岩船郡(関川村・粟島浦村の合算)では年間17戸の住宅が着工されています(R5年度)。1,000人あたり着工戸数は3.40戸で県内9位、着工戸数は23位です。
H25年度比で+142.9%増加(7戸→17戸で+10戸)と、新潟県30市町村のうち増加した5市町村の一つです(他は燕市+2.9%・阿賀野市+2.2%・湯沢町+66.7%)。特徴的なのはR5年度に給与住宅(社宅等)が8戸(構成比47.1%)供給された点で、H25・H30ともにゼロだったのが急増しました。+10戸の増加のうち+8戸が給与住宅で、給与住宅の供給時期に全体件数も増加しています。
この記事では、国土交通省「建築着工統計調査」をもとに、岩船郡の住宅着工件数の推移・持家と貸家の内訳・人口比較・県内での位置づけを整理します。
⚠️ 岩船郡合算: 建築着工統計では関川村と粟島浦村が岩船郡としてまとめて集計されているため、この記事の着工戸数は関川村・粟島浦村を合わせた岩船郡全体の数値です。1,000人あたりも岩船郡の合計人口(5,003人)で計算しています。
この記事でわかること
- R5年度(2023年度)の新設住宅着工戸数は17戸(県内23位・1,000人あたり9位)
- H25年度比で+142.9%増加
- 着工住宅のうち持家52.9%(9戸)・貸家0.0%(0戸)・給与住宅47.1%(8戸)・分譲0.0%(0戸)
- 1,000人あたり着工戸数は3.40戸/千人(県平均2.70戸・県内9位)
① 住宅着工サマリー(R5年度)
岩船郡の住宅着工の現状を確認します。
| 区分 | 着工戸数 | 比率 | 県内順位 |
|---|---|---|---|
| 合計 | 17戸 | — | 23位 |
| 持家 | 9戸 | 52.9% | — |
| 貸家 | 0戸 | 0.0% | — |
| 給与住宅(社宅等) | 8戸 | 47.1% | — |
| 分譲住宅 | 0戸 | 0.0% | — |
※出典:国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度)
持家が52.9%、貸家が0.0%、分譲が0.0%の構成です。給与住宅(社宅等)8戸・47.1%は県内で最も高い比率で、R5で唯一大量供給された特殊なケースです。貸家・分譲は0戸で、集合住宅供給の代わりに社宅等が構成の約半分を占める特徴があります。
⚠️ 注意(小規模市町村): 年間の着工件数が少ないため、単年度の変動が大きく出やすいデータです。傾向の解釈には複数年の比較が必要です。
▼【グラフ:iwafune_県内ランキング.png 新潟県30市町村 新設住宅着工戸数ランキング(R5年度・岩船郡を強調)】

② 住宅着工の推移(H25→H30→R5)
過去10年間(2013〜2023年度)の住宅着工件数の変化を確認します。
| 年度 | 合計 | 持家 | 貸家 | 給与 | 分譲 |
|---|---|---|---|---|---|
| H25年度(2013年度) | 7戸 | 7戸 | 0戸 | 0戸 | 0戸 |
| H30年度(2018年度) | 2戸 | 2戸 | 0戸 | 0戸 | 0戸 |
| R5年度(2023年度) | 17戸 | 9戸 | 0戸 | 8戸 | 0戸 |
| 10年変化(H25→R5) | +142.9%増加 | +28.6% | — | — | — |
岩船郡の合計着工戸数はH25年度の7戸からR5年度の17戸へ推移しました(+10戸・+142.9%)。ただし推移は単純な右肩上がりではなく、H30時点で一時2戸まで減少した後、R5で17戸に急増する変動が見られます。増加した5市町村の一つですが、他の増加市町村(燕市+2.9%・阿賀野市+2.2%)と比較すると変化率は突出しています。
10年間の推移を用途別に見ると、持家は+28.6%増加(7戸→9戸で+2戸)と微増にとどまる一方、R5で新たに給与住宅(社宅等)が8戸供給(H25・H30とも0戸)されました。貸家・分譲は10年間ずっと0戸で変化なく、+10戸増加のうち+8戸が給与住宅供給によるものです。
▼【グラフ:iwafune_着工推移.png 岩船郡と近隣市町村の住宅着工推移(H25→H30→R5)】

③ 用途別の内訳と変化
着工住宅の内訳(持家・貸家・分譲)の変化を確認します。
| 用途 | H25年度 | H30年度 | R5年度 | 10年変化 |
|---|---|---|---|---|
| 持家 | 7戸(100.0%) | 2戸(100.0%) | 9戸(52.9%) | +28.6% |
| 貸家 | 0戸(0.0%) | 0戸(0.0%) | 0戸(0.0%) | — |
| 給与住宅 | 0戸(0.0%) | 0戸(0.0%) | 8戸(47.1%) | — |
| 分譲 | 0戸(0.0%) | 0戸(0.0%) | 0戸(0.0%) | — |
H25年度時点で持家が100.0%を占めていたのに対し、R5年度は52.9%となっています。貸家は0.0%→0.0%、分譲は0.0%→0.0%と推移しています。
⚠️ 注意: 着工統計は住宅の「供給側」(建設が開始された住宅の数)を記録したデータです。「特定の用途の着工が多い=その用途の需要が高い」と直接断定することはできません。
▼【グラフ:iwafune_用途別.png 岩船郡の用途別 新設住宅着工内訳(R5年度)】

④ 人口との比較(1,000人あたり着工戸数)
人口規模が異なる市町村を比較するため、人口1,000人あたりの着工戸数を確認します。
| 指標 | 岩船郡 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 人口(R7年1月1日) | 5,003人 | — |
| 着工戸数(R5年度) | 17戸 | 23位 |
| 1,000人あたり着工戸数 | 3.40戸 | 9位 |
岩船郡の1,000人あたり着工戸数は3.40戸/千人で、新潟県30市町村の9位です。県平均(2.70戸/千人)の約1.3倍で、着工総数(23位)より人口比の順位(9位)が大きく高い特徴があります。ただしR5に給与住宅8戸が集中供給された影響で人口比が押し上げられた点に留意が必要で、給与住宅を除いた着工9戸で計算すると1,000人あたり1.80戸となります。
⑤ 県内での位置づけ(近隣市町村比較)
岩船郡と近隣市町村(村上市・胎内市・新発田市・阿賀野市・阿賀町)の住宅着工戸数(R5年度)を比較します。
| 市町村名 | 着工戸数(合計) | 1,000人あたり | 持家比率 |
|---|---|---|---|
| 岩船郡 | 17戸 | 3.40戸 | 52.9% |
| 村上市 | 114戸 | 2.13戸 | 74.6% |
| 胎内市 | 66戸 | 2.46戸 | 48.5% |
| 新発田市 | 328戸 | 3.58戸 | 57.6% |
| 阿賀野市 | 141戸 | 3.60戸 | 82.3% |
| 阿賀町 | 8戸 | 0.88戸 | 100.0% |
岩船郡の着工戸数17戸は近隣6市町村で5位で、阿賀町(8戸)を上回り、胎内市(66戸)・村上市(114戸)・阿賀野市(141戸)・新発田市(328戸)を下回っています。持家比率52.9%は胎内市(48.5%)に近い水準で、村上市(74.6%)・新発田市(57.6%)・阿賀野市(82.3%)よりも低くなっています。1,000人あたりでは3.40戸で、阿賀野市(3.60戸)・新発田市(3.58戸)に次ぐ近隣3位となっています。ただし給与住宅8戸の集中供給がなければ持家中心の構成に近くなる点に留意が必要です。
⑥ データの見方・注意点
着工戸数は住宅需要を直接示すものではありません
建築着工統計の着工戸数は、建設が開始された住宅の数を記録したものです。着工を決定するのは建て主(持家の場合)や建築業者・不動産業者(貸家・分譲の場合)であり、着工数の多さが直接的に「住宅需要の強さ」を示すものではありません。この記事でも「〜の着工が多い」「〜の割合が高い」までをデータから述べています。
小規模市町村のデータ変動について
年間の着工件数が少ない市町村では、1〜2件の変動が変化率に大きく影響します。単年度の変化率のみで「増加傾向」「減少傾向」と判断するには注意が必要です。
まとめ
岩船郡の住宅着工の特徴
- R5年度(2023年度)の住宅着工は17戸で県内23位、1,000人あたり着工は3.40戸で9位(給与住宅8戸の集中供給により押し上げ)
- H25→R5の10年で+142.9%増加(+10戸)。新潟県30市町村のうち増加した5市町村の一つ(他は燕市・阿賀野市・湯沢町)
- 着工住宅の52.9%が持家、0.0%が貸家、47.1%が給与住宅(社宅等)(県内で最も高い比率)、0.0%が分譲
- 用途別の10年変化:持家+28.6%(7戸→9戸で+2戸微増)/貸家・分譲は10年間0戸で変化なし/R5で新たに給与住宅8戸が供給され全体増加の主要因
出典
- 新設住宅着工戸数・用途別内訳:
国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度・平成30年度・平成25年度) - 人口(1,000人あたり計算用):
総務省(住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数 令和7年1月1日現在) - 産業タイプ:
総務省(国勢調査 令和2年)
データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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