柏崎市の観光客データ 年間202.5万人は県内9位、ピークは6月で行祭事イベント39.6%は県内2位

市町村

柏崎市は年間 202.5 万人の観光客が訪れる県内 9 位の観光地です。県全体(約 6,336 万人)の 3.20% を占めます。

柏崎市の観光構造で数値上目立つのは、観光分類「行祭事・イベント」が 39.6%(県内 2 位) を占めるイベント主導型である点と、振幅倍率 10.9 倍(6 月 50.3 万人 ÷ 12 月 4.6 万人)という月間の振れ幅です。振幅倍率は県内 6 位ですが、上位 5 市町村(聖籠町 51.0 倍・佐渡市 36.1 倍・小千谷市 34.2 倍・津南町 13.2 倍・加茂市 12.4 倍)がいずれも年間入込 100 万人未満であるのに対し、入込 200 万人規模でこの振れ幅を持つのは柏崎市のみです。

この 39.6% の中核はえんま市(38.5 万人・市全体の 19.0%・6 月開催)で、6 月に年間の 24.8% が集中する構造です。ここに 7-8 月の海水浴(海水浴場 14 か所・県内 1 位・海水浴客 27.3 万人)が加わり、6〜8 月の 3 か月で年間の 59.5% を占める夏集中型として位置づけられます。

一方でコロナ前比は 64.2%(県内 27 位) で回復が遅い部類にあり、前年比 −12.7%(県内 29 位)と 2024 年は再び減少に転じています。

この記事では、柏崎市の観光客数を 13 年間の推移・観光分類の内訳・月別の集客カレンダー・主要観光施設 12 か所の集中度の 4 側面から整理します。とくに、最大施設のえんま市が前年比 +29.7% と伸びたにもかかわらず市全体が −12.7% と減った 2024 年に、どの部分で人が減ったのかを数値で確認します。夏に訪れる場合に選択肢がどれだけあるか、冬の水準がどこまで下がるかも示します。


▼【グラフ:柏崎市_県内ランキング.png 新潟県内 30 市町村の観光客入込数ランキング(2024 年・柏崎市を強調表示)】


  1. 柏崎市の観光を支える 3 つの構造
    1. 1. 6 月急増:えんま市(伝統市・年間の 24.8%)
    2. 2. 7-8 月夏の集客:海水浴(県内 1 位)+ 花火大会
    3. 3. 通年低水準:冬集中度 7.9%(県内でも低い部類)
    4. 3 要因が生む「イベント + 夏海」型構造
  2. 13 年推移(2012〜2024 年):H25 ピーク 385 万人からの長期減少
    1. コロナ前比 64.2%(県内 27 位・下位グループ)
    2. 3 つの時期区分
    3. 2024 年の再度減少:前年比 −12.7%
  3. 観光の種類(分類別内訳):行祭事 + スポレクで 72.3%
    1. スポレク 32.7% の中身
    2. 都市型 1.0% の背景
  4. 月別カレンダー:振幅 10.9 倍・2024 年は 6 月が最多月
    1. 季節集中度
    2. 振幅倍率 10.9 倍:県内 6 位・入込 100 万人超では最大
    3. 6 月が最多月になったのは 2024 年から(2022・2023 年は 7 月)
  5. 主要観光施設:12 施設・上位 3 施設で 35.1%
    1. 集中度の県内順位
    2. 前年比大変動施設
  6. 補助データ:海水浴 1 位・14 か所
  7. 柏崎市の観光を選ぶときの判断材料
    1. 6〜8 月の 3 か月に年間の 59.5% が集まる
    2. 海水浴場は県内 1 位の 14 か所。ただし 1 か所に集まってはいない
    3. 移住検討者向け:観光客/人口比 26.57 倍は県内 19 位
    4. 事業出店検討者向け:通年型の集客装置がない
  8. 柏崎市のデータを見るときの注意点
    1. 1. 振幅倍率 10.9 倍の性格
    2. 2. コロナ前比 64.2%(県内 27 位)の背景
    3. 3. 海水浴 14 か所は別集計
    4. 4. 推計値である旨
  9. まとめ
    1. 2024 年の柏崎市(数値一覧)
    2. この数値が示していること
  10. 出典

柏崎市の観光を支える 3 つの構造

2024 年の柏崎市の観光構造は「6 月えんま市 + 7-8 月海水浴シーズン + 通年低水準」の 3 要素で観察できます。

1. 6 月急増:えんま市(伝統市・年間の 24.8%)

柏崎市の月別ピークは 6 月(50.3 万人) で、年間の 24.8% を占めます。6 月ピーク 24.8% は県内 30 市町村の月別ピーク集中度で見ると上位グループに位置します(参考:新潟市 8 月 14.9%・妙高市 8 月 14.4%・弥彦村 11 月 22.5%)。

6 月急増の中核にあるのが えんま市(閻魔堂のえんま市・6 月中旬開催)で、2024 年の入込は 38.5 万人・前年比 +29.7% です。3 日間の伝統市で、柏崎市中心部の閻魔堂通り周辺で開催されます。市全体入込 202.5 万人に対する集中度は 19.0%(県内 21 位)で、1 施設集中度としては中位ですが、単日ではなく期間限定イベントとして年間集客の約 5 分の 1 を担う構造です。

観光分類「行祭事・イベント」の比率は 39.6%(県内 2 位) で、この中核をえんま市 + ぎおん柏崎まつり海の大花火大会(17.0 万人)が構成します。行祭事の比率がここまで高い自治体は県内で少数派で、柏崎市の観光構造の性格を示しています。

2. 7-8 月夏の集客:海水浴(県内 1 位)+ 花火大会

柏崎市の 7 月(34.8 万人・17.2%)・8 月(35.4 万人・17.5%)は 6 月に次ぐ集客期で、夏集中度(7-8 月合計)は 34.7% です。この夏集客の中心にあるのが以下 2 要素です。

a. 海水浴(県内 1 位・14 か所・27.3 万人)

柏崎市の海水浴場は 14 か所で、海水浴場数・海水浴客数ともに県内 12 市町村中 1 位です。

海水浴場2024 年2023 年前年比
東の輪69,42381,120−14.4%
石地66,00673,640−10.4%
番神・西番神(2 か所計)42,79551,020−16.1%
鯨波27,61737,470−26.3%
笠島14,49619,630−26.2%
大崎9,7378,130+19.8%
高浜(椎谷・宮川・大湊)9,43012,770−26.2%
長浜7,5297,650−1.6%
中央7,1579,870−27.5%
米山5,7807,930−27.1%
薬師堂4,7606,500−26.8%
西鯨波3,8104,880−21.9%
上輪2,8674,290−33.2%
青海川1,9972,630−24.1%
合計273,404327,530−16.5%

最大の東の輪でも全体の 25.4% で、14 か所に実際に分散している構成です(糸魚川市は 6 か所中 1 か所で 77.2%、村上市は 9 か所中 1 か所で 68.4%)。

2024 年は 14 か所中 13 か所が減少し、合計で 5.4 万人(−16.5%)減りました。増加したのは大崎(+19.8%)のみです。

また海水浴客 27.3 万人のうち 21.9 万人(80.0%)が県外客です。県内 12 市町村で県外客の実数が最も多く、新潟市の海水浴客総数(16.7 万人)を県外客だけで上回ります。

b. ぎおん柏崎まつり海の大花火大会(7 月・17.0 万人)

ぎおん柏崎まつりの海の大花火大会(7 月末開催)は 17.0 万人(市全体の 8.4%)を集客する大型花火大会です。日本海に面した海上花火で、県内でも規模の大きい花火大会の 1 つとして位置づけられます。前年比は ±0.0% で安定しています。

3. 通年低水準:冬集中度 7.9%(県内でも低い部類)

柏崎市の冬集中度(12〜2 月合計)は 7.9% で、県内の主要観光市町村と比べても低い水準です(参考:新潟市 17.3%・妙高市 21.3%・湯沢町 48.3%)。イベント・海水浴を中心とする観光構造で、冬季(12 月 4.6 万・1 月 5.6 万・2 月 5.9 万)は月間 5 万人前後の水準となっています。

12 月最少 4.6 万人と 6 月最多 50.3 万人の差から、振幅倍率は 10.9 倍となります。これは県内 6 位で、上位は聖籠町 51.0 倍・佐渡市 36.1 倍・小千谷市 34.2 倍・津南町 13.2 倍・加茂市 12.4 倍です。ただしこの 5 市町村はいずれも年間入込 100 万人未満で、柏崎市の 202.5 万人とは規模が異なります。

3 要因が生む「イベント + 夏海」型構造

これら 3 要因の組み合わせにより、6〜8 月の 3 か月で年間の 59.5%(120.5 万人)が集中し、残り 9 か月(9〜5 月)で 40.5%(82.0 万人)の分布となります。柏崎市は「6 月えんま市 + 7-8 月海水浴・花火」の 3 か月に年間の約 6 割が集まる観光構造として位置づけられます。


13 年推移(2012〜2024 年):H25 ピーク 385 万人からの長期減少

年(和暦)観光客入込数前年比
2012 年(H24)380.1 万人─
2013 年(H25)385.0 万人(13 年間のピーク)+1.3%
2014 年(H26)344.0 万人−10.6%
2015 年(H27)368.0 万人+7.0%
2016 年(H28)362.5 万人−1.5%
2017 年(H29)339.1 万人−6.4%
2018 年(H30)340.5 万人+0.4%
2019 年(R1)315.2 万人−7.4%
2020 年(R2)134.8 万人−57.2%
2021 年(R3)144.3 万人+7.1%
2022 年(R4)214.5 万人+48.6%
2023 年(R5)231.8 万人+8.1%
2024 年(R6)202.5 万人−12.7%

※2020〜2021 年の急減はコロナ禍下の期間にあたります。

コロナ前比 64.2%(県内 27 位・下位グループ)

コロナ前(2019 年:315.2 万人)と比べると、2024 年は 202.5 万人で 64.2%(県内 27 位)です。県内 30 市町村の平均コロナ前比(約 91%)を大きく下回り、県内で回復が最も遅いグループに属しています。県内 27 位以下は柏崎市(64.2%)・上越市(59.0%)・関川村(50.0%)・粟島浦村(22.7%)の 4 自治体です。

3 つの時期区分

期間変化率順位
2014→2019 年(コロナ前 5 年)−8.4%24 位
2019→2024 年(コロナ後 5 年)−35.8%27 位
H25→R6(12 会計年度)−47.4%29 位(30 位は粟島浦村)

長期的(H25→R6)に −47.4% の減少で、県内 30 市町村中 29 位(30 位は粟島浦村・−80.0%)です。コロナ前から続く長期減少傾向がコロナ禍を経て加速した構造で、2013 年ピーク(385.0 万人)から 11 年で 182.5 万人が失われた計算になります。

2024 年の再度減少:前年比 −12.7%

前年比は 2022 年(+48.6%)→ 2023 年(+8.1%)→ 2024 年(−12.7%)と、コロナ後の急速回復から一転して再度減少に転じました。−12.7% は県内 29 位(30 位は −28.8% の胎内市)で、県内主要観光地の中で大きな減少幅の 1 つです(参考:新潟市 +3.0%・長岡市 +4.9%・妙高市 +2.0%・新発田市 −1.1%)。

一方で主要観光地点 12 施設の合計は 126.8 万人 → 142.3 万人(+15.5 万人・+12.2%) と増加しています。市全体が −29.3 万人である一方、施設計上分は増えているため、減少は主要観光地点として計上されていない領域で起きています。

区分2023 年(R5)2024 年(R6)増減
市全体231.8 万人202.5 万人−29.3 万人(−12.7%)
主要観光地点 12 施設126.8 万人142.3 万人+15.5 万人(+12.2%)
計上外105.1 万人60.2 万人−44.8 万人(−42.7%)

施設把握率も 54.7% → 70.3% に上昇しています。計上外 60.2 万人の内訳は公表資料には含まれていません。


▼【グラフ:柏崎市_入込数推移.png 柏崎市の観光客入込数の推移(2012〜2024 年)】


観光の種類(分類別内訳):行祭事 + スポレクで 72.3%

観光分類比率県内順位
行祭事・イベント39.6%2 位
スポーツ・レクリエーション32.7%8 位
歴史・文化15.1%6 位
温泉・健康5.9%21 位
自然5.7%12 位
都市型観光1.0%24 位
その他0.0%8 位

行祭事 39.6%(県内 2 位)+ スポレク 32.7% + 歴史文化 15.1% で 87.4% を占める構造で、都市型観光は 1.0%(県内 24 位)で県内で最も低い部類です。柏崎市は「大型施設・道の駅・商業型」の集客ではなく、「イベント・海水浴・文化施設」で成立する観光構造として観察できます。

スポレク 32.7% の中身

スポレク 32.7% は柏崎アクアパーク(15.6 万人)・こども自然王国(10.9 万人)・柏崎港観光交流センター「夕海」(7.0 万人)・海水浴場 2 か所(東の輪 6.9 万・石地 6.6 万)等で構成されます。海水浴場が主要観光地点として計上されているのは 2 か所のみですが、市内 14 か所の海水浴場全体の集客がスポレク比率の一部を構成しています。

都市型 1.0% の背景

都市型観光比率 1.0%(県内 24 位)は県内で最も低い部類です。柏崎市には道の駅がなく(県内 15 市町村に道の駅あり)、大型商業型集客施設もなく、この分類の集客は 1.0% にとどまります。


▼【グラフ:柏崎市_分類別.png 柏崎市の観光分類別内訳(2024 年)】


月別カレンダー:振幅 10.9 倍・2024 年は 6 月が最多月

月観光客数年間シェア
1 月5.6 万人2.8%
2 月5.9 万人2.9%
3 月6.5 万人3.2%
4 月9.8 万人4.8%
5 月17.8 万人8.8%
6 月(ピーク)50.3 万人24.8%
7 月34.8 万人17.2%
8 月35.4 万人17.5%
9 月10.7 万人5.3%
10 月11.2 万人5.5%
11 月10.1 万人5.0%
12 月(最少)4.6 万人2.3%

季節集中度

季節集中度主な集客源
春(3〜5 月)16.8%GW(5 月 17.8 万人)
夏(7〜8 月)34.7%海水浴・ぎおん柏崎まつり
秋(9〜11 月)15.8%秋の低水準期
冬(12〜2 月)7.9%閑散期(月 5 万前後)

夏集中度 34.7% は県内でも高い部類で、7-8 月の海水浴シーズンが集客の柱として位置づけられます。

振幅倍率 10.9 倍:県内 6 位・入込 100 万人超では最大

振幅倍率:6 月 50.3 万人 ÷ 12 月 4.6 万人 = 10.9 倍

県内主要観光市町村の振幅倍率と比較すると:

市町村振幅倍率ピーク要因
柏崎市10.9 倍6 月えんま市
湯沢町8.7 倍2 月スキー
長岡市6.9 倍8 月花火
弥彦村6.7 倍11 月弥彦の秋
十日町市6.3 倍7-9 月芸術祭
新発田市3.7 倍8 月まつり
妙高市2.9 倍通年道の駅
新潟市2.8 倍通年都市型

柏崎市の 10.9 倍は県内 6 位です。上位 5 市町村(聖籠町 51.0・佐渡市 36.1・小千谷市 34.2・津南町 13.2・加茂市 12.4)はいずれも年間入込 100 万人未満で、入込 100 万人を超える市町村では柏崎市が最大の振れ幅です。

6 月が最多月になったのは 2024 年から(2022・2023 年は 7 月)

6 月が最多月になったのは 2024 年(R6)からで、2022 年(R4)・2023 年(R5)はいずれも 7 月が最多月でした。

年6 月7 月8 月最多月
2022 年(R4)40.7 万人(19.0%)40.9 万人(19.1%)35.5 万人(16.6%)7 月
2023 年(R5)43.0 万人(18.6%)46.1 万人(19.9%)39.2 万人(16.9%)7 月
2024 年(R6)50.3 万人(24.8%)34.8 万人(17.2%)35.4 万人(17.5%)6 月

6 月と 7 月のシェア差は 2022 年で 0.1 ポイント・2023 年で 1.3 ポイントと僅差でした。2024 年は 6 月が前年比 +7.3 万人・7 月が −11.3 万人と動いた結果、6 月が 7 月・8 月(34.8・35.4 万人)を 15 万人前後上回る単独の山になっています。2024 年時点の 6 月シェア 24.8% は単年の値であり、3 年を通して固定した順位ではありません。


▼【グラフ:柏崎市_月別推移.png 柏崎市の月別観光客数(2024 年・R4〜R6 の 3 年比較)】


主要観光施設:12 施設・上位 3 施設で 35.1%

柏崎市で主要観光地点として計上されている施設は 12 か所です(2024 年)。施設入込数合計は 142.3 万人で、市全体入込 202.5 万人の 70.3% を把握しています。

施設名分類2024 年入込数2023 年入込数前年比市全体シェア
えんま市行祭事38.5 万人29.7 万人+29.7%19.0%
ぎおん柏崎まつり海の大花火大会行祭事17.0 万人17.0 万人±0.0%8.4%
柏崎アクアパークスポレク15.6 万人13.5 万人+15.0%7.7%
柏崎市文化会館「アルフォーレ」歴史文化13.3 万人11.8 万人+12.6%6.6%
こども自然王国スポレク10.9 万人10.2 万人+7.0%5.4%
柏崎・夢の森公園自然8.5 万人7.9 万人+7.3%4.2%
西山ふるさと館歴史文化7.3 万人5.5 万人+32.2%3.6%
柏崎港観光交流センター「夕海」スポレク7.0 万人5.9 万人+18.6%3.4%
東の輪海水浴場スポレク6.9 万人8.1 万人−14.4%3.4%
石地海水浴場スポレク6.6 万人7.4 万人−10.4%3.3%
柏崎市産業文化会館行祭事5.5 万人5.1 万人+7.1%2.7%
市民プラザ行祭事5.2 万人4.7 万人+11.8%2.6%

集中度の県内順位

  • 最大施設集中度(えんま市 19.0%):県内 21 位/30 市町村中
  • 上位 3 施設集中度(35.1%):県内 21 位/30 市町村中

県内の集中度上位(妙高市:道の駅あらい 55.1%・弥彦村:彌彦神社 45.6%・十日町市:大地の芸術祭 25.6%)と比べると、柏崎市の 19.0% は「1 施設集中型ではなく複数施設分散型」に近い位置です。ただし主要観光地点 12 施設のうち 4 施設が行祭事・イベント分類で、施設ではなく「開催イベント」として計上されている点が構造上の特徴です。

前年比大変動施設

  • 大きく増加:えんま市(+29.7%)・西山ふるさと館(+32.2%)・柏崎港観光交流センター(+18.6%)・柏崎アクアパーク(+15.0%)・柏崎市文化会館(+12.6%)
  • 中程度減少:東の輪海水浴場(−14.4%)・石地海水浴場(−10.4%)
  • 大きく減少(-30% 以下):該当なし

えんま市の +29.7%(29.7 万人 → 38.5 万人)は 2024 年の大きな増加で、コロナ後にえんま市の集客が復調した傾向として観察できます。一方で 2024 年は海水浴場 2 か所(東の輪 −14.4%・石地 −10.4%)で減少しています。


補助データ:海水浴 1 位・14 か所

柏崎市の観光を性格づける補助的なデータを整理します。

データ種別2024 年実績県内順位
海水浴場数14 か所1 位/12 市町村中
海水浴客数27.3 万人1 位/12 市町村中
スキー場利用客数(R5-6 シーズン)6,023 人12 位/16 市町村中
道の駅該当なし─

柏崎市の観光構造を性格づける最大の要素が 海水浴場 14 か所・県内 1 位 です。約 42 km の海岸線に東の輪・石地・番神・鯨波・笠島など複数の海水浴場が分散し、7-8 月の集客を支えています。海水浴客数 27.3 万人も県内 1 位で、県内 12 市町村の海水浴集客の中核として位置づけられます。

一方でスキー場は 12 位(6,023 人)と少なく、道の駅がない点も特徴です(県内 15 市町村に道の駅あり)。


柏崎市の観光を選ぶときの判断材料

6〜8 月の 3 か月に人出が寄ります。海水浴場が県内 1 位の 14 か所あることと突き合わせます。

6〜8 月の 3 か月に年間の 59.5% が集まる

柏崎市の月別入込は 6 月・7 月・8 月の 3 か月で 120.5 万人となり、年間 202.5 万人の 59.5% を占めます。残る 9 か月は合計 82.0 万人です。

時期月別入込性格
6 月50.3 万人(24.8%)年間最多。えんま市(38.5 万人)を含む月
7 月・8 月34.8〜35.4 万人(17.2〜17.5%)海水浴と花火大会の時期
5 月17.8 万人(8.8%)夏の入口。6 月の 35% の水準
4 月・9 月・10 月・11 月9.8〜11.2 万人(4.8〜5.5%)春と秋の 4 か月が横並び
1 月・2 月・3 月・12 月4.6〜6.5 万人(2.3〜3.2%)冬の 4 か月。最少は 12 月

最多の 6 月と最少の 12 月で 10.9 倍の開きがあり、これは入込 100 万人を超える県内市町村では最大の振幅です。冬集中度 7.9% は県内で低い部類で、冬の 4 か月はいずれも月 5〜7 万人にとどまります。

海水浴場は県内 1 位の 14 か所。ただし 1 か所に集まってはいない

柏崎市の海水浴場は 14 か所で県内 1 位、海水浴客 27.3 万人も県内 1 位です。ただし 14 か所のうち最大の東の輪(69,423 人)でも全体の 25.4% で、石地 24.1%・番神/西番神 15.7%・鯨波 10.1% と続きます。

県内の他の海水浴地と比べると性格が分かれます。糸魚川市は能生 1 か所で市内の海水浴客の 77.2%、村上市は瀬波 1 か所で 68.4% を占めますが、柏崎市は最大でも 4 分の 1 で、約 42 km の海岸線に実際に分かれています。海水浴目的で訪れる場合、行き先の選択肢が県内で最も多い市にあたります。

移住検討者向け:観光客/人口比 26.57 倍は県内 19 位

人口 76,217 人に対して年間 202.5 万人が訪れ、観光客/人口比は 26.57 倍(県内 19 位) です。県内では中位から下位にあたり、湯沢町(377.83 倍)や弥彦村(312.16 倍)のように住民生活が観光に左右される水準ではありません。

月単位で人口と比べると、季節差の大きさがはっきりします。

月入込住民 1 人あたり
6 月(最多)50.3 万人6.60 人(県内 15 位)
7 月・8 月34.8〜35.4 万人4.57〜4.64 人
12 月(最少)4.6 万人0.60 人

最も混む 6 月は住民 1 人あたり 6.60 人ですが、最少の 12 月は 0.60 倍で住民数の 6 割まで下がります。同じ市でも季節によって人出が 10.9 倍動く構造です。

生活面で最も影響が出るのは 6 月です。6 月の 50.3 万人のうち 38.5 万人(76.5%)がえんま市で、この期間に市街地へ人が集中します。7〜8 月は市内 14 か所の海水浴場に分かれるため、6 月とは混雑の出方が異なります。冬の 4 か月(12〜3 月)は月 4.6〜6.5 万人で、観光客の人出が生活で意識される場面は少なくなります。

6 月のえんま市と 7〜8 月の海水浴シーズンは、飲食・宿泊・イベントが最も動く時期にあたります。

事業出店検討者向け:通年型の集客装置がない

柏崎市には道の駅がなく(県内 15 市町村には道の駅がある)、観光分類「都市型」は 1.0%(県内 24 位) です。これより低いのは都市型が 0.0% の 6 市町村(粟島浦村・津南町・加茂市・聖籠町・刈羽村・佐渡市)で、いずれも道の駅を持たない自治体です。妙高市の道の駅あらい(市全体の 55.1%)や長岡市の道の駅群のような、季節に関わらず人を集める施設が数値上見当たりません。

そのため需要の形は「6 月のえんま市 + 7〜8 月の海水浴」に寄り、年間の 59.5% がこの 3 か月に入ります。通年営業を前提にする場合、残る 9 か月の月 5〜18 万人という水準が収支の基準になります。


柏崎市のデータを見るときの注意点

柏崎市の観光構造を他自治体と比較する際、以下 4 点に留意が必要です。

1. 振幅倍率 10.9 倍の性格

振幅倍率 10.9 倍は県内 6 位で、入込 100 万人を超える市町村では最大の月間振幅です。特定月(6 月)のイベントに集客が集中する構造で、えんま市の開催状況・天候・運営体制の変化が市全体の年間観光客数に反映されやすい構造です。えんま市が 2024 年 +29.7% と増加したにもかかわらず、市全体は −12.7% と減少しています。

2. コロナ前比 64.2%(県内 27 位)の背景

コロナ前比 64.2% は県内 27 位の下位グループ位置で、県内 27 位以下は柏崎市(64.2%)・上越市(59.0%)・関川村(50.0%)・粟島浦村(22.7%)の 4 自治体です。コロナ前から続く長期減少傾向(H25→R6:−47.4%)が続いており、市全体入込は H25 ピーク 385.0 万人からコロナ後の 202.5 万人まで、11 年で 182.5 万人減少している状況です。

3. 海水浴 14 か所は別集計

海水浴客数(27.3 万人)は主要観光地点の入込数(142.3 万人)とは別集計です。主要観光地点として計上されているのは 14 か所中 2 か所(東の輪・石地)のみですが、海水浴場別の入込数は 14 か所すべてが「海水浴客入込状況」に公表されています(下表)。市全体観光客数(202.5 万人)と海水浴客数を単純合算することは適切ではありません。

4. 推計値である旨

観光客入込数は各観光施設の利用者数を市町村が集計・推計した値で、実測値ではありません。市町村ごとに集計対象施設・カウント方法が異なるため、市町村間の比較は「概ねの規模感」として扱う必要があります。宿泊者数・日帰り客数の内訳、消費額の市区町村別データは新潟県の調査で非公表です。


まとめ

2024 年の柏崎市(数値一覧)

項目2024 年県内順位
観光客入込数202.5 万人(県全体の 3.20%)9 位
前年比−12.7%29 位
コロナ前(2019 年)比64.2%27 位
長期変化(2013 年→2024 年)−47.4%29 位
最多月6 月 50.3 万人(24.8%)─
最少月12 月 4.6 万人(2.3%)・振幅 10.9 倍振幅 6 位
6〜8 月の 3 か月集中度59.5%─
最大の観光分類行祭事・イベント 39.6%2 位
最も低い観光分類都市型 1.0%24 位
最大施設えんま市 38.5 万人(19.0%)施設集中度 21 位
上位 3 施設集中度35.1%21 位
海水浴場数 / 海水浴客数14 か所 / 27.3 万人ともに 1 位
観光客/人口比26.57 倍19 位

この数値が示していること

柏崎市が県内上位に入るのは海水浴(場所数・客数とも 1 位)と行祭事・イベント比率(2 位)で、いずれも夏と 6 月に集中する分野です。一方、前年比 29 位・コロナ前比 27 位・長期変化 29 位と、「変化」を測る 3 つの指標はすべて県内 30 市町村の下位に並びます。2024 年時点の柏崎市は、集客の性格がはっきりしている一方で、その水準が下がり続けている市という位置にあります。

減少は 2024 年に始まったものではありません。13 年間のピークは 2013 年の 385.0 万人で、2024 年の 202.5 万人との差は 182.5 万人です。コロナ禍前の 2012〜2019 年でも 385.0 万人(2013 年)から 315.2 万人(2019 年)へ下がり続けており、コロナ禍はこの流れの途中にあたります。2022 年 +48.6%・2023 年 +8.1% と戻りかけたあと、2024 年は −12.7% と再び減少に転じました。

2024 年の減少がどこで起きたかは、施設別の数字と市全体の数字の差に表れています。最大施設のえんま市は +29.7%、西山ふるさと館も +32.2% と増えており、主要観光地点 12 か所の合計(142.3 万人)は前年から増えています。それでも市全体が −12.7% となったのは、施設として計上されていない部分の集客が減ったためです。海水浴も東の輪 −14.4%・石地 −10.4% と減っており、14 か所合計では前年比 −16.5% でした。


出典

  • 観光客入込数:新潟県観光政策課(令和 6 年観光客入込数・消費額調査)
  • 主要観光地点入込数:新潟県観光政策課(同調査 表 7)
  • 海水浴場入込客数:新潟県観光政策課(令和 6 年海水浴客入込状況)
  • スキー場利用客数:新潟県観光政策課(令和 5-6 シーズン スキー場利用客数)
  • 人口:総務省(住民基本台帳 R7 年 1 月 1 日)

データ基準日:2024 年(令和 6 年)
次回更新推奨:2025 年(令和 7 年)観光客入込数調査公表後

コメント