10年で住宅着工が伸びた・減った市町村ランキング(H25→R5)|新潟県30市町村

ランキング

新潟県30市町村を平成25年度(2013年度)と令和5年度(2023年度)で比べると、
10年間で住宅着工数を増やしたのは実質4件だけでした。

具体的には、燕市(+2.9%)・阿賀野市(+2.2%)・湯沢町(+66.7%)・岩船郡(関川村+粟島浦村・+142.9%)の4件です。
残る25市町村(岩船郡を1件と数えて実質25件)はすべて減少しています。

そのなかで3割以上減少した市町村は21市町村
5割以上減少した市町村は10市町村
7割以上減少した市町村は2市町村(弥彦村・津南町) でした。

この記事では、国土交通省「建築着工統計調査」をもとに、
30市町村の10年変化率をランキング形式で並べ、
「増えた側」「減った側」「前半増えたが後半失速した市町村」を整理します。

※岩船郡(関川村+粟島浦村)は原データが分離できないため、両村を1行に統合しています。


この記事でわかること

  • H25→R5の10年変化率を、増えた側(+142.9%〜+2.2%)から減った側(-83.9%)まで全30市町村一覧で確認できます
  • 10年間で着工数を増やしたのは実質4件のみで、100戸以上を維持したまま10年で増加したのは燕市と阿賀野市の2市だけです
  • 3割以上減少した市町村は21市町村(30市町村の7割)、5割以上減少は10市町村、7割以上減少は弥彦村・津南町の2市町村です
  • R5着工戸数上位10市町村のうち8市町村が10年で減少しています。そのうち6市町村は4割以上の減少で、「総数が多い=伸びている」ではありません
  • 前半(H25→H30)は増えたが後半(H30→R5)で減少に転じた市町村が5市町村(燕市・胎内市・妙高市・弥彦村・見附市)あり、県全体の減少はH30以降に加速しています

① 全30市町村・10年変化率ランキング(H25→R5)

H25年度(2013年度)とR5年度(2023年度)の新設住宅着工数の変化率を、増えた順に並べたランキングです。

順位市町村10年変化率
(H25→R5)
R5戸数H25戸数
1(合算)岩船郡
(関川村+粟島浦村)
+142.9%17戸7戸
2湯沢町+66.7%15戸9戸
3燕市+2.9%421戸409戸
4阿賀野市+2.2%141戸138戸
(増加と減少の境界)
5聖籠町-17.4%71戸86戸
6加茂市-21.5%84戸107戸
7佐渡市-27.5%74戸102戸
8妙高市-29.5%62戸88戸
9新潟市-35.8%4,049戸6,303戸
10長岡市-37.7%1,094戸1,756戸
11小千谷市-42.0%87戸150戸
12三条市-42.8%308戸538戸
13新発田市-43.7%328戸583戸
14上越市-43.8%643戸1,144戸
15魚沼市-44.7%63戸114戸
16五泉市-45.3%128戸234戸
17村上市-46.7%114戸214戸
18十日町市-49.2%64戸126戸
19見附市-49.8%103戸205戸
20刈羽村-50.0%10戸20戸
21田上町-51.4%17戸35戸
22胎内市-51.8%66戸137戸
23南魚沼市-55.1%118戸263戸
24柏崎市-59.4%191戸471戸
25阿賀町-60.0%8戸20戸
26糸魚川市-63.1%93戸252戸
27出雲崎町-64.3%5戸14戸
28弥彦村-70.0%6戸20戸
29津南町-83.9%5戸31戸

表の読み方:

  • 岩船郡(関川村+粟島浦村)は原データが分離できないため、両村を1行に統合しました
  • 30市町村中25市町村(実質29単位中25単位)が10年で減少しています。増えたのは4件のみで、県全体としては着工が縮小基調です

※出典:国土交通省(建築着工統計調査 平成25年度・令和5年度)

▼【グラフ:h3_change_rate_ranking.png 30市町村の10年着工変化率ランキング(H25→R5)】


② 10年で増えた4件の詳細

10年間で着工数を増やした4件を、絶対数の増減とあわせて確認します。

岩船郡(関川村+粟島浦村):+142.9%(H25 7戸 → R5 17戸)

  • 10年間の絶対増は+10戸で、率としては大きく見えますが実数は10戸台の変動です
  • 前半(H25→H30)は-71.4%(7戸→2戸)、後半(H30→R5)は+750.0%(2戸→17戸)と、H30時点の基数が2戸まで落ちた反動で後半の変化率が跳ね上がっています
  • 岩船郡は原データが分離できないため、両村合算で1行としています

湯沢町:+66.7%(H25 9戸 → R5 15戸)

  • 10年間の絶対増は+6戸で、こちらも実数は10戸台の水準です
  • 前半-44.4%(9戸→5戸)、後半+200.0%(5戸→15戸)と後半で持ち直しています
  • R5の15戸のうち社宅・寮などの給与住宅が8戸含まれ、通常のマイホーム中心の内訳とは異なります
  • 住民1,000人あたり着工は1.81戸で県内23位と、人口比では上位ではありません

燕市:+2.9%(H25 409戸 → R5 421戸)

  • 10年間の絶対増は+12戸で、絶対数を維持したまま10年で増加した数少ない市の1つです
  • 前半(H25→H30)は+29.3%(409戸→529戸)、後半(H30→R5)は-20.4%(529戸→421戸)と、直近5年は減少局面に転じています
  • R5の総数県内4位・住民1,000人あたり県内1位(5.54戸)・10年変化率で県内3位(岩船郡合算を除くと実質2位)と、3つの順位すべてで上位に入るのは30市町村のなかで燕市だけです

阿賀野市:+2.2%(H25 138戸 → R5 141戸)

  • 10年間の絶対増は+3戸で、10年間ほぼ横ばいの推移です
  • 前半+2.9%(138戸→142戸)、後半-0.7%(142戸→141戸)で、県内で最も「フラット」に推移した市になります
  • 持家比率82.3%と戸建て中心の内訳で、住民1,000人あたり3.60戸は県内5位です
  • 「大きく増えたわけではないが、県全体が3〜4割減るなかで水準を維持した市」というポジションです

③ 減った市町村の内訳(-30%以上21市町村・-50%以上10市町村・-70%以上2市町村)

減少幅の帯ごとに市町村を整理します。

-30%以上減少:21市町村(30市町村中の7割)

変化率帯市町村(変化率)
△50%以上弥彦村(-70.0%)・津南町(-83.9%)・出雲崎町(-64.3%)・糸魚川市(-63.1%)・阿賀町(-60.0%)・柏崎市(-59.4%)・南魚沼市(-55.1%)・胎内市(-51.8%)・田上町(-51.4%)・刈羽村(-50.0%)
△30〜50%(境界の見附市-49.8%を含む)見附市(-49.8%)・十日町市(-49.2%)・村上市(-46.7%)・五泉市(-45.3%)・魚沼市(-44.7%)・上越市(-43.8%)・新発田市(-43.7%)・三条市(-42.8%)・小千谷市(-42.0%)・長岡市(-37.7%)・新潟市(-35.8%)
  • 県内主要都市がすべてこの帯に入ります。新潟市(-35.8%)・長岡市(-37.7%)・上越市(-43.8%)の3大都市いずれも3割以上の減少です

-50%以上減少:10市町村

厳密に-50.0%以下で数えると、刈羽村・田上町・胎内市・南魚沼市・柏崎市・阿賀町・糸魚川市・出雲崎町・弥彦村・津南町の10市町村が該当します(見附市-49.8%は境界値のためこの集計には含みません)。

-70%以上減少:2市町村

市町村10年変化率H25戸数R5戸数絶対増減
弥彦村-70.0%20戸6戸-14戸
津南町-83.9%31戸5戸-26戸
  • 率としては県内最大級の縮小ですが、絶対数の落ち込みは-14戸・-26戸で、新潟市の-2,254戸・上越市の-501戸・長岡市の-662戸とは規模がまったく異なります
  • 「率で見て大きく減った市町村」と「実数で大きく減った市町村」は別の見方として整理する必要があります

▼【グラフ:h3_change_top5_bottom5.png 増えた5市町村と大きく減った5市町村】


④ R5戸数上位10市町村の10年変化率(規模上位でも減っている構図)

R5年度の着工戸数上位10市町村について、10年変化率を並べます。

R5戸数順位市町村R5戸数10年変化率
1新潟市4,049戸-35.8%
2長岡市1,094戸-37.7%
3上越市643戸-43.8%
4燕市421戸+2.9%
5新発田市328戸-43.7%
6三条市308戸-42.8%
7柏崎市191戸-59.4%
8阿賀野市141戸+2.2%
9五泉市128戸-45.3%
10南魚沼市118戸-55.1%
  • 上位10市町村のうち8市町村(8割)が10年で減少しています。しかも柏崎市・南魚沼市を含む6市町村が4割以上の減少です
  • 「総数が多い=伸びている」ではなく、むしろ主要都市ほど大きく減っているのが県内の構図になります
  • そのなかで燕市(+2.9%)と阿賀野市(+2.2%)の2市だけが「増えた側」に立っています。100戸以上を維持したまま10年で増加した市はこの2市のみです

⑤ 意外な観察4選

観察1:10年で増えたのは実質4件、そのうち規模の大きい市は燕市・阿賀野市だけ

  • 30市町村中25市町村(実質29単位中25単位)が10年で減少しました
  • 増えた4件のうち、岩船郡・湯沢町は基数が10戸台の変動範囲で、統計的なトレンドとしては扱いにくい規模です
  • R5戸数100戸超で10年増加を保ったのは燕市(+2.9%)と阿賀野市(+2.2%)の2市だけになります

観察2:燕市は「総数4位・住民1,000人あたり1位・10年変化率3位」のトリプル上位

  • R5総数順位・住民1,000人あたり順位・10年変化率順位すべてで上位5に入るのは、30市町村のなかで燕市だけです
  • ただし前半+29.3%・後半-20.4%と、直近5年は減少局面に転じています。10年通算で見れば+2.9%ですが、H30時点の529戸から100戸以上減っている点は注記が必要です

観察3:率で大きく減った弥彦村・津南町は絶対数の落ち込みは10戸〜20戸台

  • 弥彦村(H25 20戸 → R5 6戸・-14戸・-70.0%)と津南町(H25 31戸 → R5 5戸・-26戸・-83.9%)は、率としては県内最大級の縮小です
  • 一方で絶対数の落ち込みは新潟市(-2,254戸)・上越市(-501戸)・長岡市(-662戸)とはまったく異なる規模です
  • 極小規模の市町村では単年で数戸増減するだけで変化率が大きく変わるため、率だけを見て「トレンド」を語るのは避け、実数とあわせて確認するのが自然です

観察4:前半増・後半減で反転した市町村が5市町村

市町村前半(H25→H30)後半(H30→R5)10年通算(H25→R5)
燕市+29.3%-20.4%+2.9%
胎内市+51.8%-68.3%-51.8%
妙高市+25.0%-43.6%-29.5%
弥彦村+15.0%-73.9%-70.0%
見附市+3.9%-51.6%-49.8%
  • 10年通算で見ると減少(または微増)ですが、前半(H25→H30)は増えていた市町村が、後半(H30→R5)で失速しているパターンです
  • 5市町村で共通してこの反転が起きており、県全体の減少がH30(2018年度)以降に加速している構造が読み取れます

▼【グラフ:h3_half_period_flip.png 前半増→後半減で反転した市町村】


⑥ データの見方・注意点

着工数=住宅需要ではありません

建築着工統計の着工戸数は「建設が始まった住宅の数(供給側の数字)」であり、その市町村の住宅需要の強弱を直接示すものではありません。着工を決めるのは建て主(持家)や建築事業者(貸家・分譲)で、着工数が多い=住宅需要が旺盛とは限りません。この記事では「〜市町村で〇戸から〇戸に増減しました」の範囲で情報を提示し、「〜市町村は住宅需要が強くなった/弱くなった」という書き方はしていません。

基数が小さい市町村では変化率が大きく振れます

年間の着工数が5〜20戸前後の小規模市町村(湯沢町・関川村・粟島浦村・津南町・出雲崎町・弥彦村・阿賀町・刈羽村など)では、数戸の増減だけで変化率が±50%以上になります。岩船郡+142.9%・湯沢町+66.7%は絶対数で+10戸・+6戸の変動幅であり、この記事では「率としての順位」と「絶対数の増減」を並記して確認できるようにしています。

岩船郡(関川村・粟島浦村)は合算表記です

国土交通省の原データでは、関川村と粟島浦村の着工数が郡単位で公表されており、村単位に分離できません。この記事では、両村を「岩船郡(関川村+粟島浦村)」として1行に統合しています。実質のエントリ数は29件です。

順位=豊かさではありません

10年変化率の順位は「10年前と比べて住宅がどれくらい建てられたか」の相対比較であり、住みやすさや豊かさを直接示す指標ではありません。人口規模・世帯数・持家率・地価水準など複数の要素が反映された結果としてお読みください。


まとめ

10年で住宅着工が伸びた・減った市町村ランキング(H25→R5)の要点

  • 30市町村中25市町村(実質29単位中25単位)が10年で減少し、増えたのは岩船郡(+142.9%)・湯沢町(+66.7%)・燕市(+2.9%)・阿賀野市(+2.2%)の4件のみでした
  • 3割以上減少は21市町村、5割以上減少は10市町村、7割以上減少は弥彦村(-70.0%)・津南町(-83.9%)の2市町村です
  • R5戸数上位10市町村のうち8市町村が減少で、そのうち6市町村が4割以上の減少です。100戸以上を維持したまま10年で増加したのは燕市・阿賀野市の2市だけでした
  • 前半(H25→H30)は増えたが後半(H30→R5)で減少に転じた市町村が5市町村(燕市・胎内市・妙高市・弥彦村・見附市)あり、県全体の減少はH30以降に加速していることが確認できます

出典

  • 新設住宅着工戸数(市町村別・用途別):
    国土交通省(建築着工統計調査 平成25年度・平成30年度・令和5年度)
  • 人口(1,000人あたり計算用):
    総務省(住民基本台帳に基づく人口 令和7年)

データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成25年度(2013年度)
次回更新推奨:令和6年度データ公表後

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