魚沼市の1人当たり所得は県内20位(266.2万円)|産業タイプ「製造業集積型」で製造業比率19.8%は中越集積型8市町村中で最低のデータ(R5年度)

土地価格

魚沼市(新潟県中越地域・中越12市町村の1つ)の1人当たり課税対象所得(R5年度)は 266.2万円(県内20位・中越12市町村中11位・県平均差-10.9万円) です。

10年で +10.1%(+24.4万円・魚沼市単独同率・変化率23位) 変化し、前半5年+2.73%から後半5年+7.14%へ2.62倍の後半加速 が観察されます。

産業タイプは 製造業集積型 で、主要業種1位 製造業19.8%(3,561人)は中越製造業集積型8市町村中で最低1人あたり付加価値額841万円は中越12市町村中8位 です。営業等所得者比率 3.7%は南魚沼市・津南町と3市同率で県内4位、農業所得者比率 0.9%は聖籠町・南魚沼市・田上町と4市同率で県内8位 の所得種類別同率構造を持ちます。

※本記事の魚沼市は隣接する南魚沼市(274.8万円・県内14位・複合型)とは別自治体です。数値・順位・産業タイプがそれぞれ異なる点にご注意ください。

この記事は、総務省「市町村税課税状況等の調べ」ほかの公的統計をもとに、魚沼市の所得水準・10年変化・産業構造との対応・中越12市町村内での位置づけ・移住検討者/事業者/地域理解への読み方までを、記事単体で判断材料が読み取れる構造で整理したものです。


この記事でわかること

  • R5年度の1人当たり課税対象所得は 266.2万円(県内20位・中越圏11位)・県平均差 -10.9万円・県中央値差 -7.1万円
  • H25→R5の10年変化は +10.1%(+24.4万円・魚沼市単独同率・変化率23位)・前半 +2.73% → 後半 +7.14%2.62倍の後半加速
  • 所得割納税義務者 15,584人(県内17位・県内シェア1.52%) のうち 81.4%が給与所得者(妙高市・魚沼市の2市同率・県内17位)、営業等所得者比率 3.7%は南魚沼市・津南町と3市同率で県内4位
  • 農業所得者比率 0.9%は聖籠町・南魚沼市・魚沼市・田上町の4市町村同率で県内8位、中越12市町村で農業所得者比率同率グループ入りは魚沼市と南魚沼市の隣接2市のみ
  • 実効税率 3.1%は11市町村同率(聖籠・胎内・弥彦・見附・十日町・魚沼・阿賀野・田上・五泉・加茂・佐渡)・10年変化 -0.1ポイント
  • 推計手取り 317.9万円(県内21位・10年で+12.3万円)・変化率 +4.0%(県内23位)手取り転換率68.3%
  • 産業タイプは 製造業集積型主要業種1位 製造業19.8%(3,561人)は中越製造業集積型8市町村中で最低・付加価値額 241.1億円(県内18位)・製造品出荷額 597.8億円(県内19位)・1人あたり付加価値額 841万円(県内20位・中越圏8位)
  • 中越12市町村中 11位(長岡・三条・柏崎・刈羽・湯沢・小千谷・南魚沼・見附・出雲崎・十日町に次ぐ位置)・中越圏の県内順位範囲は 県内3〜30位

① 魚沼市の1人当たり所得(R5年度サマリー)

魚沼市の1人当たり所得は266.2万円で県内20位・中越12市町村中11位、産業タイプは製造業集積型で営業等所得者比率3.7%は南魚沼市・津南町と3市同率で県内4位です。

【結論】 魚沼市の令和5年度における1人当たり課税対象所得は 266.2万円で県内20位・中越12市町村中11位、産業タイプは 製造業集積型 ですが主要業種1位比率は 製造業19.8% にとどまり、営業等所得者比率3.7%は南魚沼市・津南町と3市同率で県内4位農業所得者比率0.9%は聖籠町・南魚沼市・田上町と4市同率で県内8位 という所得種類別の同率構造を持ちます。所得割納税義務者 15,584人(県内17位)・課税対象所得総額 約414.9億円(県内17位) の規模指標と1人当たり指標 20位3ランクの順位差 が観察できます。

【根拠】 魚沼市のR5年度における1人当たり所得・県内順位・中越圏内順位・産業タイプの主要指標を一覧化した表です。

指標数値県内順位(30市町村中)
1人当たり課税対象所得266.2万円20位
所得割納税義務者数15,584人17位
課税対象所得(総額)約414.9億円17位

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)

1人当たり所得266.2万円は県内20位・県平均差-10.9万円で、規模(納税義務者数17位)と1人当たり(20位)で3ランク差が観察されます。

【比較・解釈】 魚沼市の1人当たり所得 266.2万円 は県平均277.1万円を -10.9万円 下回り、県中央値273.3万円との差は -7.1万円 です。1位新潟市(319.5万円)との差は -53.3万円、30位津南町(256.7万円)との差は +9.5万円 で、県内30市町村の分布のなかでは下位帯(20位)に位置します。中越12市町村中では11位で、圏内で県内3位から30位まで広く分布する下位グループに含まれます。

規模指標(納税義務者数17位課税対象所得総額17位)と1人当たり指標 20位3ランクの順位差 があります。県内シェアは 納税義務者1.52%課税対象所得1.36% で、シェア差 -0.16ポイント(1.36% − 1.52%)は、魚沼市の課税対象所得の集約度が納税義務者数の集約度をわずかに下回っていることを示す観察です。

【読者にとっての意味】 魚沼市は「中規模市の枠内で1人当たり水準が県平均を10.9万円下回り、規模順位と1人当たり順位に3ランク差がある」構造で、後述する産業構造(製造業集積型・主要業種1位製造業19.8%が中越製造業集積型8市町村中で最低)と対応します。給与所得中心(給与所得者比率81.4%・妙高市と2市同率)ながら営業等所得者比率が県内4位という所得種類別の判断材料は、章④⑥⑧を参照してください。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

規模指標2つが県内 17位 で1人当たり指標が 20位 という 3ランクの順位差 は、魚沼市が「納税義務者ベースの規模が県内中位に位置しつつ、1人当たり水準は県平均を約11万円下回る下位帯」に位置することを示します。県平均差-10.9万円・県中央値差-7.1万円 の位置は、県中央値273.3万円をやや下回る下位帯のなかで観察できます。県内シェアは 納税義務者1.52%・課税対象所得1.36% で、両者ともに全県の1〜2%のレンジに収まる中位圏の規模構成です。


▼【グラフ:uonuma_県内ランキング.png 新潟県30市町村 1人当たり課税対象所得ランキング(R5年度・魚沼市を強調)】


② 中越圏内での位置づけ(中越11位・第3グループ最下位・変化率順位が水準順位より3ランク低い位置)

新潟県30市町村における1人当たり所得ランキング上位10位と、魚沼市を含む中越圏の位置を示す表です。

順位市町村1人当たり課税対象所得10年変化率変化率順位地域
1新潟市319.5万円+11.3%20位下越
2上越市305.4万円+11.5%17位(同率)上越
3長岡市302.5万円+11.5%17位(同率)中越
4燕市300.8万円+15.6%4位下越
5三条市297.9万円+13.9%9位中越
6柏崎市292.8万円+8.8%26位中越
7刈羽村292.5万円+7.2%29位中越
8糸魚川市286.6万円+15.0%6位上越
9妙高市284.3万円+11.7%15位(同率)上越
10新発田市283.9万円+11.7%15位(同率)下越
20魚沼市266.2万円+10.1%23位(単独同率)中越
30津南町256.7万円中越

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)

中越圏11位(12市町村中)・県内20位で、長岡・三条・柏崎・刈羽・湯沢・小千谷・南魚沼・見附・出雲崎・十日町に次ぐ位置に魚沼市があります。

中越12市町村内での順位(1人当たり所得R5年度・県内順位):

  1. 長岡市(302.5万円・県内3位)
  2. 三条市(297.9万円・県内5位)
  3. 柏崎市(292.8万円・県内6位)
  4. 刈羽村(292.5万円・県内7位)
  5. 湯沢町(282.6万円・県内11位)
  6. 小千谷市(281.3万円・県内12位)
  7. 南魚沼市(274.8万円・県内14位)
  8. 見附市(271.3万円・県内17位)
  9. 出雲崎町(267.4万円・県内18位)
  10. 十日町市(266.6万円・県内19位)
  11. 魚沼市(266.2万円・県内20位)
  12. 津南町(256.7万円・県内30位)

中越圏の県内順位範囲は3〜30位(長岡市3位から津南町30位まで)で、地域内での順位幅は 27ランク と観察できます。魚沼市は中越圏第3グループ(見附・出雲崎・十日町・魚沼)の最下位に位置し、津南町(30位)を除いた11市町村中では最下位です。

魚沼市固有の観察1:中越圏11位・変化率順位は水準順位より3ランク低い位置

水準順位20位に対して変化率順位23位で 3ランクの順位差 があり、水準順位より変化率順位のほうが低い(数字が大きい)位置となる観察です。中越12市町村のうち、魚沼市の +10.1% を下回る中越圏市町村は 柏崎(+8.8%)・刈羽(+7.2%)・津南(+10.0%) の3市町村のみで、他8市町村は+10.1%を上回ります。

魚沼市固有の観察2:直上・直下の市町村との差は0.4〜9.5万円

直上の十日町市(266.6万円・県内19位)との差は -0.4万円、直下の南魚沼市(274.8万円・県内14位)との差は -8.6万円、中越圏最下位の津南町(256.7万円・県内30位)との差は +9.5万円 です。十日町市とは所得水準がほぼ同じ(0.4万円差)ながら、産業タイプ(十日町:複合型/魚沼:製造業集積型)・変化率(十日町:+13.9%/魚沼:+10.1%)は異なる観察です。

数値の意味:

中越圏11位という位置は、中越圏内の第3グループ(見附・出雲崎・十日町・魚沼)の最下位に該当します。中越圏1〜4位(長岡・三条・柏崎・刈羽)が県内3〜7位の上位帯、5〜7位(湯沢・小千谷・南魚沼)が県内11〜14位の中位帯、8〜11位(見附・出雲崎・十日町・魚沼)が県内17〜20位の中位下位帯を形成し、魚沼市はこの中位下位帯の最下位に位置します。中越圏1位長岡市(302.5万円・県内3位)との差は -36.3万円 で、中越圏内の水準格差の大きさを示す観察点となります。


③ 10年推移と後半加速(前半+2.73% → 後半+7.14%)

魚沼市の1人当たり所得は10年間で+10.1%増加し(県内23位・魚沼市単独同率)、前半5年+2.73%から後半5年+7.14%へ2.62倍に加速し、10年で1人当たり所得が24.4万円積み上がっていますが、納税義務者数は-3.73%(10年-604人)で減少しています。

【結論】 魚沼市の1人当たり課税対象所得は、H25(平成25年度・2013年度)241.9万円 から R5(令和5年度・2023年度)266.2万円 へ、10年で +24.4万円・+10.1% の増加が観察できます。10年変化率順位は 県内23位・魚沼市単独同率(同じ変化率の他市町村がない)で、前半5年 +2.73%・後半5年 +7.14%2.62倍の後半加速 が読み取れます。一方、納税義務者数は同じ10年で -604人・-3.73% の減少が観察されます。

【根拠】 魚沼市のH25→H30→R5の1人当たり所得推移と、納税義務者数・課税対象所得総額の10年推移を示す表です。

年度所得割納税義務者数課税対象所得(総額)1人当たり課税対象所得
H25(2013年度)16,188人約391.5億円241.9万円
H30(2018年度)15,954人約396.4億円248.5万円
R5(2023年度)15,584人約414.9億円266.2万円
10年変化(H25→R5)-604人(-3.73%)+約23.3億円(+6.0%)+24.4万円(+10.1%)

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 平成25年・平成30年・令和5年)

10年変化率+10.1%(県内23位・魚沼市単独同率)で、後半5年+7.14%が前半5年+2.73%を2.62倍上回る後半加速が観察されます。

前半5年(H25→H30)と後半5年(H30→R5)の内訳:

期間変化率増減
前半5年(H25→H30)+2.73%+6.6万円
後半5年(H30→R5)+7.14%+17.7万円
前後半差2.62倍

後半5年が前半5年より2.62倍のペースで進んだ後半加速の観察です。

【比較・解釈】 魚沼市の10年変化率 +10.1% は、県内変化率順位で 23位・魚沼市単独同率 に位置します。県内で他に同じ変化率をもつ市町村はなく、単独順位という観察です。1人当たり所得の水準順位 20位 と変化率順位 23位3ランクの乖離 があり、水準順位より変化率順位のほうが低い位置となる観察が読み取れます。

規模指標(納税義務者数・課税対象所得総額)の10年変化は、納税義務者数 -604人(-3.73%)・課税対象所得総額 +約23.3億円(+6.0%) となります。納税義務者数が3.73%減少した10年で、課税対象所得総額と1人当たり所得は増加した観察で、「納税義務者の分母が縮小したことも1人当たり水準の押し上げに寄与する構造」が数字上は成立します(因果的な評価はデータ範囲外の観察)。

【読者にとっての意味】 魚沼市の10年推移は「納税義務者数が-3.73%減少しつつ、1人当たり水準は後半に2.62倍加速して上昇した」パターンです。前半5年(H25→H30)+2.73%は横ばい傾向、後半5年(H30→R5)+7.14%は明確な上昇傾向で、前後半差 2.62倍 は変化率の観察のなかでは大きな差となります。中越12市町村中で魚沼市単独同率の変化率は、他11市町村と重複しない位置にあります。

数値の意味:

変化率+10.1%が魚沼市単独同率(同じ変化率の他市町村がない)である点は、県内で魚沼市固有の10年変化の位置を意味します。10年で +24.4万円 の増加は、月換算で概算約2.0万円の1人当たり所得の増加に相当します(ただし、実際の家計への反映は所得税・住民税・社会保険料等の負担率を経た手取り値で見る必要があり、その値は章⑤で扱います)。前後半差2.62倍の後半加速は、H30→R5期間で数値上の変化が加速した観察ですが、詳細な要因は本記事のデータ範囲外です。同期間の納税義務者数-604人(-3.73%)の減少は、中越圏内で並ぶ減少幅の一つに位置します。


▼【グラフ:uonuma_所得推移.png 魚沼市の1人当たり課税対象所得の推移(H25→H30→R5)】


④ 所得種類別の内訳(営業等所得者比率3.7%は3市同率で県内4位)

魚沼市のR5年度の所得種類別(給与・営業等・農業・その他)納税義務者数と比率を示す表です。

所得種類納税義務者数比率県内順位(比率ベース)
給与所得者12,686人81.4%17位(妙高市・魚沼市の2市同率)
営業等所得者570人3.7%4位(南魚沼市・魚沼市・津南町の3市同率)
農業所得者144人0.9%8位(聖籠町・南魚沼市・魚沼市・田上町の4市町村同率)
その他所得者2,184人14.0%
合計15,584人100.0%

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)

給与所得者81.4%は妙高市と2市同率、営業等所得者3.7%は南魚沼市・津南町と3市同率で県内4位、農業所得者0.9%は聖籠・南魚沼・田上と4市町村同率で県内8位です。

同率グループの構成(3種類同時に同率グループ入り):

  • 給与所得者比率81.4% → 妙高市・魚沼市の2市同率(県内17位・県平均差-0.4ポイント)
  • 営業等所得者比率3.7% → 南魚沼市・魚沼市・津南町の3市同率(県内4位)
  • 農業所得者比率0.9% → 聖籠町・南魚沼市・魚沼市・田上町の4市町村同率(県内8位)
  • 給与所得者比率+営業等所得者比率+農業所得者比率+その他所得者比率 = 100.0%

魚沼市固有の観察1:営業等所得者比率3.7%は南魚沼市・津南町と3市同率で県内4位(魚沼川流域3市)

営業等所得者比率3.7%で県内4位となる同率グループ3市は、いずれも中越南部の魚沼盆地・魚沼川流域・中魚沼郡域に位置する隣接市町村です。中越12市町村内で営業等所得者比率を並べると、十日町3.9%・魚沼3.7%・南魚沼3.7%・津南3.7%・三条3.6%・湯沢3.3%・小千谷3.0%・長岡2.9%・見附2.9%・柏崎2.5%・出雲崎2.5%・刈羽1.8%となり、魚沼市は中越12市町村内で2位に位置します(十日町3.9%に次ぐ)。県内平均の営業等所得者比率が2.9%前後の水準にあるなかで、魚沼市の3.7%は県平均を+0.8ポイント上回る観察です。

給与所得者比率81.4%は妙高市と2市同率で県内17位、県平均81.8%を -0.4ポイント 下回り、その分を営業等所得者比率で +0.8ポイント 上回る構造となります。所得種類別に見た魚沼市の家計構成は、給与所得者中心(81.4%)に営業等所得者比率が県内4位という同率構造が並存する観察です。

魚沼市固有の観察2:農業所得者比率0.9%は4市町村同率(聖籠・南魚沼・魚沼・田上)で中越から2市が同グループ入り

農業所得者比率0.9%で県内8位となる同率グループ4市町村は、下越2市町村(聖籠町・田上町)と中越2市町村(魚沼市・南魚沼市)で構成されます。中越12市町村のうち、農業所得者比率が同率グループに入るのは魚沼市と南魚沼市の隣接2市(旧・北魚沼郡と南魚沼郡)のみで、両市は農業所得者数(魚沼144人・南魚沼226人)が近似する構造となる観察です。

農業産出額は、魚沼市50.7億円(県内15位)・南魚沼市75.8億円(県内9位)で、両市とも中越12市町村内で農業産出額の上位帯に位置します(中越12市町村内で農業産出額が50億円超は長岡172.1・南魚沼75.8・三条71.0・十日町65.9・津南59.9・魚沼50.7の6市町村)。

魚沼市固有の観察3:3種類の所得区分(給与・営業等・農業)で同時に同率グループ入り

魚沼市は給与所得者比率(妙高と2市同率)・営業等所得者比率(南魚沼・津南と3市同率)・農業所得者比率(聖籠・南魚沼・田上と4市同率)の3種類の所得区分で同時に同率グループに入る観察点があります。1つの市町村が3種類の所得区分で同時に同率グループ入りする構造は、統計上の同率発生パターンとして観察できる位置です。

数値の意味:

魚沼市の労働市場は給与所得中心(81.4%)ですが、営業等所得者比率3.7%が県内4位(3市同率)・農業所得者比率0.9%が県内8位(4市町村同率)という所得種類別の同率構造を持ちます。給与所得者数 12,686人・営業等所得者数 570人・農業所得者数 144人・その他所得者数 2,184人 で、給与所得者以外の合計は 2,898人(18.6%) となります。魚沼川流域3市(魚沼・南魚沼・津南)の営業等所得者比率が3.7%で並ぶ構造は、中越南部の3市町村における自営層比重の類似性を示す観察点です。


▼【グラフ:uonuma_所得種類別.png 魚沼市の所得種類別 所得割納税義務者数(R5年度)】


⑤ 推計手取りと住民税・実効税率(手取り転換率68.3%・実効税率11市町村同率)

推計手取り317.9万円は県内21位・10年で+12.3万円、実効税率3.1%は聖籠・胎内・弥彦・見附・十日町・魚沼・阿賀野・田上・五泉・加茂・佐渡の11市町村同率で県平均差-0.1ポイントです。

魚沼市のR5年度における推計手取り・住民税・実効税率の主要指標を示す表です。

指標数値県内順位(30市町村中)
推定給与収入(逆算)387.8万円20位
推計手取り317.9万円21位
1人当たり住民税(所得割実額)約8.3万円20位
実効税率(住民税÷課税対象所得)3.1%15位(11市町村同率)

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)/推計手取りの計算モデルは記事末「推計値について」参照

推計手取り317.9万円は県内21位、実効税率3.1%は11市町村同率で県平均差-0.1ポイントの観察があります。

10年推移(H25→H30→R5):

魚沼市の推計手取り・推定給与収入・実効税率の10年推移を示す表です。

年度推定給与収入推計手取り実効税率1人当たり住民税
H25(2013年度)369.8万円305.6万円3.2%約7.8万円
H30(2018年度)378.1万円311.4万円3.2%約8.0万円
R5(2023年度)387.8万円317.9万円3.1%約8.3万円
10年変化+18.0万円+12.3万円-0.1ポイント+約0.5万円

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 平成25年・平成30年・令和5年)/推計値の想定料率は記事末参照

推計手取りは10年で+12.3万円(変化率+4.0%・県内23位)、給与収入+18.0万円のうち+12.3万円が手取りに転換した手取り転換率68.3%が観察されます。

手取り転換率の観察:

  • 給与収入10年増加:+18.0万円
  • 推計手取り10年増加:+12.3万円
  • 手取り転換率:68.3%(+12.3万円 ÷ +18.0万円)

給与収入の増加のうち約68%が手取りとして残った試算値です。残り約32%(約5.7万円)は社会保険料・所得税・住民税の負担増加分に相当します。

実効税率11市町村同率の構成:

R5年度の実効税率3.1%で同率となるのは 聖籠町・胎内市・弥彦村・見附市・十日町市・魚沼市・阿賀野市・田上町・五泉市・加茂市・佐渡市の11市町村 です。県平均実効税率との差は -0.1ポイント で、魚沼市の税負担率は県平均を0.1ポイント下回る位置にあります。10年での実効税率変化は -0.1ポイント で、H25・H30の3.2%からR5に3.1%へ微減となりました。住民税の税率設定は市町村民税6%・道府県民税4%で全国一律のため、実効税率の差・変化は控除の適用状況・所得構成の違いの結果として観察される値です(詳細は⑨参照)。

数値の意味:

魚沼市の推計手取り317.9万円(県内21位)は、1人当たり課税対象所得の順位(20位)に対して 1ランク下の位置 で、水準の位置関係がほぼ保たれています。10年変化率 +4.0%(県内23位)は、水準順位20位に対して変化率順位23位で 3ランクの乖離 があり、水準順位より変化率順位のほうが低い観察となります。手取り転換率68.3%は、10年で見た手取り増加の効率を示す指標として参考にできます。実効税率3.1%が11市町村同率グループを形成する構造は、県内で同水準の税負担率を持つ市町村が11に及ぶ数値上の観察です。


⑥ 魚沼市の主力産業(製造業集積型・製造業19.8%が中越集積型で最低)

産業タイプは製造業集積型ですが主要業種1位製造業19.8%は中越製造業集積型8市町村中で最低、1人あたり付加価値額841万円は中越12市町村中8位(下位)です。

魚沼市の総就業者数・産業タイプ・主要業種1〜3位・製造業指標・農業産出額をまとめた表です。

指標数値県内順位(該当のみ)
総就業者数(R2年)17,946人
総就業者数10年変化率(H22→R2)-10.6%
産業タイプ製造業集積型
第1次産業比率8.9%
第2次産業比率32.0%
第3次産業比率55.8%
主要業種1位製造業 19.8%(3,561人)中越製造業集積型8市町村中 最低
主要業種2位医療・福祉 14.2%(2,540人)
主要業種3位卸売業・小売業 12.3%(2,213人)
主要業種1〜3位合計46.3%
製造業従業者数(R4年)2,866人
製造品出荷額(R4年)597.8億円19位
付加価値額(R4年)241.1億円18位
1人あたり付加価値額(R4年)841万円20位(中越圏8位)
農業産出額(R4年)50.7億円15位(中越圏6位)

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)/経済産業省(工業統計調査 令和4年)/農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)

製造業集積型・主要業種1位製造業19.8%は中越製造業集積型8市町村中で最低、1人あたり付加価値額841万円は中越12市町村中8位(下位)です。

魚沼市固有の観察1:中越製造業集積型8市町村中で製造業比率が最低

中越12市町村のうち産業タイプ「製造業集積型」に分類されるのは 長岡・三条・柏崎・刈羽・小千谷・見附・出雲崎・魚沼の8市町村 です。8市町村の主要業種1位(製造業)比率を並べると次のようになります:

  • 三条市 28.8%
  • 小千谷市 28.6%
  • 見附市 26.3%
  • 柏崎市 22.5%
  • 刈羽村 22.4%
  • 出雲崎町 21.4%
  • 長岡市 21.3%
  • 魚沼市 19.8%

魚沼市の主要業種1位製造業比率19.8%は、中越製造業集積型8市町村中で最低 です。1位の三条市(28.8%)より9.0ポイント低く、7位の長岡市(21.3%)より1.5ポイント低い位置にあります。主要業種1〜3位で製造業19.8%・医療福祉14.2%・卸小12.3%と3業種46.3%の分散傾向も観察できます。

魚沼市固有の観察2:1人あたり付加価値額841万円は中越12市町村中8位(下位)

1人あたり付加価値額(R4年・製造業事業所ベース)を中越12市町村内で並べると次のようになります:

  1. 柏崎市 1,179万円
  2. 見附市 1,128万円
  3. 湯沢町 1,044万円
  4. 長岡市 1,024万円
  5. 小千谷市 901万円
  6. 三条市 885万円
  7. 南魚沼市 855万円
  8. 魚沼市 841万円
  9. 出雲崎町 807万円
  10. 刈羽村 774万円
  11. 津南町 710万円
  12. 十日町市 524万円

魚沼市の1人あたり付加価値額841万円は中越12市町村中8位 で、中位下寄りの位置にあります。1人当たり所得順位20位と1人あたり付加価値額順位20位で 順位一致 ですが、両者は分母(納税義務者ベース vs 製造業事業所ベース)が異なる別指標のため、順位一致は数値上の観察であり、実態面での対応関係は本記事のデータ範囲外です。

魚沼市固有の観察3:農業産出額50.7億円は中越12市町村中 6位

農業産出額50.7億円(R4年)は県内15位で、中越12市町村内では次のように位置します:

  1. 長岡市 172.1億円
  2. 南魚沼市 75.8億円
  3. 三条市 71.0億円
  4. 十日町市 65.9億円
  5. 津南町 59.9億円
  6. 魚沼市 50.7億円
  7. 柏崎市 46.7億円
  8. 小千谷市 31.0億円
  9. 見附市 25.4億円
  10. 刈羽村 6.0億円
  11. 出雲崎町 4.6億円
  12. 湯沢町 2.4億円

魚沼市の農業産出額50.7億円は中越12市町村中6位、50億円超の6市町村(長岡・南魚沼・三条・十日町・津南・魚沼)に含まれます。産業タイプ「製造業集積型」ながら農業産出額が中越圏内で50億円超を維持する観察点です。

魚沼市固有の観察4:総就業者数-10.6%は中越圏で並ぶ減少幅

総就業者数の10年変化率(H22→R2)は -10.6% で、中越圏内では柏崎-11.0%・刈羽-11.1%・小千谷-11.7%等と並ぶ減少幅にあります。同期間に納税義務者数が-3.73%(-604人)減少したことと合わせて、就業者・納税義務者ともに10年で縮小した観察が中越圏内で確認できます。

製造業指標の順位:

製造品出荷額597.8億円(県内19位)・付加価値額241.1億円(県内18位)・1人あたり付加価値額841万円(県内20位)の3つは、いずれも県内で下位帯(18〜20位)にあります。1人当たり所得順位20位と1人あたり付加価値額順位20位で 順位一致 となる観察は前述の通りですが、両者は分母が異なる別指標です(詳細は⑨参照)。

数値の意味:

産業タイプ「製造業集積型」ラベルながら製造業比率19.8%が中越製造業集積型8市町村中で最低で、医療・福祉14.2%・卸売業・小売業12.3%を含めた3業種46.3%で分散傾向が観察されます。1人あたり付加価値額841万円が中越12市町村中8位という位置は、製造業労働生産性ベースで中越圏内で中位下寄りに位置する観察点です。「製造業集積型」の分類上は主要業種1位が製造業ですが、集積度合いは中越製造業集積型のなかで最も低いという構造となります。


⑦ 中越12市町村比較でみる魚沼市(製造業集積型8市町村中で製造業比率19.8%が最低・第3グループ最下位)

魚沼市は中越12市町村中11位、県内順位範囲は3〜30位、製造業集積型は8市町村中で製造業比率が最低の位置です。

中越12市町村の1人当たり所得・産業タイプ・農業産出額を並べた比較表です。

中越順位市町村1人当たり所得県内順位産業タイプ農業産出額
1長岡市302.5万円3位製造業集積型172.1億円
2三条市297.9万円5位製造業集積型71.0億円
3柏崎市292.8万円6位製造業集積型46.7億円
4刈羽村292.5万円7位製造業集積型6.0億円
5湯沢町282.6万円11位複合型2.4億円
6小千谷市281.3万円12位製造業集積型31.0億円
7南魚沼市274.8万円14位複合型75.8億円
8見附市271.3万円17位製造業集積型25.4億円
9出雲崎町267.4万円18位製造業集積型4.6億円
10十日町市266.6万円19位複合型65.9億円
11魚沼市266.2万円20位製造業集積型50.7億円
12津南町256.7万円30位農業型59.9億円

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年・国勢調査 令和2年)/農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)

中越圏の県内順位範囲は3〜30位で格差が大きく、魚沼市は中越圏で製造業集積型8市町村の最下位、農業産出額は圏内6位(50億円超6市町村内)です。

中越圏の県内順位範囲:

中越12市町村の県内順位は 3位(長岡市)から30位(津南町) まで、27ランクの幅 があります。中越圏内で1〜4位(長岡・三条・柏崎・刈羽)は県内3〜7位の上位帯、5〜7位(湯沢・小千谷・南魚沼)は県内11〜14位の中位帯、8〜11位(見附・出雲崎・十日町・魚沼)は県内17〜20位の中位下位帯、12位(津南町)は県内最下位30位に位置します。魚沼市は中位下位帯(8〜11位)の最下位に位置します。

産業タイプの分布:

中越12市町村のうち、産業タイプは以下のように分かれます:

  • 製造業集積型:長岡・三条・柏崎・刈羽・小千谷・見附・出雲崎・魚沼の 8市町村
  • 複合型:湯沢・南魚沼・十日町の 3市町村
  • 農業型:津南町の 1市町村

魚沼市が属する製造業集積型は、中越圏で8市町村(12市町村中の3分の2)となる構図です。8市町村内で1人当たり所得の水準順位(中越圏内)は長岡1位・三条2位・柏崎3位・刈羽4位・小千谷6位・見附8位・出雲崎9位・魚沼11位で、魚沼市は製造業集積型8市町村中の最下位に位置します。

変化率の観察:

中越12市町村内で1人当たり所得変化率(H25→R5)を並べると、三条+13.9%・小千谷+11.4%・長岡+11.5%・南魚沼+12.2%・見附+11.9%・柏崎+8.8%・出雲崎+15.7%・魚沼+10.1%・十日町+13.9%・湯沢+16.0%・刈羽+7.2%・津南+10.0%の観察となり、魚沼市の +10.1% は中越圏内の中位付近に位置します。魚沼市の変化率+10.1%は 魚沼市単独同率(県内で他に同じ変化率の市町村なし)で、中越圏内でも他11市町村と異なる変化率が観察されます。

魚沼市固有の観察1:中越製造業集積型8市町村中で製造業比率が最低

中越製造業集積型8市町村の主要業種1位(製造業)比率は、三条28.8・小千谷28.6・見附26.3・柏崎22.5・刈羽22.4・出雲崎21.4・長岡21.3・魚沼19.8 で、魚沼市が最下位です。集積型8市町村平均は約23.9%で、魚沼市は平均を-4.1ポイント下回る位置となります。

魚沼市固有の観察2:中越12市町村中で農業所得者比率同率グループ入りは魚沼と南魚沼のみ

農業所得者比率0.9%で県内8位(4市町村同率:聖籠・南魚沼・魚沼・田上)となる同率グループのうち、中越12市町村から入るのは 魚沼市と南魚沼市の隣接2市のみ です。両市は旧・北魚沼郡と南魚沼郡で隣接し、農業所得者数(魚沼144人・南魚沼226人)が近似する構造です。

魚沼市固有の観察3:中越圏で下位5市町村の水準は266〜271万円台に集中

中越圏内の8〜11位(見附271.3・出雲崎267.4・十日町266.6・魚沼266.2)は、いずれも1人当たり所得266〜271万円台に集中し、順位差は3ランクありながら水準差は約5万円に留まる位置です。魚沼市はこのグループの最下位で、直上の十日町市(266.6万円)との差は -0.4万円 の観察となります。

数値の意味:

中越12市町村の枠組みで見ると、魚沼市は「製造業集積型8市町村の最下位」であり、「中越圏第3グループ(見附・出雲崎・十日町・魚沼)の最下位」でもあります。中越圏1位長岡市(302.5万円)との差は -36.3万円、中越圏最下位の津南町(256.7万円)との差は +9.5万円 で、中越圏内の水準格差27ランク(3位〜30位)の下位に位置する観察です。中越圏内の水準格差の大きさと、魚沼市の下位ブロックでの位置が、比較の判断材料となります。


⑧ 移住検討者・事業者・地域理解への読み方(3視点)

魚沼市の令和5年度住民所得データは、以下の3視点で判断材料として活用できます。

視点1:移住検討者

取り上げる理由: 所得水準・実効税率・産業構造の3側面から検討材料が揃うためです。給与所得者比率81.4%(妙高市と2市同率)で給与所得中心の労働市場の観察があります。

判断材料の中身:

  • 1人当たり所得 266.2万円(県内20位・県平均差-10.9万円・中央値差-7.1万円)
  • 推計手取り 317.9万円(県内21位・10年で+12.3万円)
  • 実効税率 3.1%(11市町村同率・県平均差-0.1ポイント)
  • 給与所得者比率 81.4%(妙高市と2市同率・県平均差-0.4ポイント)
  • 中越圏11位(12市町村中)で下位帯に位置

移住検討者への読み方の判断材料表:

判断項目数値判断のヒント
所得水準266.2万円(県内20位・県平均差-10.9万円)中越12市町村中11位・県中央値-7.1万円の下位帯
推計手取り317.9万円(県内21位・10年+12.3万円)手取り10年変化率+4.0%(県内23位)
実効税率3.1%(11市町村同率・県平均差-0.1ポイント)全国一律の税率制度・控除適用状況の反映
給与所得者比率81.4%(妙高市と2市同率)給与所得中心・県平均-0.4ポイント

(※実際の家計負担は家族構成・扶養・iDeCo/生命保険料控除等の個別事情で変動します)

視点2:事業者・個人事業主

取り上げる理由: 魚沼市の固有性である「営業等所得者比率3.7%県内4位(3市同率)・製造業集積型・主要業種3業種46.3%の分散傾向」が、個人事業主・小規模事業者にとっての地域環境の判断材料として意味を持つためです。

判断材料の中身:

  • 営業等所得者比率 3.7% は南魚沼市・津南町と3市同率で県内4位(魚沼川流域3市)
  • 産業タイプ 製造業集積型 で主要業種1位製造業19.8%(中越製造業集積型8市町村中最低)
  • 主要業種1位製造業19.8%・2位医療福祉14.2%・3位卸小12.3%(3業種46.3%の分散傾向)
  • 商圏規模:所得割納税義務者 15,584人(県内17位)
  • 農業産出額 50.7億円(県内15位・中越12市町村中6位・50億円超6市町村内)

事業者への読み方の判断材料表:

判断項目数値判断のヒント
商圏規模納税義務者15,584人(県内17位・シェア1.52%)中越圏11位・中規模市の枠内
家計支出源給与所得者12,686人(比率81.4%)妙高市と2市同率・給与所得中心
営業等所得者環境3.7%(南魚沼・津南と3市同率・県内4位)魚沼川流域3市で並ぶ自営層比重
主力産業製造業集積型・主要業種1位19.8%(中越集積型で最低)3業種46.3%の分散傾向
農業比重50.7億円(県内15位・中越圏50億円超6市町村内)製造業集積型ながら農業も維持

視点3:地域理解志向の読者

取り上げる理由: 「南魚沼市(274.8万円・14位・複合型)と魚沼市(266.2万円・20位・製造業集積型)の産業タイプの違い」「農業所得者比率0.9%で魚沼・南魚沼の隣接2市が同率グループ内に共存」「中越製造業集積型8市町村中で製造業比率最低」など、魚沼市を通じて中越南部の産業立地・変化パターンを理解する判断材料となるためです。

判断材料の中身:

  • 南魚沼市との差:6ランク差(14位 vs 20位)・所得差 -8.6万円・産業タイプ違い(複合型 vs 製造業集積型)
  • 農業所得者比率 0.9% で4市同率(聖籠・南魚沼・魚沼・田上)→ 中越から魚沼市と南魚沼市の隣接2市が同グループ入り
  • 中越製造業集積型8市町村中で製造業比率 19.8% が最低(三条28.8・小千谷28.6・見附26.3等と比較)
  • 変化率 +10.1% は単独同率・前半 +2.73% → 後半 +7.14%2.62倍加速
  • 総就業者数 -10.6%(H22→R2)は中越圏で並ぶ減少幅

南魚沼市との比較テーブル:

項目魚沼市南魚沼市差異
1人当たり所得266.2万円274.8万円-8.6万円
県内順位20位14位6ランク差
中越圏内順位11位7位4ランク差
産業タイプ製造業集積型複合型異なる
主要業種1位製造業19.8%(3,561人)製造業15.6%(4,462人)比率で+4.2ポイント
課税対象所得総額約414.9億円約691.9億円-277.0億円
変化率H25→R5+10.1%(23位)+12.2%(11位)-2.1ポイント
農業所得者比率0.9%(4市同率)0.9%(4市同率)同率
農業産出額50.7億円(県内15位)75.8億円(県内9位)-25.1億円

地域理解志向の読者への判断材料表:

判断項目数値判断のヒント
産業タイプ製造業集積型(中越製造業集積型8市町村中で製造業比率最低)集積型ながら分散傾向
産業3区分比率第1次8.9%・第2次32.0%・第3次55.8%第2次が32.0%
変化率順位+10.1%(県内23位・単独同率)前半→後半で2.62倍加速
南魚沼市との差6ランク・-8.6万円・産業タイプ違い隣接2市の別構造

魚沼市固有の観察: 隣接する南魚沼市(274.8万円・14位・複合型)とは、所得水準・順位・産業タイプがそれぞれ異なりますが、農業所得者比率0.9%では同じ同率グループ(聖籠・南魚沼・魚沼・田上の4市町村)に入る観察点があります。魚沼川流域3市(魚沼・南魚沼・津南)は営業等所得者比率3.7%でも3市同率(県内4位)となり、農業所得者比率と営業等所得者比率の同率構造では地理的近接性を反映した観察が読み取れます。地域理解にあたっては、南魚沼市・十日町市・津南町など中越南部の周辺市町村と併読することで、魚沼盆地・魚沼川流域の産業立地・所得構造の理解が深まる構成です。


⑨ データの見方・注意点

順位=豊かさではありません

1人当たり課税対象所得の順位は、後述する複数の解釈上の制約を含んだ指標に基づいています。順位が高いことをもって「豊かな地域」「移住すべき地域」等の価値判断を行うことはできません。順位はあくまで所得割の課税ベース上の数値の相対比較です。

課税対象所得は手取り収入ではありません

課税対象所得(合計所得金額)は、給与・事業・農業などの各所得から給与所得控除等の所得種別の控除を差し引いた所得の合計です。ここからさらに基礎控除・社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除等を差し引いた額が住民税・所得税の課税標準となります。課税対象所得と実際の手取り収入は異なります。

推計手取りの計算モデル

⑤の推計手取りは、給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、公式保険料率と概算率を用いた試算値です。想定料率(協会けんぽ新潟県の概算率)と控除モデル(基礎控除・配偶者控除・扶養控除1人)は記事末の「出典」欄に明示しています。実際の手取りは家族構成・扶養控除・iDeCo/生命保険料控除等の個別事情で大きく変動します。

実効税率は税率設定の違いではありません

住民税所得割の税率は市町村民税6%・道府県民税4%で全国一律です。本記事で示す実効税率(住民税実額÷課税対象所得)は、控除の適用状況・所得構成の違いの結果として現れる値であり、市町村ごとに税率が違うわけではありません。

農業地域では過小表示になる場合があります

農業所得は申告による実額ですが、自家消費・現物収入は含まれない場合があります。農業主体の市町村では、1人当たり課税対象所得が実態の生活水準より低く見える可能性があります。

所得割納税義務者は全住民ではありません

課税対象所得が控除額を下回る場合(所得が低い・年金受給のみ等)は所得割の納税義務者に含まれません。高齢化が進んだ市町村では分母が小さくなり、1人当たり所得が見かけ上高くなる場合があります。

1人あたり付加価値額と1人当たり所得の混同注意

⑥で提示する1人あたり付加価値額は 製造業事業所ベース の指標で、住民所得の1人当たり課税対象所得(所得割納税義務者ベース)とは分母が異なる別の指標です。両者を同一の「1人あたり所得」として扱うことはできません。魚沼市では1人当たり所得順位20位と1人あたり付加価値額順位20位で順位一致となる観察がありますが、両者は分母が異なる別指標です。


まとめ

魚沼市の令和5年度における1人当たり課税対象所得は 266.2万円(県内20位・中越12市町村中11位・県平均差-10.9万円・県中央値差-7.1万円) で、規模指標(納税義務者数17位・課税対象所得総額17位)と1人当たり指標(20位)で 3ランクの順位差 が観察できる構成です。所得割納税義務者は 15,584人、課税対象所得総額は 約414.9億円(県内シェア1.36%)となります。

10年推移(H25→R5)は +10.1%(+24.4万円・魚沼市単独同率・変化率23位) で、前半5年 +2.73%・後半5年 +7.14%2.62倍の後半加速 が読み取れます。同期間に納税義務者数は -604人(-3.73%) 減少し、「納税義務者の分母が縮小しつつ1人当たり水準が後半加速した」構造が観察されます。推計手取りは 317.9万円(県内21位・10年で +12.3万円・変化率 +4.0%・県内23位)、手取り転換率68.3% となり、実効税率 3.1% は聖籠・胎内・弥彦・見附・十日町・魚沼・阿賀野・田上・五泉・加茂・佐渡の 11市町村同率(県平均差-0.1ポイント)です。

産業タイプは 製造業集積型 で、主要業種1位 製造業19.8%(3,561人)は中越製造業集積型8市町村中で最低(三条28.8・小千谷28.6・見附26.3・柏崎22.5・刈羽22.4・出雲崎21.4・長岡21.3・魚沼19.8)、主要業種1〜3位(製造業19.8%・医療福祉14.2%・卸小12.3%)の合計は 46.3% で分散傾向が観察されます。1人あたり付加価値額841万円は中越12市町村中8位、農業産出額 50.7億円 は中越12市町村中50億円超6市町村内に含まれます。所得種類別では給与所得者比率 81.4%は妙高市と2市同率、営業等所得者比率 3.7%は南魚沼市・津南町と3市同率で県内4位(魚沼川流域3市)、農業所得者比率 0.9%は聖籠町・南魚沼市・田上町と4市同率で県内8位 の3種類同時同率構造を持ちます。

中越12市町村の枠組みでは、県内順位範囲は 3〜30位(27ランクの幅)、魚沼市は第3グループ(見附・出雲崎・十日町・魚沼)の最下位に位置し、中越圏内で製造業集積型は 8市町村(12市町村中の3分の2) です。隣接する南魚沼市(274.8万円・県内14位・複合型)とは所得水準・順位・産業タイプがそれぞれ異なりますが、農業所得者比率と営業等所得者比率では同率グループを共有する構造となります。移住検討者は所得水準・手取り・実効税率・給与所得者比率の4項目、事業者は商圏規模・営業等所得者環境・主力産業・農業比重の4項目、地域理解関係者は産業タイプ・産業3区分比率・変化率順位・南魚沼市との比較の4項目を、それぞれ判断材料として本記事の数値から読み取れる構造で提示しました。


この記事の執筆・データについて

執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和5年度(2023年度)市町村税課税状況等の調べ/国勢調査 令和2年/工業統計調査 令和4年/市町村別農業産出額(推計)令和4年
更新日: 2026-09-05
運営者情報: https://niigata-data.com/運営者情報/
データの利用について: https://niigata-data.com/privacy-policy/

本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・税務相談ではありません。移住・就職・事業判断等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。


出典

  • 1人当たり課税対象所得・所得割納税義務者数・住民税(所得割)実額・所得種類別納税義務者数:
    総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年・平成30年・平成25年)
  • 産業別就業者数・産業タイプ・主要業種1〜3位・総就業者数:
    総務省(国勢調査 令和2年)
  • 製造業従業者数・現金給与総額・製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額:
    経済産業省(工業統計調査 令和4年)
  • 農業産出額:
    農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)

推計値について:
本記事の「推計手取り」は総務省 課税対象所得から社会保険料・所得税・住民税を控除した試算値です。
想定料率:

  • H25:厚生年金 8.737%/健保 4.985%/雇保 0.5%
  • H30:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.3%
  • R5:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.6%
    (協会けんぽ新潟県の概算率を使用)
    控除モデル:基礎控除(H25・H30: 38万、R5: 48万)・配偶者控除・扶養控除1人・社会保険料控除
    データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
    次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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