新潟県でサービス業・商業の割合が高い市町村はどこ?|第3次産業就業者比率ランキング(2020年)

ランキング

湯沢町の第3次産業(サービス業・商業・医療・公務等)就業者比率は80.8%で、最も低い津南町(52.3%)と比べて約28ポイントの開きがあります。

新潟県内30市町村では、観光地・大都市・農村で産業構造が異なり、第3次産業の比率にも大きな差があります。
スキーリゾートの湯沢町や政令指定都市の新潟市が上位を占める一方、農業・製造業が盛んな市町村は下位に並びます。

この記事では、国勢調査2020年のデータをもとに、新潟県30市町村の第3次産業就業者比率を比較します。


この記事でわかること

  • 第3次産業就業者比率1位は湯沢町(80.8%)、30位は津南町(52.3%)で、全市町村が50%以上というのが新潟県の特徴
  • 上位は観光地(湯沢町)・大都市(新潟市)・離島(佐渡市・粟島浦村)など、製造業の集積が少ない市町村が占める
  • 10年間(2010〜2020年)で第3次産業比率が上昇したのは比較データある29市町村中27市町村で、弥彦村(-0.4pt)・湯沢町(-0.1pt)のみが低下している
  • 最も大きく比率が上昇した市町村は佐渡市(+7.7pt)と刈羽村(+4.4pt)
  • 下位グループは製造業・農業が盛んな市町村(燕市・五泉市・小千谷市・胎内市・津南町)が並ぶ

第3次産業就業者比率ランキング(2020年・全30市町村)

順位市町村名総就業者数第3次産業比率(2020年)第3次産業比率(2010年)10年変化(pt)産業タイプ
1湯沢町3,822人80.8%80.9%-0.1複合型
2新潟市376,334人73.2%71.0%+2.2複合型
3佐渡市26,029人66.2%58.5%+7.7農業型
4粟島浦村263人65.4%農業型
5長岡市128,543人64.6%62.1%+2.5製造業集積型
6上越市94,235人63.9%62.0%+1.9高付加価値製造業型
7新発田市47,539人62.7%62.0%+0.7複合型
8田上町5,462人61.8%59.7%+2.1製造業集積型
9見附市20,045人61.6%59.3%+2.3製造業集積型
10妙高市14,978人61.3%57.9%+3.4高付加価値製造業型
11柏崎市38,970人61.0%59.7%+1.3製造業集積型
12阿賀町4,469人59.9%58.7%+1.2製造業集積型
12南魚沼市28,656人59.9%58.3%+1.6複合型
14村上市28,555人59.3%58.7%+0.6製造業集積型
14刈羽村2,224人59.3%54.9%+4.4製造業集積型
16糸魚川市19,998人59.1%56.0%+3.1製造業集積型
17十日町市26,103人59.0%55.1%+3.9複合型
18加茂市12,736人58.4%55.7%+2.7製造業集積型
19出雲崎町1,998人58.1%55.0%+3.1製造業集積型
20三条市49,378人58.0%57.8%+0.2製造業集積型
21弥彦村4,154人56.1%56.5%-0.4製造業集積型
22魚沼市17,946人55.8%54.5%+1.3製造業集積型
23阿賀野市20,647人55.5%53.8%+1.7製造業集積型
24聖籠町7,220人55.0%54.4%+0.6製造業集積型
25燕市41,335人54.4%51.7%+2.7製造業集積型
26五泉市24,053人54.1%53.0%+1.1製造業集積型
26胎内市13,953人54.1%53.3%+0.8高付加価値製造業型
28小千谷市17,202人53.6%53.2%+0.4製造業集積型
29関川村2,649人52.5%49.1%+3.4農業型
30津南町4,914人52.3%49.3%+3.0農業型

※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成22年)


▼【グラフ:R5_第3次産業比率ランキング.png 新潟県30市町村 第3次産業就業者比率ランキング(2020年)】


上位グループの分析(1〜5位)

1位の湯沢町(80.8%)は、スキーリゾートとして国内屈指の観光地であり、宿泊業・飲食サービス業が就業者の27.9%を占めています。就業者3,822人のうち3,087人が第3次産業に就いており、産業構造として第3次産業への集中度が極めて高い市町村です。2010年(80.9%)からほぼ横ばいを維持しており、観光業中心の産業構造が安定していることが読み取れます。

2位の新潟市(73.2%)は、政令指定都市として行政・医療・卸売・金融・情報通信などの高次都市機能が集積しています。就業者37万人超のうち27万5,525人が第3次産業に就いており、医療・福祉(17.6%)と卸小売(14.5%)が就業者の2大産業です。10年間で+2.2ポイント上昇しており、サービス業・医療業の雇用拡大が続いているとみられます。

3位の佐渡市(66.2%)は、10年間で+7.7ポイントと県内最大の上昇幅を記録しています。農業・漁業就業者が減少する中で医療・福祉・観光業の就業者は一定の水準を維持しているとみられ、相対的に第3次産業比率が上昇しています。

4位の粟島浦村(65.4%)は、島唯一の産業が漁業と民宿・観光業というほぼ2本柱で、第3次産業(宿泊・飲食等)が65.4%を占めています。

5位の長岡市(64.6%)は「製造業集積型」に分類される市ですが、就業者12万8,543人のうち8万3,070人が第3次産業に就いており、医療・福祉・卸売・教育などのサービス業が幅広く集積しています。


注目市町村

刈羽村(14位・59.3%)は、10年間で+4.4ポイントと佐渡市(+7.7pt)に次いで2番目に大きな上昇幅です。第2次産業比率が-4.2ポイント低下している一方で第3次産業が上昇しており、製造業から医療・生活サービスへの就業のシフトが起きているとみられます。

妙高市(10位・61.3%)十日町市(17位・59.0%)は、それぞれ+3.4pt・+3.9ptの上昇で、「高付加価値製造業型」・「複合型」に分類されながらも第3次産業比率が着実に上昇しています。スキーリゾートの観光業(妙高市)や医療・福祉サービスの拡充(十日町市)が背景にあるとみられます。

弥彦村(21位・56.1%)は比率が-0.4ポイントと唯一低下した市町村です。製造業就業者が比較的安定しているため、第3次産業比率が相対的に低下したとみられます。


全市町村で50%超という新潟県の特徴

全30市町村のうち、第3次産業就業者比率が50%を超える市町村は30市町村すべてです。最も低い津南町(52.3%)でも就業者の半数以上がサービス業・商業等に従事しています。これは農業・製造業が盛んな市町村でも、医療・福祉・小売・建設業の就業者が一定数存在するためです。

全国平均の第3次産業就業者比率(2020年)は約72%で、新潟県平均は66〜68%程度とみられます。新潟市(73.2%)・長岡市(64.6%)・上越市(63.9%)などの主要都市が県平均を押し上げており、農村部では55〜60%前後の水準となっています。


10年間の変化傾向

比較データが取得できた29市町村のうち、27市町村で第3次産業比率が上昇し、低下は弥彦村(-0.4pt)・湯沢町(-0.1pt)のみでした。第3次産業比率の上昇は全国的なサービス業・医療業の拡大トレンドと、農業・製造業就業者の減少による相対的な比率変化が重なっているとみられます。


データの見方・注意点

第3次産業には広範な業種が含まれます

第3次産業は、卸売業・小売業・運輸・情報通信・宿泊飲食・金融保険・医療福祉・教育・公務など多様な業種の合計です。「第3次産業比率が高い=サービス業が盛ん」ではなく、医療・福祉・公務の就業者が多い場合も含まれます。

就業者数は2020年国勢調査のデータです

2020年以降にコロナ禍で観光業・飲食業の雇用が変動した市町村では、実態が異なる可能性があります。


まとめ

  • 1位は湯沢町(80.8%)でスキーリゾートの宿泊・飲食業が中心。2位は新潟市(73.2%)で都市型サービス業が集積
  • 全30市町村が第3次産業比率50%超で、最低の津南町でも52.3%
  • 10年間でほぼすべての市町村が第3次産業比率上昇(27/29市町村)と、全国的なサービス経済化のトレンドと一致している
  • 下位グループは燕市・五泉市・小千谷市・胎内市など製造業が盛んな市町村と、農業型(津南町・関川村)が並ぶ
  • 佐渡市(+7.7pt)・刈羽村(+4.4pt)・十日町市(+3.9pt)が10年間で最も大きく第3次産業比率が上昇している

出典

  • 産業別就業者数:総務省(国勢調査 令和2年・平成22年)

データ基準日:2020年(令和2年)国勢調査
次回更新推奨:2025年(令和7年)国勢調査データ公表後(2026年頃)

コメント