サラリーマンの町・自営業の町・農家の町|新潟県30市町村の稼ぎ方の違いランキング(R5年度)

ランキング

新潟県の住民税を納めている人(所得割納税義務者)は、稼ぎ方によって次の3種類と「その他」に分けられます。
・給与所得者(勤め人・サラリーマン)
・営業等所得者(自営業者・個人事業主)
・農業所得者(農家・農業従事者)
・その他(年金所得者・不動産所得者・利子配当所得者等)

令和5年度の県内30市町村を「どの働き方の人が多いか」で見ると、
・勤め人が最も多い町:聖籠町(給与所得者87.9%)
・自営業者が最も多い町:粟島浦村(営業等所得者12.0%)
・農家が最も多い町:津南町(農業所得者3.0%)

県内平均は 給与81.8%・営業等3.2%・農業0.8%・その他14.2% で、
稼ぎ方の内訳で見ると県内では給与所得者が最も多い分布ですが、
町ごとの給与所得者比率は 76.6%(佐渡市・県内最下位)から87.9%(聖籠町・県内最高)まで11.3ポイントの差 があります。

この記事では、総務省「市町村税課税状況等の調べ」をもとに、
3種類の所得者比率をランキング化し、
30市町村を「サラリーマンの町・自営業寄りの町・農家寄りの町・バランス型」の4分類で整理します。


この記事でわかること

  • 30市町村の給与所得者比率ランキング(サラリーマン多い順):1位・聖籠町87.9%〜30位・佐渡市76.6%
  • 30市町村の営業等所得者比率ランキング(自営業多い順):1位・粟島浦村12.0%〜30位・刈羽村1.8%
  • 30市町村の農業所得者比率ランキング(農家多い順):1位・津南町3.0%〜30位・粟島浦村0.0%
  • 30市町村を 「サラリーマンの町11・自営業寄りの町8・農家寄りの町5・バランス型13」の4分類 で整理(複数分類に該当する町7を含む)
  • 各分類の1人当たり所得平均:サラリーマンの町280.3万円・自営業寄りの町270.2万円・農家寄りの町263.9万円・バランス型280.1万円(県平均277.1万円)

① サラリーマンの町ランキング(給与所得者比率 上位10)

給与所得者比率(勤め人が住民税納税者に占める割合)が県内で高い上位10市町村です。同率10位も含めて11市町村を並べています。

順位市町村給与所得者比率1人当たり所得県内所得順位地域産業タイプ
1聖籠町87.9%275.7万円13位下越製造業集積型
2燕市84.9%300.8万円4位下越製造業集積型
3関川村84.5%265.9万円21位下越農業型
4見附市84.2%271.3万円17位中越製造業集積型
5阿賀野市84.1%265.1万円23位下越製造業集積型
6三条市83.2%297.9万円5位中越製造業集積型
7五泉市83.1%261.3万円25位下越製造業集積型
8刈羽村83.0%292.5万円7位中越製造業集積型
9弥彦村82.9%272.7万円16位下越製造業集積型
10上越市82.7%305.4万円2位上越高付加価値製造業型
10(同率)南魚沼市82.7%274.8万円14位中越複合型

同率グループ:

  • 82.7%(同率10位・2市町村):上越市・南魚沼市
  • 82.2%(同率14位・2市町村):新発田市・胎内市
  • 81.4%(同率17位・2市町村):妙高市・魚沼市

サラリーマンの町ランキング上位10の要点:

  • 1位の聖籠町87.9% は県内で唯一の85%超で、県平均81.8%を+6.1ポイント上回ります
  • 上位10(同率11市町村)の1人当たり所得平均は280.3万円(県平均277.1万円+3.2万円)
  • 所得水準は261.3万円(五泉市)〜305.4万円(上越市)まで幅があり、サラリーマンの町でも所得が一律に高いわけではありません
  • 上位11市町村の産業タイプは、製造業集積型8・高付加価値製造業型1・複合型1・農業型1で、農業型に分類される関川村(給与3位・84.5%)のみが製造業系以外に該当します
  • 地域別内訳:下越6(聖籠・燕・関川・阿賀野・五泉・弥彦)・中越4(見附・三条・刈羽・南魚沼)・上越1(上越)

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)


▼【グラフ:ranking_workertype_scatter.png 新潟県30市町村・給与所得者比率×農業所得者比率の分布】


② 自営業寄りの町ランキング(営業等所得者比率 上位10)

営業等所得者比率(自営業者・個人事業主が住民税納税者に占める割合)が県内で高い上位10市町村です。同率で並ぶ市町村が多いため、上位10位までを含めて表示します。

順位市町村営業等所得者比率1人当たり所得県内所得順位地域産業タイプ
1粟島浦村12.0%265.8万円22位岩船離島農業型
2(同率)十日町市3.9%266.6万円19位中越複合型
2(同率)佐渡市3.9%257.9万円28位佐渡農業型
4(同率)燕市3.7%300.8万円4位下越製造業集積型
4(同率)南魚沼市3.7%274.8万円14位中越複合型
4(同率)魚沼市3.7%266.2万円20位中越製造業集積型
4(同率)弥彦村3.7%272.7万円16位下越製造業集積型
4(同率)津南町3.7%256.7万円30位中越農業型
9(同率)三条市3.6%297.9万円5位中越製造業集積型
9(同率)阿賀野市3.6%265.1万円23位下越製造業集積型

同率グループ:

  • 3.9%(2位・同率2市町村):十日町市・佐渡市
  • 3.7%(4位・同率5市町村):燕市・南魚沼市・魚沼市・弥彦村・津南町
  • 3.6%(9位・同率2市町村):三条市・阿賀野市

自営業寄りの町ランキング上位10の要点:

  • 1位の粟島浦村12.0% は県平均3.2%の3.75倍で、2位の十日町市・佐渡市3.9%と比べても+8.1ポイントの差があります
  • 粟島浦村の営業等所得者数は 納税義務者125人中15人 で、小規模自治体のため少数の職種構成で比率が大きく振れる可能性があります
  • 上位8市町村(同率含む1〜4位枠)の1人当たり所得平均は270.2万円(県平均-6.9万円)で、サラリーマン枠280.3万円より約10万円低い水準です
  • 上位8市町村の地域分布:下越2(燕・弥彦)・中越4(十日町・南魚沼・魚沼・津南)・佐渡1・岩船離島1・上越0
  • 上越3市(上越・糸魚川・妙高)はいずれも自営業寄り上位10枠外です

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)


③ 農家寄りの町ランキング(農業所得者比率 上位10)

農業所得者比率(農家・農業従事者が住民税納税者に占める割合)が県内で高い上位10市町村です。同率8位も含めて11市町村を並べています。

順位市町村農業所得者比率1人当たり所得県内所得順位地域産業タイプ
1津南町3.0%256.7万円30位中越農業型
2(同率)関川村1.6%265.9万円21位下越農業型
2(同率)佐渡市1.6%257.9万円28位佐渡農業型
4(同率)胎内市1.2%273.9万円15位下越高付加価値製造業型
4(同率)阿賀野市1.2%265.1万円23位下越製造業集積型
6加茂市1.1%260.8万円27位下越製造業集積型
7五泉市1.0%261.3万円25位下越製造業集積型
8(同率)聖籠町0.9%275.7万円13位下越製造業集積型
8(同率)南魚沼市0.9%274.8万円14位中越複合型
8(同率)魚沼市0.9%266.2万円20位中越製造業集積型
8(同率)田上町0.9%261.7万円24位下越製造業集積型

同率グループ:

  • 1.6%(2位・同率2市町村):関川村・佐渡市
  • 1.2%(4位・同率2市町村):胎内市・阿賀野市
  • 0.9%(8位・同率4市町村):聖籠町・南魚沼市・魚沼市・田上町

農家寄りの町ランキング上位10の要点:

  • 1位の津南町3.0% は県平均0.8%の3.75倍で、2位の関川村・佐渡市1.6%と比べても+1.4ポイントの差があります
  • 上位5枠(1位〜4位・同率含む5市町村)の1人当たり所得平均は263.9万円(県平均-13.2万円)で、4分類中で最も低い水準です
  • 上位5市町村の地域分布:下越3(関川・胎内・阿賀野)・中越1(津南)・佐渡1・上越0・岩船離島0
  • 産業タイプは 農業型3(津南・関川・佐渡)+高付加価値製造業型1(胎内)+製造業集積型1(阿賀野)で、農業型以外の産業タイプに分類される市町村も上位に含まれています
  • 「農業型」に分類される4市町村(関川・津南・佐渡・粟島浦)のうち、農家寄り上位5に入るのは3市町村で、粟島浦村は農業型でありながら農業所得者比率0.0%(30位・最下位) です(意外な観察は⑦で詳述)

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)


▼【グラフ:ranking_workertype_top.png 3つの働き方トップ10比較】


④ 30市町村の4分類マップ

3つのランキング(給与・営業等・農業)の結果をもとに、30市町村を次の4分類に整理しました。

分類基準(analyst 判断による編集上の呼称):

  • サラリーマンの町:給与所得者比率ランキング10位以内(同率含む11市町村)
  • 自営業寄りの町:営業等所得者比率ランキング5位以内(同率含む8市町村)
  • 農家寄りの町:農業所得者比率ランキング5位以内(同率含む5市町村)
  • バランス型:上記3つのいずれにも該当しない13市町村

4分類の内訳(重複可能タグ):

分類市町村数該当市町村
サラリーマンの町11聖籠町・燕市・関川村・見附市・阿賀野市・三条市・五泉市・刈羽村・弥彦村・上越市・南魚沼市
自営業寄りの町8粟島浦村・十日町市・佐渡市・燕市・南魚沼市・魚沼市・弥彦村・津南町
農家寄りの町5津南町・関川村・佐渡市・胎内市・阿賀野市
バランス型13新潟市・長岡市・柏崎市・糸魚川市・妙高市・新発田市・湯沢町・小千谷市・出雲崎町・田上町・村上市・加茂市・阿賀町

複数分類に該当する町(7市町村):

  • サラリーマンの町 かつ 自営業寄りの町:燕市(給与2位&営業4位)・弥彦村(給与9位&営業4位)・南魚沼市(給与10位&営業4位)
  • サラリーマンの町 かつ 農家寄りの町:関川村(給与3位&農業2位)・阿賀野市(給与5位&農業4位)
  • 自営業寄りの町 かつ 農家寄りの町:佐渡市(営業2位&農業2位)・津南町(営業4位&農業1位)
  • 3分類すべてに該当する町:ゼロ

全30市町村の稼ぎ方内訳と分類タグ(並び順:県内所得順位):

県内所得順位市町村給与営業等農業その他分類タグ地域
1新潟市81.9%3.1%0.4%14.6%バランス型下越
2上越市82.7%2.9%0.3%14.1%サラリーマンの町上越
3長岡市82.6%2.9%0.3%14.2%バランス型中越
4燕市84.9%3.7%0.5%11.0%サラリーマンの町+自営業寄り下越
5三条市83.2%3.6%0.5%12.7%サラリーマンの町中越
6柏崎市80.5%2.5%0.1%16.9%バランス型中越
7刈羽村83.0%1.8%0.4%14.8%サラリーマンの町中越
8糸魚川市80.1%3.1%0.1%16.7%バランス型上越
9妙高市81.4%2.6%0.3%15.6%バランス型上越
10新発田市82.2%3.4%0.8%13.7%バランス型下越
11湯沢町78.3%3.3%0.1%18.3%バランス型中越
12小千谷市82.5%3.0%0.8%13.7%バランス型中越
13聖籠町87.9%3.3%0.9%7.9%サラリーマンの町下越
14南魚沼市82.7%3.7%0.9%12.7%サラリーマンの町+自営業寄り中越
15胎内市82.2%2.9%1.2%13.7%農家寄りの町下越
16弥彦村82.9%3.7%0.8%12.5%サラリーマンの町+自営業寄り下越
17見附市84.2%2.9%0.4%12.4%サラリーマンの町中越
18出雲崎町80.7%2.5%0.6%16.2%バランス型中越
19十日町市80.9%3.9%0.8%14.4%自営業寄りの町中越
20魚沼市81.4%3.7%0.9%14.0%自営業寄りの町中越
21関川村84.5%3.2%1.6%10.7%サラリーマンの町+農家寄り下越
22粟島浦村76.8%12.0%0.0%11.2%自営業寄りの町岩船離島
23阿賀野市84.1%3.6%1.2%11.1%サラリーマンの町+農家寄り下越
24田上町80.0%3.3%0.9%15.8%バランス型下越
25五泉市83.1%3.2%1.0%12.7%サラリーマンの町下越
26村上市81.3%3.2%0.7%14.8%バランス型下越
27加茂市80.8%3.0%1.1%15.1%バランス型下越
28佐渡市76.6%3.9%1.6%17.9%自営業寄り+農家寄り佐渡
29阿賀町81.1%2.0%0.5%16.4%バランス型下越
30津南町78.9%3.7%3.0%14.4%自営業寄り+農家寄り中越

表の読み方:

  • 4つの比率(給与・営業等・農業・その他)の合計は各行100.0%(端数処理で±0.1%の誤差が生じる場合があります)
  • 「その他」は 給与・営業・農業以外の所得者(主に年金所得者・不動産所得者・利子配当所得者等)です
  • 「分類タグ」は本記事で採用した編集上の呼称で、行政区分や公式分類ではありません(分類基準は⑧の「データの見方・注意点」参照)

⑤ 各分類の所得水準比較

4分類ごとに、1人当たり所得(R5年度)の平均・最大・最小を比較しました。

分類市町村数1人当たり所得平均県平均差所得最大所得最小
サラリーマンの町11280.3万円+3.2万円305.4万円(上越市)261.3万円(五泉市)
自営業寄りの町8270.2万円-6.9万円300.8万円(燕市)256.7万円(津南町)
農家寄りの町5263.9万円-13.2万円273.9万円(胎内市)256.7万円(津南町)
バランス型13280.1万円+3.0万円319.5万円(新潟市)257.3万円(阿賀町)
県全体30277.1万円319.5万円(新潟市)256.7万円(津南町)

分類ごとの所得水準の要点:

  • サラリーマンの町(280.3万円)とバランス型(280.1万円) は、平均でわずか0.2万円差でほぼ同水準です。バランス型13市町村には新潟市(319.5万円・県内1位)・長岡市(302.5万円・3位)・柏崎市(292.8万円・6位)等の所得上位市が含まれるため、平均値が高く算出されています
  • 自営業寄りの町(270.2万円) は県平均を-6.9万円下回ります。ただし枠内には燕市(300.8万円・県内4位)が含まれ、津南町(256.7万円・県内30位)と最大44.1万円の差があります
  • 農家寄りの町(263.9万円) は4分類中で最も低い平均です。5市町村の最大値でも273.9万円(胎内市) と県平均277.1万円を下回ります
  • 3枠すべてに該当する市町村はゼロで、1つの町に3つの特徴が集中する分布にはなっていません

注意: 「稼ぎ方の傾向」だけで所得水準は決まりません。サラリーマンの町とバランス型の平均がほぼ同水準であることや、農家寄りの町でも所得が県内15位(胎内市)に入る市町村があることから、稼ぎ方と所得順位は単純に対応するわけではないという分布が観察されます。


⑥ 産業タイプとの照合

産業タイプ(複合型・高付加価値製造業型・製造業集積型・農業型)ごとに、4分類との重なりを整理しました。

産業タイプ該当市町村数サラリーマン枠自営業寄り枠農家寄り枠
複合型51(南魚沼)2(南魚沼・十日町)0
高付加価値製造業型31(上越)01(胎内)
製造業集積型188(聖籠・燕・見附・阿賀野・三条・五泉・刈羽・弥彦)3(燕・魚沼・弥彦)1(阿賀野)
農業型41(関川)3(粟島浦・佐渡・津南)3(津南・関川・佐渡)

産業タイプとの照合で見える点:

  • サラリーマン枠11市町村のうち10市町村が製造業系(製造業集積型8+高付加価値製造業型1+複合型1)で、農業型は関川村1市町村のみです
  • 農業型4市町村(関川・津南・佐渡・粟島浦)は、サラリーマン枠1・自営業寄り枠3・農家寄り枠3・バランス型0 の分布で、産業タイプ「農業型」に該当しても稼ぎ方の傾向は市町村ごとに異なります
  • 粟島浦村は産業タイプ「農業型」ですが、農業所得者比率0.0%(30位・最下位) で農家寄り枠には該当しません(意外な観察は⑦で詳述)
  • 高付加価値製造業型3市町村(胎内・上越・妙高)は、サラリーマン枠1(上越)・農家寄り枠1(胎内)・バランス型1(妙高)と分散しています
  • 産業タイプ「農業型」=「農業所得者比率が高い」の単純対応にはなっていません(就業者ベースの産業タイプと申告ベースの所得者比率は集計基準が異なります)

▼【グラフ:ranking_workertype_income.png 働き方分類別の1人当たり所得比較】


⑦ 意外な観察

関川村(下越):サラリーマン3位+農家2位のダブル特徴

  • 産業タイプは「農業型」(第1次産業比率16.9%)
  • 給与所得者比率84.5%(県内3位) ・農業所得者比率1.6%(県内2位・佐渡市と同率) のダブル上位
  • 主要業種1位は製造業19.6%(518人)・2位が農業・林業16.9%(449人)
  • 農業型市町村でありながら、勤め人の割合が県内3位で、農家の割合も県内2位という2軸で上位に入る市町村です

粟島浦村(岩船離島):産業タイプ「農業型」なのに農業所得者比率0.0%(30位・最下位)

  • 産業タイプは「農業型」(第1次産業比率31.2%・県内1位)
  • 農業所得者数は0人・農業所得者比率0.0%(県内30位)
  • 主要業種1位は漁業20.2%(53人)・2位が宿泊・飲食業20.2%(53人)・3位が農業・林業11.0%(29人)
  • 営業等所得者比率12.0%(県内1位) で、125人中15人が営業等所得者に該当
  • 就業者ベースでは1次産業比率が県内1位ですが、農業所得の申告としては0人という結果になっています(1次産業就業者比率と農業所得者比率は集計基準が異なります)

佐渡市:給与最下位(30位)・営業2位・農業2位のトリプル特徴

  • 給与所得者比率76.6%(県内30位・最下位)
  • 営業等所得者比率3.9%(県内2位・十日町市と同率)
  • 農業所得者比率1.6%(県内2位・関川村と同率)
  • その他所得者比率17.9%(県内2位)
  • 主要業種1位は医療・福祉16.2%・2位が農業・林業16.1%
  • 4分類のうち3分類で県内上位2位以内に入り、勤め人比率だけが県内最下位という分布です

湯沢町:その他所得者比率18.3%で県内1位

  • その他所得者比率18.3%(県内1位)
  • 給与所得者比率78.3%(県内28位・低め)
  • 農業所得者比率0.1%(同率27位)
  • 主要業種1位は宿泊・飲食業27.9%(1,065人)
  • 「その他」に該当する年金所得者・不動産所得者等が県内で最も高い割合を占めています

燕市:サラリーマン2位+自営業4位のダブル上位

  • 産業タイプは「製造業集積型」・主要業種1位は製造業35.2%(14,561人)
  • 給与所得者比率84.9%(県内2位)
  • 営業等所得者比率3.7%(県内4位・同率5市町村の1つ)
  • 1人当たり所得は300.8万円で県内4位
  • 勤め人比率と自営業比率がともに県内上位に並ぶ市町村です

津南町:農家1位・所得30位・営業4位のトリプル観察対象

  • 農業所得者比率3.0%(県内1位・県平均0.8%の3.75倍)
  • 営業等所得者比率3.7%(県内4位・同率5市町村の1つ)
  • 給与所得者比率78.9%(県内27位・低め)
  • 1人当たり所得256.7万円(県内30位・最下位)
  • 産業タイプは「農業型」・主要業種1位は農業・林業24.5%(1,206人)
  • 農業所得者比率で県内唯一の3.0%を持ち、1人当たり所得は県内最下位という組み合わせです

刈羽村:営業等所得者比率30位(1.8%・県内最下位)

  • 営業等所得者比率1.8%(県内30位・最下位)
  • 給与所得者比率83.0%(県内8位)
  • 農業所得者比率0.4%(同率21位)
  • 産業タイプは「製造業集積型」・主要業種1位は製造業22.4%
  • 勤め人比率が高く自営業比率が県内最下位という分布です(納税義務者数2,049人の小規模自治体)

⑧ データの見方・注意点

順位=豊かさではありません

給与所得者比率・営業等所得者比率・農業所得者比率のランキングは、稼ぎ方の内訳(納税義務者数ベースの比率)を示すもので、「所得が高い町」「豊かな町」を示す指標ではありません。順位はあくまで所得種類別の人数構成の相対比較で、「サラリーマンの町だから所得が高い」「農家寄りの町だから所得が低い」等の因果関係を示すものではありません。

「稼ぎ方の内訳」は納税義務者数ベース

給与所得者比率=給与所得者数÷所得割納税義務者数(合計)で、金額ベースではありません。例えば粟島浦村の営業等所得者12.0%は「15人÷125人」の集計で、営業所得の金額の大きさとは別の指標です。

「その他所得者」の内訳

「その他」は給与・営業等・農業以外の所得者で、主に年金所得者・不動産所得者・利子配当所得者等が含まれます。個別の内訳(年金・不動産・利子配当等の別)は本記事で参照した課税状況調には含まれません。

「産業タイプ」と「所得者比率」は集計基準が異なります

  • 産業タイプ:総務省・国勢調査ベース(就業者の産業別比率から分類)
  • 所得者比率:総務省・市町村税課税状況等の調べベース(所得申告時の所得種類から集計)

両者は集計基準が異なるため、必ずしも一致しません。例えば粟島浦村は産業タイプ「農業型」(第1次産業比率31.2%)ですが、農業所得者比率は0.0%です。主要業種1位が漁業のため、1次産業の就業者比率は高くても農業単独の申告所得はゼロという構造です。

農業地域では過小表示になる場合があります

農業所得は申告による実額ですが、自家消費・現物収入は含まれない場合があります。農家寄り5市町村(津南・関川・佐渡・胎内・阿賀野)で、1人当たり課税対象所得が実態の生活水準より低く見える可能性があります。

小規模自治体は変動が大きくなります

粟島浦村(納税義務者125人・県内最少)・関川村(1,928人)・刈羽村(2,049人)・湯沢町(3,714人)等の小規模自治体では、少数の職種構成で比率が大きく振れる可能性があります。特に粟島浦村の営業等所得者比率12.0%は125人中15人の集計で、この規模による変動を踏まえて解釈する必要があります。

「サラリーマンの町」等の分類は編集上の呼称です

  • 「サラリーマンの町」=給与所得者比率ランキング10位以内(同率含む11市町村)
  • 「自営業寄りの町」=営業等所得者比率ランキング5位以内(同率含む8市町村)
  • 「農家寄りの町」=農業所得者比率ランキング5位以内(同率含む5市町村)
  • 「バランス型」=上記3枠のいずれにも該当しない13市町村

これらは本記事で採用した編集上の呼称で、行政区分や公式分類ではありません。

所得割納税義務者は全住民ではありません

課税対象所得が控除額を下回る場合(所得が低い・年金受給のみ等)は所得割の納税義務者に含まれません。高齢化が進んだ市町村では納税義務者の分母が小さくなり、1人当たり所得が見かけ上高くなる場合があります。

課税対象所得は手取り収入ではありません

課税対象所得(合計所得金額)は、給与・事業・農業などの各所得から給与所得控除等の所得種別の控除を差し引いた所得の合計です。ここからさらに基礎控除・社会保険料控除等を差し引いた額が住民税・所得税の課税標準となります。課税対象所得と実際の手取り収入は異なります。


まとめ

新潟30市町村の稼ぎ方ランキングの要点

  • 給与所得者比率は1位・聖籠町87.9%〜30位・佐渡市76.6% で11.3ポイントの差、営業等所得者比率は1位・粟島浦村12.0%〜30位・刈羽村1.8% で10.2ポイントの差、農業所得者比率は1位・津南町3.0%〜30位・粟島浦村0.0% で3.0ポイントの差の分布です
  • 30市町村を稼ぎ方で分類すると サラリーマンの町11・自営業寄りの町8・農家寄りの町5・バランス型13(重複7市町村を含む)で、3分類すべてに該当する町はゼロです
  • 各分類の1人当たり所得平均は サラリーマンの町280.3万円・バランス型280.1万円・自営業寄りの町270.2万円・農家寄りの町263.9万円 の順で、農家寄りの町が県平均-13.2万円で最も低い水準です(ただし農業所得の過小表示の可能性を踏まえて解釈する必要があります)
  • サラリーマンの町11市町村のうち10市町村が製造業系 の産業タイプに該当しますが、農業型の関川村(給与所得者比率3位)も含まれます
  • 産業タイプ「農業型」と農家寄りの町は完全一致せず、粟島浦村は農業型でありながら農業所得者比率0.0%(漁業が主要業種のため)、逆に胎内市・阿賀野市(製造業系)が農業所得者比率で県内4位という分布が見られます

出典

  • 給与所得者比率・営業等所得者比率・農業所得者比率・その他所得者比率・所得割納税義務者数・1人当たり課税対象所得:
    総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)
  • 産業タイプ・地域区分・主要業種・第1次産業比率:
    総務省(国勢調査 令和2年)をもとに分類

データ基準日:令和5年度(2023年度)
次回更新推奨:令和6年度データ公表後

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