新潟県30市町村・住宅着工数ランキング(R5年度)|どの町でどれくらい家が建った?

ランキング

新潟県30市町村で令和5年度に新しく建てられた住宅の数は、
1位の新潟市(4,049戸) と最下位の津南町・出雲崎町(各5戸)
約810倍の差があります。

上位10市町村の合計は7,421戸で、県内の着工の大半がこの10市町村に集まっています。
一方で、下位10市町村(岩船郡合算後は9エントリ)の合計は145戸にとどまり、
下位9エントリすべてで賃貸アパート・マンション(貸家)の着工がゼロでした。

H25年度からR5年度までの10年間で、21市町村が3割以上減少しています。
そのなかで、燕市・阿賀野市・湯沢町・関川村・粟島浦村の5市町村だけが
10年前より着工数を増やしていました。

この記事では、国土交通省「建築着工統計調査」をもとに、
全30市町村の住宅着工数と用途別内訳を1つの表で比較します。

※岩船郡(関川村+粟島浦村)は原データが分離できないため、両村を1行に統合しています。


この記事でわかること

  • R5年度の新設住宅着工数を、1位(新潟市 4,049戸)から最下位(津南町・出雲崎町 各5戸)まで全30市町村一覧で確認できます
  • 上位10市町村の合計は7,421戸、中位10市町村は819戸、下位(実質9市町村)は145戸と分布に大きな偏りがあります
  • 総数では17位の聖籠町が、人口1,000人あたりでは県内3位。燕市は総数4位・人口比では新潟市を上回り県内1位という「規模と勢いの乖離」が見えます
  • 用途別では、新潟市がマイホーム・賃貸・分譲の3種バランス型燕市は貸家比率38.0%で県内最高水準新発田市の分譲比率25.0%が最も高いという違いがあります
  • H25→R5の10年間で、21市町村が3割以上の減少。そのなかで着工数を増やしたのは5市町村のみで、100戸以上を維持したまま増加したのは燕市と阿賀野市の2市だけです

① 全30市町村ランキング表(R5年度)

R5年度(2023年度)の新潟県30市町村・新設住宅着工数ランキングです。「持家」はマイホーム(戸建て住宅)、「貸家」は賃貸アパート・マンション、「分譲」は分譲マンション・分譲住宅、「給与」は社宅・寮などです。

順位市町村合計持家
(マイホーム)
貸家
(賃貸)
分譲給与
(社宅等)
1新潟市4,049戸1,962戸1,328戸752戸7戸
2長岡市1,094戸670戸215戸208戸1戸
3上越市643戸433戸107戸98戸5戸
4燕市421戸233戸160戸28戸0戸
5新発田市328戸189戸56戸82戸1戸
6三条市308戸205戸66戸35戸2戸
7柏崎市191戸126戸44戸20戸1戸
8阿賀野市141戸116戸18戸7戸0戸
9五泉市128戸92戸24戸12戸0戸
10南魚沼市118戸106戸9戸3戸0戸
11村上市114戸85戸25戸3戸1戸
12見附市103戸93戸0戸10戸0戸
13糸魚川市93戸54戸36戸3戸0戸
14小千谷市87戸56戸26戸5戸0戸
15加茂市84戸45戸30戸9戸0戸
16佐渡市74戸54戸16戸4戸0戸
17聖籠町71戸57戸1戸13戸0戸
18胎内市66戸32戸30戸4戸0戸
19十日町市64戸62戸0戸1戸1戸
20魚沼市63戸44戸16戸3戸0戸
21妙高市62戸56戸0戸5戸1戸
22田上町17戸17戸0戸0戸0戸
23(合算)岩船郡
(関川村+粟島浦村)
17戸9戸0戸0戸8戸
25湯沢町15戸6戸0戸1戸8戸
26刈羽村10戸10戸0戸0戸0戸
27阿賀町8戸8戸0戸0戸0戸
28弥彦村6戸6戸0戸0戸0戸
29出雲崎町5戸5戸0戸0戸0戸
30津南町5戸5戸0戸0戸0戸

表の読み方:

  • 岩船郡(関川村+粟島浦村)は原データが分離できないため、両村を1行に統合しました。順位番号は23〜24を合算枠として1つ表示しています
  • 「持家+貸家+分譲+給与=合計」で用途別の合計が総合計と一致します

※出典:国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度)

▼【グラフ:h1_ranking_total.png 新潟県30市町村・住宅着工数ランキング(R5年度)】


② 上位10・中位10・下位10 の特徴

30市町村を上位10・中位10・下位10(実質9市町村)に分けて、着工数の水準と用途構成を確認します。

上位10市町村(1〜10位)合計 7,421戸

新潟市・長岡市・上越市・燕市・新発田市・三条市・柏崎市・阿賀野市・五泉市・南魚沼市の10市が該当します。

  • 合計は7,421戸で、平均742戸、中央値は約318戸です
  • 人口3位以内の新潟市・長岡市・上越市、中規模都市の燕市・新発田市・三条市・柏崎市、そして人口4万人前後の阿賀野市・五泉市・南魚沼市という3層構造で構成されます
  • 上位10市はすべて賃貸アパート・マンションの着工が1戸以上(南魚沼市の9戸を除き二桁以上)あり、貸家0の市町村は1つもありません

中位10市町村(11〜20位)合計 819戸

村上市・見附市・糸魚川市・小千谷市・加茂市・佐渡市・聖籠町・胎内市・十日町市・魚沼市の10市町村が該当します。

  • 合計は819戸で、平均82戸、中央値は約75戸です
  • 総数がほぼ同じ「100戸前後」の市町村でも、用途構成は異なります。見附市(103戸・貸家0)十日町市(64戸・貸家0) は、絶対数が二桁台でありながら賃貸の着工がゼロでした
  • 人口約1.4万人の聖籠町(71戸) が中位10に入っています

下位10市町村(21〜30位・岩船郡合算後は9エントリ)合計 145戸

妙高市・田上町・岩船郡(関川村+粟島浦村)・湯沢町・刈羽村・阿賀町・弥彦村・出雲崎町・津南町が該当します。

  • 合計は145戸(岩船郡の二重計上を除いた実質値)で、上位10市の合計(7,421戸)と比べると約1/51の規模です
  • ほぼ全てがマイホーム中心の構成で、持家比率が9割を超える市町村が多数です
  • 9エントリすべてで貸家(賃貸)の着工が0戸(妙高市・岩船郡・田上町・湯沢町・刈羽村・阿賀町・弥彦村・出雲崎町・津南町)です
  • 分譲マンション・分譲住宅の着工もほぼ0戸です

③ 1,000人あたりで見ると順位が変わる町

総数ランキングでは新潟市が1位ですが、人口1,000人あたりで見ると順位が入れ替わる市町村があります。

総数順位市町村R5合計1,000人あたり1,000人あたり順位
4燕市421戸5.54戸/千人1位
1新潟市4,049戸5.32戸/千人2位
17聖籠町71戸5.08戸/千人3位
2長岡市1,094戸4.29戸/千人4位
8阿賀野市141戸3.60戸/千人5位
3上越市643戸3.56戸/千人7位
12見附市103戸2.71戸/千人13位

規模と勢いが乖離する市町村:

  • 燕市(人口75,935人) は総数4位ですが、1,000人あたりでは5.54戸で新潟市(5.32戸)を上回り県内1位です。人口規模のわりに住宅がよく建っている市になります
  • 聖籠町(人口13,986人) は総数17位ですが、1,000人あたりでは3位です。町村の中では例外的に人口比の着工水準が高い自治体になっています
  • 阿賀野市は総数8位・人口比5位で、規模順位より3ランク上に位置します
  • 一方、上越市は総数3位ですが人口比7位、長岡市は総数2位で人口比4位と、大規模都市は人口比では順位を下げます

総数ランキングだけを見ると「新潟市が圧倒的」で終わりますが、人口1,000人あたりで見ることで、燕市・聖籠町・阿賀野市の3市町の存在感が浮かび上がります。

▼【グラフ:h1_ranking_per_capita.png 人口1,000人あたり着工数 上位10】


④ 用途別内訳(マイホーム・賃貸・分譲)

R5年度の30市町村を、用途別(持家・貸家・分譲)の比率で見ていきます。

上位都市の用途構成

市町村持家
(マイホーム)
貸家
(賃貸)
分譲
新潟市48.5%32.8%18.6%
長岡市61.2%19.7%19.0%
上越市67.3%16.6%15.2%
燕市55.3%38.0%6.7%
  • 新潟市は持家48.5% / 貸家32.8% / 分譲18.6%と3種類のバランスが取れた構成です。30市町村中で唯一、分譲比率が2桁かつ貸家比率が3割を超えます
  • 燕市は貸家比率38.0%で、県内で最も貸家着工の比率が高い自治体になっています
  • 長岡市は貸家と分譲がほぼ同比率(19.7% / 19.0%)です
  • 上越市はマイホーム中心の構成です

賃貸アパート・マンションの着工が0戸だった11エントリ

R5年度に貸家の着工が0戸だった市町村は、見附市・妙高市・刈羽村・弥彦村・出雲崎町・十日町市・田上町・阿賀町・津南町・湯沢町・岩船郡(関川村+粟島浦村)の11エントリ(12市町村)です。

このうち見附市(合計103戸) だけは合計戸数が100戸を超えていて、他の8市町村(合計62戸以下)と絶対数の水準が違います。

分譲比率が10%を超える8市町村

市町村分譲比率合計
新発田市25.0%328戸
長岡市19.0%1,094戸
新潟市18.6%4,049戸
聖籠町18.3%71戸
上越市15.2%643戸
三条市11.4%308戸
加茂市10.7%84戸
柏崎市10.5%191戸
  • 新発田市は分譲比率25.0%で県内最高です
  • 聖籠町は人口約1.4万人ながら分譲比率18.3%で、上位都市(新潟18.6%・長岡19.0%)と同水準の構成です

⑤ 意外な観察4選

観察1:燕市は「総数4位・人口比1位」で、10年で減っていない数少ない市の1つ

  • 総数4位(421戸)・人口1,000人あたり順位1位(5.54戸)
  • 用途構成は持家233戸 / 貸家160戸で、貸家比率38.0%は県内最高水準
  • H25→R5の10年間で30市町村中21市町村が3割以上減少しているなか、燕市は+2.9%と着工数を増やしています
  • 10年間で着工が増えた5市町村(燕市・阿賀野市・湯沢町・関川村・粟島浦村)のうち、「100戸以上を維持しながら10年で増加」に該当するのは燕市と阿賀野市の2市だけです

観察2:見附市は貸家が10年で消滅した

  • R5の合計は103戸で、うち貸家は0戸です
  • 一方でH25には貸家38戸、H30には貸家68戸の着工がありました
  • 貸家0戸の他の8市町村はいずれも合計70戸未満(多くが二桁前半)ですが、見附市だけは合計100戸を超えたなかで貸家がゼロという県内で特異な状態になっています

観察3:聖籠町は人口約1.4万人で1,000人あたり3位、分譲比率18.3%

  • 総数17位(71戸)・1,000人あたり3位(5.08戸/千人)
  • 分譲比率18.3%は、上位都市の新潟市(18.6%)・長岡市(19.0%)と同水準です
  • 一方で貸家は1戸だけ(貸家比率1.4%)で、マイホーム+分譲中心の構成です
  • 同規模の田上町(人口10,581人・17戸)・弥彦村(人口7,534人・6戸)と比較すると、着工水準は数倍〜十数倍の差があります

観察4:H25→R5の10年間で21市町村が3割以上減少

CSV「着工変化率_H25_R5」を全30行チェックした結果、H25→R5で着工数が3割以上減少した市町村は21市町村でした。

減少幅市町村(変化率)
△50%以上津南町(-83.9%)・弥彦村(-70.0%)・出雲崎町(-64.3%)・糸魚川市(-63.1%)・阿賀町(-60.0%)・柏崎市(-59.4%)・南魚沼市(-55.1%)・胎内市(-51.8%)・田上町(-51.4%)・刈羽村(-50.0%)
△30〜50%見附市(-49.8%)・十日町市(-49.2%)・村上市(-46.7%)・五泉市(-45.3%)・魚沼市(-44.7%)・上越市(-43.8%)・新発田市(-43.7%)・三条市(-42.8%)・小千谷市(-42.0%)・長岡市(-37.7%)・新潟市(-35.8%)

10年間で着工数を増やしたのは、燕市・阿賀野市・湯沢町・関川村・粟島浦村の5市町村のみ(うち湯沢町・関川村・粟島浦村は絶対数が10戸台)。県全体としては着工が縮小している10年間になっています。

▼【グラフ:h1_ranking_by_use.png 上位10市町村の用途別内訳(持家・貸家・分譲)】


⑥ データの見方・注意点

着工数=住宅需要ではありません

建築着工統計の着工戸数は「建設が始まった住宅の数(供給側の数字)」であり、その市町村の住宅需要の強弱を直接示すものではありません。着工を決めるのは建て主(持家)や建築事業者(貸家・分譲)で、着工数が多い=住宅需要が旺盛とは限りません。この記事では「〜市町村で〇戸の着工がありました」の範囲で情報を提示し、「〜市町村は住宅需要が強い/弱い」という書き方はしていません。

岩船郡(関川村・粟島浦村)は合算表記です

国土交通省の原データでは、関川村と粟島浦村の着工数が郡単位で公表されており、村単位に分離できません。この記事のランキング表では、両村を「岩船郡(関川村+粟島浦村)」として1行に統合し、合計17戸として表示しています。他の28市+田上町・湯沢町・刈羽村・阿賀町・弥彦村・出雲崎町・津南町を合わせた実質のエントリ数は29件になります。

小規模市町村では単年度の変動が大きくなります

年間の着工数が5〜20戸前後の小規模市町村(湯沢町・関川村・粟島浦村・津南町・出雲崎町・弥彦村・阿賀町・刈羽村など)では、単年で数戸増減するだけで変化率が±50%以上になることがあります。この記事の「10年変化率」は個別の年ではなく10年後の水準を示しています。単年の変動を過大解釈しないでください。

順位=豊かさではありません

着工数の多さは、その市町村の人口規模・世帯数・持家率・地価水準など複数の要素が反映された結果であり、住みやすさや豊かさを直接示す指標ではありません。順位は「その年に住宅がどれくらい建てられたか」の相対比較としてお読みください。


まとめ

新潟県30市町村・住宅着工数ランキング(R5年度)の要点

  • 1位の新潟市(4,049戸) と最下位の津南町・出雲崎町(各5戸)約810倍の差。上位10市町村の合計は7,421戸、下位(実質9市町村)は145戸と、着工数は都市部に大きく集中しています
  • 総数では17位の聖籠町、8位の阿賀野市が、人口1,000人あたりでは3位・5位に上昇。燕市は総数4位ながら人口比では新潟市を上回り県内1位で、「規模と勢いの乖離」が見える市町村があります
  • 用途構成では新潟市がマイホーム・賃貸・分譲の3種バランス型燕市が貸家比率38.0%で県内最高新発田市が分譲比率25.0%で県内最高。11エントリ(12市町村・岩船郡合算1)では貸家の着工が0戸で、そのうち見附市だけが合計100戸を超えるというギャップがあります
  • H25→R5の10年間で21市町村が3割以上減少するなか、着工数を増やしたのは燕市・阿賀野市・湯沢町・関川村・粟島浦村の5市町村のみ。100戸以上を維持したまま10年で増加したのは燕市と阿賀野市の2市だけでした

出典

  • 新設住宅着工戸数(市町村別・用途別):
    国土交通省(建築着工統計調査 令和5年度)
  • 人口(1,000人あたり計算用):
    総務省(住民基本台帳に基づく人口 令和7年)

データ基準日:令和5年度(2023年度)
次回更新推奨:令和6年度データ公表後

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