佐渡市では年間74戸の住宅が着工されています(R5年度)。新潟県30市町村の中で着工戸数は16位、1,000人あたり着工戸数は25位です。
H25年度比で-27.5%減少(102戸→74戸で△28戸)と、県内で3割以上減少している21市町村と比べて減少幅は小さめです。用途別に対照的な変化があり、持家が-38%減少した一方、貸家は+23%増加(13戸→16戸)、分譲は+100%増加(2戸→4戸)と絶対数は少ないながら増加。持家減少に対して貸家・分譲は増加する変化が見られます。
この記事では、国土交通省「建築着工統計調査」をもとに、佐渡市の住宅着工件数の推移・持家と貸家の内訳・人口比較・県内での位置づけを整理します。
この記事でわかること
- R5年度(2023年度)の新設住宅着工戸数は74戸(県内16位・1,000人あたり25位)
- H25年度比で-27.5%減少
- 着工住宅のうち持家73.0%(54戸)・貸家21.6%(16戸)・給与住宅0.0%(0戸)・分譲5.4%(4戸)
- 1,000人あたり着工戸数は1.54戸/千人(県平均2.70戸・県内25位)
① 住宅着工サマリー(R5年度)
佐渡市の住宅着工の現状を確認します。
| 区分 | 着工戸数 | 比率 | 県内順位 |
|---|---|---|---|
| 合計 | 74戸 | — | 16位 |
| 持家 | 54戸 | 73.0% | — |
| 貸家 | 16戸 | 21.6% | — |
| 給与住宅(社宅等) | 0戸 | 0.0% | — |
| 分譲住宅 | 4戸 | 5.4% | — |
※出典:国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度)
持家が73.0%を占め、戸建てが中心となっています。貸家比率21.6%は近隣中位、分譲5.4%は近隣より低く、給与住宅(社宅等)は0戸です。佐渡市は離島に位置し、産業タイプは「農業型」に分類されています。
▼【グラフ:sado_県内ランキング.png 新潟県30市町村 新設住宅着工戸数ランキング(R5年度・佐渡市を強調)】

② 住宅着工の推移(H25→H30→R5)
過去10年間(2013〜2023年度)の住宅着工件数の変化を確認します。
| 年度 | 合計 | 持家 | 貸家 | 給与 | 分譲 |
|---|---|---|---|---|---|
| H25年度(2013年度) | 102戸 | 87戸 | 13戸 | 0戸 | 2戸 |
| H30年度(2018年度) | 71戸 | 55戸 | 12戸 | 1戸 | 3戸 |
| R5年度(2023年度) | 74戸 | 54戸 | 16戸 | 0戸 | 4戸 |
| 10年変化(H25→R5) | -27.5%減少 | -37.9% | +23.1% | — | +100.0% |
佐渡市の合計着工戸数はH25年度の102戸からR5年度の74戸へ推移しました(△28戸・-27.5%)。減少はH25→H30の5年間で-30.4%と急減した後、H30→R5の5年間は+4.2%(71戸→74戸)と横ばい〜微増に転じており、直近5年間で下げ止まりの動きが見られます。県内で3割以上減少している21市町村と比較すると、佐渡市の減少幅は小さめです。
10年間の推移を用途別に見ると、対照的な変化があります。持家が-37.9%減少(87戸→54戸で△33戸)した一方、貸家は+23.1%増加(13戸→16戸で+3戸)、分譲は+100.0%増加(2戸→4戸で+2戸)と増加しています。持家-33戸に対し貸家・分譲は+5戸増加し、用途構成は持家85.3%→73.0%へ変化しています。
▼【グラフ:sado_着工推移.png 佐渡市と近隣市町村の住宅着工推移(H25→H30→R5)】

③ 用途別の内訳と変化
着工住宅の内訳(持家・貸家・分譲)の変化を確認します。
| 用途 | H25年度 | H30年度 | R5年度 | 10年変化 |
|---|---|---|---|---|
| 持家 | 87戸(85.3%) | 55戸(77.5%) | 54戸(73.0%) | -37.9% |
| 貸家 | 13戸(12.7%) | 12戸(16.9%) | 16戸(21.6%) | +23.1% |
| 給与住宅 | 0戸(0.0%) | 1戸(1.4%) | 0戸(0.0%) | — |
| 分譲 | 2戸(2.0%) | 3戸(4.2%) | 4戸(5.4%) | +100.0% |
H25年度時点で持家が85.3%を占めていたのに対し、R5年度は73.0%となっています。貸家は12.7%→21.6%、分譲は2.0%→5.4%と推移しています。
⚠️ 注意: 着工統計は住宅の「供給側」(建設が開始された住宅の数)を記録したデータです。「特定の用途の着工が多い=その用途の需要が高い」と直接断定することはできません。
▼【グラフ:sado_用途別.png 佐渡市の用途別 新設住宅着工内訳(R5年度)】

④ 人口との比較(1,000人あたり着工戸数)
人口規模が異なる市町村を比較するため、人口1,000人あたりの着工戸数を確認します。
| 指標 | 佐渡市 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 人口(R7年1月1日) | 48,103人 | — |
| 着工戸数(R5年度) | 74戸 | 16位 |
| 1,000人あたり着工戸数 | 1.54戸 | 25位 |
佐渡市の1,000人あたり着工戸数は1.54戸/千人で、新潟県30市町村の25位と低い順位です。県平均(2.70戸/千人)の約57%にとどまり、着工総数(16位)より人口比の順位(25位)が大きく低く、人口48,103人に対して着工74戸となっており、人口規模ほど着工が伴っていない状況です。
⑤ 県内での位置づけ(近隣市町村比較)
佐渡市と近隣市町村(新潟市・長岡市・三条市・柏崎市・上越市)の住宅着工戸数(R5年度)を比較します。
| 市町村名 | 着工戸数(合計) | 1,000人あたり | 持家比率 |
|---|---|---|---|
| 佐渡市 | 74戸 | 1.54戸 | 73.0% |
| 新潟市 | 4,049戸 | 5.32戸 | 48.5% |
| 長岡市 | 1,094戸 | 4.29戸 | 61.2% |
| 三条市 | 308戸 | 3.38戸 | 66.6% |
| 柏崎市 | 191戸 | 2.51戸 | 66.0% |
| 上越市 | 643戸 | 3.56戸 | 67.3% |
佐渡市の着工戸数74戸は近隣県内5大都市(新潟市4,049戸・長岡市1,094戸・上越市643戸・三条市308戸・柏崎市191戸)と比較して最も少ない水準です。持家比率73.0%は上越市(67.3%)・三条市(66.6%)・柏崎市(66.0%)・長岡市(61.2%)・新潟市(48.5%)と比べて高く、離島特有の戸建て中心の構成となっています。1,000人あたりでは1.54戸で、これらの近隣市町村(2.51〜5.32戸)と比べて大きく低い水準です。
⑥ データの見方・注意点
着工戸数は住宅需要を直接示すものではありません
建築着工統計の着工戸数は、建設が開始された住宅の数を記録したものです。着工を決定するのは建て主(持家の場合)や建築業者・不動産業者(貸家・分譲の場合)であり、着工数の多さが直接的に「住宅需要の強さ」を示すものではありません。この記事でも「〜の着工が多い」「〜の割合が高い」までをデータから述べています。
小規模市町村のデータ変動について
年間の着工件数が少ない市町村では、1〜2件の変動が変化率に大きく影響します。単年度の変化率のみで「増加傾向」「減少傾向」と判断するには注意が必要です。
まとめ
佐渡市の住宅着工の特徴
- R5年度(2023年度)の住宅着工は74戸で県内16位、1,000人あたり着工は1.54戸で25位(着工総数より人口比の順位が大きく低い)
- H25→R5の10年で-27.5%減少(△28戸)。H25→H30に-30.4%と急減した後、H30→R5は+4.2%と横ばい〜微増に転じ、直近5年間で下げ止まり
- 着工住宅の73.0%が持家、21.6%が貸家、5.4%が分譲。離島特有の戸建て中心の構成
- 用途別に対照的な10年変化:持家-37.9%減少(87戸→54戸で△33戸)/貸家+23.1%増加(13戸→16戸で+3戸)/分譲+100%増加(2戸→4戸で+2戸)。持家-33戸に対し貸家・分譲は+5戸増加
出典
- 新設住宅着工戸数・用途別内訳:
国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度・平成30年度・平成25年度) - 人口(1,000人あたり計算用):
総務省(住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数 令和7年1月1日現在) - 産業タイプ:
総務省(国勢調査 令和2年)
データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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