田上町(中越地域・加茂市南隣に位置する南蒲原郡の小規模町)の産業タイプは判定式(第2次比率≧30%)により製造業集積型に分類されますが、主要業種1位(製造業)の就業者比率は24.6%で集積型市町村の中では中位以下、第3次産業比率は61.8%(県内8位)と上位に位置します。総就業者数5,462人(県内22位/30市町村中)・製造品出荷額約160.2億円(県内22位)の小規模自治体で、判定は集積型・実データは業種分散型と第3次比率上位という両面の特徴を併せ持ちます。
田上町の産業構造の特徴は、主要業種1位から5位まで24.6%〜5.9%の緩やかな分散構造(上位3業種合計54.2%・1-2位差7.6ポイント)を持つ点と、製造業の労働生産性が県内下位帯(1人あたり付加価値額488万円/人・県内29位・県平均加重1,188万円/人を△700万円下回る/付加価値率35.8%・29市町村中26位)にある点です。加茂市南隣・燕市・三条市と近い付加価値率帯にある一方、第3次比率61.8%(県内8位)と業種分散度(上位3業種54.2%)は加茂市を中心とする金属加工地域内で田上町ならではの特徴です。
判定は製造業集積型・実データは業種分散+第3次比率県内8位という判定と実データの乖離、加茂市南隣の中越11位規模から、田上町の産業構造を読み解きます。
- この記事でわかること
- ① 田上町の産業タイプ(判定は製造業集積型・実データは業種分散+第3次比率県内8位)
- ② 産業構造サマリー(総就業者5,462人×第3次比率県内8位×業種順位ほぼ21〜25位)
- ③ 10年間の産業構造変化(就業者△9.4%×第3次比率+2.1pt×農林業△23.4%)
- ④ 主要業種と業種構造の特徴(製造業24.6%×上位3業種54.2%×1-2位差7.6pt)
- ⑤ 製造業の規模と加茂・燕・三条圏の金属加工地域における位置(規模22〜23位×付加価値率26位/29×1人あたり県内29位)
- ⑥ 加茂市との差別化:田上町ならではの3つの特徴(第3次比率8位×業種分散×農家1戸あたり9位)
- ⑦ 移住検討者・就職転職・在住地域研究への読み方
- ⑧ データの見方・注意点
- まとめ
- この記事の執筆・データについて
- 出典
この記事でわかること
- 田上町の産業タイプは判定式上「製造業集積型」だが、主要業種1位比率24.6%・第3次比率61.8%(県内8位)で業種分散型の性格も併せ持つ構造
- 総就業者数5,462人(県内22位)・第1次比率6.0%(県内18位)・第2次比率32.2%(県内16位)・第3次比率61.8%(県内8位)の構成
- 主要業種は製造業1,341人(24.6%)・卸小売929人(17.0%)・医療福祉689人(12.6%)・建設業415人(7.6%)・農林業324人(5.9%)で上位3業種合計54.2%・1-2位差7.6ポイントの分散構造
- 製造業指標は事業所数52か所・従業者数1,174人・出荷額約160.2億円・付加価値額約57.3億円で規模順位はほぼ県内22〜23位に揃う
- 生産性指標は付加価値率35.8%(29市町村中26位)・1人あたり付加価値額488万円/人(県内29位)で県平均加重1,188万円/人を△700万円下回る下位帯
- 加茂市南隣・燕市・三条市と近い付加価値率帯(田上町35.8%・加茂市33.9%・燕市36.2%)にあり、金属加工地域の一部として位置づけられる
- 加茂市との差別化として、第3次比率県内8位・業種分散度(上位3業種54.2%)・農家1戸あたり産出額県内9位が田上町ならではの特徴
- 10年間で総就業者は△9.4%(△565人)減少・第3次比率+2.1ptシフト・製造業就業者△12.3%(△188人)・農林業就業者△23.4%(△99人)
① 田上町の産業タイプ(判定は製造業集積型・実データは業種分散+第3次比率県内8位)
田上町は「製造業集積型」判定だが主要業種1位(製造業)24.6%と控えめ・第3次比率は県内8位で上位という複合的特徴(章① サマリー)。
田上町の産業タイプは、第2次産業比率32.2%が判定基準(≧30%)を満たすため「製造業集積型」に分類されます。総就業者数5,462人(県内22位)の小規模自治体で、県内で製造業集積型に該当する18市町村の1つです。ただし主要業種1位(製造業)の就業者比率は24.6%と集積型市町村の中では中位以下、第3次産業比率は61.8%(県内8位)と上位に位置しており、判定は集積型・実データは業種分散+第3次比率上位という両面の特徴を併せ持ちます。
田上町の産業構造を数値で確認します。
| 指標 | 数値 | 県内順位(30市町村中) |
|---|---|---|
| 産業タイプ | 製造業集積型 | — |
| 総就業者数(2020年) | 5,462人 | 22位 |
| 第1次産業就業者比率 | 6.0% | 18位 |
| 第2次産業就業者比率 | 32.2% | 16位 |
| 第3次産業就業者比率 | 61.8% | 8位 |
| 主要業種1位 | 製造業 1,341人 | 全就業者の24.6% |
| 製造品出荷額(2022年) | 約160.2億円 | 22位 |
| 1人あたり付加価値額 | 488万円/人 | 29位 |
※出典:総務省(国勢調査 令和2年)、経済産業省(工業統計調査 令和4年)
→ 第2次比率32.2%が判定基準を満たし製造業集積型に分類されますが、主要業種1位比率24.6%・第3次比率県内8位と、集積型の中では業種分散型の性格も併せ持つ構造です。
田上町の主要業種1位比率24.6%を、県内で製造業を主要業種1位とする25市町村の中で位置づけると、集積度としては中位以下です。県内の集積型上位(燕市35.2%・三条市28.8%)と比較すると、田上町の製造業への集中度は控えめな水準にあります。一方、第3次産業比率61.8%は県内8位と上位に位置しており、これは「複合型」に多く見られる上位圏の順位です。
田上町の総就業者5,462人は県内22位の小規模自治体で、県内2番目に小さい市町村の1つです。主要業種の構成は、製造業24.6%・卸売業・小売業17.0%・医療・福祉12.6%・建設業7.6%・農業・林業5.9%と、上位業種から下位業種まで緩やかに分散する構造をとります(詳細は章④)。
田上町の産業構造は、「製造業集積型」というラベル通り第2次比率が県平均を上回る一方、実データでは主要業種1位比率が控えめで第3次比率が県内上位に位置する複合的な特徴を併せ持ちます。産業タイプ「製造業集積型」の詳細な内訳と、加茂市南隣という地理的特徴による地域構造上の位置は章②〜⑥で確認できます。
② 産業構造サマリー(総就業者5,462人×第3次比率県内8位×業種順位ほぼ21〜25位)
田上町の産業別就業者比率と県内順位を整理します。
| 指標 | 数値 | 県内順位(30市町村中) |
|---|---|---|
| 総就業者数 | 5,462人 | 22位 |
| 第1次産業就業者比率 | 6.0% | 18位 |
| 第2次産業就業者比率 | 32.2% | 16位 |
| 第3次産業就業者比率 | 61.8% | 8位 |
※出典:総務省(国勢調査 令和2年)
→ 総就業者5,462人(県内22位)は小規模自治体で、第2次32.2%(16位)・第3次61.8%(8位)の両方が県平均を上回り、第1次6.0%(18位)が県平均を下回る構成です。
総就業者数5,462人は県内22位で、中越地域16市町村内では11位の位置にあります。第2次産業比率32.2%は県平均(単純平均30.3%)を+1.92ポイント上回り、第3次産業比率61.8%は県平均(単純平均59.9%)を+1.90ポイント上回ります。第1次産業比率6.0%は県平均(単純平均8.6%)を△2.58ポイント下回る水準となります。
業種順位はほぼ21〜25位の範囲(規模と各業種順位が比例的)
田上町の業種別絶対値順位を整理すると、総就業者順位(22位)に対して各業種順位はほぼ21〜25位の範囲に収まります。
| 業種 | 田上町の業種別県内順位 |
|---|---|
| 農業・林業 | 25位 |
| 建設業 | 24位 |
| 製造業 | 22位 |
| 卸売業・小売業 | 21位 |
| 医療・福祉 | 23位 |
| 教育 | 21位 |
| 公務 | 22位 |
※出典:総務省(国勢調査 令和2年)
→ 総就業者県内22位に対して各業種順位が21〜25位の範囲に均等分布しており、特定業種による突出した上振れは見られない構造です。
田上町では総就業者数の規模順位(22位)と各業種の絶対値順位が比例的に対応しており、特定業種が業種横断ランキング上で突出する構造は観察されません。この均等分布は、大工場や特定業種の突出がない小規模自治体で見られるパターンと読み取れます。
▼【グラフ:tagami_産業構造.png 新潟県30市町村の産業別就業者比率(2020年・田上町を強調)】

③ 10年間の産業構造変化(就業者△9.4%×第3次比率+2.1pt×農林業△23.4%)
10年で総就業者は△9.4%減少(減少幅県内14位・中位)・第3次比率+2.1ptシフト・農林業△23.4%と製造業△12.3%が全体減少を上回る(章③ サマリー)。
2010年から2020年までの10年間で、田上町の総就業者数は△9.4%(6,027→5,462人・△565人)減少しました。この減少幅は県内30市町村で14番目に大きい水準(減少幅の中位)です。産業構造の比率変化では第3次産業比率+2.1pt(59.7%→61.8%・プラス変化順位14位)とゆるやかな第3次化が進み、業種別では製造業就業者△12.3%(△188人)・農林業就業者△23.4%(△99人)と全体減少率を上回る速度で縮小しています。
2010年から2020年までの就業者数と産業構造の推移を整理します。
| 年 | 総就業者数 | 第1次比率 | 第2次比率 | 第3次比率 |
|---|---|---|---|---|
| 2010年(H22) | 6,027人 | (データ欠損) | 33.1% | 59.7% |
| 2020年(R2) | 5,462人 | 6.0% | 32.2% | 61.8% |
| 10年変化 | △565人(△9.4%) | (算出不能) | △0.9pt | +2.1pt |
※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成22年)
→ 総就業者△9.4%は減少幅が県内14位(中位)で、第3次比率+2.1ptは県内プラス変化順位14位と、ゆるやかな第3次化の進行パターンです。
10年間の総就業者減少率で田上町は県内14位(減少幅の中位)に位置します。業種別の内訳では、製造業就業者は1,529人→1,341人へ△12.3%(△188人)減少し、全体減少率△9.4%を上回る速度で縮小しました。農林業就業者は423人→324人へ△23.4%(△99人)減少と、全体減少率の約2.5倍の速度で縮小しています。ただし農林業就業者は絶対数が324人と小規模母数のため、単純な変化率のみで動向を語るのは適切ではなく、絶対減少数(△99人)と併せて確認する必要があります。
第3次産業比率は59.7%→61.8%と2.1ポイント上昇し、県内プラス変化順位は14位(中位)でした。第1次産業比率は2010年値がデータ欠損のため10年変化は算出できません(参考:2015年6.8%→2020年6.0%と5年で0.8ポイント低下)。第2次産業比率は33.1%→32.2%と0.9ポイント低下しています。10年変化の背景は複数の要因(人口減少・高齢化・産業構造変化等)が絡み合うため、単一の因果として断定はできません。
田上町の10年変化は、総就業者数の減少幅(△9.4%)が県内中位帯で、第3次比率シフトも県内平均的な水準にあります。業種別では農林業就業者の減少速度(△23.4%)が全体(△9.4%)の約2.5倍と上回りますが、絶対数の小ささを考慮した解釈が必要でしょう。製造業集積型としての産業構造を維持しながら緩やかに就業規模が縮小し、業種内では農林業と製造業の縮小が全体より速い移行パターンと読み取れます。
▼【グラフ:tagami_産業変化.png 田上町の産業構造推移(2010→2015→2020年・積み上げ棒)】

④ 主要業種と業種構造の特徴(製造業24.6%×上位3業種54.2%×1-2位差7.6pt)
就業者数の多い上位5業種を確認します。
| 順位 | 業種名 | 就業者数 | 就業者比率 | 県内絶対値順位 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 製造業 | 1,341人 | 24.6% | 県内22位 |
| 2位 | 卸売業・小売業 | 929人 | 17.0% | 県内21位 |
| 3位 | 医療・福祉 | 689人 | 12.6% | 県内23位 |
| 4位 | 建設業 | 415人 | 7.6% | 県内24位 |
| 5位 | 農業・林業 | 324人 | 5.9% | 県内25位 |
※出典:総務省(国勢調査 令和2年)
→ 主要業種1位から5位まで24.6%〜5.9%の緩やかな分散で、上位3業種合計は54.2%・1-2位差は7.6ポイントの分散構造となります。各業種の県内絶対値順位は21〜25位の範囲でほぼ均等に分布しています。
主要業種1位の集中度:24.6%は集積型市町村の中で中位以下
主要業種1位「製造業」の就業者比率24.6%は、県内で製造業を主要業種1位とする25市町村の中で下位帯に位置します。県内の集積型上位(燕市35.2%・三条市28.8%)と比較すると、田上町の製造業への集中度は明らかに低い水準にあります。上位3業種合計54.2%・主要業種1-2位差7.6ポイント(製造業24.6%と卸売業・小売業17.0%の差)は、特定業種への集中が控えめで残り45.8%が4〜19業種に分散する分散構造と読み取れます。
業種横断ランキング上で突出は見られない
田上町の主要業種はいずれも県内絶対値順位が21〜25位の範囲に収まり、業種横断ランキング上で総就業者順位(22位)を大きく上回る業種は見られません。大工場や特定業種の突出がない小規模自治体では、通勤圏(加茂市南隣に位置)への就業と町内サービス業がバランスした構造になりやすい傾向がありますが、業種細分類や通勤先データは本統計では判別できないため、業種構成の詳細な成立背景は本記事の範囲外です。
▼【グラフ:tagami_就業者数.png 田上町の業種別就業者数(2020年・上位10業種)】

⑤ 製造業の規模と加茂・燕・三条圏の金属加工地域における位置(規模22〜23位×付加価値率26位/29×1人あたり県内29位)
田上町の製造業は規模順位が県内22〜23位で揃う一方、付加価値率26位/29・1人あたり付加価値額29位と労働生産性は県内下位帯・加茂市南隣の金属加工地域の一部として位置づけられる(章⑤ サマリー)。
田上町の製造業は製造業事業所数52か所・製造業従業者数1,174人・製造品出荷額約160.2億円・付加価値額約57.3億円・現金給与総額約37.6億円で規模順位がほぼ県内22〜23位に揃います。労働生産性指標では付加価値率35.8%(29市町村中26位)・1人あたり付加価値額488万円/人(県内29位)で下位帯に位置し、県平均加重1,188万円/人を△700万円下回る水準となります。加茂市南隣に立地し、加茂市33.9%・燕市36.2%・三条市を含む金属加工地域と近い付加価値率帯にあります。
田上町の製造業指標
2022年の製造業指標を規模と効率の両面で整理します。
| 指標 | 数値 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 製造業事業所数 | 52か所 | 22位 |
| 製造業従業者数 | 1,174人 | 22位 |
| 製造品出荷額(2022年) | 約160.2億円 | 22位 |
| 付加価値額(2022年) | 約57.3億円 | 23位 |
| 現金給与総額(2022年) | 約37.6億円 | 22位 |
| 付加価値率 | 35.8% | 26位(29市町村中) |
| 1人あたり付加価値額 | 488万円/人 | 29位 |
| 事業所あたり従業者 | 22.6人/事業所 | — |
| 1人あたり出荷額 | 1,365万円/人 | — |
※出典:経済産業省(工業統計調査 令和4年)※従業者4人以上の事業所が対象
→ 事業所数・従業者数・出荷額・付加価値額・現金給与総額の規模順位はほぼ22〜23位で揃う一方、付加価値率26位/29・1人あたり付加価値額29位と労働生産性は県内下位帯です。
田上町の製造業は規模順位(22〜23位)と労働生産性順位(26〜29位)で6〜7位の差があります。製造品出荷額22位・付加価値額23位に対して1人あたり付加価値額は29位で、規模なりの労働生産性が出ていない構造と読み取れます。
加茂・燕・三条圏の金属加工地域における田上町の位置
田上町は加茂市南隣に位置し、周辺の加茂・燕・三条を含む地域は金属加工・機械部品の中間工程集積地帯です。田上町の付加価値率35.8%は加茂市33.9%・燕市36.2%・糸魚川市34.3%と近い水準で、事業所あたり従業者22.6人/事業所も三条市22.4人・燕市20.0人と近い規模帯にあります。地域全体で中間工程・部品加工の集積を反映しているとみられます。
付加価値率35.8%の周辺市町村を県内順位で並べると、加茂市33.9%(28位)・見附市28.2%(29位)・燕市36.2%(25位)・糸魚川市34.3%(27位)が並びます。これらはいずれも金物・機械・軽工業系の中小事業所集積地となります。
1人あたり付加価値額488万円/人は県平均加重1,188万円/人の約41%水準で、県内で高付加価値製造業型に分類される市町村(上越市・妙高市・胎内市等)とは明確に異なる下位帯にあります。ただし付加価値率=付加価値額÷出荷額のため、素材加工・中間工程主体の事業所構成の場合は率が低くなる傾向があり、これは田上町の周辺地域構造から観察される地域パターンに沿った水準でしょう。個別事業所の質・付加価値創出力を断定するものではありません。
中越地域内での田上町の位置
田上町の総就業者5,462人は中越地域16市町村中で11位に位置します。中越地域の産業構造は製造業集積型が中心で、中越地域内で製造業集積型に分類される市町村は長岡・三条・燕・柏崎・見附・小千谷・加茂・魚沼・田上・弥彦・刈羽・出雲崎の12市町村となります。田上町はそのうちの1つで、上位の長岡・三条・燕・柏崎等の大規模製造業市町村とは規模的に離れた小規模帯に位置します。
数値の意味(データから読み取れる範囲):
田上町の製造業は、規模順位が県内22〜23位で揃う中小規模の集積地の中に位置し、労働生産性指標(付加価値率・1人あたり付加価値額)では県内下位帯に該当します。加茂市南隣の南蒲原郡の小規模町として、周辺の加茂・燕・三条と付加価値率・事業所規模が近い金属加工地域の後背地に位置します。1人あたり付加価値額488万円/人は製造業事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性指標で、個別事業所の給与そのものではありません。就職・転職検討者にとっては「県内下位帯の製造業労働生産性水準・加茂/燕/三条と共通する中間工程集積地の一部」という判断材料になります。
▼【グラフ:tagami_県内ランキング.png 新潟県内 製造業指標ランキング(田上町を強調)】

⑥ 加茂市との差別化:田上町ならではの3つの特徴(第3次比率8位×業種分散×農家1戸あたり9位)
加茂市南隣の同じ金属加工地域内で、田上町は第3次比率県内8位・業種分散度(上位3業種54.2%)・農家1戸あたり県内9位の3つが差別化要素(章⑥ サマリー)。
田上町と加茂市は同じ南蒲原郡・同じ金属加工地域に位置し、付加価値率も田上町35.8%(26位)・加茂市33.9%(28位)と近い水準にあります。ただし産業構造の細部では田上町ならではの3つの差別化要素が観察されます。単純に「加茂市南隣の小規模町」とだけ捉えると見えない、田上町固有の特徴を整理します。
差別化要素1:第3次比率61.8%(県内8位)の上位ポジション
田上町の第3次産業比率61.8%は県内8位と上位に位置します。これは判定式では製造業集積型でありながら、実データでは「複合型」に多く見られる上位圏の水準です。総就業者5,462人(県内22位)の小規模自治体で第3次比率が県内8位まで上振れる構造は、県内の製造業集積型市町村の中では珍しい位置と読み取れます。
| 指標 | 田上町 |
|---|---|
| 第3次産業就業者比率 | 61.8%(県内8位) |
| 総就業者数 | 5,462人(県内22位) |
| 産業タイプ判定 | 製造業集積型 |
→ 総就業者県内22位の小規模自治体でありながら、第3次比率は県内8位と上位に位置し、規模順位と第3次比率順位に14ランクの上振れがあります。
差別化要素2:業種分散度(上位3業種54.2%・1-2位差7.6pt)
田上町の主要業種構成は、製造業24.6%・卸売業・小売業17.0%・医療・福祉12.6%・建設業7.6%・農業・林業5.9%と、上位業種から下位業種まで緩やかに分散する構造をとります。主要業種1位比率24.6%は集積型市町村(燕市35.2%・三条市28.8%)と比べて明らかに低く、上位3業種合計54.2%・1-2位差7.6ポイントは特定業種への集中が控えめな分散型の性格を示します。
| 指標 | 田上町 |
|---|---|
| 主要業種1位比率(製造業) | 24.6%(集積型市町村の中で中位以下) |
| 上位3業種合計比率 | 54.2% |
| 1-2位差 | 7.6ポイント(製造業24.6%と卸小売17.0%の差) |
→ 田上町の産業タイプ判定は製造業集積型ですが、業種構成の実データは「特定業種への集中が控えめな分散型」の性格を持ちます。
差別化要素3:農家1戸あたり産出額581万円/戸(県内9位)
田上町の農業産出額約10.8億円は県内26位と小規模で、農業経営体186戸(県内25位)・経営耕地面積779.9ha(県内25位)と絶対規模ではいずれも県内下位帯となります。ただし農家1戸あたり産出額は約581万円/戸で県内9位と中位以上の水準にあり、絶対規模順位(26位)と1戸あたり順位(9位)に17ランクの乖離があります。
| 指標 | 田上町 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 農業産出額(2022年推計) | 約10.8億円 | 26位 |
| 農業経営体数(2020年) | 186戸 | 25位 |
| 経営耕地面積(2020年) | 779.9ha | 25位 |
| 農家1戸あたり産出額 | 約581万円/戸 | 9位 |
※出典:農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年・農林業センサス 令和2年)
→ 農業の絶対規模は県内25〜26位と下位帯だが、農家1戸あたり産出額は県内9位・絶対規模と1戸あたり効率に17ランクの乖離があります。
1戸あたり効率が中位以上に位置する構造は、耕地面積に対して経営体が少ない(1経営体あたり耕地面積が広い)か、単収の高い品目構成のいずれか、あるいは両方の可能性を示唆します。田上町の主要農産品や品目構成の詳細は本記事の範囲外となります。
数値の意味(データから読み取れる範囲):
田上町は加茂市南隣に位置し、付加価値率・事業所規模帯も加茂市と近い金属加工地域の一部です。ただし産業構造の細部では、第3次比率県内8位(総就業者順位より14ランク上位)・業種分散度(上位3業種54.2%・1-2位差7.6pt)・農家1戸あたり産出額県内9位(絶対規模より17ランク上位)という3つの田上町ならではの特徴が観察されます。加茂市を含む金属加工地域内で「同じ地域内の中でも田上町固有の産業構造特徴を持つ町」として位置づけられます。
⑦ 移住検討者・就職転職・在住地域研究への読み方
本章は「田上町 産業構造」「田上町 産業 何がある」「田上町 製造業」等の検索意図に対する、産業構造データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。
視点1:新潟在住者・地域研究者向け(加茂市南隣×業種分散×中越11位の位置確認)
田上町は中越地域11位規模の小規模町で、産業タイプ判定は製造業集積型ですが、実データは業種分散+第3次比率県内8位の特徴を併せ持ちます。加茂市南隣・金属加工地域の一部として位置しつつ、加茂市とは3つの差別化要素があります。
| 読み取り材料 | データ根拠 |
|---|---|
| 中越地域内の位置 | 中越11位規模(5,462人)・加茂市南隣・製造業集積型12市町村の一角 |
| 産業タイプの特徴 | 判定式では製造業集積型(第2次比率32.2%)だが、主要業種1位比率24.6%と控えめ・第3次比率61.8%は県内8位と上位 |
| 加茂市との差別化 | 第3次比率県内8位・業種分散度(上位3業種54.2%)・農家1戸あたり県内9位が田上町ならではの3つの特徴 |
| 業種構造の特徴 | 主要業種1位(製造業)24.6%〜5位(農林業)5.9%の緩やかな分散・上位3業種合計54.2%・1-2位差7.6ポイント |
| 10年変化 | 総就業者△9.4%(減少幅県内14位・中位)・第3次比率+2.1pt(プラス変化順位14位・中位)・農林業△23.4%・製造業△12.3% |
新潟在住者や地域研究者にとって、田上町は「加茂市南隣に位置する中越11位規模の小規模町で、判定は製造業集積型・実データは業種分散+第3次比率県内8位の複合的特徴を併せ持ち、加茂市とは3つの差別化要素を持つ町」として位置づけられます。
視点2:就職・転職検討者向け(新潟在住→就職検討→意外な観察)
田上町は総就業者5,462人(県内22位)・製造業就業者1,341人(24.6%・県内22位)・卸小売929人(17.0%)・医療福祉689人(12.6%)の労働市場を持ちます。「新潟在住で就職を検討する」視点で田上町のデータを読むと、加茂市南隣の金属加工地域という位置づけと、労働生産性が県内下位帯という2点が観察できます。
| 読み取り材料 | データ根拠 |
|---|---|
| 労働市場の規模 | 総就業者5,462人(県内22位・中越地域11位)・小規模自治体 |
| 製造業の就業機会 | 製造業就業者1,341人(24.6%)・製造業事業所ベース従業者1,174人(県内22位)・事業所52か所(県内22位) |
| 製造業の生産性水準 | 付加価値率35.8%(29市町村中26位)・1人あたり付加価値額488万円/人(県内29位)・県平均加重1,188万円/人を△700万円下回る下位帯 |
| その他の業種の就業機会 | 卸小売929人(17.0%・県内21位)・医療福祉689人(12.6%・県内23位)・建設業415人(7.6%・県内24位) |
| 通勤圏の観点 | 加茂市南隣に立地・周辺の加茂・燕・三条は金属加工地域 |
田上町の1人あたり付加価値額488万円/人は製造業事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性指標で、個別事業所の給与そのものではありません。県平均加重を△700万円下回る下位水準ですが、周辺の加茂市33.9%(付加価値率28位)・見附市28.2%(29位)・燕市36.2%(25位)・糸魚川市34.3%(27位)と近い付加価値率帯にあり、金属加工・機械部品の中間工程集積地帯の一部と読み取れます。
視点3:意外な観察(順位の乖離3つの数値パターン)
田上町の産業構造データから読み取れる「意外な観察」として3つの順位乖離パターンを整理します。加茂市南隣の同じ金属加工地域内で観察される田上町ならではのパターンです。
| 読み取り材料 | データ根拠 |
|---|---|
| 総就業者22位×第3次比率8位の順位乖離 | 総就業者は県内22位の小規模自治体だが、第3次産業比率は県内8位と上位に位置・判定式では製造業集積型だが実データは第3次比率上位の複合的特徴 |
| 製造業規模22位×1人あたり付加価値額29位の順位乖離 | 製造品出荷額22位・付加価値額23位に対して1人あたり付加価値額は29位・規模順位より労働生産性順位が7位下位 |
| 農業産出額26位×農家1戸あたり産出額9位の順位乖離 | 農業産出額・経営体数・耕地面積は県内25〜26位と小規模だが、農家1戸あたり産出額は581万円/戸で県内9位・絶対規模と1戸あたり効率に17ランクの乖離 |
これら3つの順位乖離パターンは、田上町の産業構造データから機械的に読み取れる観察事実で、加茂市を中心とする金属加工地域内で田上町固有の構造として位置づけられます。個別の成立背景や因果関係は本記事の範囲外です。
⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、移住・就業・研究の意思決定を代替するものではありません。
⑧ データの見方・注意点
産業タイプ分類は目安です
本記事の「産業タイプ」(製造業集積型・高付加価値製造業型・農業型・複合型・都市サービス型等)は、産業別就業者比率と製造業指標を組み合わせた分類です。同一タイプでも市町村ごとに主要業種・規模・変化パターンは異なるため、タイプラベルだけで判断せず、本文の各指標を合わせて確認してください。
就業者比率と生産性は別指標です
第1/2/3次産業の就業者比率は「誰がどこで働いているか」を示す指標です。1人あたり付加価値額(製造業事業所ベース)は「製造業の労働生産性の目安」を示す別の指標であり、就業者比率が高いほど生産性が高いとは限りません。
製造業指標は事業所ベースです
⑤で提示する製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額は、経済産業省「工業統計調査」の事業所ベース集計です。市町村内に本社を置く企業ではなく、事業所(工場・作業所等)が市町村内にあることが集計基準となります。県外本社の事業所も含まれる場合があります。
農業産出額は推計値です
⑥で提示する農業産出額は農林水産省「市町村別農業産出額(推計)」による推計値です。市町村単位の農業産出額は農林水産省が農業経営体調査・作物統計等から推計しており、実額とは差が生じる場合があります。
農業産出額と農家収入は別です
農業産出額は市町村内で生産された農産物の推定額(生産額ベース)で、農家の手取り収入とは異なります。生産コスト・流通経費・農業経営体の規模差により、産出額と農家収入の関係は市町村ごとに異なります。
主要業種比率の分母は総就業者数です
②〜④で提示する主要業種の比率は、国勢調査「産業(大分類)別就業者数」を分母として計算しています。分母は当該市町村に居住する15歳以上就業者(従業地ではなく居住地ベース)です。市町村外へ通勤する就業者も含まれます。
10年変化は国勢調査5年ごとの比較です
③で提示する2010年→2015年→2020年の10年変化は、国勢調査(5年ごと実施)の3時点比較です。年次データではないため、単年度のショック(特定事業所の開設・閉鎖等)の影響が5年間の中で吸収されている場合があります。
産業タイプは順位ではありません
産業タイプの分類(製造業集積型等)は市町村の産業構造の特徴を示す分類であり、優劣を示すものではありません。「複合型」が「農業型」より優れているという意味ではなく、産業の集中度や分散度の違いを示す指標です。
まとめ
田上町の産業構造の特徴(データから読み取れる範囲)
- 産業タイプ判定は製造業集積型(第2次比率32.2%≧30%)だが、主要業種1位比率24.6%・第3次比率61.8%(県内8位)で業種分散型の性格も併せ持つ複合的な構造
- 総就業者数5,462人(県内22位)・第1次比率6.0%(県内18位)・第2次比率32.2%(県内16位)・第3次比率61.8%(県内8位)の構成
- 主要業種は製造業1,341人(24.6%)・卸小売929人(17.0%)・医療福祉689人(12.6%)・建設業415人(7.6%)・農林業324人(5.9%)で、上位3業種合計54.2%・1-2位差7.6ポイントの緩やかな分散構造
- 業種別絶対値順位はほぼ21〜25位の範囲に均等分布(総就業者22位に対して各業種順位が比例的・特定業種の突出なし)
- 製造業規模指標は事業所数52か所・従業者数1,174人・出荷額約160.2億円・付加価値額約57.3億円・現金給与総額約37.6億円で規模順位がほぼ県内22〜23位に揃う
- 労働生産性は付加価値率35.8%(29市町村中26位)・1人あたり付加価値額488万円/人(県内29位)で県平均加重1,188万円/人を△700万円下回る下位帯・周辺の加茂/見附/燕/糸魚川と付加価値率が近い金属加工地域の一部
- 加茂市南隣の同じ金属加工地域内で、田上町ならではの差別化要素として第3次比率県内8位・業種分散度(上位3業種54.2%)・農家1戸あたり産出額県内9位の3つを持つ
- 中越地域16市町村内で総就業者11位、加茂市南隣・中越地域の製造業集積型12市町村の一角
10年間の産業構造変化
2010年から2020年にかけて総就業者は△9.4%(△565人)減少し、この減少幅は県内で14番目に大きい中位水準となります。業種別では製造業就業者△12.3%(△188人)・農林業就業者△23.4%(△99人)と全体減少率を上回る速度で縮小しました(農林業は絶対数324人の小規模母数のため単純な変化率のみでの解釈は不適切)。第3次産業比率は59.7%→61.8%と+2.1ポイント上昇(プラス変化順位14位・中位)し、ゆるやかな第3次化が進みました。特定産業の急変やタイプの入れ替わりは10年間で観察されず、製造業集積型としての産業構造を維持しながら緩やかに就業規模が縮小する移行パターンと読み取れます。
派生指標で見える意外な観察
- 総就業者22位×第3次比率8位の順位乖離:総就業者は県内22位の小規模自治体だが、第3次産業比率は県内8位と上位に位置・判定は集積型だが実データは第3次比率上位の複合的特徴を併せ持つ(加茂市との差別化要素1)
- 業種分散度(上位3業種54.2%・1-2位差7.6pt):主要業種1位比率24.6%は集積型市町村の中で中位以下・分散型の性格(加茂市との差別化要素2)
- 農業産出額26位×農家1戸あたり産出額9位の順位乖離:農業規模は県内25〜26位の下位帯だが、農家1戸あたり産出額は581万円/戸で県内9位・絶対規模と1戸あたり効率に17ランクの乖離(加茂市との差別化要素3)
- 製造業規模22位×1人あたり付加価値額29位の順位乖離:製造品出荷額22位・付加価値額23位に対して1人あたり付加価値額は29位・規模順位より労働生産性順位が7位下位(規模なりの労働生産性が出ていない構造)
- 加茂・見附・燕・糸魚川と付加価値率が近い金属加工地域の一部:付加価値率35.8%(26位)・事業所あたり従業者22.6人/事業所が周辺市町村と近い規模帯・地域全体で中間工程・部品加工の集積を反映しているとみられる
この記事の執筆・データについて
執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和2年(2020年)国勢調査/令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額(推計)/令和2年(2020年)農林業センサス/令和3年(2021年)経済センサス-活動調査
更新日: 2026-09-05
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本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・事業判断助言ではありません。移住・就業・起業・出店等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。
出典
- 産業別就業者数(第1〜3次産業・主要業種):
総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年) - 製造品出荷額・製造業従業者数・付加価値額:
経済産業省(工業統計調査 令和4年) - 農業産出額:
農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年) - 農家数・農地面積:
農林水産省(農林業センサス 令和2年) - 事業所数・従業者数:
総務省・経済産業省(経済センサス-活動調査 令和3年)
派生値の算出方法:
本記事で使用する「県平均・県合計・倍率」等の派生値は、新潟県30市町村の集計値から算出しました。
- 県平均:30市町村の該当指標の単純平均
- 県合計:30市町村の該当指標の合計値
- 県内順位:30市町村を該当指標の降順(または昇順)でソートした順位
- 1人あたり付加価値額:付加価値額 ÷ 製造業従業者数(工業統計調査の事業所ベース)
- 主要業種比率:業種別就業者数 ÷ 総就業者数(国勢調査)
データ基準日:令和2年(2020年)国勢調査・令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額
次回更新推奨:令和7年(2025年)国勢調査データ公表後、令和6年(2024年)工業統計調査データ公表後

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