糸魚川市の1人当たり所得は県内8位(286.6万円)|変化率6位・上位10位で額と変化率の乖離小・後半5年+10.06%の急伸・製造業集積型のデータ(R5年度)

市町村

糸魚川市(新潟県上越地域・上越3市町村の1つ)の1人当たり課税対象所得(R5年度)は 286.6万円 で、新潟県30市町村中 8位 です。

10年で +15.0%(+37.5万円) 変化し、変化率の順位は県内 6位(関川村と2市同率) で、額の順位(8位)と変化率の順位(6位)の順位差は 2ランク と乖離が小さい構造にあります。前半5年(H25→H30)の変化率は +4.53%、後半5年(H30→R5)は +10.06% で、後半変化率は前半の 約2.22倍 に加速しており、上位10位10市町村の中で後半変化率が10%を超えるのは糸魚川市のみです。推計手取りは 337.6万円(県内8位)で、10年で+25.0万円(+8.0%・変化率順位5位)変化しています。

主要業種1位は製造業(就業者比率21.2%)、2位は 建設業(14.0%・2,806人)、3位は医療・福祉(13.0%)で、産業タイプは 製造業集積型、付加価値額 約503.3億円は県内14位、製造品出荷額 約1,468.9億円は県内10位 の中規模製造業集積の構造です。上位10位10市町村の中で主要業種2位に建設業が入るのは糸魚川市のみで、上越3市町村内では1人当たり所得2位・変化率は圏内1位(+15.0%)に位置します。

この記事は、総務省「市町村税課税状況等の調べ」ほかの公的統計をもとに、糸魚川市の所得水準・後半5年の急伸・所得種類別の内訳・製造業+建設業を主軸とする産業構造・上越圏内での相対位置・移住検討者/事業者への読み方までを、記事単体で判断材料が読み取れる構造で整理したものです。


この記事でわかること

  • R5年度の1人当たり課税対象所得は 286.6万円(県内 8位/30市町村中)・県平均+9.5万円・県中央値+13.3万円
  • H25→R5の10年変化は +15.0%(+37.5万円) で、変化率順位は県内 6位(関川村と2市同率)
  • 前半変化率+4.53% → 後半変化率 +10.06%(後半は前半の約2.22倍・上位10位で後半変化率10%超は糸魚川市のみ)
  • 額の順位(8位)と変化率の順位(6位)の差は 2ランク(上位10位の中で乖離が小さい構造)
  • 所得割納税義務者 18,698人(県内シェア1.83%・県内13位)のうち 80.1%が給与所得者(糸魚川市単独(同率グループなし)・上位10位で最も低い水準)
  • 課税対象所得総額 約535.9億円(県内シェア1.75%・県内12位)・課税対象所得の10年変化率は +7.0%
  • 1人当たり住民税(所得割)は約 9.5万円・実効税率 3.3%(8市町村同率・10年 0.0ポイント・上位10位で唯一変化なし)
  • 推計手取りはR5の 337.6万円(県内8位)・10年で +25.0万円(+8.0%)・変化率順位は県内 5位
  • 産業タイプは 製造業集積型、主要業種1位 製造業21.2%(4,244人)・2位 建設業14.0%(2,806人・上位10位で建設業2位入りは糸魚川市のみ)・3位 医療・福祉13.0%(2,603人)
  • 総就業者数は10年で -13.6% 減少し、上位10位10市町村の中で最も大きな減少幅(にもかかわらず1人当たり所得は8位・変化率6位を維持)
  • 上越3市町村(上越市・妙高市・糸魚川市)では 2位、上越圏内の変化率は糸魚川市が 1位(+15.0%)

① 糸魚川市の1人当たり所得(R5年度サマリー)

286.6万円・県内8位(30市町村中)・県平均+9.5万円・上越3市町村中2位

糸魚川市の住民所得の全体像を数値で確認します。

指標数値県内順位(30市町村中)
1人当たり課税対象所得286.6万円8位
所得割納税義務者数18,698人13位
課税対象所得(総額)約535.9億円12位
推計手取り337.6万円8位
1人当たり住民税(実額)約9.5万円8位
実効税率3.3%3位(8市町村同率)

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)

→ 規模指標(総額12位・納税義務者13位)と1人当たり指標(8位)で4〜5ランクの差

1人当たり所得は県内8位、規模指標(所得割納税義務者数13位・課税対象所得総額12位)と1人当たり指標(8位)の順位差は4〜5ランクです。県平均(277.1万円)を +9.5万円、県中央値(273.3万円)を +13.3万円 上回っています。県内1位の新潟市(319.5万円)との差は -32.9万円、県内30位(津南町 256.7万円)との差は +29.9万円 です。

所得割納税義務者の県内シェアは 1.83%、課税対象所得総額のシェアは 1.75% で、シェア差 -0.08ポイント(1.75% – 1.83%)は、糸魚川市の課税対象所得の集約度が納税義務者数の集約度をわずかに下回っていることを示す観察です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

規模指標(12〜13位)と1人当たり指標(8位)で 4〜5ランクの差 がある構造は、糸魚川市が県内で「規模帯の中位・1人当たり水準が上位帯」に位置していることを示す観察です。県内で1人当たり所得が糸魚川市を上回るのは新潟市・上越市・長岡市・燕市・三条市・柏崎市・刈羽村の7市町村で、糸魚川市の県内8位という位置は上位10位の中で中位に位置しています。上越3市町村(上越・妙高・糸魚川)の中では 2位、上越に次ぐ位置にあります。


▼【グラフ:itoigawa_県内ランキング.png 新潟県30市町村 1人当たり課税対象所得ランキング(R5年度・糸魚川市を強調)】


② 額と変化率の乖離小パターン(8位 vs 6位・順位差2ランク)

額8位・変化率6位・順位差2ランクは上位10位で3市のみの乖離小パターン

R5年度の1人当たり課税対象所得の県内上位10市町村を確認します。

順位市町村1人当たり所得10年変化率変化率順位地域
1位新潟市319.5万円+11.3%20位下越
2位上越市305.4万円+11.5%17位(同率)上越
3位長岡市302.5万円+11.5%17位(同率)中越
4位燕市300.8万円+15.6%4位下越
5位三条市297.9万円+13.9%9位中越
6位柏崎市292.8万円+8.8%26位(単独(同率グループなし))中越
7位刈羽村292.5万円+7.2%29位中越
8位糸魚川市286.6万円+15.0%6位(2市同率)上越
9位妙高市284.3万円+11.7%15位上越
10位新発田市283.9万円+11.7%15位(同率)下越
  • 県平均:277.1万円(糸魚川市 +9.5万円)
  • 県中央値:273.3万円(糸魚川市 +13.3万円)
  • 県30位(津南町)との差:+29.9万円

→ 額8位・変化率6位で順位差2ランク・上位10位で「額と変化率がともに上位」は3市のみ

糸魚川市の1人当たり所得は上位10位中で8番目の水準にあります。上位7位までの市町村(新潟・上越・長岡・燕・三条・柏崎・刈羽)はいずれも1人当たり所得292万円台以上で、糸魚川市(286.6万円)との差は5.9万円〜32.9万円の範囲です。県内9位の妙高市(284.3万円)との差は +2.3万円で、8位・9位はほぼ隣接した水準です。

額と変化率がともに上位の乖離小パターン(糸魚川市が属する3市グループ)

R5の1人当たり所得ランキングは県内8位、10年変化率ランキングは県内6位(関川村と2市同率)で、その順位差は 2ランク です。上位10位10市町村を「額と変化率の順位差」で分類すると:

  • 乖離が小さいグループ(額上位・変化率も上位帯10位以内):燕市(4位 vs 4位・差0)・糸魚川市(8位 vs 6位・差2)・三条市(5位 vs 9位・差4)
  • 中程度のグループ:新発田市(10位 vs 15位)・妙高市(9位 vs 15位)
  • 乖離が大きいグループ(額上位・変化率下位):新潟市(1位 vs 20位)・上越市(2位 vs 17位)・長岡市(3位 vs 17位)・柏崎市(6位 vs 26位)・刈羽村(7位 vs 29位)

上位10位10市町村10市町村の中で変化率6位以内に入るのは、燕市(4位)・糸魚川市(6位)・三条市(9位)の3市のみです。糸魚川市はこのなかで 額の順位(8位)が3市の中で最も低く、変化率順位(6位)が中位に位置する 構造の観察となります。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

糸魚川市は上位10位10市町村の中で 「1人当たり所得の水準は8位(3市グループの中で最も低い水準)」ながら、変化率順位は6位(3市グループの中で中位)に位置する 構造として観察できます。上位10位で「額と変化率の両方が上位帯」に入る3市(燕・糸魚川・三条)は、いずれも1人当たり所得と変化率がともに上位帯に並ぶ構造の観察です。因果関係の断定ではなく、額と変化率の順位パターンの観察です。


③ 10年間の推移と後半5年+10.06%の急伸(上位10位で唯一)

前半+4.53% → 後半+10.06%・後半は前半の約2.22倍・後半変化率10%超は上位10位で唯一

過去10年間(H25→H30→R5)の住民所得の変化を確認します。

指標H25→R5の10年変化
1人当たり課税対象所得+37.5万円(+15.0%)
実効税率0.0ポイント(変化なし)
課税対象所得(総額)+7.0%
納税義務者数-1,399人(-6.96%)
推計手取り+25.0万円(+8.0%)
推定給与収入+34.4万円

前半5年 vs 後半5年の変化率

期間1人当たり所得変化率課税対象所得変化率
前半(H25→H30・5年)+4.53%前半+約0.3%
後半(H30→R5・5年)+10.06%後半+6.69%

→ 後半5年+10.06%は前半(+4.53%)の約2.22倍に加速・上位10位で後半変化率10%超は糸魚川市のみ

後半5年の1人当たり所得変化率+10.06%は、前半5年の+4.53%の 約2.22倍 に相当します。上位10位10市町村の中で、後半5年の1人当たり所得変化率が10%を超えるのは糸魚川市のみです。上位10位の他9市町村の後半変化率は+2〜+9%台の範囲にあり、糸魚川市の後半+10.06%はその範囲を上回る水準の観察となります。

額の順位(8位)と変化率の順位(6位)の2ランク乖離

R5の1人当たり所得ランキングは県内8位、10年変化率ランキングは県内6位で、順位差は 2ランク です。上位10位10市町村の中で額と変化率の順位差が4ランク以内に収まるのは、燕市(0)・糸魚川市(2)・三条市(4)の3市で、糸魚川市は「額と変化率がともに上位帯」の構造の観察となります。

推計手取りでも同型の乖離小パターン

推計手取り337.6万円は県内 8位、推計手取り変化率+8.0%は県内 5位 で、額と変化率の順位差は 3ランク です。1人当たり所得(順位差2ランク)とほぼ同型の乖離小パターンが、推計手取りでも観察されます。

実効税率10年 0.0ポイント(変化なし)は上位10位で唯一

10年間の実効税率の変化 0.0ポイント(H25:3.3% → R5:3.3%)は、上位10位10市町村の中で唯一「実効税率が10年で変化しない」市町村の観察となります。上位10位の他9市町村は実効税率が10年で-0.2〜+0.9ポイントの範囲で変化しており、糸魚川市のように「10年間で0.0ポイント」となるのは糸魚川市のみです。

課税対象所得10年+7.0%と納税義務者数10年-6.96%

課税対象所得(総額)の10年変化率は +7.0%、納税義務者数の10年変化は -1,399人(-6.96%) です。1人当たり所得の +15.0% の変化に対して、課税対象所得(総額)の伸びは納税義務者数の減少で打ち消される形で +7.0% となっており、その差 +8.0ポイントは納税義務者数の10年変化 -6.96% と対応した観察です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

10年変化率+15.0%(県内6位・関川村と2市同率)という順位は、糸魚川市が「1人当たり所得の水準は県内上位帯(8位)を維持する構造の中で、10年の伸び幅も上位帯(6位)に入っている」構造にあることを示す観察です。前半5年+4.53%に対して後半5年+10.06%と後半変化率が前半の約2.22倍に加速する推移 は、上位10位10市町村の中で後半変化率10%超が糸魚川市のみとなる、後半5年の急伸パターンとして観察できます。実効税率が10年で0.0ポイント変化なし(上位10位で唯一) という構造も、この期間の糸魚川市の指標推移の特徴の1つとして観察されます。因果関係の断定ではなく、額と変化率の順位パターン・前後半の変化幅の分布を観察したものです。


▼【グラフ:itoigawa_所得推移.png 糸魚川市の1人当たり課税対象所得の推移(H25→H30→R5)】


④ 所得種類別の内訳(給与所得者80.1%・上位10位で最も低い水準)

所得割納税義務者の所得源泉の内訳を確認します。

所得区分納税義務者数比率
給与所得者14,985人80.1%
営業等所得者571人3.1%
農業所得者21人0.1%
その他3,121人16.7%
合計18,698人100%

→ 給与所得者比率80.1%は糸魚川市単独(同率グループなし)・上位10位で最も低い水準

給与所得者が80.1%を占めています。営業等所得者は3.1%、農業所得者は0.1%、その他(年金所得等を含む)は16.7%です。給与所得者比率80.1%は県内25位で、この比率は糸魚川市 単独(同率グループなし) の値です。

上位10位10市町村の給与所得者比率を並べると、新潟81.9%・上越82.7%・長岡82.6%・燕84.9%・三条83.2%・柏崎80.5%・刈羽83.0%・糸魚川80.1%・妙高81.4%・新発田82.2%です。糸魚川市80.1%は上位10位の中で 最も低い水準 の観察となります。

その他所得者比率16.7%は上位10位で高い水準帯

その他所得者比率16.7%は、上位10位10市町村の中で相対的に高い水準に位置します。柏崎市16.9%に次ぐ2番目の水準で、給与所得以外の所得区分(年金所得等を含むその他)の比重が上位10位内で厚い構造として観察できます。

農業所得者比率0.1%は3市町村同率

農業所得者比率0.1%は、柏崎市・糸魚川市・湯沢町の 3市町村同率グループ に属します。糸魚川市の農業所得者数21人は絶対数として県内下位、納税義務者数18,698人という分母のもとで比率は0.1%となります。

営業等所得者比率3.1%

営業等所得者比率3.1%(571人)は、上位10位の他市町村と比較して中位の水準です。営業等所得者は自営業・フリーランス等の申告所得区分に該当します。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

給与所得者比率80.1%が 単独(同率グループなし)で、かつ上位10位内で最も低い水準 であるという観察は、糸魚川市の所得構成が「給与所得以外の所得区分(その他所得16.7%・営業等3.1%・農業0.1%)の比重が上位10位の中で相対的に厚い」構造にあることを示すデータです。給与所得者数14,985人は絶対数として上位10位内で中位の規模、営業等所得者571人・農業所得者21人は絶対数としても比率としても下位に位置します。

農業産出額は 18.4億円(県内23位) と規模がある一方、農業所得者比率は0.1%と低い水準です。就業形態と所得申告の関係で、農業由来の生活水準は課税対象所得に完全には反映されない可能性があります(⑨データの見方参照)。


▼【グラフ:itoigawa_所得種類別.png 糸魚川市の所得種類別 所得割納税義務者数(R5年度)】


⑤ 推計手取りと住民税・実効税率(3.3%は8市町村同率・10年変化なしは上位10位で唯一)

実効税率3.3%(8市町村同率・県平均+0.1ポイント)・10年変化0.0ポイントは上位10位で唯一

住民税(所得割)の実額と、社会保険料・所得税を含む推計手取りの構造を確認します。

住民税(所得割)と実効税率

指標H25年度R5年度10年変化
1人当たり住民税(所得割)約9.5万円約9.5万円(95,273円)概ね横ばい(実額ベース)
実効税率(住民税÷課税対象所得)3.3%3.3%0.0ポイント(変化なし)

→ 10年変化0.0ポイントは上位10位で唯一

R5の実効税率3.3%は県内 3位、糸魚川市・上越市・長岡市・燕市・三条市・柏崎市・刈羽村・湯沢町の 8市町村同率 に属します。県平均差は +0.1ポイント で県平均とほぼ同水準です。上位10位の中では、新潟市の実効税率4.5%(県内1位・単独(同率グループなし))に対して、他9市町村は3.2〜3.3%の範囲に集中しています。

10年変化 0.0ポイントは上位10位で唯一

10年間の実効税率の変化 0.0ポイント(H25:3.3% → R5:3.3%)は、上位10位10市町村の中で唯一「実効税率が10年間で変化しない」市町村の観察となります。他上位9市町村の10年変化を並べると:新潟市+0.9・上越市-0.2・長岡市-0.2・燕市-0.1・三条市-0.2・柏崎市-0.2・刈羽村-0.1・妙高市-0.1・新発田市-0.2(いずれもポイント)で、糸魚川市の0.0ポイントは変化幅が最小です。

推計手取りの構造

課税対象所得(給与所得)から給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、各年度の公式保険料率・税制を用いて手取りを試算しました。

項目R5年度10年変化(H25→R5)
推定給与収入(※1)約413.3万円+34.4万円
1人当たり住民税(実額)約9.5万円概ね横ばい
推計手取り約337.6万円+25.0万円(+8.0%)

推計手取り337.6万円は県内 8位、推計手取り変化率+8.0%は県内 5位 で、額と変化率の順位差は 3ランク です。1人当たり所得における2ランクの乖離(8位 vs 6位)と同型(額上位・変化率も上位)のパターンが、推計手取りでも観察されます。

手取り転換率72.7%の観察

推定給与収入(額面)の10年増加+34.4万円のうち、税・社会保険料の増加を差し引いた後に手取りとして残る割合は 72.7%(手取り転換率)です。給与収入増+34.4万円のうち約27%(+9.4万円分)は社会保険料・所得税・住民税実額の増加に吸収され、手取りとして残るのは +25.0万円となっています。

県内上位10位の他市町村と比較すると、糸魚川市の手取り転換率72.7%は概ね70%前後の水準にあり、上位10位内では中程度〜やや高い水準に位置します。実効税率が10年で0.0ポイント(変化なし)であること、給与収入の10年増加幅+34.4万円が上位10位の中では中位に位置することが対応した観察となります(因果関係の断定ではなく、複数指標間の対応関係の観察です)。

※1 給与収入は課税対象所得(給与所得)から各年度の給与所得控除(所得税法の計算式)で逆算した推定値です。
※2 推計手取りの計算モデル・想定料率・控除条件は記事末の「出典」欄に明示しています。


⑥ 主力産業(製造業+建設業)と所得構造の対応(建設業2位入りは上位10位で糸魚川市のみ)

主要業種2位建設業14.0%は上位10位で糸魚川市のみ・総就業者-13.6%(上位10位最大減少)のもとで所得順位8位を維持

糸魚川市の産業構造と所得水準の対応関係を、複数データで観察します。

産業タイプと就業構造

糸魚川市は産業構造マスター(総務省 国勢調査 令和2年)で 製造業集積型 に分類されています。県内で製造業集積型に該当する市町村は複数あり、上位10位内では長岡市・三条市・燕市・柏崎市・糸魚川市・刈羽村など多くの市町村が製造業関連の産業タイプに属します。

総就業者数は 19,998人(H22:23,148人 → R2:19,998人・総就業者数10年変化率 -13.6%)です。総就業者数-13.6%という減少幅は、上位10位10市町村の中で最も大きな減少幅の観察となります。上位10位の総就業者数10年変化を並べると、新潟-2.9%・上越-5.4%・長岡-7.7%・燕-3.0%・三条-3.7%・柏崎-11.0%・刈羽-11.1%・糸魚川-13.6%・妙高-12.6%・新発田-1.8%で、糸魚川-13.6%はこの中で最大の減少幅の水準に位置します。

主要業種は次の通りです。

順位業種就業者比率就業者数
1位製造業21.2%4,244人
2位建設業14.0%2,806人
3位医療・福祉13.0%2,603人

3業種合計で就業者の 48.2% を占めます。

主要業種2位に「建設業」が入る構造は上位10位で糸魚川市のみ

上位10位10市町村の主要業種2位を比較すると:

市町村主要業種1位主要業種2位
新潟市卸売業・小売業医療・福祉
上越市製造業医療・福祉(14.7%)
長岡市製造業卸売業・小売業(16.5%)
燕市製造業卸売業・小売業(17.8%)
三条市製造業卸売業・小売業(19.0%)
柏崎市製造業医療・福祉(13.7%)
刈羽村製造業医療・福祉(14.8%)
糸魚川市製造業建設業(14.0%)
妙高市製造業(21.9%)医療・福祉(14.0%)
新発田市製造業(18.9%)卸売業・小売業(14.6%)

→ 上位10位内で主要業種2位に建設業が入るのは糸魚川市のみ(他上位10位は2位が卸売・小売または医療・福祉)

上位10位内で主要業種2位に建設業が入るのは糸魚川市のみです。刈羽村も建設業が主要業種3位(12.3%)に入りますが、2位入りは糸魚川市固有の構造となります。

製造業集積型上位10位内での「業種2位パターン」比較(糸魚川市の位置づけ)

上位10位のうち製造業を主要業種1位に持つ6市町村(長岡・三条・燕・柏崎・糸魚川・刈羽)の主要業種2位を並べると、以下の3パターンに分かれます。

  • 「製造業+卸売業・小売業」パターン:長岡(16.5%)・三条(19.0%)・燕(17.8%)
  • 「製造業+医療・福祉」パターン:柏崎(13.7%)・刈羽(14.8%)
  • 「製造業+建設業」パターン糸魚川(14.0%)のみ

糸魚川市は上位10位の製造業集積型の中で単独のパターンに属します。建設業の就業者2,806人は絶対数として、製造業4,244人に次ぐ第2位規模の就業者を持つ業種です。

製造業関連の規模指標と効率指標

製造業関連の指標(経済産業省 工業統計調査 令和4年)と農業産出額(農林水産省 令和4年)は次の通りです。

指標数値県内順位
製造業従業者数3,928人
製造品出荷額約1,468.9億円10位
付加価値額約503.3億円14位
1人あたり付加価値額1,281万円9位
農業産出額18.4億円23位

→ 規模指標(出荷額10位・付加価値額14位)と効率指標(1人あたり付加価値額9位)で順位差

規模指標(製造品出荷額10位・付加価値額14位)と効率指標(1人あたり付加価値額9位)で順位帯に差があります。1人あたり付加価値額9位は、県内上位帯に含まれる労働生産性の観察となります。

なお1人あたり付加価値額1,281万円は 製造業事業所ベースの分母 で算出された指標で、住民所得の1人当たり課税対象所得286.6万円(所得割納税義務者ベース)とは分母が異なる別の指標です。

総就業者-13.6%(上位10位最大減少)と1人当たり所得8位維持の対応

総就業者数10年-13.6%は上位10位で最大の減少幅ですが、この期間の1人当たり所得は8位・変化率6位を維持しています。分母(総就業者・納税義務者)が減少するなかで1人当たり指標が上位帯にとどまる構造として観察できます。1人あたり付加価値額1,281万円(県内9位)が上位帯にあることも、この対応関係の1つの観察材料となります(因果関係の断定ではなく、指標間の対応関係の観察です)。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

糸魚川市の産業構造は「製造業主導(就業者21.2%)+建設業の主要業種2位(14.0%・2,806人)」の組合せです。上位10位10市町村の中で建設業が主要業種2位に入るのは糸魚川市のみで、他上位10位は2位が卸売業・小売業または医療・福祉となる構造との違いが観察できます。上位10位の製造業集積型6市町村の中でも、主要業種2位のパターンは3つに分かれ、糸魚川市は「製造業+建設業パターン」の単独市となる観察です。3業種合計で就業者の48.2%を占める分散度は、上位10位の中で中程度に位置します。1人あたり付加価値額1,281万円(県内9位)は、製造業集積型の中で上位帯に入る労働生産性の観察となります。総就業者数10年-13.6%は上位10位で最大の減少幅ですが、その減少幅のもとで1人当たり所得は県内8位・変化率6位を維持している構造として観察できます。ただしこれらは所得水準との対応関係の観察であり、産業構造が住民所得を決定しているという因果関係を意味するものではありません。


⑦ 上越圏3市町村内で変化率1位(+15.0%)・県内順位範囲は2〜9位

上越3市町村中2位・変化率は圏内1位(+15.0%)・上越圏は3圏域で最狭の分布幅(幅7ランク)

糸魚川市が属する上越圏は、県内3圏域(下越・中越・上越)の中で3市町村を含む最も小規模の圏域です。上越圏の1人当たり所得と産業タイプの分布を確認します。

上越圏3市町村の県内順位と分布

上越順位市町村1人当たり所得10年変化率県内順位
1位上越市305.4万円+11.5%2位
2位糸魚川市286.6万円+15.0%8位
3位妙高市284.3万円+11.7%9位

→ 上越圏3市町村はすべて県内2〜9位(分布幅7ランク・3圏域で最狭)

上越圏3市町村の県内順位範囲は 県内2〜9位 で、圏内3市町村がすべて県内上位10位以内に集中する分布です。分布幅は7ランクで、3圏域の中で最も狭い分布幅となります(下越圏 幅28ランク・中越圏 幅27ランク)。

糸魚川市の変化率+15.0%は上越圏内で1位(額とは異なる順位パターン)

上越圏3市町村の10年変化率を並べると、上越市+11.5%・妙高市+11.7%・糸魚川市+15.0%で、糸魚川市+15.0%は上越圏内で 最大の変化率 です。上越圏3市町村の変化率順位は、上越市17位(同率)・妙高市15位・糸魚川市6位で、糸魚川市6位は上越圏内で 最も高い順位 となります。

上越圏内では、額の順位(1位:上越/2位:糸魚川/3位:妙高)と変化率の順位(1位:糸魚川/2位:妙高/3位:上越)で並び順が反転 する構造の観察となります。上越圏3市町村の額順位1位(上越市)が変化率では圏内3位、額順位3位(妙高市)が変化率で圏内2位、額順位2位(糸魚川市)のみが変化率でも圏内1位に位置する構造です。

総就業者数減少下で所得順位を維持する構造(上越圏内でも減少幅最大)

糸魚川市は総就業者数10年-13.6%(上位10位で最大減少)・納税義務者数10年-6.96%という減少局面のもとで、1人当たり所得の水準は県内8位、変化率は6位を維持しています。上越圏3市町村の総就業者数10年変化は、上越-5.4%・妙高-12.6%・糸魚川-13.6%で、糸魚川市の減少幅が 上越圏内でも最も大きい 観察です。

上越圏3市町村の総就業者-13.6%(糸魚川)・-12.6%(妙高)・-5.4%(上越)を並べると、糸魚川市と妙高市の2市町村は10%以上の減少幅、上越市はそれよりも小さい減少幅という分布となります。この分布のなかで、糸魚川市は「上越圏内で総就業者減少幅最大」ながら「変化率順位は上越圏内1位・県内6位」を維持している構造として観察できます。

上越圏内の順位差の観察

上越圏内1位の上越市(305.4万円)と3位の妙高市(284.3万円)の差は21.1万円、2位の糸魚川市(286.6万円)と1位の上越市の差は -18.8万円、3位の妙高市との差は +2.3万円です。上越圏3市町村の1人当たり所得の分布は、上越市(305.4万円)・糸魚川市(286.6万円)・妙高市(284.3万円)で、糸魚川市と妙高市の2市町村は近接した水準となります。

上越圏3市町村の後半変化率パターン

前半5年→後半5年の変化率について、上越圏3市町村を並べると:

  • 上越市:(10年+11.5%・後半変化率は10年変化率とほぼ対応)
  • 妙高市:(10年+11.7%・後半変化率は10年変化率とほぼ対応)
  • 糸魚川市:前半+4.53% → 後半+10.06%(後半急伸2.22倍)

糸魚川市の「後半5年+10.06%」は上位10位10市町村で10%超の唯一の観察であり、上越圏3市町村の中でも唯一の後半急伸パターンとなります。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

糸魚川市は上越圏3市町村の中で 1人当たり所得2位・変化率は圏内1位(+15.0%) に位置します。上越圏3市町村はすべて県内上位10位以内(2〜9位)に収まる分布で、3圏域の中で最も狭い分布幅(7ランク) を持つ圏域として観察できます。糸魚川市はこの中で「額の順位(県内8位)と変化率の順位(県内6位)がともに上位帯」の構造の観察となります。総就業者数10年-13.6%(上位10位で最大減少・上越圏内でも最大減少)・納税義務者数10年-6.96%という減少幅のもとでも、1人当たり所得の水準・変化率の県内順位を上位帯で維持している構造 は、上位10位10市町村の中で糸魚川市に特徴的な指標パターンの観察です。上越圏内で「額順位と変化率順位が反転」する構造の中で、糸魚川市のみが変化率で圏内1位に位置します。因果関係の断定ではなく、複数指標間の対応関係の観察に留まります。


⑧ 移住検討者・事業者への読み方

本章は「糸魚川市 移住」「糸魚川市 平均年収」「糸魚川市 製造業」「糸魚川市 手取り」等の検索意図に対する、データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。

移住検討者への読み取り材料

読み取り材料データ根拠
上越圏2位・県内8位の所得水準286.6万円・県内8位・県平均+9.5万円
給与所得者中心(80.1%・上位10位で最も低い水準)給与所得者比率80.1%(単独(同率グループなし))・給与所得者14,985人
その他所得者比率16.7%は上位10位で厚い水準帯給与以外の所得区分の比重が上位10位内で相対的に厚い
主要業種2位に建設業14.0%(就業機会の観察)上位10位で建設業2位入りは糸魚川市のみ・2,806人
実効税率3.3%は8市町村同率・10年変化なし実効税率同率グループ8市町村・上位10位で10年0.0ポイントは糸魚川市のみ
推計手取りは県内8位水準・10年+25.0万円推計手取り337.6万円・R5想定料率による試算値
上越圏内変化率は糸魚川市が1位(+15.0%)上越+11.5・妙高+11.7・糸魚川+15.0(圏内1位)

事業者への読み取り材料

読み取り材料データ根拠
上越圏2位の商圏(納税義務者18,698人・県内シェア1.83%)納税義務者数県内13位・上越圏内2位
製造業関連BtoB:製造品出荷額県内10位・付加価値額県内14位出荷額1,468.9億円・付加価値額503.3億円
1人あたり付加価値額1,281万円(県内9位)は労働生産性の観察製造業事業所ベースの指標
建設業関連BtoB:就業者2,806人(主要業種2位・14.0%)上位10位で建設業2位入りは糸魚川市のみ
「製造業+建設業」パターンは上位10位で糸魚川市単独製造業集積型上位10位6市町村の中で単独パターン
3業種で就業者の48.2%(産業分散度が中程度)製造21.2+建設14.0+医療福祉13.0
総就業者数10年-13.6%(上位10位で最大減少)H22:23,148人→R2:19,998人
農業産出額18.4億円県内23位・農業所得者比率0.1%(3市町村同率)産出額規模と申告比率の乖離

研究者・地域理解への読み取り材料

読み取り材料データ根拠
額の順位(8位)と変化率の順位(6位)の差2ランクは乖離小グループ上位10位で燕市(0)・糸魚川市(2)・三条市(4)が乖離小グループ
後半5年変化率+10.06%は上位10位で10%超の唯一の水準前半+4.53% vs 後半+10.06%(後半は前半の約2.22倍)
変化率+15.0%は関川村と2市同率変化率同率グループ2市
推計手取り8位・変化率5位で3ランク乖離小額と変化率がともに上位帯・1人当たり所得と同型
実効税率10年0.0ポイント変化なしは上位10位で唯一他上位9市町村は-0.2〜+0.9ポイントの範囲
給与所得者比率80.1%は単独(同率グループなし)・上位10位で最も低い給与以外の所得区分の比重が上位10位で最も厚い構造
農業所得者比率0.1%は3市町村同率(柏崎・糸魚川・湯沢)3市町村同率グループ
総就業者数10年-13.6%は上位10位で最大減少上位10位の総就業者-1.8〜-13.6%の範囲で最大の減少幅
主要業種2位建設業14.0%は上位10位で糸魚川市のみ他上位10位は2位が卸売業・小売業または医療福祉
「製造業+建設業」パターンは上位10位で糸魚川市単独製造業集積型上位10位6市町村中で単独パターン
上越圏3市町村内で変化率1位(+15.0%)・額順位と変化率順位が反転額順位2位が変化率順位1位に

⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、投資助言・移住助言・個別の意思決定を代替するものではありません。


⑨ データの見方・注意点

順位=豊かさではありません

1人当たり課税対象所得の順位は、後述する複数の解釈上の制約を含んだ指標に基づいています。順位が高いことをもって「豊かな地域」「移住すべき地域」等の価値判断を行うことはできません。順位はあくまで所得割の課税ベース上の数値の相対比較です。

課税対象所得は手取り収入ではありません

課税対象所得(合計所得金額)は、給与・事業・農業などの各所得から給与所得控除等の所得種別の控除を差し引いた所得の合計です。ここからさらに基礎控除・社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除等を差し引いた額が住民税・所得税の課税標準となります。課税対象所得と実際の手取り収入は異なります。

推計手取りの計算モデル

⑤の推計手取りは、給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、公式保険料率と概算率を用いた試算値です。想定料率(協会けんぽ新潟県の概算率)と控除モデル(基礎控除・配偶者控除・扶養控除1人)は記事末の「出典」欄に明示しています。実際の手取りは家族構成・扶養控除・iDeCo/生命保険料控除等の個別事情で大きく変動します。

実効税率3.3%(8市町村同率・10年変化なし)は「税率設定の違い」ではありません

⑤で提示した実効税率3.3%は「1人当たり住民税実額 ÷ 1人当たり課税対象所得」で算出された結果値です。市町村が独自に税率を3.3%に設定したという意味ではありません。所得規模・控除後所得の構造・所得税との連動の結果として算出された実効的な数値であり、他市町村との差や10年の変化幅を「税率設定の違い」として解釈することはできません。

課税対象所得10年変化率+7.0%と1人当たり所得10年変化率+15.0%の差

課税対象所得(総額)の10年変化率+7.0%と1人当たり所得の10年変化率+15.0%の差 +8.0ポイントは、納税義務者数の10年変化 -6.96% と対応した観察です。1人当たり所得は伸びていても、納税義務者数(分母)の減少で総額の伸びが抑えられる構造となります。これは因果関係の断定ではなく、指標間の対応関係の観察です。

総就業者数10年-13.6%(上位10位で最大減少)の解釈

⑥で提示した総就業者数10年-13.6%は、H22(2010年)→R2(2020年)の国勢調査ベースの変化率です。上位10位10市町村の中で最大の減少幅ですが、この期間の1人当たり所得は+15.0%(変化率6位)と上位帯に位置します。就業者数の減少と1人当たり所得の変化は分母・分子の異なる指標で、両者の関係の解釈は複数の要因が影響し得るため、単一の因果関係の説明にはなりません。

農業地域では過小表示になる場合があります

農業所得は申告による実額ですが、自家消費・現物収入は含まれない場合があります。糸魚川市の農業所得者比率は0.1%(3市町村同率)と低いですが、農業産出額は18.4億円(県内23位)と一定の規模があり、就業形態と所得申告の関係で農業由来の生活水準が課税対象所得に完全には反映されない可能性があります。

所得割納税義務者は全住民ではありません

課税対象所得が控除額を下回る場合(所得が低い・年金受給のみ等)は所得割の納税義務者に含まれません。R5年度の糸魚川市の所得割納税義務者数は18,698人で、これは全人口とは異なります。高齢化が進んだ市町村では分母が小さくなり、1人当たり所得が見かけ上高くなる場合があります。

1人あたり付加価値額と1人当たり所得の混同注意

⑥で提示した1人あたり付加価値額 1,281万円(県内9位)は 製造業事業所ベース の指標で、住民所得の1人当たり課税対象所得286.6万円(所得割納税義務者ベース)とは分母が異なる別の指標です。両者を同一の「1人あたり所得」として扱うことはできません。

産業タイプ「製造業集積型」の内訳は本記事の範囲外

産業構造マスターにおける「製造業集積型」は複数市町村に該当する分類です。個別業種(機械・電子部品・素材産業など)の内訳や、事業所別の付加価値構造は本記事の使用データでは扱っていません。個別業種の議論を要する場合は、事業所ベース統計等の別データをご参照ください。

建設業14.0%(主要業種2位)の内訳は本記事の範囲外

⑥で提示した建設業の就業者比率14.0%(2,806人)は、総務省 国勢調査 令和2年の産業分類ベースの就業者数です。建設業内の詳細業種(総合工事業・設備工事業等)や、事業所別の売上規模は本記事の使用データでは扱っていません。詳細業種の議論を要する場合は、経済センサス等の別データをご参照ください。


まとめ

糸魚川市の住民所得の特徴(データから読み取れる範囲)

  • 1人当たり課税対象所得は 286.6万円 で県内 8位/30市町村中(R5年度)。県平均+9.5万円・県中央値+13.3万円・県内1位の新潟市との差-32.9万円
  • H25→R5の10年で +15.0%(+37.5万円)。変化率順位は県内 6位(関川村と2市同率) で、額の順位(8位)と変化率の順位(6位)の差 2ランク は乖離が小さい構造
  • 前半(H25→H30: +4.53%)→ 後半(H30→R5: +10.06%)で、後半5年は前半の 約2.22倍 に加速。上位10位10市町村の中で後半変化率10%超は糸魚川市のみ
  • 所得割納税義務者18,698人(県内シェア1.83%・県内13位)のうち 80.1%が給与所得者(単独(同率グループなし)・上位10位で最も低い水準)、農業所得者は0.1%(3市町村同率:柏崎・糸魚川・湯沢)
  • 実効税率 3.3%は8市町村同率(県平均+0.1ポイント)・10年 0.0ポイント(変化なし) は上位10位で唯一の観察
  • 推計手取りは10年で 約25.0万円増加(+8.0%・県内5位)。給与収入増+34.4万円のうち 72.7% が手取りに転換
  • 産業タイプは 製造業集積型、主要業種1位 製造業21.2%(4,244人)・2位 建設業14.0%(2,806人・上位10位で建設業2位入りは糸魚川市のみ)・3位 医療・福祉13.0%
  • 総就業者数10年-13.6%(上位10位で最大の減少幅・上越圏内でも最大)のもとで、1人当たり所得は県内8位・変化率6位を維持
  • 上越3市町村(上越・妙高・糸魚川)で 2位(上越に次ぐ)・変化率は上越圏内 1位(+15.0%)で額順位と変化率順位が反転する構造

移住検討者・事業者への読み方(判断材料)

  • 移住検討者: 上越圏2位・県内8位の所得水準・給与所得者中心(上位10位で最も低い水準)・主要業種2位に建設業14.0%・実効税率は8市町村同率で10年変化なし・推計手取り10年+25.0万円
  • 事業者: 上越圏2位の商圏(納税義務者県内シェア1.83%)・製造業関連BtoBは付加価値額県内14位・出荷額県内10位・建設業関連BtoBは主要業種2位入り(2,806人)・「製造業+建設業」パターンは上位10位で糸魚川市単独・3業種で就業者48.2%の中程度の分散度
  • 研究者・地域理解: 額と変化率の順位差2ランクは上位10位で乖離小グループ・後半5年+10.06%は上位10位で10%超の唯一の観察・実効税率10年0.0ポイントは上位10位で唯一・給与所得者比率80.1%は上位10位で最も低い・主要業種2位建設業は上位10位で糸魚川市のみ・総就業者数10年-13.6%は上位10位で最大減少・上越圏3市町村内で変化率1位・上越圏内で額順位と変化率順位が反転

派生指標で見える意外な観察

  • 1人当たり所得8位・10年変化率6位順位差2ランク(上位10位で乖離小グループ・燕/糸魚川/三条の3市が乖離小4ランク以内)
  • 前半変化率+4.53% vs 後半変化率+10.06%。後半5年は前半の約2.22倍に加速、上位10位で後半変化率10%超は糸魚川市のみ
  • 変化率+15.0%は関川村と2市同率
  • 推計手取り8位・推計手取り変化率5位3ランクの乖離。1人当たり所得と同型(額上位・変化率も上位)のパターンが観察される
  • 実効税率3.3%は8市町村同率(新潟市を除く上位9市町村+湯沢町)。10年変化0.0ポイントは上位10位で唯一(他上位9市町村は-0.2〜+0.9ポイントの範囲で変化)
  • 給与所得者比率80.1%は糸魚川市の単独(同率グループなし)(県内25位)。上位10位10市町村の中で 最も低い水準
  • その他所得者比率16.7%は上位10位で厚い水準帯(柏崎16.9%に次ぐ2番目)
  • 農業所得者比率0.1%は3市町村同率(柏崎・糸魚川・湯沢)
  • 主要業種2位に建設業(14.0%・2,806人) が入るのは上位10位で糸魚川市のみ。刈羽村は建設業が3位(12.3%)
  • 「製造業+建設業」パターンは上位10位の製造業集積型6市町村中で糸魚川市単独(他は「製造業+卸売・小売」3市/「製造業+医療・福祉」2市町村)
  • 総就業者数10年-13.6%は上位10位で最大の減少幅(上越圏内でも最大)。にもかかわらず1人当たり所得は8位・変化率6位を維持
  • 手取り転換率72.7%(給与収入+34.4万円 vs 手取り+25.0万円)は上位10位で中程度〜やや高い水準
  • 上越3市町村内で変化率1位(+15.0%・上越+11.5・妙高+11.7)。上越圏内で 額順位と変化率順位が反転(額2位の糸魚川市が変化率1位)。3圏域で最も狭い分布幅(幅7ランク・県内2〜9位)の圏域

この記事の執筆・データについて

執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和5年度(2023年度)市町村税課税状況等の調べ/国勢調査 令和2年/工業統計調査 令和4年/市町村別農業産出額(推計)令和4年
更新日: 2026-09-05
運営者情報: https://niigata-data.com/運営者情報/
データの利用について: https://niigata-data.com/privacy-policy/

本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・税務相談ではありません。移住・就職・事業判断等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。

糸魚川市は単一自治体として集計されており、市内地区別(旧糸魚川市街地・旧青海町・旧能生町等)ごとの所得水準・産業構造は本記事の使用データ(糸魚川市一括集計)では扱えません。地区別の議論を要する場合は、糸魚川市が公表する地区別統計等の別データをご参照ください。


出典

  • 1人当たり課税対象所得・所得割納税義務者数・住民税(所得割)実額・所得種類別納税義務者数:
    総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年・平成30年・平成25年)
  • 産業別就業者数・産業タイプ・主要業種1〜3位・総就業者数・第2次産業比率:
    総務省(国勢調査 令和2年)
  • 製造業従業者数・製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額:
    経済産業省(工業統計調査 令和4年)
  • 農業産出額:
    農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)

推計値について:
本記事の「推計手取り」は総務省 課税対象所得から社会保険料・所得税・住民税を控除した試算値です。
想定料率:

  • H25:厚生年金 8.737%/健保 4.985%/雇保 0.5%
  • H30:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.3%
  • R5:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.6%
    (協会けんぽ新潟県の概算率を使用)
    控除モデル:基礎控除(H25・H30: 38万、R5: 48万)・配偶者控除・扶養控除1人・社会保険料控除
    データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
    次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

コメント