燕市の高齢化率は?若さ3指標が県内3位で後期高齢者比率は5位——同居構造で見る2025年

データ

燕市の高齢化を数字で見ると次の構造が浮かびます。

  • 高齢化率29.6%は県内28位(若い側から3番目)で、現役高齢比2.03・生産年齢人口率59.9%も揃って県内3位(若い側)。政令市の新潟市(2.15・60.6%)、企業誘致町の聖籠町(2.48・61.0%)に次ぐ位置です
  • 一方で高齢者内訳では後期高齢者比率53.8%が県内5位(十日町市・村上市と同率タイ)で、若さトップ3と後期高齢者化上位が同時に成立しています
  • 2024年の社会増減▲59人は、新潟市の社会増を除けば人口5万人以上9市中で最も小さい流動性の少なさです
  • 2050年の現役高齢比推計は1.08で、県内で1.0を上回る9市町村の1つとして25年後も踏みとどまる見込みです

① 若さ3指標が新潟・聖籠に次ぐ県内3位——75,935人規模で示す2025年の位置

燕市の高齢化を語るとき、まず押さえるべきは「県内で3番目に若い」という位置です。総人口75,935人という県内6位の規模を持ちながら、若さを示す3つの指標が揃って県内3位に並びます。

  • 高齢化率29.6%——県内28位(1位=最も高齢化・28位は若い側から3番目)
  • 現役高齢比2.03——県内3位(15〜64歳÷65歳以上・1位=最も若い側)
  • 生産年齢人口率59.9%——県内3位(1位=最も若い側)

若い側の順位を並べると、聖籠町(現役高齢比2.48・生産年齢率61.0%)、新潟市(2.15・60.6%)に次いで燕市が3番手に位置し、長岡市(2.00・59.4%)を僅かに上回ります。聖籠町は電源立地と企業誘致という特殊要因、新潟市は政令市規模を持ちますが、燕市はそのいずれでもない一般的な地方産業都市として県内トップクラスの若さを保っている位置です。

高齢化率が30%を下回るのは、県内30市町村のうち聖籠町(24.6%)・新潟市(28.3%)・燕市(29.6%)・長岡市(29.7%)の4市町村のみです。燕市は長岡市と0.1ポイント差で並ぶ「30%未満グループ」の一角を占めています。

出典:総務省(住民基本台帳、2025年1月1日現在)


② 65歳以上22,465人の内訳——前期10,389人・後期12,076人・85歳以上2,802人

燕市の65歳以上人口22,465人を3層に分解すると、内訳の重心が見えてきます。

  • 前期高齢者(65〜74歳):10,389人(総人口の13.7%)
  • 後期高齢者(75歳以上):12,076人(総人口の15.9%)
  • うち85歳以上:2,802人(総人口の3.7%)

▼【グラフ:tsubame_65_75_85割合.png|燕市と近隣市の65・75・85歳以上割合を横棒で比較】

高齢者の内訳を割合で見ると、65歳以上のうち53.8%が75歳以上を占め、後期高齢者が前期高齢者を上回っています。前期高齢者比率13.7%は県内28位(若い側から3番目)で、①の高齢化率順位と同水準の若さです。一方で75歳以上を切り取った後期高齢者比率53.8%は、次章で見る通り県内順位が大きく変わります。

前期は少なく、後期は相対的に多い——この非対称が燕市の高齢者構成の第一の特徴です。85歳以上割合3.7%は県内21位で上越市と同率タイに並びます。

出典:総務省(住民基本台帳、2025年1月1日現在)


③ 若さ3位と後期高齢者比率5位の同居——十日町・村上と同率タイ

燕市の数字を県内順位で並べると、若さ3指標が3位に揃う一方で、高齢者内訳を見た指標だけは大きく上位に飛びます。

  • 後期高齢者比率53.8%——県内5位(1位=最も後期高齢者比率が高い)
  • 同率タイ:十日町市53.8%・村上市53.8%(3市が同率5位
  • 参考:1位阿賀町57.4%・2位糸魚川市56.0%・3位佐渡市55.5%

若い側で県内3位(現役高齢比・生産年齢率)でありながら、高齢者内訳を切り出した後期高齢者比率では十日町市・村上市と同じ順位に並びます。同率タイの2市の高齢化率は十日町市39.9%(4位)・村上市36.9%(10位)で、燕市の29.6%(28位)とは水準が大きく異なります。高齢化率の水準が違う3市が後期高齢者比率だけは同一値を示すという関係性です。

若い側から数えて3番目の燕市が、なぜ後期高齢者比率だけ5位まで上がるのか——高齢化率順位25位以降(若い側)の6市町村(聖籠・新潟・燕・長岡・上越・新発田)を横並びで見ると、この位置がさらに鮮明になります。

市町村人口高齢化率現役高齢比生産年齢率後期高齢者比率前期高齢者比率
聖籠町13,98624.6%2.4861.0%47.7%12.9%
新潟市761,50328.3%2.1560.6%52.6%13.4%
燕市75,93529.6%2.0359.9%53.8%13.7%
長岡市255,26129.7%2.0059.4%52.3%14.1%
上越市180,44030.9%1.8958.4%52.5%14.7%
新発田市91,67730.8%1.8858.1%50.4%15.3%

高齢化率順位25位以降の6市町村の中で、後期高齢者比率が最も高いのは燕市の53.8%です。若さ上位グループに属しながら、高齢者の中身は最も後期高齢者側に傾いている——燕市固有の同居構造は、この6市町村の中に他に例がありません。

出典:総務省(住民基本台帳、2025年1月1日現在)


④ 人口5万人以上の9市で6位規模——若さでは新潟に次ぐ位置

年齢構成を人口5万人以上の9市の中で並べると、規模と若さの位置関係が見えてきます。

人口高齢化率現役高齢比生産年齢率後期高齢者比率前期高齢者比率
新潟市761,50328.3%2.1560.6%52.6%13.4%
長岡市255,26129.7%2.0059.4%52.3%14.1%
上越市180,44030.9%1.8958.4%52.5%14.7%
新発田市91,67730.8%1.8858.1%50.4%15.3%
三条市91,17831.3%1.8658.4%52.7%14.8%
柏崎市76,21732.7%1.7757.8%52.0%15.7%
燕市75,93529.6%2.0359.9%53.8%13.7%
村上市53,49236.9%1.4754.3%53.8%17.1%
南魚沼市52,37631.9%1.7957.2%48.1%16.6%

▼【グラフ:tsubame_年齢3区分_2025.png|燕市と近隣市の年齢3区分積み上げ横棒】

  • 総人口75,935人——9市中6位(柏崎市76,217人に僅差で次ぐ)
  • 高齢化率29.6%——9市中2番目に若い(新潟市28.3%に次ぐ)
  • 現役高齢比2.03——9市中2位(新潟市2.15に次ぐ)
  • 生産年齢人口率59.9%——9市中2位(新潟市60.6%に次ぐ)
  • 後期高齢者比率53.8%——9市中1位タイ(村上市と同率・9市の中で最も高い)
  • 前期高齢者比率13.7%——9市中2番目に低い(新潟市13.4%に次ぐ)

規模の順位(6位)と若さの順位(2位)に4ランク分の乖離があり、後期高齢者比率だけは9市中トップに位置します。県内で人口5万人以上の9市の中で「若さと後期高齢者化の両方で上位」に位置するのは燕市だけです。

75歳以上割合15.9%は県内23位、85歳以上割合3.7%は21位(上越市と同率)で、割合系の順位は22〜23位帯に集中しています。高齢化率28位から2〜5ランク上位に上がる形で、超高齢層の相対割合がやや高い位置です。

出典:総務省(住民基本台帳、2025年1月1日現在)


⑤ V字反転▲1.6pt・4市同率タイ——2015→2020上昇と2020→2025低下の二相

高齢化率の推移を10年区切りと5年区切りの2つで見ると、燕市はV字型の変化を通ってきました。

  • 2015年(国勢調査):28.4%
  • 2020年(社人研2020年時点値):31.2%
  • 2025年(住民基本台帳):29.6%

▼【グラフ:tsubame_高齢化推移.png|燕市の高齢化率2015→2050年推移】

10年トータルでは+1.2ptの緩やかな上昇にとどまりますが、5年区切りで区切ると2015→2020が+2.8pt上昇、2020→2025が▲1.6pt反転という非直線的な二相のパターンです。

2020→2025の▲1.6pt低下は県内9位(同率タイ4市)に位置します。同率タイの内訳は次の通りです。

  • 燕市▲1.6pt(高齢化率29.6%・28位)
  • 新発田市▲1.6pt(高齢化率30.8%・26位)
  • 五泉市▲1.6pt(高齢化率34.4%・14位)
  • 魚沼市▲1.6pt(高齢化率35.8%・12位)

4市の高齢化率水準は29.6%〜35.8%まで6.2pt幅で異なりますが、直近5年の低下幅だけが同一に揃っています。10年変化の+1.2ptも県内16位で、小千谷市・十日町市と同率タイ3市の一角です。

人口5万人以上9市の2020→2025変化幅を並べると次の通りです。

2020→2025変化
柏崎市▲1.1pt
新潟市▲1.4pt
新発田市▲1.6pt
燕市▲1.6pt
長岡市▲1.7pt
南魚沼市▲1.8pt
三条市▲2.0pt
上越市▲2.0pt
村上市▲2.5pt

9市の中で燕市▲1.6ptは中位に位置します。県内で反転低下幅が大きいのは阿賀町▲5.0pt・津南町▲4.9pt・出雲崎町▲4.7pt・佐渡市▲4.4pt・湯沢町▲3.9ptと離島・過疎町村に集中しており、燕市の▲1.6ptはこれらより穏やかで、大規模都市に近い低下パターンです。

社人研の令和5年推計は2025年時点で32.7%を見込んでいましたが、実績29.6%との乖離は▲3.1pt(実績が推計より若い側)です。この乖離は近年の高齢者コーホートの推移と若年層の残留の両方から生じている観測結果として整理されています。

出典:総務省(国勢調査2015、住民基本台帳2025)、国立社会保障・人口問題研究所(令和5年推計)


⑥ 主要9市で最小の社会減▲59人——自然減▲718人と対照的な流動性

2024年の人口動態を見ると、燕市は自然減が続く一方で社会増減はほぼ均衡しています。

  • 出生401人・死亡1,119人——自然増減▲718人(死亡は出生の約2.8倍)
  • 転入1,868人・転出1,915人——社会増減▲59人
  • 転入率2.5%・転出率2.5%(総人口75,935人比・ほぼ均衡)

社会減▲59人を人口5万人以上9市で並べると、燕市の少なさが際立ちます。

2024年 社会増減
新潟市+441人
燕市▲59人
新発田市▲169人
三条市▲185人
柏崎市▲296人
南魚沼市▲301人
村上市▲383人
長岡市▲549人
上越市▲580人

新潟市の社会増(+441人)を除けば、9市の中で燕市の社会減▲59人が最も小さい位置です。9市の中で燕市より社会減の絶対値が小さい市はなく、新発田市▲169人・三条市▲185人と3桁台の減少が続く中で、燕市は2桁台にとどまります。

社会増減順位は県内11位で、動態面ではプラス側に近い部類です。一方の自然増減▲718人は県内22位(1位=自然増が最大)で、下から9番目の水準です。自然減は避けにくいが、社会減はほぼ抑えられている——2024年の動態はこの内訳です。

出典:総務省(住民基本台帳、2024年動態)


⑦ 2050年推計43.1%——65歳以上ほぼ横ばい、75歳以上+20.9%が押し上げる

社人研の令和5年推計で燕市の2050年像を見ると、総人口減少と高齢者内訳の変化が重なっています。

  • 総人口:75,935人 → 54,136人(▲28.7%)
  • 65歳以上:22,465人 → 23,314人(+3.8%・ほぼ横ばい)
  • 75歳以上:12,076人 → 14,599人(+20.9%増)
  • 高齢化率:29.6% → 43.1%(+13.5pt上昇)

▼【グラフ:tsubame_将来人口.png|燕市の2020〜2050年 総人口・65歳以上・15-64歳推移】

25年間で高齢化率が+13.5pt上昇する主因は、65歳以上絶対数がほぼ横ばい(+3.8%)である一方、総人口が▲28.7%と大きく減る分母縮小の効果です。65歳以上の総数はほとんど増えませんが、内訳では75歳以上絶対数が12,076人から14,599人へ+20.9%増える構造で、高齢者内訳の後期高齢者化は2050年に向けても継続する見込みです。

年ごとの推計値では、2030年34.1%・2040年39.1%・2050年43.1%と、5年区切りで4〜5ptずつ上昇する経路です。①で見た「県内3番目に若い」位置は、2050年に向けて他市町村との相対関係も含めて変化していく見込みですが、絶対水準としても40%台に乗る変化です。

出典:国立社会保障・人口問題研究所(令和5年推計)


⑧ 現役高齢比2.03→1.08——25年後も1.0を上回る少数派の1つ

現役高齢比(15〜64歳÷65歳以上)で高齢者1人あたりの現役世代の厚みを見ると、燕市の位置は次の通りです。

  • 2025年(住民基本台帳):2.03人(県内3位・若い側)
  • 2050年(社人研推計):1.08人(▲46.8%)

▼【グラフ:tsubame_現役高齢比.png|燕市と近隣市の現役高齢比 2025年実績・2050年推計】

2025年の2.03を県内で並べると、聖籠町2.48(1位)・新潟市2.15(2位)・燕市2.03(3位)・長岡市2.00(4位)・上越市1.89(5位)・新発田市1.88(6位)の順で、燕市は上位3市町村の一角です。2.0を上回るのは県内で聖籠町・新潟市・燕市の3市町村のみです。

2050年推計の現役高齢比が1.0を上回るのは、全30市町村中で次の9市町村のみです。

市町村現役高齢比2050
粟島浦村2.04(参考・人口312人)
聖籠町1.51
刈羽村1.49
新潟市1.22
長岡市1.16
燕市1.08
新発田市1.07
見附市1.03
上越市1.03

粟島浦村(極小規模の参考値)を除けば、燕市は聖籠・刈羽・新潟・長岡に次ぐ実質5位で、人口1万人以上の市町村に限れば4位相当の位置です。25年間の変化幅▲0.95(2.03→1.08)は、新潟市▲0.93(2.15→1.22)とほぼ同水準で、県内で最も若い側の市町村に共通する低下パターンに沿っています。

現役高齢比が1.0を下回ることは、現役世代1人あたりの高齢者数が1人以上になる状態を意味します。燕市の2050年推計1.08は、現役1人が高齢者1人をぎりぎり上回る水準で県内の残る側に位置する見込みです。

出典:総務省(住民基本台帳)、国立社会保障・人口問題研究所(令和5年推計)


まとめ

燕市の高齢化を数字で読むと、「若さ」と「後期高齢者化」という一見相反する2側面が同じ市の中で成立している構造が浮かびます。

若さの側面では、高齢化率29.6%(県内28位・若い側から3番目)、現役高齢比2.03(3位)、生産年齢人口率59.9%(3位)と3指標が揃って県内3位に並びます。政令市の新潟市、企業誘致町の聖籠町に次ぐ位置で、一般的な地方産業都市としては県内トップの若さです。人口5万人以上の9市の中では、規模6位という中位の規模でありながら若さ2位(新潟市に次ぐ)という順位差を持ちます。

後期高齢者化の側面では、後期高齢者比率53.8%が県内5位で、十日町市・村上市と同率タイに並びます。人口5万人以上の9市の中では村上市と並んで最も高い水準です。高齢化率順位25位以降(若い側)の6市町村(聖籠・新潟・燕・長岡・上越・新発田)に絞ると、燕市の53.8%は6市中1位で、若さ上位グループに属しながら高齢者内訳では最も後期高齢者側に傾いている位置です。

動態と将来を重ねると、2024年の社会減▲59人は9市中で新潟市の社会増を除いて最も小さい流動性です。自然減▲718人は続くものの、社会減はほぼ抑えられています。2050年に向けては総人口▲28.7%減少・65歳以上ほぼ横ばい(+3.8%)・75歳以上+20.9%増という内訳で高齢化率は43.1%まで上昇する見込みですが、現役高齢比1.08は県内で1.0を上回る9市町村の1つとして残る位置です。

「若さ」と「後期高齢者化」が同居し、動態面では県内で流動性の少ない部類——2025年時点の燕市の位置は、この2側面と1つの動態特性を1つの市の中に併せ持つ構造として読み取れます。


出典・情報基準日

  • 高齢化率・年齢別人口(2025年):総務省(住民基本台帳、2025年1月1日現在)
  • 高齢化率・年齢別人口(2015年):総務省(国勢調査、2015年)
  • 将来推計人口(2020〜2050年):国立社会保障・人口問題研究所(令和5年推計)
  • 人口動態(2024年 出生・死亡・転入・転出):総務省(住民基本台帳)

情報基準日:2025年(令和7年)1月1日現在

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