |
| 26 | 湯沢町 | 3,822人 | 4,181人 | -359人 | -8.6% | 複合型 |
| 27 | 関川村 | 2,649人 | 3,157人 | -508人 | -16.1% | 農業型 |
| 28 | 刈羽村 | 2,224人 | 2,503人 | -279人 | -11.1% | 製造業集積型 |
| 29 | 出雲崎町 | 1,998人 | 2,278人 | -280人 | -12.3% | 製造業集積型 |
| 30 | 粟島浦村 | 263人 | 290人 | -27人 | -9.3% | 農業型 |
※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成22年)
▼【グラフ:R6_就業者数ランキング.png 新潟県30市町村 就業者数ランキング(2020年)】

上位グループの分析(1〜3位)
1位の新潟市(37万6,334人)は、政令指定都市として新潟県の中枢機能を担い、就業者数は2位長岡市の約2.9倍にのぼります。行政・医療・卸売・情報通信など都市型産業が集積する一方で、製造品出荷額も県内1位(約1兆1,851億円)と製造業でも最大規模です。10年間で-2.9%(11,082人減)と減少率は比較的小さく、都市機能が就業者の流出を緩和しているとみられます。
2位の長岡市(12万8,543人)は、機械・金属加工産業が集積する工業都市で、医療・教育機関も充実しています。10年間で-7.7%(10,665人減)と減少が続いており、人口減少・高齢化の影響とみられます。
3位の上越市(9万4,235人)は、電機・精密機械など高付加価値製造業が集積し、医療・農業も一定の規模があります。10年間で-5.4%(5,382人減)の減少です。
唯一増加した聖籠町
聖籠町(21位・7,220人)は、30市町村の中で唯一就業者数が増加した市町村です。2010年(6,722人)から2020年(7,220人)にかけて+498人・+7.4%の増加を記録しています。同町の北港臨海工業団地では製造業を中心とした企業立地が進んでおり、工業雇用の拡大が就業者増加につながっているとみられます。
大幅減少市町村の特徴
阿賀町(-18.2%)・佐渡市(-18.0%)は、10年間で就業者が約18%減少しました。
- 阿賀町は中山間地に位置する農業・製造業型の自治体で、若年層の都市部流出と農業就業者の高齢化・離農が重なっているとみられます。
- 佐渡市は離島という地理的条件もあり、若年層の島外移住が続いているとみられます。農業産出額は県内7位(約93億円)と農業規模はあるものの、農業就業者も減少傾向にあります。
関川村(-16.1%)・十日町市(-13.0%)・津南町(-13.0%)・糸魚川市(-13.6%)なども大幅な減少が続いており、中山間地・農村部の人口流出・少子高齢化の影響が産業就業者数にも表れています。
就業者数と市町村規模の関係
就業者数1万人未満の市町村は以下の10市町村です。
| 市町村 | 就業者数 | 産業タイプ |
|---|---|---|
| 聖籠町 | 7,220人 | 製造業集積型 |
| 田上町 | 5,462人 | 製造業集積型 |
| 津南町 | 4,914人 | 農業型 |
| 阿賀町 | 4,469人 | 製造業集積型 |
| 弥彦村 | 4,154人 | 製造業集積型 |
| 湯沢町 | 3,822人 | 複合型 |
| 関川村 | 2,649人 | 農業型 |
| 刈羽村 | 2,224人 | 製造業集積型 |
| 出雲崎町 | 1,998人 | 製造業集積型 |
| 粟島浦村 | 263人 | 農業型 |
これらの小規模市町村では、特定の業種や大規模事業所の動向が就業者比率を大きく左右するため、数値の解釈には留意が必要です。
データの見方・注意点
就業者数は2020年国勢調査のデータです
国勢調査は5年ごとに実施されます。2020年以降の大規模工場開設・閉鎖や企業移転がある市町村では実態が異なる可能性があります。
「就業者」には自営業主・家族従業者・雇用者が含まれます
国勢調査の「就業者」は、賃金労働者だけでなく農業・小売業等の自営業主・農業の家族従業者も含みます。
まとめ
- 就業者数トップは新潟市(37万6,334人)で、2位長岡市(12万8,543人)の約2.9倍。上位3市で全県の約55%を占める
- 30市町村中29市町村で就業者数が減少しており、増加は聖籠町(+7.4%)のみ
- 最も減少率が大きいのは阿賀町(-18.2%)と佐渡市(-18.0%)で、中山間地・離島の人口流出と高齢化が深刻な状況
- 就業者数1万人未満の小規模市町村が10市町村(全体の33%)を占め、経済規模の県内格差は大きい
- 大都市(新潟市・長岡市・上越市)は減少率が相対的に小さく、都市機能が就業者の定着に寄与しているとみられる
出典
- 産業別就業者数:総務省(国勢調査 令和2年・平成22年)
データ基準日:2020年(令和2年)国勢調査
次回更新推奨:2025年(令和7年)国勢調査データ公表後(2026年頃)

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