村上市の観光客データ 年間145.8万人は県内15位、ピークは7月で温泉健康19.6%は県内6位

市町村

村上市は年間 145.8 万人の観光客が訪れる県内 15 位の観光地です。県全体(約 6,336 万人)の 2.30% を占めます。

村上市の観光構造で数値上目立つのは、月別ピークが 7 月(20.7 万人・年間の 14.2%) である点です。2024 年に 7 月が最多月となったのは村上市と刈羽村(12.3%)の 2 市町村で、他 28 市町村の最多月は 2 月・4 月・5 月・6 月・8 月・10 月・11 月に分布しています。

もう 1 つの特徴が 面積 1,174.13 km²(県内 1 位) です。2 位の上越市(973.89 km²)・3 位の阿賀町(952.89 km²)を上回り、この広い市域に海(海水浴場 9 か所・県内 3 位)・温泉(瀬波温泉)・山(朝日連峰側)の観光資源が分散しています。

分類別では 都市型観光 51.1%(県内 10 位) が最大で、穂波の里(29.0 万人・市全体の 19.9%)・朝日みどりの里(15.6 万人)・笹川流れ夕日会館(8.2 万人)が該当します。次いで 温泉・健康 19.6%(県内 6 位) で、瀬波温泉(28.6 万人)がこの全体を構成します。

この記事では、村上市の観光客数を 13 年間の推移・観光分類の内訳・月別の集客カレンダー・主要観光施設 6 か所の集中度から整理します。県内で最も広い市域に海水浴場 9 か所・温泉・山の施設が分かれている市で、年間 145.8 万人がどこに向かっているのかを数値で確認します。訪問時期を選ぶとき・移住や出店を検討するときの判断材料になる部分もあわせて示します。


▼【グラフ:村上市_県内ランキング.png 新潟県内 30 市町村の観光客入込数ランキング(2024 年・村上市を強調表示)】


  1. 村上市の観光を支える 3 つの要素
    1. 1. 都市型施設 3 つ:52.7 万人(市全体の 36.2%)
    2. 2. 瀬波温泉:28.6 万人(温泉健康 19.6%・県内 6 位)
    3. 3. 祭事:村上大祭・町屋の人形さま巡り(行祭事 14.0%)
    4. 月別パターン:7 月ピーク・振幅倍率 4.1 倍
  2. 13 年推移(2012〜2024 年):H25 194.1 万人ピークからの緩やかな減少
    1. コロナ前は 180〜194 万人台で推移
    2. コロナ前比 80.6%(県内 17 位)
    3. 3 つの時期区分
    4. 2022〜2024 年:増加率が鈍化
  3. 観光の種類(分類別内訳):都市型 51.1% + 温泉健康 19.6%
    1. 日本海沿岸市町村との比較
  4. 月別カレンダー:2024 年は 7 月が 8 月を逆転
    1. 季節集中度
    2. 7 月ピークは 2024 年に生じた逆転
    3. 3 月 13.4 万人(春の山)
    4. 冬集中度 13.6% の水準
  5. 主要観光施設:6 施設・上位 3 施設で 50.2%
    1. 集中度の県内順位
    2. 前年比大変動施設
  6. 補助データ:海水浴 9 か所(県内 3 位)・道の駅は該当なし
    1. 面積 1,174.13 km² は県内 1 位
    2. 海水浴は 2024 年に −35.1%
  7. 村上市の観光を選ぶときの判断材料
    1. 7 月と 8 月がほぼ並ぶ夏型
    2. 県内で最も広い市域に施設が分かれている
    3. 移住検討者向け:ピーク月でも住民の 3.87 倍
    4. 事業出店検討者向け:需要が市内に散っている
  8. 村上市のデータを見るときの注意点
    1. 1. 7 月ピークと村上大祭・海水浴の時期
    2. 2. 面積県内 1 位と観光資源の分散
    3. 3. 道の駅が計上されていない
    4. 4. 推計値・宿泊内訳の非公表
  9. まとめ
    1. 2024 年の村上市(数値一覧)
    2. この数値が示していること
  10. 出典

村上市の観光を支える 3 つの要素

村上市の観光構造は「都市型施設 + 瀬波温泉 + 祭事」の 3 要素で構成されています。

1. 都市型施設 3 つ:52.7 万人(市全体の 36.2%)

観光分類「都市型観光」は 51.1%(県内 10 位) で、主要観光地点として 3 施設が計上されています。

施設2024 年入込数2023 年入込数前年比市全体シェア
穂波の里29.0 万人29.6 万人−2.2%19.9%
朝日みどりの里15.6 万人15.3 万人+2.0%10.7%
笹川流れ夕日会館8.2 万人7.8 万人+4.1%5.6%
都市型 3 施設合計52.7 万人52.7 万人−0.05%(△261 人)36.2%

最大施設の穂波の里(29.0 万人)の集中度は 19.9% で県内 20 位です。穂波の里・朝日みどりの里・笹川流れ夕日会館は、いずれも農産物直売や体験を扱う施設です。村上市には道の駅が計上されておらず、これら 3 施設が都市型分類を構成しています。

2. 瀬波温泉:28.6 万人(温泉健康 19.6%・県内 6 位)

観光分類「温泉・健康」は 19.6%(県内 6 位) で、瀬波温泉(28.6 万人・前年比 +3.6%)がこの全体を構成します。

温泉健康比率の県内上位

順位市町村温泉健康比率
1 位新発田市32.4%
2 位湯沢町25.8%
3 位関川村23.7%
4 位田上町22.6%
5 位五泉市21.3%
6 位村上市19.6%

瀬波温泉の入込数 28.6 万人は市内 2 位の規模で、最大施設の穂波の里(29.0 万人)とはわずか 0.4 万人差です。

3. 祭事:村上大祭・町屋の人形さま巡り(行祭事 14.0%)

観光分類「行祭事・イベント」は 14.0%(県内 14 位) で、2 つの祭事が計上されています。

祭事2024 年入込数2023 年入込数前年比
村上大祭9.0 万人6.2 万人+45.2%
町屋の人形さま巡り5.6 万人5.0 万人+10.4%
祭事 2 つ合計14.6 万人11.2 万人+29.6%

村上大祭の +45.2%(6.2 万人 → 9.0 万人)は市内 6 施設で最も高い伸び率です。村上大祭は 7 月に開催される祭事で、市全体の 7 月ピーク(20.7 万人)と同じ月にあたります。

月別パターン:7 月ピーク・振幅倍率 4.1 倍

村上市の 振幅倍率(7 月 20.7 万人 ÷ 1 月 5.1 万人)は 4.1 倍 です。7 月(20.7 万人)と 8 月(20.4 万人)がほぼ同水準で、夏集中度(7〜8 月)は 28.2% です。


13 年推移(2012〜2024 年):H25 194.1 万人ピークからの緩やかな減少

年(和暦)観光客入込数前年比
2012 年(H24)191.5 万人─
2013 年(H25)194.1 万人(13 年間のピーク)+1.3%
2014 年(H26)190.9 万人−1.6%
2015 年(H27)191.7 万人+0.4%
2016 年(H28)189.8 万人−1.0%
2017 年(H29)187.8 万人−1.1%
2018 年(H30)187.3 万人−0.3%
2019 年(R1)180.9 万人−3.4%
2020 年(R2)109.1 万人−39.7%
2021 年(R3)115.3 万人+5.7%
2022 年(R4)132.3 万人+14.7%
2023 年(R5)145.3 万人+9.8%
2024 年(R6)145.8 万人+0.4%

※2020〜2021 年の減少はコロナ禍下の期間にあたります。

コロナ前は 180〜194 万人台で推移

H24(191.5 万人)から R1(180.9 万人)までの 8 年間は 180〜194 万人台で推移し、年ごとの変動幅は −3.4〜+1.3% の範囲に収まっています。コロナ前 5 年間(H26→R1)は −5.2%(県内 20 位) で、緩やかな減少です。

コロナ前比 80.6%(県内 17 位)

コロナ前(2019 年:180.9 万人)と 2024 年(145.8 万人)を比較すると 80.6%(県内 17 位) で、コロナ前水準まで 35.1 万人の差があります。

3 つの時期区分

期間変化率順位
2014→2019 年(コロナ前 5 年)−5.2%20 位
2019→2024 年(コロナ後 5 年)−19.4%17 位
H25→R6(12 会計年度)−24.9%19 位

2022〜2024 年:増加率が鈍化

前年比は 2022 年(+14.7%)→ 2023 年(+9.8%)→ 2024 年(+0.4%)と、増加率が縮小しています。2024 年 +0.4% は県内 18 位です。


▼【グラフ:村上市_入込数推移.png 村上市の観光客入込数の推移(2012〜2024 年)】


観光の種類(分類別内訳):都市型 51.1% + 温泉健康 19.6%

観光分類比率県内順位
都市型観光51.1%10 位
温泉・健康19.6%6 位
行祭事・イベント14.0%14 位
スポーツ・レクリエーション6.8%21 位
歴史・文化4.9%18 位
自然3.6%14 位
その他0.0%8 位

都市型 51.1% + 温泉健康 19.6% で 70.7% を占め、行祭事 14.0% を加えると 84.7% となります。

日本海沿岸市町村との比較

市町村都市型温泉健康行祭事最大施設
村上市51.1%19.6%14.0%穂波の里(19.9%)
糸魚川市46.9%5.8%10.8%道の駅マリンドリーム能生(26.2%)
長岡市54.1%7.5%18.0%寺泊魚の市場通り(26.5%)
新発田市16.9%32.4%12.7%月岡温泉(20.1%)
柏崎市1.0%5.9%39.6%えんま市(19.0%)

村上市は都市型 51.1% と温泉健康 19.6% の 2 分類で 70.7% を占める構成です。温泉健康 19.6% は同じ日本海沿岸の糸魚川市(5.8%)・長岡市(7.5%)を上回り、新発田市(32.4%)に次ぐ水準です。


▼【グラフ:村上市_分類別.png 村上市の観光分類別内訳(2024 年)】


月別カレンダー:2024 年は 7 月が 8 月を逆転

月観光客数年間シェア
1 月(最少)5.1 万人3.5%
2 月5.9 万人4.1%
3 月13.4 万人9.2%
4 月10.9 万人7.5%
5 月12.4 万人8.5%
6 月9.7 万人6.7%
7 月(ピーク)20.7 万人14.2%
8 月20.4 万人14.0%
9 月13.0 万人8.9%
10 月14.8 万人10.1%
11 月10.7 万人7.4%
12 月8.8 万人6.1%

季節集中度

季節集中度
春(3〜5 月)25.2%
夏(7〜8 月)28.2%
秋(9〜11 月)26.4%
冬(12〜2 月)13.6%

振幅倍率:7 月 20.7 万人 ÷ 1 月 5.1 万人 = 4.1 倍

7 月ピークは 2024 年に生じた逆転

2024 年の村上市は 7 月(20.7 万人)が 8 月(20.4 万人)をわずかに上回りました。ただしこの順位は年によって入れ替わります。

年7 月8 月ピーク月
2022 年(R4)186,970146,7027 月
2023 年(R5)205,057214,9318 月
2024 年(R6)207,073203,7157 月

2024 年の差は 3,358 人で、年計 145.8 万人の 0.23% にあたります。この年は 7 月が前年比 +2,016 人、8 月が −11,216 人で、村上大祭が +28,000 人(6.2 万人 → 9.0 万人)増えたことが順位の逆転と同じ方向に働いています。村上大祭が前年並みであれば 7 月は約 17.9 万人となり、8 月を下回る計算です。

県内で 7 月がピーク月となる市町村数も、R4 は 3 市町村(村上・柏崎・刈羽)、R5 は 1 市町村(柏崎)、R6 は 2 市町村(村上・刈羽)と毎年変動しています。

3 月 13.4 万人(春の山)

3 月(13.4 万人・9.2%)は 4 月(10.9 万人)・5 月(12.4 万人)を上回り、春季で最も多い月です。3 月は町屋の人形さま巡り(5.6 万人・+10.4%)の開催時期にあたります。

冬集中度 13.6% の水準

冬集中度 13.6% は県内で中位の水準です(参考:新潟市 17.3%・妙高市 21.3%・長岡市 14.4%・柏崎市 7.9%・糸魚川市 13.3%)。市内のスキー場利用客は 5,159 人(県内 13 位)で、市全体入込の 0.4% にとどまります。


▼【グラフ:村上市_月別推移.png 村上市の月別観光客数(2024 年・R4〜R6 の 3 年比較)】


主要観光施設:6 施設・上位 3 施設で 50.2%

村上市で主要観光地点として計上されている施設は 6 か所です(2024 年)。施設入込数合計は 95.9 万人で、市全体入込 145.8 万人の 65.8% を把握しています。

施設名分類2024 年入込数2023 年入込数前年比市全体シェア
穂波の里都市型29.0 万人29.6 万人−2.2%19.9%
瀬波温泉温泉健康28.6 万人27.6 万人+3.6%19.6%
朝日みどりの里都市型15.6 万人15.3 万人+2.0%10.7%
村上大祭行祭事9.0 万人6.2 万人+45.2%6.2%
笹川流れ夕日会館都市型8.2 万人7.8 万人+4.1%5.6%
町屋の人形さま巡り行祭事5.6 万人5.0 万人+10.4%3.8%

集中度の県内順位

  • 最大施設集中度(穂波の里 19.9%):県内 20 位/30 市町村中
  • 上位 3 施設集中度(50.2%):県内 15 位/30 市町村中

上位 2 施設(穂波の里 19.9%・瀬波温泉 19.6%)がほぼ同規模で並ぶ構成です。上位 3 施設で市全体の 50.2% を占め、県内では中位の集中度にあたります。

前年比大変動施設

  • 前年比増加:村上大祭(+45.2%・6.2 万人 → 9.0 万人)・町屋の人形さま巡り(+10.4%)・笹川流れ夕日会館(+4.1%)・瀬波温泉(+3.6%)・朝日みどりの里(+2.0%)
  • 前年比減少:穂波の里(−2.2%)
  • 前年比 −30% 以下:該当なし

2024 年は 6 施設中 5 施設が前年比プラスでした。村上大祭の +45.2%(+2.8 万人)は市全体の増加分(+0.6 万人)を上回っており、他施設の動きと合わせて市全体は +0.4% にとどまっています。


補助データ:海水浴 9 か所(県内 3 位)・道の駅は該当なし

村上市の観光を性格づける補助的なデータを整理します。

データ種別実績県内順位
海水浴客数49,595 人(前年比 −35.1%)5 位/12 市町村中
海水浴場数9 か所(うち 1 か所は閉鎖中)3 位(柏崎 14・新潟 10 に次ぐ)
スキー場利用客数(R5-6 シーズン)5,159 人13 位/16 市町村中
道の駅該当なし─
面積1,174.13 km²1 位/30 市町村中
観光客/km²1,242 人27 位/30 市町村中

面積 1,174.13 km² は県内 1 位

村上市の面積 1,174.13 km² は新潟県内 30 市町村で最大です(2 位 上越市 973.89 km²・3 位 阿賀町 952.89 km²・4 位 魚沼市 946.76 km²・5 位 長岡市 891.26 km²)。この広い市域に日本海沿岸の海水浴場 9 か所・瀬波温泉・朝日連峰側の施設が分散しており、観光客/km² は 1,242 人(県内 27 位)です。

海水浴場数 9 か所は柏崎市(14 か所)・新潟市(10 か所)に次ぐ県内 3 位の多さですが、海水浴客数 4.96 万人は県内 5 位(柏崎 27.3 万・新潟 16.7 万・上越 8.2 万・糸魚川 7.9 万に次ぐ)です。

海水浴は 2024 年に −35.1%

海水浴場別の内訳は次の通りです。

海水浴場2024 年2023 年前年比
瀬波33,93355,104−38.4%
板貝4,1235,946−30.7%
桑川3,3484,216−20.6%
笹川2,7781,804+54.0%
柏尾1,5102,840−46.8%
今川(釜ノ前・上山)1,4992,586−42.0%
寒川1,3752,239−38.6%
碁石1,0291,660−38.0%
岩船00─(R2 から閉鎖)
合計49,59576,395−35.1%

9 か所のうち 岩船は R2 から閉鎖しており、実際に開設しているのは 8 か所です。また 瀬波 1 か所で市内海水浴客の 68.4% を占めており、場所の数は 9 に分かれる一方、客数は 1 か所に集中しています。

2024 年の減少幅 −2.68 万人(−35.1%) は、12 市町村中で胎内市(−40.5%)に次ぐ 2 番目の大きさです。増加したのは笹川(+54.0%)のみでした。海水浴客 4.96 万人のうち 3.68 万人(74.1%)が県外客です。


村上市の観光を選ぶときの判断材料

県内で最も広い市域に施設が散っています。月別の人出と、施設の分かれ方を順に扱います。

7 月と 8 月がほぼ並ぶ夏型

村上市の月別入込は 7 月(20.7 万人・14.2%)と 8 月(20.4 万人・14.0%)がほぼ並び、この 2 か月で年間の 28.2% が入ります。

時期月別入込年間シェア
7 月・8 月20.4〜20.7 万人14.0〜14.2%
10 月・3 月13.4〜14.8 万人9.2〜10.1%
9 月・5 月12.4〜13.0 万人8.5〜8.9%
4 月・11 月・6 月9.7〜10.9 万人6.7〜7.5%
12 月・2 月・1 月5.1〜8.8 万人3.5〜6.1%

最多の 7 月と最少の 1 月で 4.1 倍の開きです。7 月と 8 月の差は 0.3 万人・0.2 ポイントしかなく、どちらが最多月になるかは年によって変わります(2023 年は 8 月が最多月でした)。

3 月(13.4 万人・9.2%)が春の月としては高く、町屋の人形さま巡り(5.6 万人)が 3 月入込の 41.6% にあたります。

県内で最も広い市域に施設が分かれている

村上市の面積は 1,174.13 km² で県内 1 位です。2 位の上越市(973.89 km²)・3 位の阿賀町(952.89 km²)を上回ります。この市域に、海水浴場 9 か所・瀬波温泉・朝日みどりの里(朝日地区)・笹川流れ夕日会館(山北地区)が分かれて立地しています。

そのため面積あたりの密度は低く、観光客/km² は 1,241.9 人(県内 27 位) です。入込の絶対数が県内 15 位であるのに対し、密度では下位に入ります。

主要観光地点は 6 か所で、最大の穂波の里が市全体の 19.9%(県内 20 位)、上位 3 施設(穂波の里・瀬波温泉・朝日みどりの里)で 50.2%(県内 15 位)です。

海水浴は 9 か所で県内 3 位の場所数ですが、客数 49,595 人のうち 瀬波 1 か所で 68.4% を占めます。柏崎市(最大でも 25.4%)のように分散してはいません。県外からの来訪は 36,766 人(74.1%・県内 4 位)で、県内客より県外客が多い構成です。

移住検討者向け:ピーク月でも住民の 3.87 倍

月入込住民 1 人あたり
7 月(最多)20.7 万人3.87 人(県内 24 位)
1 月(最少)5.1 万人0.95 人

人口 53,492 人に対して、最も混む 7 月でも住民 1 人あたり 3.87 人で県内 24 位です。最少の 1 月は 0.95 倍で住民数をわずかに下回ります。年間の観光客/人口比は 27.26 倍(県内 18 位)で中位にあたります。

人出が市域全体に広がる点が村上市の特徴です。県内 1 位の面積に対して観光客/km² は 27 位で、観光客が集まる場所も海側(海水浴 9 か所・瀬波温泉)・朝日地区・山北地区に分かれます。特定エリアに人が集中する時期は、7〜8 月の海水浴期と 3 月の人形さま巡り期です。

7〜8 月の海水浴期と村上大祭の時期は、宿泊・飲食・イベントが最も動く時期にあたります。

事業出店検討者向け:需要が市内に散っている

月別需要は 5.1〜20.7 万人で、振幅 4.1 倍です。7〜8 月に年間の 28.2% が入りますが、それ以外の月も 5.1〜14.8 万人で推移し、需要が消える月はありません。

一方で需要の所在は市内に散っています。面積は県内 1 位、観光客/km² は 27 位、上位 3 施設の集中度は 50.2% で、海側・温泉・山側に需要が分かれます。道の駅はなく、スキー場も 5,159 人(県内 13 位)と小規模です。どのエリアのどの季節需要を取るかで、事業設計が変わる構成です。


村上市のデータを見るときの注意点

村上市の観光構造を他自治体と比較する際、以下 4 点に留意が必要です。

1. 7 月ピークと村上大祭・海水浴の時期

7 月(20.7 万人)と 8 月(20.4 万人)の差は 3,358 人で、年計の 0.23% です。この記事の数値は推計値であり、市町村ごとに集計対象施設・カウント方法が異なるため、この幅の差を構造的な特徴として扱うことは適切ではありません。前年(R5)は 8 月がピークでした。

なお村上大祭の年間入込 9.0 万人は、7 月入込 20.7 万人の 43.5% に相当する規模です(村上大祭の入込は年間値として公表されています)。同様に、3 月開催の町屋の人形さま巡り 5.6 万人は 3 月入込 13.4 万人の 41.6% にあたります。

2. 面積県内 1 位と観光資源の分散

面積 1,174.13 km²(県内 1 位)の市域に、海水浴場 9 か所・瀬波温泉・朝日みどりの里(朝日地区)・笹川流れ夕日会館(山北地区)が分散しています。主要観光地点として計上されているのは 6 施設で、施設把握率は 65.8% です。残り 34.2%(49.9 万人)は施設別データには表れません。

3. 道の駅が計上されていない

村上市の道の駅利用者数は調査データに計上されていません。県内 15 市町村には道の駅の集計がありますが、村上市はその対象外です。都市型観光 51.1% は穂波の里・朝日みどりの里・笹川流れ夕日会館の 3 施設で構成されています。

4. 推計値・宿泊内訳の非公表

観光客入込数は各観光施設の利用者数を市町村が集計・推計した値で、実測値ではありません。市町村ごとに集計対象施設・カウント方法が異なるため、市町村間の比較は「概ねの規模感」として扱う必要があります。宿泊者数・日帰り客数の内訳、消費額の市区町村別データは新潟県の調査で非公表です。瀬波温泉(28.6 万人)の宿泊比率も公表資料には含まれていません。


まとめ

2024 年の村上市(数値一覧)

項目2024 年県内順位
観光客入込数145.8 万人(県全体の 2.30%)15 位
前年比+0.4%18 位
コロナ前(2019 年)比80.6%17 位
長期変化(2013 年→2024 年)−24.9%19 位
最多月7 月 20.7 万人(14.2%)─
最少月1 月 5.1 万人(3.5%)・振幅 4.1 倍─
ピーク月入込/人口比3.87 人24 位
最大の観光分類都市型 51.1%─
最大施設穂波の里(19.9%)施設集中度 20 位
上位 3 施設集中度50.2%15 位
面積1,174.13 km²1 位
観光客/km²1,241.9 人27 位
海水浴場数 / 海水浴客数9 か所 / 49,595 人場所数 3 位・客数 5 位
海水浴の県外比率74.1%4 位
観光客/人口比27.26 倍18 位

この数値が示していること

村上市の数値は、ほとんどの指標が県内中位に収まります。入込数 15 位・前年比 18 位・コロナ前比 17 位・長期変化 19 位・観光客/人口比 18 位・施設集中度 20 位と、15〜20 位の範囲に並びます。県内 1 位なのは面積(1,174.13 km²)だけで、その広さに対して観光客/km² は 27 位です。広い市域に人出が薄く広がっている、というのが数値上の姿です。

13 年の推移では、コロナ禍前の安定度が県内でも高い部類でした。2012〜2019 年は 180.9〜194.1 万人の幅に収まり、8 年間の振れ幅が 13.2 万人しかありません。コロナ禍で 109.1 万人(2020 年)まで落ちたあと、115.3 万人・132.3 万人・145.3 万人と戻し、2024 年は 145.8 万人(前年比 +0.4%)でほぼ横ばいになりました。2019 年との差は 35.1 万人で、コロナ前比 80.6%(17 位)です。

集客の中身は市域の広さを反映しています。上位 3 施設(穂波の里・瀬波温泉・朝日みどりの里)は海側・温泉・朝日地区とエリアが分かれ、合計でも 50.2% です。海水浴は 9 か所と県内 3 位の多さですが、客数では瀬波 1 か所が 68.4% を占め、場所数の多さと客の集まり方は一致していません。県外からの海水浴客が 74.1%(県内 4 位)を占める点も、県内客中心の新潟市(32.0%)などとは異なります。2024 年に伸びた施設は村上大祭(+45.2%)でした。


出典

  • 観光客入込数:新潟県観光政策課(令和 6 年観光客入込数・消費額調査)
  • 主要観光地点入込数:新潟県観光政策課(同調査 表 7)
  • 海水浴場入込客数:新潟県観光政策課(令和 6 年度海水浴客入込状況)
  • スキー場利用客数:新潟県観光政策課(令和 5-6 シーズン スキー場利用客数)
  • 人口・面積:総務省(住民基本台帳 R7 年 1 月 1 日)・国土地理院

データ基準日:2024 年(令和 6 年)
次回更新推奨:2025 年(令和 7 年)観光客入込数調査公表後

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