【新潟県】クマの「痕跡」が「目撃」を上回った唯一の自治体・小千谷市の分析

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新潟県内でクマの出没(目撃または痕跡)が確認された自治体は23あり、
そのうち痕跡件数が目撃件数を上回った自治体は小千谷市の1つのみでした(令和5年度)。
小千谷市の内訳は目撃14件・痕跡17件、目撃件数を痕跡件数で割った比は0.82倍です。
「新潟県のクマ出没状況をもっと詳しく知りたい」と検索してこの記事に辿り着いた方のために、
クマの「目撃」と「痕跡」の内訳という角度から、23自治体のデータを整理しました。

本記事では、目撃と痕跡の件数比を数値で示し、
小千谷市が置かれている数値上の位置と、データの見方の注意点をまとめます。
なお、目撃件数はあくまで住民等からの通報件数であり、実際の生息数や出没数そのものではありません。


この記事でわかること

  • 新潟県内で令和5年度にクマ出没が確認された23自治体の目撃・痕跡件数の内訳
  • 痕跡件数が目撃件数を上回った唯一の自治体である小千谷市の数値上の位置
  • 小千谷市の目撃14件・痕跡17件の内訳と、目撃/痕跡比0.82倍の意味
  • 目撃件数と痕跡件数は集計方法が異なる別指標であり、単純比較には注意が必要な点

① この記事の前提

  • データ源:新潟県「クマ・イノシシ出没情報」(令和5年度)
  • 対象期間:令和5年度(2023年度)
  • 対象:新潟県30市町村のうち、クマ出没(目撃または痕跡)が確認された23自治体
  • 県全体の総量:クマ発生件数1,440件(30市町村合計・令和5年度)
  • 本記事の視点:ランキング(件数の多さ)ではなく、目撃と痕跡の内訳構造に着目

クマ出没件数が0だった自治体(7自治体)

以下の7自治体は令和5年度のクマ発生件数(目撃・痕跡いずれも)が0件でした。本記事の分析対象外です。

  • 燕市・佐渡市・聖籠町・弥彦村・出雲崎町・刈羽村・粟島浦村

② 目撃件数と痕跡件数の定義(データの見方)

新潟県が公表するクマ出没情報は、目撃件数痕跡件数の2種類に分かれています。

指標定義記録されやすい場所
目撃件数住民等からの通報件数住宅地・道路等、人が活動する場所
痕跡件数足跡・糞・爪痕等、現地調査で確認された物理的痕跡山林等の現地調査対象地

⚠️ 注意: 目撃件数と痕跡件数は集計方法が異なる別指標です。
目撃件数は人が居合わせた場面での通報を集めた数値、痕跡件数は現地で確認された物理的痕跡の数値であり、
両者を同じスケールで比較して「どちらが実態を表す」と断定できる関係にはありません。
本記事は両指標の比を数値として提示するのみで、比の大小からクマの生息数や活動状況を推定することは
しません。


③ 23自治体の目撃件数・痕跡件数一覧(目撃/痕跡比 降順)

令和5年度にクマ出没が確認された23自治体について、目撃件数を痕跡件数で割った比(目撃/痕跡比)の降順で並べています。

順位市町村名目撃件数痕跡件数目撃/痕跡比
1阿賀町152件2件76.00倍
2津南町34件1件34.00倍
3湯沢町44件2件22.00倍
4加茂市12件1件12.00倍
5糸魚川市38件4件9.50倍
6新潟市8件1件8.00倍
7新発田市112件17件6.59倍
8村上市106件19件5.58倍
9柏崎市13件3件4.33倍
10阿賀野市12件4件3.00倍
11三条市11件5件2.20倍
12長岡市98件48件2.04倍
13五泉市52件27件1.93倍
14十日町市69件36件1.92倍
15南魚沼市135件82件1.65倍
16魚沼市68件55件1.24倍
17田上町2件2件1.00倍(同数)
18小千谷市14件17件0.82倍(痕跡優位・唯一)
上越市73件0件痕跡0件
妙高市19件0件痕跡0件
胎内市15件0件痕跡0件
見附市6件0件痕跡0件
関川村21件0件痕跡0件

▼【グラフ:bear_trace_vs_sighting_ranking.png 23自治体の目撃件数・痕跡件数比較(小千谷市強調)】

表からの観察事実:

  • 目撃/痕跡比が算出できる18自治体のうち、比が1未満(=痕跡>目撃)となったのは小千谷市のみです。
  • 田上町は目撃2件・痕跡2件で比は1.00倍(同数)です。
  • 痕跡件数が0件だった自治体は上越市・妙高市・胎内市・見附市・関川村の5自治体で、これらは目撃件数のみが記録されています。
  • 目撃/痕跡比が最も大きいのは阿賀町の76.00倍(目撃152件・痕跡2件)です。

④ 小千谷市の詳細

絶対値と県内順位

  • 目撃件数:14件
  • 痕跡件数:17件
  • 合計:31件(県内13位
  • 目撃の合計占有率:45.16%(14件/31件)
  • 痕跡の合計占有率:54.84%(17件/31件)
  • 目撃/痕跡比0.82倍(1未満は小千谷市のみ)

小千谷市はクマ発生件数の合計(31件)で見ると新潟県内13位で、県内の突出した多発地域には該当しません。ただし、目撃件数と痕跡件数の内訳では、痕跡が目撃を上回った唯一の自治体という位置に立っています。

魚沼地域内での位置

小千谷市を含む魚沼地域(本記事では長岡市を含む)の6自治体を並べると次のようになります。

市町村目撃件数痕跡件数合計
南魚沼市135件82件217件
長岡市98件48件146件
魚沼市68件55件123件
十日町市69件36件105件
湯沢町44件2件46件
小千谷市14件17件31件

▼【グラフ:bear_trace_vs_sighting_ojiya.png 小千谷市の目撃件数・痕跡件数と魚沼地域内位置】

表からの観察事実:

  • 魚沼地域6自治体のうち、合計件数が最も少ないのが小千谷市(31件)です。最多の南魚沼市(217件)とは約7倍の差があります。
  • 魚沼地域の他5自治体はいずれも目撃件数が痕跡件数を上回っており、小千谷市が同地域内でも唯一「痕跡>目撃」となっています。

⑤ このデータが示すこと・読者への示唆

目撃件数≠出没数の再確認

新潟県のクマ出没情報は、目撃件数と痕跡件数の2つが公表されています。
目撃件数は住民等からの通報件数であり、住宅地に近い方が通報が集まりやすい性質があります。
痕跡件数は現地調査で確認された物理的痕跡の数値であり、山林等の調査対象地でも記録されます。

小千谷市のケースは、目撃と痕跡の内訳が他22自治体と異なるパターンで公表されているという観察事実です。
この内訳の違いから、小千谷市のクマの生息数や活動状況について何かを断定することは、
本記事のデータ範囲では行えません。指標の性質が異なるため、単純比較には注意が必要です。

数値の見方の注意

  • 年度単位の変動:本記事は令和5年度単年のデータです。1自治体のみで見られた「痕跡>目撃」という構造が翌年度以降も継続する保証はありません。年度により順位・内訳が変わる可能性があります。
  • 集計方法の違い:目撃件数と痕跡件数は集計プロセスが異なる別指標です。両者の比は参考値として算出できますが、比の大小から実態(生息数・活動状況等)を推定することはできません。
  • 合計件数と危険度は別:小千谷市の合計31件は県内13位であり、突出した多発地域ではありません。順位・内訳のいずれも、そのまま「危険度」を示す指標ではない点にご留意ください。

関連情報

クマ出没件数のランキング(合計件数の多さ順)については、別途「クマ目撃・痕跡件数ランキング(R5年度)」の記事にまとめています。あわせてご参照ください。


まとめ

小千谷市の目撃vs痕跡データから見える観察事実

  • 令和5年度にクマ出没が確認された23自治体のうち、痕跡件数が目撃件数を上回ったのは小千谷市のみ(1自治体)
  • 小千谷市の内訳は目撃14件・痕跡17件、目撃/痕跡比は0.82倍
  • 合計31件は県内13位で、県内の多発地域には該当しない
  • 田上町は目撃2件・痕跡2件で比1.00倍(同数)、他21自治体はすべて目撃>痕跡
  • 目撃件数と痕跡件数は集計方法が異なる別指標であり、比の大小から実態を推定することはできない
  • 単年データのため、翌年度以降に同じ内訳構造が続く保証はない

出典

  • クマ目撃件数・痕跡件数:新潟県「クマ・イノシシ出没情報」(令和5年度)
  • マスターDB:新潟県30市町村危険場所データベース(自作・令和5年度時点)

データ基準日:令和5年度(2023年度)
次回更新推奨:翌年度公表データ発表後

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