湯沢町の産業構造|複合型・第3次80.8%県内1位・宿泊飲食業県内唯一の主要業種1位(R2/R4)

市町村

湯沢町(中越南部・スキーリゾート地・人口約7,700人)の産業タイプは判定式では複合型ですが、第3次産業就業者比率は80.8%(県内1位)で県内唯一の80%超水準にあり、観光関連業種の集積がみられる境界的な市町村です。総就業者数は3,822人(県内26位)と小規模で、主要業種1位は宿泊・飲食業1,065人・27.9%(県内唯一)です。宿泊・飲食業を主要業種1位に据える市町村は県内で湯沢町のみです。

第2次産業就業者比率は14.4%(県内29位・下から2番目)、第1次産業就業者比率は3.2%(県内28位)で、製造業指標6項目(事業所数5件・従業者数87人・出荷額約19.0億円・付加価値額約9.1億円・現金給与総額約3.8億円・E製造業就業者143人)はすべて県内29位、粟島浦村を除けば実質最下位の水準です。

一方、観光関連業種の比率順位ではM宿泊・飲食業27.86%(1位)・K不動産4.58%(1位・2位新潟市の2.57倍)・N生活娯楽5.52%(1位・2位十日町市の1.27倍)・L学術技術2.69%(2位)と、県内で比率1位となる業種を4種同時に持つ唯一の市町村です。

スキーリゾート地としての産業構成を、宿泊・飲食業を中心とした業種集積・小規模な製造業と農業・複合型5市町村内での独自ポジションから読み解きます。


  1. この記事でわかること
  2. ① スキーリゾート地の産業タイプ(複合型ラベル×都市サービス型条件超過の境界的分類)
  3. ② スキーリゾート地の産業構造サマリー(第3次80.8%県内1位×第2次14.4%県内29位・観光集積と製造業空白の両極端構造)
  4. ③ スキーリゾート地の10年産業変化(前半+2.73%増→後半△11.01%急減・観光宿泊業△10.6%減)
  5. ④ スキーリゾート地の主要業種構成(宿泊・飲食業27.9%県内唯一×観光関連4業種で比率上位独占)
  6. ⑤ スキーリゾート地における製造業・農業の脇役ポジション(規模下位×付加価値率のみ上位の乖離)
    1. 製造業(規模6指標29位×1人あたり付加価値額14位×付加価値率9位の乖離)
    2. 農業(産出額29位×経営体28位×耕地28位・山間地の小規模農業構造)
  7. ⑥ 中越南部スキーリゾート6市町村×複合型5市町村内でのリゾート地固有位置
  8. ⑦ スキーリゾート地への移住・起業出店・就職転職の読み方
    1. 視点1:就職・転職検討者向け(宿泊業・娯楽業・不動産管理業への集積)
    2. 視点2:起業・出店検討者向け(観光需要をターゲットにした業種選定)
    3. 視点3:移住検討者向け(スキーリゾート地の観光関連業種集積と生活基盤)
  9. ⑧ データの見方・注意点
  10. まとめ
    1. 軸1:スキーリゾート地の観光関連業種集積(宿泊・不動産・娯楽・学術技術で比率上位独占)
    2. 軸2:リゾート地における製造業・農業の空白構造(規模最下位級×付加価値率のみ上位の乖離)
    3. 軸3:前半増→後半急減の反転推移と観光宿泊業の10年変化
  11. この記事の執筆・データについて
  12. 出典

この記事でわかること

  • 産業タイプは判定式で複合型。第3次産業比率80.8%(県内1位)は都市サービス型条件を+5.8pt超過するが、総就業者数3,822人(県内26位)で規模条件を満たさず複合型に分類される境界的分類
  • 主要業種1位宿泊・飲食業(1,065人・27.9%)は県内30市町村で湯沢町のみが保有・主要業種1位比率27.9%は非製造業として県内4位
  • 観光関連4業種で県内比率上位を独占:M宿泊飲食1位・K不動産1位・N生活娯楽1位・L学術技術2位
  • 第2次産業比率14.4%(県内29位・下から2番目)、製造業指標6項目すべて県内29位(粟島浦村を除けば実質最下位)
  • 1人あたり付加価値額1,044万円(県内14位)で県平均加重1,188万円を約144万円下回るが、付加価値率47.9%は県内9位
  • 10年で総就業者は△8.6%(△359人)減少、前半5年+2.73%増加→後半5年△11.01%急減の真逆推移
  • 業種別10年変化では学術技術+49.3%が最大増加率・主要業種1位M宿泊飲食は△10.6%減(県内減少幅小さい順で5位)

① スキーリゾート地の産業タイプ(複合型ラベル×都市サービス型条件超過の境界的分類)

湯沢町の産業構造の最大の特徴は、判定式では複合型に分類されながら、第3次産業比率80.8%が県内1位で都市サービス型条件を+5.8pt超過し、総就業者規模条件だけで複合型に振り分けられる境界的分類である点です(節サマリー)。

湯沢町の産業タイプは判定式で「複合型」です。第3次産業比率80.8%(県内1位)は都市サービス型条件(第3次≧75%)を+5.8pt超過しますが、総就業者数3,822人(県内26位)で規模条件(10位以内)を満たさず、判定式上は複合型に分類されます。

湯沢町の産業構造を判定式の閾値差とあわせて数値で確認します。

判定式(産業タイプ)判定基準湯沢町の値判定
高付加価値製造業型1人あたり付加価値額 ≧ 1,782万円 かつ 第2次≧20%1,044万円 かつ 14.4%生産性 △738万円・第2次 △5.6pt未達
製造業集積型第2次比率 ≧ 30.0%14.4%△15.6pt未達
農業型第1次比率 ≧ 15.0%3.2%△11.8pt未達
都市サービス型第3次比率 ≧ 75.0% かつ 総就業者数 10位以内80.8% かつ 26位第3次 +5.8pt 超過・総就業 △16位 未達総就業条件で未達
複合型(該当)上記いずれにも該当しない該当

※出典:産業タイプ判定式(DATA_INDEX)・総務省(国勢調査 令和2年)・経済産業省(工業統計調査 令和4年)

→ 湯沢町は第3次比率80.8%が都市サービス型条件を+5.8pt超過しますが、総就業者数26位で規模条件(10位以内)を満たさず、複合型に分類される境界的な市町村です。

新潟県30市町村の産業タイプ分布では、都市サービス型(第3次≧75%かつ総就業10位以内)に該当する市町村は現状0件です。第3次比率だけで都市サービス型条件を満たすのは湯沢町(80.8%)と新潟市(73.2%は未達)で、条件を超過するのは湯沢町のみです。一方、総就業者数10位以内の市町村(新潟市・長岡市・上越市・新発田市・三条市・柏崎市・南魚沼市・燕市・十日町市・佐渡市)はいずれも第3次比率が75%未満のため、都市サービス型は現状該当ゼロの分類となっています。

複合型に分類される5市町村(新潟市・新発田市・南魚沼市・十日町市・湯沢町)を比較します。

指標新潟市新発田市南魚沼市十日町市湯沢町湯沢町の複合型内順位
総就業者数376,334人47,539人28,656人26,103人3,822人5位(最下位)
第3次産業比率73.2%62.7%59.9%59.0%80.8%1位
第2次産業比率20.9%28.8%27.8%29.0%14.4%5位(最下位)
主要業種1位卸売業・小売業製造業製造業製造業宿泊・飲食業唯一の観光関連業種
主要業種1位比率17.6%18.9%15.6%16.0%27.9%1位
1人あたり付加価値額1,266万円1,101万円855万円524万円1,044万円3位/5

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)・経済産業省(工業統計調査 令和4年)

→ 湯沢町は複合型5市町村内で「規模最下位×第3次比率最上位×主要業種1位比率最上位」の3重の極端さを持ち、他4市町村が製造業または卸小売を主要業種1位とするのに対し、湯沢町だけが宿泊・飲食業を主要業種1位とします。

湯沢町の産業構造は「複合型」というラベルを持ちながら、実質的には観光関連業種の集積がみられる境界的な市町村と読み取れます。同じ複合型5市町村の中で他4市町村(新潟・新発田・南魚沼・十日町)が製造業または卸売業を主要業種1位とする「バランス型複合」なのに対し、湯沢町は宿泊・飲食業を主要業種1位とする独自の業種構成を持ちます。産業タイプ「複合型」の詳細な内訳は章②〜⑦で確認できます。


② スキーリゾート地の産業構造サマリー(第3次80.8%県内1位×第2次14.4%県内29位・観光集積と製造業空白の両極端構造)

湯沢町の産業別就業者比率は第3次80.8%が県内1位・第2次14.4%が県内29位で、規模指標のほぼ全てが県内29位×比率順位1位となる業種を4種持つ両極端構造です(節サマリー)。

湯沢町の産業別就業者比率と県内順位を整理します。

指標数値県内順位(30市町村中)
総就業者数3,822人26位
第1次産業就業者比率3.2%28位
第1次産業就業者数123人
第2次産業就業者比率14.4%29位(下から2番目)
第2次産業就業者数552人
第3次産業就業者比率80.8%1位
第3次産業就業者数3,087人

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 第3次80.8%は県内1位で2位新潟市73.2%を+7.6pt引き離す唯一の80%超水準、第2次14.4%は県内29位で最下位は粟島浦村3.4%です。

第3次産業比率80.8%は県内1位で、県平均(30市町村単純平均)59.9%を+20.9ポイント上回ります。県内で第3次比率が75%を超えるのは湯沢町(80.8%)のみです(2位新潟市73.2%は未達)。第2次産業比率14.4%は県内29位で、県平均30.3%を△15.9ポイント下回ります。第1次産業比率3.2%は県内28位です。

「規模指標29位×比率順位1位となる業種4種」の両極端構造

湯沢町の県内下位指標(規模の小ささ)と、県内比率上位指標(業種の集積)を整理します。

指標分類指標湯沢町の値県内順位
県内下位(規模)総就業者数3,822人26位
第2次産業比率14.4%29位
第1次産業比率3.2%28位
製造業事業所数5件29位
製造業従業者数87人29位
製造品出荷額約19.0億円29位
付加価値額約9.1億円29位
現金給与総額約3.8億円29位
農業産出額約2.4億円29位
県内比率1位第3次産業比率80.8%1位
M 宿泊・飲食業 比率27.86%1位
K 不動産 比率4.58%1位
N 生活娯楽 比率5.52%1位
県内比率2位L 学術技術 比率2.69%2位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)・経済産業省(工業統計調査 令和4年)・農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)

→ 湯沢町は「規模指標がほぼ全て県内29位(下から2番目)」×「比率順位1位となる業種を4種持つ」両極端構造で、業種比率で県内1位となる業種を4種同時に持つ市町村は湯沢町のみです。

粟島浦村(総就業263人・製造業関連は一部NA)を除いた場合、湯沢町の製造業指標6項目(事業所数・従業者数・出荷額・付加価値額・現金給与総額・E製造業就業者)はいずれも実質最下位に相当します。その空白を、比率順位1位となるM宿泊飲食・K不動産・N生活娯楽・L学術技術の観光関連4業種が埋める形で、第3次比率80.8%を保つ構造となっています。

▼【グラフ:yuzawa_産業構造.png 新潟県30市町村の産業別就業者比率(2020年・湯沢町を強調)】


③ スキーリゾート地の10年産業変化(前半+2.73%増→後半△11.01%急減・観光宿泊業△10.6%減)

10年で総就業者は△8.6%減少しましたが、前半5年(+2.73%増加)から後半5年(△11.01%急減)へ真逆に反転し、主要業種1位のM宿泊・飲食業は△10.6%減で県内減少幅小さい順5位に位置します(節サマリー)。

2010年から2020年までの10年間で、湯沢町の総就業者数は△8.6%(△359人)減少しました。特徴的なのは10年推移が「前半増加→後半急減」の真逆に反転している点で、前半5年(2010→2015)+2.73%増加に対し後半5年(2015→2020)△11.01%急減しています。

2010年から2020年までの就業者数と産業構造の推移を整理します。

総就業者数第1次比率第2次比率第3次比率
2010年(H22)4,181人4.7%13.8%80.9%
2015年(H27)4,295人3.6%13.6%82.4%
2020年(R2)3,822人3.2%14.4%80.8%
10年変化△359人(△8.6%)△1.5pt+0.6pt△0.1pt

※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)

→ 総就業者は前半5年+2.73%増から後半5年△11.01%減へ真逆に反転し、第3次比率は10年ほぼ横ばい(△0.1pt)で80.8%の県内1位水準を維持しています。

湯沢町の10年推移を前半5年・後半5年の2期に分けて主要業種を含めて整理します。

期間総就業者数変化率第2次第3次M 宿泊飲食
2010→2015(前半5年)4,181→4,295+2.73%(増加)+1.91%+4.55%+9.66%
2015→2020(後半5年)4,295→3,822△11.01%(急減)△5.80%△12.75%△18.45%
2010→2020(10年)4,181→3,822△8.59%△4.00%△8.78%△10.58%

※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)

→ 前半5年は総就業・第2次・第3次・M宿泊飲食すべて増加していましたが、後半5年で反転し急減しました。特に主要業種1位のM宿泊・飲食業は前半+9.66%増から後半△18.45%減へ変化しています。

主要業種の10年間の就業者数変化を整理します。

業種2010年2020年10年変化
学術技術69人103人+34人(+49.3%)
情報通信25人32人+7人(+28.0%)
医療・福祉253人289人+36人(+14.2%)
生活娯楽195人211人+16人(+8.2%)
不動産165人175人+10人(+6.1%)
他サービス256人269人+13人(+5.1%)
製造業143人143人±0人(±0.0%)
建設業429人409人△20人(△4.7%)
宿泊・飲食業1,191人1,065人△126人(△10.6%)
公務155人138人△17人(△11.0%)
教育120人98人△22人(△18.3%)
運輸郵便288人209人△79人(△27.4%)
卸売業・小売業576人417人△159人(△27.6%)
農業・林業196人120人△76人(△38.8%)

※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)

→ 学術技術+49.3%が最大増加率・情報通信+28.0%・医療福祉+14.2%が伸長する一方、農業△38.8%が最大減少率・卸小売△27.6%・運輸郵便△27.4%・宿泊飲食△10.6%が減少しています。

10年間の増加業種は学術技術+49.3%・情報通信+28.0%・医療福祉+14.2%・生活娯楽+8.2%・不動産+6.1%・他サービス+5.1%の6業種、横ばい業種は製造業±0.0%(10年間143人で変わらず)、減少業種は農業・林業△38.8%を筆頭に12業種です。

主要業種1位のM宿泊・飲食業も△10.6%(△126人)減少方向ですが、県内30市町村で減少幅が小さい順で5位(1位見附市△3.2%・2位燕市△8.3%・3位津南町△9.6%・4位胎内市△10.4%)と、県内では比較的健闘した部類に位置します。県内M宿泊飲食業の減少幅の中央値は約△15%です。

湯沢町の総就業者△8.6%減は、県内30市町村で減少幅が小さい順で17位(阿賀野市と同率)の中位水準です。県内で減少幅が特に大きい阿賀町△18.2%・佐渡市△18.0%・関川村△16.1%等と比較すると、湯沢町の減少幅は県内中位に位置します。第3次産業比率変化△0.1pt(10年ほぼ横ばい)は県内で下から2番目(28位)で、既に第3次比率80.8%と県内1位の天井水準にあり、上昇余地が限定的な構造がみられます。

湯沢町の10年変化は、前半5年の増加から後半5年の急減へ反転する真逆推移の中で、主要業種1位のM宿泊・飲食業が△10.6%減となる一方、学術技術・情報通信・医療福祉・生活娯楽・不動産・他サービスの6業種が伸長する構造として観察できます。

後半5年の急減は2019年前後の経済動向・2020年の観光関連業種の状況変化がみられますが、CSVは5年ごと集計のため単年度事象の切り分けはできません。主要業種1位業種が減少方向にあるにも関わらず、湯沢町の第3次比率80.8%は10年ほぼ横ばいで維持されており、他業種(卸小売・運輸郵便)の減少幅がM宿泊飲食よりさらに大きいことが相対的な業種比率のバランス維持につながっているとみられます。

▼【グラフ:yuzawa_産業変化.png 湯沢町の産業構造推移(2010→2015→2020年・積み上げ棒)】


④ スキーリゾート地の主要業種構成(宿泊・飲食業27.9%県内唯一×観光関連4業種で比率上位独占)

主要業種1位は宿泊・飲食業1,065人(27.9%)で県内30市町村で湯沢町のみが保有し、観光関連4業種(M宿泊飲食・K不動産・N生活娯楽で1位・L学術技術で2位)で県内比率上位を独占する集積構造です(節サマリー)。

就業者数の多い上位5業種を確認します。

順位業種名就業者数就業者比率
1位宿泊・飲食業1,065人27.9%
2位卸売業・小売業417人10.9%
3位建設業409人10.7%
4位医療・福祉289人7.6%
5位その他サービス業269人7.0%

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 宿泊・飲食業1,065人(27.9%)が2位卸小売417人(10.9%)を648人・17.0pt引き離す集中構造で、上位5業種で全就業者の64.1%を占めます。

主要業種1位「宿泊・飲食業」の就業者比率27.9%は、単一業種として就業者の約4人に1人を占める水準です。2位の卸売業・小売業(10.9%)との差は+17.0ポイント、1位業種が2位業種の約2.55倍の規模で、集積型トップの燕市(1位比率35.2%)に近い集中度を持ちます。

主要業種1位「宿泊・飲食業」は県内で湯沢町のみ

新潟県30市町村の主要業種1位業種の分布を整理します。

主要業種1位市町村数該当市町村
製造業25市町村長岡・三条・柏崎・新発田・小千谷・加茂・十日町・見附・村上・燕・糸魚川・妙高・五泉・上越・阿賀野・魚沼・南魚沼・胎内・聖籠・弥彦・田上・阿賀町・出雲崎・刈羽・関川
卸売業・小売業1市町村新潟市
医療・福祉1市町村佐渡市
農業・林業1市町村津南町
漁業1市町村粟島浦村
宿泊・飲食業1市町村湯沢町

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 県内30市町村のうち25市町村が製造業を主要業種1位に据える中で、湯沢町だけが宿泊・飲食業を主要業種1位に据える県内唯一の市町村です。

主要業種1位比率27.9%は非製造業として県内4位

主要業種1位比率の県内上位10市町村を整理します。

順位市町村主要業種1位比率
1燕市製造業35.2%
2三条市製造業28.8%
3小千谷市製造業28.6%
4湯沢町宿泊・飲食業27.9%
5弥彦村製造業27.0%
6加茂市製造業26.9%
7見附市製造業26.3%
8胎内市製造業25.5%
9田上町製造業24.6%
10津南町農業・林業24.5%

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 主要業種1位比率の県内上位10のうち9市町村は製造業で、湯沢町の宿泊・飲食業27.9%は非製造業としてのトップ10入り(4位)は湯沢町のみです。

観光関連4業種で県内比率上位を独占(宿泊・不動産・娯楽・学術技術)

湯沢町の観光関連業種の比率と県内順位を整理します。

業種湯沢町の値比率順位2位(参考値)引き離し幅
M 宿泊・飲食業 比率27.86%1位粟島浦村 20.15%+7.71pt
K 不動産 比率4.58%1位新潟市 1.78%×2.57倍
N 生活娯楽 比率5.52%1位十日町市 4.36%×1.27倍
L 学術技術 比率2.69%2位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 業種比率で県内1位となる業種を4種同時に持つ市町村は湯沢町のみで、M宿泊飲食・K不動産・N生活娯楽で1位・L学術技術で2位の観光関連4業種を県内比率上位で独占しています。

K不動産の比率4.58%は2位新潟市(1.78%)の2.57倍、N生活娯楽の比率5.52%は2位十日町市(4.36%)の1.27倍で、県内他市町村を大きく引き離す集中度です。K不動産についてはリゾートマンション立地・別荘管理業務等の集積、N生活娯楽についてはスキー場運営・娯楽施設管理等の集積がみられるとみられますが、具体的な業務内容や事業所数の内訳は集計範囲外です。

業種別・湯沢町の絶対値順位と比率順位の乖離

主要な観光関連4業種の絶対値順位と比率順位を対比します。

業種就業者数絶対値県内順位比率比率県内順位
M 宿泊・飲食業1,065人13位27.86%1位
K 不動産175人12位4.58%1位
N 生活娯楽211人22位5.52%1位
L 学術技術103人22位2.69%2位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 湯沢町では総就業3,822人(26位)の小規模自治体でありながら、観光関連業種の比率順位で県内上位に食い込む「小規模×観光関連特化型」の構造がみられます。

M 宿泊・飲食業の県内シェア

湯沢町の総就業県内シェアと、業種別県内シェアを対比します。

業種湯沢町県内合計湯沢シェア総就業シェアとの比
総就業者3,822人1,084,410人0.35%基準
M 宿泊・飲食業1,065人53,942人1.97%総就業シェアの5.6倍
K 不動産175人13,013人1.34%総就業シェアの3.8倍
N 生活娯楽211人37,771人0.56%総就業シェアの1.6倍
E 製造業143人198,098人0.07%総就業シェアの1/5

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 湯沢町のM宿泊・飲食業県内シェア1.97%は総就業シェア0.35%の5.6倍で、県全体の宿泊・飲食業就業者の約2%を湯沢町1町が占める集中構造です。

▼【グラフ:yuzawa_就業者数.png 湯沢町の業種別就業者数(2020年・上位10業種)】


⑤ スキーリゾート地における製造業・農業の脇役ポジション(規模下位×付加価値率のみ上位の乖離)

製造業(規模6指標29位×1人あたり付加価値額14位×付加価値率9位の乖離)

湯沢町の製造業は事業所数5件・従業者数87人・出荷額約19.0億円等の規模6指標がすべて県内29位(下から2番目)ですが、1人あたり付加価値額1,044万円は県内14位・付加価値率47.9%は県内9位と、規模と効率の順位に大きな乖離があります(製造業節サマリー)。

湯沢町の製造業は製造品出荷額約19.0億円・付加価値額約9.1億円・現金給与総額約3.8億円・製造業事業所数5件・製造業従業者数87人・E製造業就業者143人の規模6指標がすべて県内29位(下から2番目)ですが、1人あたり付加価値額1,044万円は県内14位(県平均加重1,188万円を約△144万円下回る中位水準)、付加価値率47.9%は県内9位と、規模と効率の順位に大きな乖離があります。

2022年の製造業指標を規模と効率の両面で整理します。

指標数値県内順位
製造品出荷額(2022年)約19.0億円29位
付加価値額(2022年)約9.1億円29位
現金給与総額(2022年)約3.8億円29位
付加価値率47.9%9位
製造業事業所数5件29位
製造業従業者数87人29位
1事業所あたり従業者数17.4人
1人あたり出荷額2,181万円/人19位
1人あたり付加価値額1,044万円/人14位

※出典:経済産業省(工業統計調査 令和4年)※従業者4人以上の事業所が対象

→ 規模6指標はすべて県内29位(下から2番目)ですが、1人あたり付加価値額は県内14位・付加価値率は県内9位で、規模と効率の順位に大きな乖離があります。

粟島浦村(一部NA)を除いた実質順位を整理します。

指標CSV順位(30市町村)粟島浦除く実質順位(29市町村)
第2次比率29位実質最下位
製造業事業所数29位実質最下位
製造業従業者数29位実質最下位
製造品出荷額29位実質最下位
付加価値額29位実質最下位
現金給与総額29位実質最下位

→ 粟島浦村(総就業263人・人口約350人の離島)を除けば、湯沢町の製造業指標6項目はいずれも県内実質最下位に相当します。

規模と効率の順位の乖離

湯沢町の1人あたり付加価値額1,044万円/人は県内14位(中位)で、県平均加重1,188万円/人を約144万円下回ります。県内で1人あたり付加価値額の上位には妙高市2,146万円・胎内市1,959万円・上越市1,798万円等が並び、少数の大規模事業所や特定業種(電力・化学・食品加工大手等)が単独立地する市町村が中心です。湯沢町の1,044万円は、事業所数5件・従業者数87人という県内下位規模にも関わらず、県平均から約144万円下回る中位水準に位置しています。

付加価値率9位の位置

湯沢町の付加価値率47.9%は県内9位で、以下の上位10位に含まれます。

順位市町村付加価値率
1関川村59.9%
2阿賀町56.2%
3妙高市55.4%
4五泉市55.0%
5胎内市53.8%
6刈羽村52.7%
7阿賀野市50.6%
8上越市48.8%
9湯沢町47.9%
10佐渡市47.7%

※出典:経済産業省(工業統計調査 令和4年)

→ 湯沢町の付加価値率47.9%は県内9位で、事業所数5件・従業者87人(両方29位)の極小規模にも関わらず、付加価値率は上位に位置します。

湯沢町の製造業は、県内で規模指標6項目がすべて29位(粟島浦村を除けば実質最下位)と極めて小規模ですが、1人あたり付加価値額は県内14位(中位)・付加価値率は県内9位(上位)と、規模と効率の順位に大きな乖離があります。

1人あたり付加価値額は分母が製造業従業者数87人(極少数)のため、少ない付加価値額でも1人あたりの値が中位に上がる構造がみられます。この指標は製造業事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性の目安であり、個別事業所の給与や賃金水準そのものではない点に注意が必要です。

▼【グラフ:yuzawa_県内ランキング.png 新潟県内 第3次産業就業者比率ランキング(湯沢町を強調)】

農業(産出額29位×経営体28位×耕地28位・山間地の小規模農業構造)

湯沢町の農業は産出額約2.4億円(県内29位)・経営体130戸(県内28位)・耕地205.1ha(県内28位)と規模最下位級で、山間地に立地する小規模農業構造です(農業節サマリー)。

農業の規模と効率を整理します。

指標数値県内順位
農業産出額(2022年推計)約2.4億円29位
農業経営体数(2020年)130戸28位
経営耕地面積(2020年)205.1ha28位
農家1戸あたり産出額185万円/戸28位
農地1haあたり産出額117万円/ha28位

※出典:農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年・農林業センサス 令和2年)

→ 産出額29位・経営体28位・耕地28位・1戸あたり28位・1haあたり28位と、いずれも県内最下位級の水準です。

規模順位と単位あたり効率がいずれも下位

湯沢町の農業産出額約2.4億円は県内29位、農業経営体数130戸は県内28位、経営耕地面積205.1ha(約2.05km²)は県内28位で、いずれも県内最下位級の小規模水準です。

単位あたり効率も農家1戸あたり産出額185万円/戸(県内28位)・農地1haあたり産出額117万円/ha(県内28位)と下位です。参考までに、1戸あたり産出額の上位市町村は新発田市1,266万円・村上市1,262万円・胎内市1,039万円等で、園芸・畜産・果樹等の高付加価値農業を含む市町村です。

湯沢町のA農業・林業就業者数120人(比率3.14%・県内28位)も10年で△38.8%(△76人)減少しており、湯沢町の業種別10年変化の中で最大の減少率です。第1次産業比率3.2%(県内28位)の水準は、山間地の小規模農業と観光関連業種の集積が混在する湯沢町の産業構造として観察できます。

複合型5市町村内の農業の位置

湯沢町は産業タイプ「複合型」で第1次産業就業者比率3.2%(県内28位)と低位で、複合型5市町村(新潟市・新発田市・南魚沼市・十日町市・湯沢町)の中でも農業産出額は最も小さい水準です(1位新潟市約535億円・2位新発田市約236億円・湯沢町約2.4億円)。同じ複合型分類の中でも、湯沢町の農業規模は他4市町村と比較して大きく異なる位置にあります。


⑥ 中越南部スキーリゾート6市町村×複合型5市町村内でのリゾート地固有位置

中越南部・スキーリゾート地域6市町村(湯沢・南魚沼・魚沼・十日町・妙高・津南)で第3次比率80%超は湯沢町のみ・主要業種1位が非製造業なのも湯沢町のみで、同地域内で明らかに独立した業種構成を持ちます(節サマリー)。

湯沢町は中越南部・スキーリゾート地域に位置し、隣接する南魚沼市・魚沼市・十日町市・妙高市・津南町とあわせて6市町村で新潟県のスキーリゾート地域を形成します。本章では、中越南部6市町村内での湯沢町の位置と、複合型5市町村内での湯沢町の位置の2つの視点で湯沢町の広域構造を整理します。

中越南部スキーリゾート6市町村内での湯沢町の位置

中越南部6市町村の産業構造を対比します。

市町村産業タイプ総就業者数第1次比率第2次比率第3次比率主要業種1位1位比率M宿泊飲食1人あたり付加価値額
湯沢町複合型3,822人3.2%14.4%80.8%宿泊・飲食業27.9%1,065人1,044万円
南魚沼市複合型28,656人12.0%27.8%59.9%製造業15.6%2,118人855万円
十日町市複合型26,103人10.9%29.0%59.0%製造業16.0%1,522人524万円
魚沼市製造業集積型17,946人8.9%32.0%55.8%製造業19.8%919人841万円
妙高市高付加価値製造業型14,978人5.4%33.0%61.3%製造業21.9%1,265人2,146万円
津南町農業型4,914人24.7%23.0%52.3%農業・林業24.5%310人710万円

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)・経済産業省(工業統計調査 令和4年)

→ 中越南部6市町村のうち第3次比率80%超は湯沢町のみ・主要業種1位が非製造業なのも湯沢町のみで、同地域内で湯沢町の産業構造は明らかに独立した業種構成を持ちます。

湯沢町のM宿泊・飲食業就業者数1,065人は中越南部6市町村の中で2位の水準で、南魚沼市2,118人(総就業28,656人・比率7.4%)に次ぐ規模です。ただし比率で見ると湯沢町27.9%は他5市町村を大きく引き離し、南魚沼市7.4%等よりも際立った集積度を示します。

産業タイプも湯沢町(複合型)・南魚沼市(複合型)・十日町市(複合型)・魚沼市(製造業集積型)・妙高市(高付加価値製造業型)・津南町(農業型)と6市町村で5タイプに分散しており、中越南部地域は多様な産業タイプが並立する地域です。

複合型5市町村内での湯沢町の位置

産業タイプ「複合型」に分類される5市町村(新潟市・新発田市・南魚沼市・十日町市・湯沢町)の中での湯沢町の位置を確認します。

指標湯沢町の値複合型内順位(/5)
総就業者数3,822人5位(最下位)
第3次産業比率80.8%1位
第2次産業比率14.4%5位(最下位)
主要業種1位比率27.9%1位
1人あたり付加価値額1,044万円3位/5

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)・経済産業省(工業統計調査 令和4年)

→ 湯沢町は複合型5市町村内で「規模最下位×第3次比率最上位×主要業種1位比率最上位」の3重の極端さを持ち、他4市町村(新潟・新発田・南魚沼・十日町)が製造業または卸小売を主要業種1位とする「バランス型複合」なのに対し、湯沢町は宿泊・飲食業を主要業種1位とする独自の業種構成です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

湯沢町は中越南部6市町村の中で唯一の第3次比率80%超・唯一の主要業種1位が非製造業の市町村で、同地域内で独立した業種構成を持ちます。複合型5市町村内でも「規模最下位×第3次比率最上位×主要業種1位比率最上位」の3重の極端さがみられ、同じ複合型ラベルでも他4市町村とは異なる業種構成として観察できます。判定式では複合型に分類されますが、実質的には観光関連業種の集積がみられる境界的な市町村として、産業構造の独立性は数値から確認できます。


⑦ スキーリゾート地への移住・起業出店・就職転職の読み方

本章は「湯沢町 移住」「湯沢町 就職」「湯沢町 起業」等の検索意図に対する、産業構造データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。

視点1:就職・転職検討者向け(宿泊業・娯楽業・不動産管理業への集積)

湯沢町は総就業者3,822人(県内26位)と小規模な労働市場ですが、主要業種1位宿泊・飲食業1,065人(27.9%・県内唯一の1位)・観光関連4業種(M宿泊飲食・K不動産・N生活娯楽で比率1位・L学術技術で比率2位)が県内で比率上位を独占する業種集積構造を持ちます。

読み取り材料データ根拠
労働市場の規模総就業者3,822人(県内26位)・小規模労働市場
宿泊・飲食業の集積宿泊・飲食業1,065人(27.9%・県内唯一の主要業種1位)・県内シェア1.97%(総就業シェア0.35%の5.6倍)
不動産関連業の集積不動産175人(比率4.58%・県内1位・2位新潟市の2.57倍)・県内シェア1.34%(総就業シェアの3.8倍)
生活娯楽業の集積生活娯楽211人(比率5.52%・県内1位・2位十日町市の1.27倍)
生活サービス業の水準医療福祉289人(7.56%・県内28位)・卸小売417人(10.9%・県内26位)
製造業の就業機会製造業143人(3.74%・県内29位)・事業所5件(県内29位)・従業者87人(県内29位)
10年変化のトレンド主要業種1位M宿泊飲食△10.6%(県内減少幅小さい順5位)・学術技術+49.3%増・農業△38.8%減

湯沢町は宿泊業・娯楽施設運営業・不動産管理業への集積がみられる労働市場です。一方、製造業・医療福祉・卸小売等の第2次・第3次基幹業種は県内下位規模で、業種選択肢は観光関連業種に大きく偏る構造です。

10年で主要業種1位のM宿泊飲食業は△10.6%減少方向にありますが、県内では減少幅が比較的小さい部類(減少幅小さい順5位)に位置します。1人あたり付加価値額1,044万円(県内14位)は製造業事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性の目安で、個別事業所の給与そのものではありません。

視点2:起業・出店検討者向け(観光需要をターゲットにした業種選定)

湯沢町の産業構造は宿泊・飲食業27.9%を主軸としつつ、卸小売10.9%・建設業10.7%・医療福祉7.6%・その他サービス7.0%が上位を占め、観光関連業種への集中と生活基盤系業種の県内下位規模が併存する構造です。

読み取り材料データ根拠
観光宿泊・飲食BtoCの市場規模宿泊・飲食業1,065人(27.9%・県内唯一の主要業種1位)・県内シェア1.97%
不動産関連BtoBの市場規模不動産175人(4.58%・県内1位・2位新潟市の2.57倍)・リゾートマンション立地・別荘管理業務等の集積がみられる
娯楽・生活関連サービスの需要生活娯楽211人(5.52%・県内1位)・スキー場運営・娯楽施設管理等の集積がみられる
学術技術関連の需要拡大学術技術103人(2.69%・県内2位)・10年で+49.3%増加(湯沢町最大増加率)
卸小売BtoC市場卸小売417人(10.9%・県内26位・小規模)・10年で△27.6%減少
製造業BtoB市場製造品出荷額約19.0億円(県内29位)・事業所5件(県内29位・小規模)

湯沢町は観光需要をターゲットにした業種(宿泊・飲食・娯楽・不動産管理)への集積がみられる一方、生活基盤系業種(卸小売・医療福祉)は県内下位規模で、事業性の判断は業種によって大きく異なるとみられます。10年間で観光関連4業種のうち生活娯楽+8.2%・不動産+6.1%が増加、学術技術+49.3%・情報通信+28.0%が高い増加率を示していますが、主要業種1位のM宿泊飲食業は△10.6%減少方向です。

視点3:移住検討者向け(スキーリゾート地の観光関連業種集積と生活基盤)

湯沢町はスキーリゾート地として観光関連業種の集積がみられる複合型自治体で、生活サービス業(医療福祉7.56%・卸小売10.9%)は県内下位規模ですが、宿泊・飲食業や娯楽施設運営業の集積がみられる独自の業種構成を持ちます。

読み取り材料データ根拠
生活サービスの水準医療福祉289人(7.56%・県内28位)・卸小売417人(10.9%・県内26位)・県内下位規模
就業先の選択肢の広さ上位5業種で全就業者の64.1%・宿泊飲食への集中度が高く業種選択肢は観光関連に偏る
観光関連業種の集積主要業種1位宿泊・飲食業(県内唯一)・観光関連4業種で比率1位(3業種)2位(1業種)
農業の規模農業産出額約2.4億円(県内29位)・経営体130戸(28位)・耕地205.1ha(28位)・山間地の小規模農業
地理的位置(中越南部・スキーリゾート地)上越新幹線越後湯沢駅・スキー場・温泉施設立地・別荘・リゾートマンション集積地

個別の医療施設・商業施設・住環境・住宅コスト・保育・学校情報は本記事の範囲外です。移住の意思決定にあたっては、これらの別データを別途参照してください。

⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、移住・就業・起業の意思決定を代替するものではありません。


⑧ データの見方・注意点

産業タイプ分類は目安です

本記事の「産業タイプ」(製造業集積型・高付加価値製造業型・農業型・複合型・都市サービス型等)は、産業別就業者比率と製造業指標を組み合わせた分類です。同一タイプでも市町村ごとに主要業種・規模・変化パターンは異なるため、タイプラベルだけで判断せず、本文の各指標を合わせて確認してください。

就業者比率と生産性は別指標です

第1/2/3次産業の就業者比率は「誰がどこで働いているか」を示す指標です。1人あたり付加価値額(製造業事業所ベース)は「製造業の労働生産性の目安」を示す別の指標であり、就業者比率が高いほど生産性が高いとは限りません。

製造業指標は事業所ベースです

⑤で提示する製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額は、経済産業省「工業統計調査」の事業所ベース集計です。市町村内に本社を置く企業ではなく、事業所(工場・作業所等)が市町村内にあることが集計基準となります。県外本社の事業所も含まれる場合があります。

農業産出額は推計値です

⑤で提示する農業産出額は農林水産省「市町村別農業産出額(推計)」による推計値です。市町村単位の農業産出額は農林水産省が農業経営体調査・作物統計等から推計しており、実額とは差が生じる場合があります。

農業産出額と農家収入は別です

農業産出額は市町村内で生産された農産物の推定額(生産額ベース)で、農家の手取り収入とは異なります。生産コスト・流通経費・農業経営体の規模差により、産出額と農家収入の関係は市町村ごとに異なります。

主要業種比率の分母は総就業者数です

②〜④で提示する主要業種の比率は、国勢調査「産業(大分類)別就業者数」を分母として計算しています。分母は当該市町村に居住する15歳以上就業者(従業地ではなく居住地ベース)です。市町村外へ通勤する就業者も含まれます。

10年変化は国勢調査5年ごとの比較です

③で提示する2010年→2015年→2020年の10年変化は、国勢調査(5年ごと実施)の3時点比較です。年次データではないため、単年度のショック(特定事業所の開設・閉鎖等)の影響が5年間の中で吸収されている場合があります。

産業タイプは順位ではありません

産業タイプの分類(製造業集積型等)は市町村の産業構造の特徴を示す分類であり、優劣を示すものではありません。「複合型」が「農業型」より優れているという意味ではなく、産業の集中度や分散度の違いを示す指標です。


まとめ

軸1:スキーリゾート地の観光関連業種集積(宿泊・不動産・娯楽・学術技術で比率上位独占)

  • 産業タイプは判定式で複合型。第3次産業比率80.8%は県内1位(2位新潟市73.2%を+7.6pt引き離す唯一の80%超水準)で都市サービス型条件を+5.8pt超過するが、総就業者数3,822人(県内26位)で規模条件を満たさず複合型に分類される境界的分類
  • 主要業種1位宿泊・飲食業(1,065人・27.9%)は県内30市町村で湯沢町のみが保有・主要業種1位比率27.9%は非製造業として県内4位(燕市・三条市・小千谷市の製造業に次ぐ水準)
  • 観光関連4業種で県内比率上位を独占:M宿泊飲食1位(2位粟島浦を+7.7pt引き離す)・K不動産1位(2位新潟の2.57倍)・N生活娯楽1位(2位十日町の1.27倍)・L学術技術2位
  • 複合型5市町村内で「規模最下位×第3次比率最上位×主要業種1位比率最上位」の3重の極端さ(他4市町村は製造業または卸小売を主要業種1位とするが、湯沢町だけが宿泊・飲食業)
  • 中越南部6市町村(湯沢・南魚沼・魚沼・十日町・妙高・津南)で第3次比率80%超は湯沢町のみ・主要業種1位が非製造業なのも湯沢町のみ

軸2:リゾート地における製造業・農業の空白構造(規模最下位級×付加価値率のみ上位の乖離)

  • 第2次産業比率14.4%(県内29位・下から2番目)、製造業指標6項目(事業所数5件・従業者数87人・出荷額約19.0億円・付加価値額約9.1億円・現金給与総額約3.8億円・E製造業就業者143人)はすべて県内29位(粟島浦村を除けば実質最下位)
  • 1人あたり付加価値額1,044万円(県内14位)で県平均加重1,188万円を約144万円下回るが、付加価値率47.9%は県内9位(規模と効率の順位の大きな乖離)
  • 農業経営体130戸(県内28位)・経営耕地205.1ha(県内28位)・農業産出額約2.4億円(県内29位)の山間地の小規模農業構造
  • 業種比率で県内1位となる業種を4種同時に持つ市町村は湯沢町のみ:M宿泊飲食(1位)・K不動産(1位)・N生活娯楽(1位)・L学術技術(2位)で観光関連業種の集積がみられる
  • 「規模指標がほぼ全て県内29位×比率順位1位業種を4種持つ」の両極端構造:製造業指標6項目29位(粟島浦村を除けば実質最下位)×観光関連4業種で県内比率上位独占
  • 1人あたり付加価値額1,044万円は県内14位×製造業規模29位の乖離:分母が製造業従業者数87人(極少数)のため少ない付加価値額でも1人あたりの値が中位に上がる構造

軸3:前半増→後半急減の反転推移と観光宿泊業の10年変化

2010年から2020年にかけて総就業者は△8.6%(△359人)減少しました。特徴的なのは10年推移が「前半増加→後半急減」の真逆に反転している点で、前半5年+2.73%増加→後半5年△11.01%急減しています。

業種別では学術技術+49.3%が最大増加率・情報通信+28.0%・医療福祉+14.2%・生活娯楽+8.2%・不動産+6.1%・他サービス+5.1%の6業種が伸長する一方、農業△38.8%(△76人・最大減少率)・卸小売△27.6%(△159人)・運輸郵便△27.4%(△79人)・宿泊飲食△10.6%(△126人)が減少しました。

第3次産業比率は10年ほぼ横ばい(△0.1pt・県内下から2番目)で80.8%の県内1位水準を維持しています。

  • 前半5年+2.73%増→後半5年△11.01%急減の真逆推移:総就業者・第2次・第3次・M宿泊飲食すべて前半増加後半減少の反転構造
  • 業種別10年変化の両極:増加率トップ学術技術+49.3% vs 減少率トップ農業△38.8%の対比
  • 観光宿泊業の相対的な健闘:主要業種1位のM宿泊飲食業は△10.6%減少方向だが、県内M宿泊飲食業の減少幅の中央値約△15%と比較して減少幅小さい順5位(見附市・燕市・津南町・胎内市に次ぐ水準)
  • K不動産比率4.58%は2位新潟市の2.57倍:リゾートマンション立地・別荘管理業務等の集積がみられる観光地特有構造

この記事の執筆・データについて

執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和2年(2020年)国勢調査/令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額(推計)/令和2年(2020年)農林業センサス/令和3年(2021年)経済センサス-活動調査
更新日: 2026-09-05
運営者情報: https://niigata-data.com/運営者情報/
データの利用について: https://niigata-data.com/privacy-policy/

本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・事業判断助言ではありません。移住・就業・起業・出店等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。


出典

  • 産業別就業者数(第1〜3次産業・主要業種):
    総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)
  • 製造品出荷額・製造業従業者数・付加価値額:
    経済産業省(工業統計調査 令和4年)
  • 農業産出額:
    農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)
  • 農家数・農地面積:
    農林水産省(農林業センサス 令和2年)
  • 事業所数・従業者数:
    総務省・経済産業省(経済センサス-活動調査 令和3年)

派生値の算出方法:

本記事で使用する「県平均・県合計・倍率」等の派生値は、新潟県30市町村の集計値から算出しました。

  • 県平均:30市町村の該当指標の単純平均
  • 県合計:30市町村の該当指標の合計値
  • 県内順位:30市町村を該当指標の降順(または昇順)でソートした順位
  • 1人あたり付加価値額:付加価値額 ÷ 製造業従業者数(工業統計調査の事業所ベース)
  • 主要業種比率:業種別就業者数 ÷ 総就業者数(国勢調査)

データ基準日:令和2年(2020年)国勢調査・令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額
次回更新推奨:令和7年(2025年)国勢調査データ公表後、令和6年(2024年)工業統計調査データ公表後

コメント