新潟市の観光客数は?推移と観光の特徴をデータで見る(2024年)

市町村

新潟市への観光客はどのくらい来ているのでしょうか。

この記事では、新潟県観光政策課が毎年公表している「観光客入込数・消費額調査」のデータをもとに、新潟市の観光客入込数・長期推移・季節パターン・主要施設の入込数を整理します。

県内30市町村の中での位置づけ・コロナ前後の変化・観光の種類の特徴をデータで確認できます。


この記事でわかること

  • 新潟市の観光客入込数(2024年・約1,602万人)と県内ランキング(1位/30市町村中)
  • 人口規模あたりの観光客数(観光客/人口比:約21倍・県内21位)
  • 2012〜2024年の12年間の推移(コロナ前後の変化率を含む)
  • 観光の種類の内訳(都市型観光が31.7%を占める多目的型)
  • 月別・施設別の観光客集中パターン(最大施設集中度9.7%で県内最も分散した観光構造)
  • 主要観光施設56か所の入込数と前年比の動向

① 新潟市の観光客数(2024年)

新潟市の2024年(令和6年)の観光客数を確認します。

観光客数サマリー

指標2024年前年比
観光客入込数1,602万人+3.0%
県内順位(入込数)1位/30市町村中
県全体に占める割合約25.3%
観光客/人口比約21倍(県内21位)

※出典:新潟県観光政策課「令和6年観光客入込数・消費額調査」、人口:住民基本台帳(R7)

新潟市は県内最多の観光入込数を持つ市で、2位の長岡市(738万人)の約2.2倍の規模です。県内30市町村の観光客合計(約6,336万人)の4分の1を新潟市1市が占めていることになります。

一方、観光客数を地域人口で割った「観光客/人口比」は約21倍で県内21位です。湯沢町(378倍)・弥彦村(312倍)のような小規模で観光に特化した自治体と比べると、地域人口規模に対する観光客の多さは中位水準にとどまります。


② 観光客数の推移(2012〜2024年)

年別推移

年(和暦)観光客入込数前年比
2012年(H24)1,670万人
2013年(H25)1,714万人+2.6%
2014年(H26)1,845万人+7.7%
2015年(H27)2,006万人+8.7%
2016年(H28)1,860万人−7.2%
2017年(H29)1,862万人+0.1%
2018年(H30)1,955万人+5.0%
2019年(R1)1,865万人−4.6%
2020年(R2)1,082万人−42.0%
2021年(R3)1,169万人+8.0%
2022年(R4)1,341万人+14.7%
2023年(R5)1,556万人+16.0%
2024年(R6)1,602万人+3.0%

※2020〜2022年の急減はコロナ禍の影響とみられます。

2019年(コロナ前)の1,865万人と比べると、2024年は1,602万人で、回復率は約85.9%です。コロナ前の水準にはまだ届いていません。

2024年は2012年比でも−4.0%(1,670万人→1,602万人)と、12年前の水準もわずかに下回っています。

5年ごとの変化(2014→2019→2024年)

コロナ禍をはさんで5年ずつ比較すると、変化の方向が逆転しています。

比較期間変化率
2014年→2019年(コロナ前・5年間)+1.1%
2019年→2024年(コロナ後・5年間)−14.1%

コロナ前の5年間は総じて+1.1%とほぼ横ばいですが、内訳をみると2015年(H27)が2,006万人と一時的にピークを迎えた後、2016〜2017年に反動減があり、2018年(H30)に1,955万人まで回復してからコロナ前の2019年(1,865万人)にやや落ちています。コロナ後の5年間は回復途上でも2019年比−14.1%にとどまっています。


▼【グラフ:新潟市_入込数推移.png 新潟市の観光客入込数の推移(2012〜2024年)】


④ 新潟県内での位置づけ

観光客入込数 県内ランキング(2024年)

順位市町村観光客入込数(2024年)
1位新潟市1,602万人
2位長岡市738万人
3位妙高市518万人
4位上越市318万人
5位湯沢町312万人
6位南魚沼市287万人
7位弥彦村235万人
28位出雲崎町17万人
29位聖籠町14万人
30位粟島浦村1.1万人

新潟市は県内1位ですが、2位の長岡市・3位の妙高市とは2〜3倍以上の差があります。一方でコロナ前比の回復率(85.9%)は県内14位で、回復が遅れているグループに属しています。


▼【グラフ:新潟市_県内ランキング.png 新潟県内観光客入込数ランキング(2024年)新潟市を強調表示】


⑤ 観光の種類と季節パターン

観光の種類(2024年)

新潟市の観光は都市型観光(31.7%)を最大の柱とした多目的型の構成です。次いで行祭事・イベント(28.7%)歴史・文化(19.0%)が続きます。

観光分類入込比率
都市型観光31.7%
行祭事・イベント28.7%
歴史・文化19.0%
スポーツ・レクリエーション12.7%
温泉・健康5.4%
自然2.7%

「都市型観光」は商業施設・食・ショッピングなどを目的とした訪問を指します。「行祭事・イベント」はコンサート・スポーツ観戦・コンベンション・まつり等の集客を含みます。この2つで入込数の約60%を占めており、特定の観光資源に依存しない都市型の分散構造が特徴です。

月別の観光動向(2024年)

観光客数
1月101.8万人
2月91.3万人
3月116.2万人
4月173.4万人
5月140.2万人
6月138.4万人
7月116.8万人
8月238.2万人
9月145.6万人
10月139.5万人
11月116.3万人
12月84.2万人

ピーク月は8月(238.2万人)で、年間の14.9%が集中しています。7〜8月の夏2か月で22.2%、12〜2月の冬3か月で17.3%を占めます。

8月がピークになる主な理由は、新潟市の観光の約29%を占める「行祭事・イベント」分類の集中です。8月上旬に開催される新潟まつり(花火大会:34万人、まつり本体:15.1万人)をはじめ、にいがた総おどり(16.2万人)、阿賀野川ござれや花火(20万人)など大型夏季イベントが8月に集中しています。夏の海水浴シーズン(関屋浜・砂丘館周辺など)も重なり、入込数が突出します。

4月も173.4万人と年間2位の水準です。大型連休(GW)による行楽需要と、花見シーズン(信濃川・白山公園周辺など)への来訪が重なるためとみられます。5〜6月はGW後も連休中のイベント系来訪が継続し、140万人前後で推移します。

最も少ないのは2月(91.3万人)です。新潟市は海岸平野部に位置し、スキー場がないため冬季のスポーツ観光需要が発生しません。夏の海水浴・自然系観光もオフシーズンです。それでも90万人台を維持できるのは、都市型観光(ショッピング・コンベンション・博物館等)が季節を問わず一定の来訪を生み出しているためです。


▼【グラフ:新潟市_月別推移.png 新潟市の月別観光客数(R4〜R6・3年比較)】

▼【グラフ:新潟市_分類別.png 新潟市の観光分類別入込比率(2024年)】


⑥ 主要観光施設・観光資源

新潟市で主要観光地点として計上されている施設は56か所(2024年)です。56施設の入込数合計は1,404万人で、市全体の入込数(1,602万人)の約87.6%を施設別に把握できています。

入込数上位施設(2024年)

施設名分類2024年入込数2023年入込数前年比
新潟ふるさと村都市型観光155.7万人158.9万人−2.0%
ピアBandai都市型観光108.1万人108.4万人−0.2%
食と花の交流センタースポーツ・レクリエーション73.1万人70.6万人+3.5%
コンベンション(朱鷺メッセ開催)行祭事・イベント65.6万人55.2万人+18.9%
白山神社(初詣除く)歴史・文化60.3万人59.7万人+1.0%
デンカビッグスワンスタジアム行祭事・イベント59.2万人52.3万人+13.3%
花夢里にいつ都市型観光58.6万人58.8万人−0.5%
新潟市水族館(マリンピア日本海)歴史・文化55.6万人54.2万人+2.5%
Befcoばかうけ展望室スポーツ・レクリエーション48.8万人29.5万人+65.6%
動物ふれあいセンター歴史・文化35.5万人33.7万人+5.2%

「新潟ふるさと村」「ピアBandai」という都市型観光施設2か所だけで、市全体の施設入込数の約19%を占めます。コンベンション(朱鷺メッセ)は前年比+18.9%と伸びており、ビジネス・会議型の来訪が増加しています。

施設への集中度

新潟市で最も入込数が多い施設は「新潟ふるさと村」(155.7万人)ですが、市全体入込数(1,602万人)に対する割合は9.7%です。上位3施設(新潟ふるさと村・ピアBandai・食と花の交流センター)の合計でも21.0%にとどまります。

この最大施設集中度9.7%は県内29位(30市町村中)で、新潟市の観光は県内で最も分散した構造の1つです。特定の1施設や1イベントに依存しない都市型の多核分散型観光地の特徴が出ています。

前年比が大きく変化した施設(2024年)

  • 大きく増加:Befcoばかうけ展望室(前年比+65.6%・29.5万人→48.8万人)
  • 増加傾向:コンベンション・朱鷺メッセ開催(+18.9%)、デンカビッグスワンスタジアム(+13.3%)

海水浴場

新潟市には10か所の海水浴場があり、2024年の海水浴客数は167,221人(約16.7万人)です(前年比−25.9%)。新潟市は海水浴客数で県内2位/12市町村中ですが、観光入込数全体に占める比率は小さく、都市型・イベント型の観光構造が主体です。


⑧ 観光客数データを見るときの注意点

観光客入込数は実測値ではなく推計値です

新潟県の観光客入込数・消費額調査は、各市町村から報告された観光施設の利用者数・入場者数などをもとに集計・推計しています。統計手法や報告施設の範囲が市町村によって異なるため、市町村間の数値を厳密に比較することは適切ではありません。

宿泊者・日帰り客の内訳はデータなし

新潟県の市区町村別調査では宿泊者数・日帰り客数の内訳は公表されていません。新潟市の観光特性(日帰りか宿泊かの割合)は、観光分類別データや施設種別から間接的に読み取ります。


まとめ

2024年の観光客数規模

  • 新潟市の観光客入込数(2024年)は1,602万人で、新潟県内1位です
  • 観光の中心は都市型観光(31.7%)と行祭事・イベント(28.7%)で、特定観光資源に偏らない分散型の構造が特徴です
  • 県内30市町村の観光客合計の約25.3%を1市が占めています
  • 観光客/人口比は約21倍(県内21位)で、人口規模の大きさが相対的に数値を下げています

長期トレンド

コロナ前(2019年:1,865万人)と比べると、2024年は1,602万人で回復率は約85.9%です。コロナ後の5年間で−14.1%と、回復はまだ途上にあります。2014年(1,845万人)と比べると、2019年は+1.1%(横ばい)、2024年は−14.1%(コロナの影響が残る水準)です。

直近の動向(2022〜2024年)

2022年以降は回復基調が続いており、前年比は+14.7%(R4)→+16.0%(R5)→+3.0%(R6)と、回復ペースは鈍化しつつも増加傾向を維持しています。

月・施設の集中パターン

  • ピーク月:8月(238.2万人・年間の14.9%が集中)。夏2か月(7〜8月)で22.2%、冬3か月(12〜2月)で17.3%を占める通年型。新潟まつり花火大会・にいがた総おどりなど大型夏季イベント(行祭事・イベント28.7%)の集中が主な要因
  • 最大施設:「新潟ふるさと村」が全体の9.7%を担う(県内29位の低集中度=分散した観光構造)
  • 上位3施設合計:21.0%(新潟ふるさと村・ピアBandai・食と花の交流センター)
  • 特定の1施設や1イベントに依存しない多核分散型の都市観光地で、1施設の消長が市全体の入込数を左右しにくい構造です

伸びている施設・縮小している施設(2024年)

  • 大きく増加:Befcoばかうけ展望室(+65.6%・29.5万人→48.8万人)。新規オープン後の認知拡大とみられます
  • 増加傾向:朱鷺メッセでのコンベンション(+18.9%)、デンカビッグスワンスタジアム(+13.3%)
  • 縮小:海水浴客数(−25.9%・22.6万人→16.7万人)。天候や安全管理方針の影響とみられます

出典

  • 観光客入込数:新潟県観光政策課(令和6年観光客入込数・消費額調査)
  • 主要観光地点入込数:新潟県観光政策課(同調査 表7)
  • 海水浴場入込客数:新潟県観光政策課(令和6年度海水浴客入込状況)

データ基準日:2024年(令和6年)
次回更新推奨:2025年(令和7年)観光客入込数調査公表後

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