南魚沼市の産業構造|主要業種1位比率県内最下位・農業就業者県内5位・上位10位内業種5つ並ぶ分散型複合(R2/R4)

市町村

南魚沼市(中越地域・魚沼盆地を中心とする中越5番目の就業規模を持つ都市)の産業タイプは複合型で、総就業者数28,656人(県内8位/30市町村中)・製造品出荷額約815.4億円(県内16位)・農業産出額約75.8億円(県内9位)の規模を持ちます。第1次産業就業者比率は12.0%(県内5位)、第2次産業就業者比率は27.8%(県内25位)、第3次産業就業者比率は59.9%(県内12位)の構成です。

南魚沼市の産業構造の最大の特徴は、主要業種1位の就業者比率が15.6%(製造業)で県内30市町村中の最下位という「複合型の中でも県内で最も業種分散した」構造を持つ点です。同時に、総就業者県内8位という中規模帯に対して農業・林業就業者は県内5位(3,401人)・建設業就業者は県内6位(3,462人)と総就業者順位を上回る位置にあり、上位10位以内に入る業種が11業種並ぶ広い業種カバレッジを持ちます。10年間で総就業者は△6.6%減少しましたが、第1次産業比率変化は+0.0ptで県内2位(ほぼ横ばい)、第2次比率は△1.8pt(県内24位・低下幅大)という指標間の非対称な10年変化パターンです。

主要業種1位比率15.6%が県内最下位の業種分散型、農業就業者県内5位の魚沼米ブランド地帯、複合型2市町村のうち中越5位規模という3軸から、南魚沼市の産業構造を読み解きます。


  1. この記事でわかること
  2. ① 南魚沼市の産業タイプ(複合型・主要業種1位比率県内最下位×農業就業者県内5位×中越5位規模の3構造併存)
  3. ② 産業構造サマリー(主要業種1位比率15.6%県内最下位×19業種中11業種が県内10位以内の分散カバレッジ)
  4. ③ 10年間の産業構造変化(就業者△6.6%減少下でも第1次比率+0.0pt県内2位で農業拠点性を維持)
  5. ④ 主要業種と業種構造の特徴(主要5業種3,401〜4,462人狭範囲×農業就業者県内5位・建設業県内6位の総就業者順位上回り)
  6. ⑤ 製造業の規模(分散型複合の主役業種でも事業所10位×従業者15位×出荷16位×付加17位×生産性19位の段階的下降)
  7. ⑥ 農業の規模と特徴(就業者・経営体県内5位×1戸あたり県内25位の分散経営型・魚沼米ブランド地帯)
  8. ⑦ 中越地域の中の南魚沼市(複合型2市町村トップ×分散度最下位×農業拠点性×魚沼圏サービスハブの4構造併存)
  9. ⑧ 移住検討者・就職転職・在住地域研究への読み方(分散度最下位×農業拠点性×中越5位規模の3視点整理)
    1. 視点1:新潟在住者・地域研究者向け(中越5位×複合型トップ×分散度県内最下位の位置確認)
    2. 視点2:就職・転職検討者向け(主要5業種3,401〜4,462人狭範囲の分散労働市場×製造業中位×農業就業機会県内5位)
    3. 視点3:意外な観察(分散度最下位×農業就業者5位×第1次比率変化2位の3つの数値パターン)
  10. ⑨ データの見方・注意点
  11. まとめ
    1. 南魚沼市の産業構造の特徴(データから読み取れる範囲)
    2. 10年間の産業構造変化
    3. 派生指標で見える意外な観察
  12. この記事の執筆・データについて
  13. 出典

この記事でわかること

  • 南魚沼市の産業タイプは「複合型」。総就業者数28,656人(県内8位)・第1次産業比率12.0%(県内5位)・中越地域内では長岡・三条・燕・柏崎に次ぐ中越5位規模
  • 主要業種1位(製造業)の就業者比率が15.6%で県内30市町村中の最下位:上位3業種合計42.0%・主要業種1-2位差2.3ポイントの分散構造
  • 農業・林業就業者3,401人が県内5位・農業経営体2,959戸が県内5位(総就業者県内8位を上回る農業拠点性)
  • 主要業種は製造業4,462人(15.6%)・医療福祉3,802人(13.3%)・卸小売3,744人(13.1%)・建設業3,462人(12.1%)・農業林業3,401人(11.9%)の主要5業種が3,401〜4,462人の狭い範囲に収まる分散型
  • 製造業(工業統計ベース)は事業所141か所(県内10位)・従業者3,662人(県内15位)・出荷額約815.4億円(県内16位)・付加価値額約313.0億円(県内17位)・1人あたり付加価値855万円/人(県内19位)の中位規模×生産性下位帯
  • 業種別では上位10位以内に入る業種が11業種並び、うち総就業者順位(8位)を上回るのは農業林業5位・建設業6位・不動産業6位・宿泊飲食業5位・複合サービス業5位の5業種
  • 10年間で総就業者△6.6%(△2,030人)減少・第1次比率変化+0.0pt(県内2位・ほぼ横ばい)・第2次比率△1.8pt(県内24位・低下幅大)の非対称パターン

① 南魚沼市の産業タイプ(複合型・主要業種1位比率県内最下位×農業就業者県内5位×中越5位規模の3構造併存)

南魚沼市の産業構造の最大の特徴は、中越地域5位の就業規模を持ちながら主要業種1位比率が県内最下位(15.6%)まで分散し、同時に農業・建設業で総就業者順位を上回る業種拠点性を併せ持つ「分散型の複合型」である点です(章① サマリー)。

南魚沼市の産業タイプは「複合型」です。総就業者数28,656人(県内8位)の構成で、産業別比率は第1次12.0%(県内5位)・第2次27.8%(県内25位)・第3次59.9%(県内12位)と3区分に大きな偏りが見られない配分です。

判定式(第2次比率30%未満かつ第1次比率が上位帯かつ第3次比率が主要業種1位に極端に偏らない)により複合型に分類されます。中越地域16市町村内では長岡市・三条市・燕市・柏崎市に次ぐ中越5位規模で、県内で複合型に分類される5市町村(新潟市・新発田市・十日町市・南魚沼市・湯沢町)の一角に含まれます。

南魚沼市の産業構造を数値で確認します。

指標数値県内順位(30市町村中)
産業タイプ複合型
総就業者数(2020年)28,656人8位
第1次産業就業者比率12.0%5位
第2次産業就業者比率27.8%25位
第3次産業就業者比率59.9%12位
主要業種1位製造業 4,462人全就業者の15.6%(県内30位・最下位)
製造品出荷額(2022年)約815.4億円16位
付加価値額(2022年)約313.0億円17位
農業産出額(2022年推計)約75.8億円9位
1人あたり付加価値額855万円/人19位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)、経済産業省(工業統計調査 令和4年)、農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)

→ 総就業者28,656人(県内8位)・第1次12.0%(県内5位)・第2次27.8%(県内25位)・第3次59.9%(県内12位)で複合型に分類され、農業産出額が県内9位・製造業出荷額が県内16位と複数の産業指標が中位帯以上に並びます。

中越地域16市町村内での南魚沼市の位置を整理します。

中越内順位市町村総就業者数産業タイプ
1長岡市128,543人製造業集積型
2三条市49,378人製造業集積型
3燕市41,335人製造業集積型
4柏崎市38,970人製造業集積型
5南魚沼市28,656人複合型
6十日町市26,103人複合型
7見附市20,045人製造業集積型

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 南魚沼市の総就業者28,656人は中越地域5位で、中越地域の複合型2市町村(南魚沼・十日町)のトップに位置します。

複合型5市町村(新潟市・新発田市・十日町市・南魚沼市・湯沢町)を主要業種1位比率で並べると、湯沢町(宿泊飲食業27.9%)を除く4市町村は主要業種1位比率が20%未満で、南魚沼市の15.6%がその中でも最も低い水準に位置します。県内で製造業を主要業種1位とする25市町村と比較しても、南魚沼市の製造業比率15.6%は最下位となります。上位3業種合計比率も42.0%と低く、業種の分散度が県内で最も顕著な複合型です。

南魚沼市の産業構造は、「複合型」というラベルの通り、特定の業種に偏らず製造業・医療福祉・卸小売・建設業・農業林業の主要5業種が3,401〜4,462人の狭い範囲に収まる「業種分散型」の構造と読み取れます。中越地域5位規模の就業基盤と、章②で確認する主要業種1位比率県内最下位、章④で確認する農業就業者県内5位という3つの特徴が組み合わさる位置にあります。産業タイプ「複合型」の詳細な内訳は章②〜⑦で確認できます。


② 産業構造サマリー(主要業種1位比率15.6%県内最下位×19業種中11業種が県内10位以内の分散カバレッジ)

南魚沼市の産業別就業者比率と県内順位を整理します。

指標数値県内順位(30市町村中)
総就業者数28,656人8位
第1次産業就業者比率12.0%5位
第2次産業就業者比率27.8%25位
第3次産業就業者比率59.9%12位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 総就業者28,656人(県内8位)で、第1次12.0%(県内5位)・第2次27.8%(県内25位・下位帯)・第3次59.9%(県内12位) の構成となり、第1次が上位・第2次が下位・第3次が中位という3区分の混成パターンです。

総就業者数28,656人は県内8位で、中越地域内では長岡市(128,543人)・三条市(49,378人)・燕市(41,335人)・柏崎市(38,970人)に次ぐ中越5位の規模となります。第1次産業比率12.0%は県平均(単純平均8.6%)を+3.4ポイント上回り県内5位、第2次産業比率27.8%は県平均(単純平均30.3%)を△2.5ポイント下回り県内25位(下位帯)、第3次産業比率59.9%は県平均(単純平均59.9%)と同水準で県内12位となります。

主要業種1位比率15.6%が県内30市町村中で最下位

南魚沼市の主要業種1位(製造業)の就業者比率15.6%は、県内30市町村を比較した「主要業種1位×比率」の分布で最も低い水準に位置します。次に低いのは十日町市(16.0%)・新潟市(17.6%)・新発田市(18.9%)となります。上位3業種合計比率も42.0%と低く、主要業種1-2位のポイント差は2.3ポイントのみで、事実上「業種の主役が決まっていない」構造と読み取れます。

19業種中11業種が県内10位以内・うち5業種が総就業者順位(8位)を上回る

南魚沼市の業種別絶対値順位を整理すると、19業種中11業種が県内10位以内に収まる広い業種カバレッジを持ちます。特に総就業者順位(8位)を上回る位置にある業種を以下に示します。

業種南魚沼市の就業者数県内順位
農業・林業3,401人県内5位
宿泊・飲食業2,118人県内5位
複合サービス事業530人県内5位
建設業3,462人県内6位
不動産業343人県内6位
他サービス1,638人県内8位
卸売業・小売業3,744人県内9位
生活娯楽985人県内9位
医療・福祉3,802人県内10位
教育1,063人県内10位
金融保険344人県内10位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 農業林業5位・宿泊飲食業5位・複合サービス事業5位・建設業6位・不動産業6位の5業種が総就業者順位(8位)を上回り、業種横断ランキング上で南魚沼市の広い業種カバレッジが確認できます。

19業種中11業種が県内10位以内という業種カバレッジは、周辺市町村を含む圏域の生活・観光需要を集約する構造と読み取れます。特に農業・林業3,401人(県内5位)・宿泊・飲食業2,118人(県内5位)・建設業3,462人(県内6位)は、総就業者県内8位という中規模帯の順位を大きく上回っており、魚沼米生産・スキー観光・雪国建設インフラという地域特性と整合的な業種構成といえます(詳細は章④)。

▼【グラフ:minamiuonuma_産業構造.png 新潟県30市町村の産業別就業者比率(2020年・南魚沼市を強調)】


③ 10年間の産業構造変化(就業者△6.6%減少下でも第1次比率+0.0pt県内2位で農業拠点性を維持)

10年で総就業者は△6.6%減少し県内23位(減少幅は相対的に大きい方)に入ります。産業構造の比率変化では第1次比率+0.0pt(県内2位・ほぼ横ばい)・第2次比率△1.8pt(県内24位・低下幅大)と、指標間で非対称な変化パターンを示します(章③ サマリー)。

2010年から2020年までの10年間で、南魚沼市の総就業者数は△6.6%(△2,030人)減少しました。この減少幅は県内30市町村で23位(減少幅が相対的に大きい方)となります。産業構造の比率変化では第1次産業比率+0.0pt(県内2位・ほぼ横ばい)・第2次産業比率△1.8pt(県内24位・低下幅大)・第3次産業比率+1.6pt(県内17位)と、指標間で非対称な変化パターンを示しています。

2010年から2020年までの就業者数と産業構造の推移を整理します。

総就業者数第1次比率第2次比率第3次比率
2010年(H22)30,686人12.0%29.6%58.3%
2015年(H27)
2020年(R2)28,656人12.0%27.8%59.9%
10年変化△2,030人(△6.6%)+0.0pt△1.8pt+1.6pt

※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)

→ 総就業者△6.6%は県内23位(減少幅の大きい方)で、第1次比率+0.0pt(県内2位)・第2次比率△1.8pt(県内24位) と指標間で非対称な10年変化のパターンとなっています。

主要業種の実数推移

主要業種(農業・林業/製造業)の10年推移を整理します。

業種2010年2020年10年変化
農業・林業3,633人3,401人△232人(△6.4%)
製造業4,965人4,462人△503人(△10.1%)
総就業者30,686人28,656人△2,030人(△6.6%)

※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成22年)

→ 農業・林業の減少率△6.4%は総就業者の減少率△6.6%とほぼ同水準で、第1次比率がほぼ横ばい(+0.0pt・県内2位)を維持する背景と読み取れます。一方、製造業△10.1%は総就業者減少率を上回る低下率で、第2次比率が△1.8pt(県内24位・低下幅大)低下する動きに反映されています。

第1次産業比率の10年変化+0.0ptは県内で2位の低変動性で、県内30市町村の多くが第1次比率を数ポイント低下させる中、南魚沼市は「農業就業者と総就業者が同ペースで減少」した結果、比率としては横ばいを維持しています。10年推移で農業・林業就業者は3,633人→3,401人(△232人・△6.4%)、総就業者は30,686人→28,656人(△2,030人・△6.6%)と、両者の減少率がほぼ同水準です。

一方、製造業就業者は4,965人→4,462人(△503人・△10.1%)と総就業者の減少率を上回る低下率で、第2次比率が△1.8pt(県内24位・低下幅大)まで下がりました。第3次比率は+1.6pt(県内17位)シフトしており、県内平均的な緩やかな第3次化のパターンとなっています。

10年減少率が県内で大きい方から並ぶ市町村(阿賀町△18.2%・佐渡△18.0%・十日町/津南△13.0%等)と比べると、南魚沼市の△6.6%は減少幅で県内23位(減少幅が相対的に大きい方)ですが、上位減少市町村と比較すると減少幅は小さい方に属します。

南魚沼市の10年変化は、総就業者の減少率(△6.6%)が県内下位帯(減少幅大)ですが、農業就業者と総就業者が同ペースで減少しており、第1次比率だけがほぼ横ばい(+0.0pt・県内2位)を維持する構造と読み取れます。

他の複合型市町村や県内多数派が第1次比率を数ポイント低下させる中、南魚沼市の第1次比率がほぼ横ばいである点は、農業拠点性が10年前と同程度で維持されている観察と整合的です。10年変化には人口減少・高齢化・産業構造変化等の複数の要因が絡み合う可能性があり、単一の因果として断定はできません。

▼【グラフ:minamiuonuma_産業変化.png 南魚沼市の産業構造推移(2010→2015→2020年・積み上げ棒)】


④ 主要業種と業種構造の特徴(主要5業種3,401〜4,462人狭範囲×農業就業者県内5位・建設業県内6位の総就業者順位上回り)

就業者数の多い上位5業種を確認します。

順位業種名就業者数就業者比率県内絶対値順位
1位製造業4,462人15.6%県内12位
2位医療・福祉3,802人13.3%県内10位
3位卸売業・小売業3,744人13.1%県内9位
4位建設業3,462人12.1%県内6位
5位農業・林業3,401人11.9%県内5位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 主要業種1位から5位までの就業者数が3,401〜4,462人の狭い範囲に収まり、1位と5位の差は約1,000人・1-2位差は+2.3ポイントの分散構造となります。5業種のうち建設業(県内6位)と農業・林業(県内5位)は総就業者順位(8位)を上回る位置にあります。

主要業種1位「製造業」の就業者比率15.6%は、県内30市町村を比較した「主要業種1位×比率」の分布で最下位に位置します。次に低いのは十日町市(16.0%・第2位)・新潟市(17.6%・第3位)・新発田市(18.9%・第4位)で、南魚沼市の15.6%は複合型5市町村(新潟・新発田・十日町・南魚沼・湯沢)の中でも最も低い水準となります。上位3業種合計42.0%・主要業種1-2位差+2.3ポイントは、特定業種への集中度が県内で最も低い分散構造と読み取れます。

主要5業種が3,401〜4,462人の狭い範囲に収まる分散型

主要業種1位(製造業4,462人)と主要業種5位(農業・林業3,401人)の差は約1,000人で、業種の主役が定まらない分散型の構造です。県内で製造業を主要業種1位とする集積型上位(燕市35.2%・三条市28.8%・小千谷市28.6%)と比較すると、南魚沼市の製造業比率15.6%は約20ポイント低く、複合型5市町村のうち湯沢町(宿泊飲食業27.9%)を除いた4市町村の中で最も分散した業種構成といえます。

建設業県内6位・農業林業県内5位の上振れ

主要業種4位「建設業」の3,462人は県内6位で、総就業者県内8位という中規模帯の順位を上回る位置にあります。県内建設業上位5市町村は新潟32,570人・長岡11,290人・上越9,833人・新発田4,689人・柏崎4,620人で、いずれも南魚沼市より人口・総就業者が大きい市町村です。南魚沼市は総就業者8位の中で建設業6位に入っており、建設業就業比率12.1%は県内でも上位に位置します。

主要業種5位「農業・林業」の3,401人は県内5位で、農業就業者県内5位より上位の4市町村(新潟11,520人・佐渡4,189人・長岡4,180人・上越4,047人)はすべて総就業者2万人以上の主要市です。南魚沼市は総就業者28,656人と5市の中では最小規模ながら5位に入っており、農業拠点性の高さが業種横断ランキングで確認できます(詳細は章⑥)。

11業種が県内10位以内・魚沼圏の広域サービス機能

南魚沼市の業種構造は、19業種中11業種が県内10位以内に収まる広い業種カバレッジを持ちます。総就業者順位(8位)を上回る5業種(農業林業5位・宿泊飲食業5位・複合サービス事業5位・建設業6位・不動産業6位)に加え、県内10位以内には他サービス8位・卸小売9位・生活娯楽9位・医療福祉10位・教育10位・金融保険10位が並びます。魚沼圏(南魚沼・湯沢・魚沼・十日町の南部)を含む圏域内での業種カバレッジの広さが、業種横断ランキング上で確認できる位置と読み取れます。

▼【グラフ:minamiuonuma_就業者数.png 南魚沼市の業種別就業者数(2020年・上位10業種)】


⑤ 製造業の規模(分散型複合の主役業種でも事業所10位×従業者15位×出荷16位×付加17位×生産性19位の段階的下降)

南魚沼市の製造業は分散型複合の主要業種1位でありながら、事業所数(10位)から生産性指標(19位)にかけて順位が段階的に下がる構造で、事業所規模は県内中規模帯ながら1人あたり付加価値額は県内下位帯に位置します(章⑤ サマリー)。

南魚沼市の製造業は製造業事業所数141か所(県内10位)・製造業従業者数3,662人(県内15位)・製造品出荷額約815.4億円(県内16位)・付加価値額約313.0億円(県内17位)・現金給与総額約134.2億円(県内16位)・付加価値率38.4%(県内23位)・1人あたり付加価値額855万円/人(県内19位) の構成となります。

事業所数10位から順位が段階的に下がっていく規模構造で、生産性指標では県平均加重(1,188万円/人)を△333万円/人下回る下位帯の水準となります。分散型複合の主要業種1位(就業者比率15.6%)でありながら、金額指標・生産性指標では県内中位・下位帯に位置する点が南魚沼固有の順位構造です。

2022年の製造業指標を規模と効率の両面で整理します。

指標数値県内順位
製造業事業所数141か所10位
製造業従業者数3,662人15位
製造品出荷額(2022年)約815.4億円16位
付加価値額(2022年)約313.0億円17位
現金給与総額(2022年)約134.2億円16位
付加価値率38.4%23位
1人あたり付加価値額855万円/人19位
事業所あたり従業者26.0人/事業所

※出典:経済産業省(工業統計調査 令和4年)※従業者4人以上の事業所が対象

→ 事業所数141か所(県内10位)から生産性指標19位まで、順位が段階的に下がっていく規模×効率の順位構造で、1人あたり付加価値額855万円/人は県平均加重1,188万円/人を△333万円/人下回る下位帯となります。

なお、章②〜④で使用した主要業種1位「製造業」の就業者数4,462人は総務省国勢調査(令和2年・居住地ベース)による集計、章⑤の製造業従業者数3,662人は経済産業省工業統計調査(令和4年・事業所ベース・従業者4人以上)による集計で、集計基準が異なるため両者の数値は一致しません。以降の生産性指標(1人あたり付加価値額855万円/人)は工業統計調査の従業者3,662人を分母としています。

製造業指標上位10市町村の中での南魚沼市の位置を整理します。

順位市町村事業所数(か所)従業者数(人)出荷額(億円)付加価値額(億円)
1新潟市1,06835,97011,850.84,553.3
2長岡市85425,0456,571.22,563.5
3燕市79815,9454,457.41,614.5
4三条市59013,2412,963.51,171.7
5上越市37316,0085,901.02,878.1
6柏崎市2257,5732,015.5892.8
7新発田市1616,7241,642.1740.4
8村上市1544,571763.2315.5
9十日町市1493,170391.9166.1
10南魚沼市1413,662815.4313.0

※出典:経済産業省(工業統計調査 令和4年)

→ 南魚沼市の事業所数141か所は県内10位で、9位の十日町市(149か所)とはほぼ同水準ですが、従業者数(15位)・出荷額(16位)・付加価値額(17位)は県内10位以内から外れ、規模×効率の順位ギャップを持つ構造となります。

事業所数10位(141か所)と従業者数15位(3,662人)の順位差は、事業所あたり従業者数26.0人/事業所という中規模事業所主体の構造と読み取れます。県内10位以内の他市町村(燕市20.0人・三条市22.4人)と比べると南魚沼の26.0人は決して小さくありませんが、上越市42.9人・新発田市41.8人・柏崎市33.7人と比べると事業所規模は小さい方に属します。

生産性指標では付加価値率38.4%(県内23位)・1人あたり付加価値額855万円/人(県内19位)で、県平均加重(1,188万円/人)を△333万円/人下回る下位帯となります。県内の高付加価値製造業型に分類される市町村(関川・妙高等)や、集積型の生産性上位帯とは異なる構造で、事業所数中位×従業者数中位×金額指標下位×生産性下位という「規模先行・生産性下位」の順位構造と読み取れます。

南魚沼市の製造業は、事業所数141か所(県内10位)を持ちながら金額指標が16〜17位、生産性が19位と順位が段階的に下がる構造で、県内中規模帯の製造業市町村群の中に位置します。

1人あたり付加価値額855万円/人は工業統計調査の事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性指標で、県平均加重を△333万円/人下回る下位帯水準となります。個別事業所の給与や賃金水準そのものではない点に注意が必要です。就職・転職検討者にとっては「県内中規模帯の製造業就業機会が事業所10位で存在するが、労働生産性は県内下位帯」という判断材料になります。

▼【グラフ:minamiuonuma_県内ランキング.png 新潟県内 製造業指標ランキング(南魚沼市を強調)】


⑥ 農業の規模と特徴(就業者・経営体県内5位×1戸あたり県内25位の分散経営型・魚沼米ブランド地帯)

農業の規模と効率を整理します。

指標数値県内順位
農業・林業就業者数(2020年)3,401人5位
農業経営体数(2020年)2,959戸5位
経営耕地面積(2020年)約5,720.87ha8位
農業産出額(2022年推計)約75.8億円9位
農家1戸あたり産出額約256万円/戸25位
農地1haあたり産出額132万円/ha

※出典:農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年・農林業センサス 令和2年)・総務省(国勢調査 令和2年)

→ 農業・林業就業者・農業経営体は県内5位、経営耕地面積は8位、農業産出額は9位と絶対値・面積の各指標が県内上位帯で揃う一方、1戸あたり産出額256万円/戸は県内25位(下位)に位置し、「経営体数多い×1戸あたり規模小」の分散経営構造を持ちます。

農業就業者・経営体数が県内5位(総就業者県内8位を上回る)

南魚沼市の農業・林業就業者数3,401人は県内5位で、農業経営体数2,959戸も県内5位に位置します。農業就業者県内5位より上位の4市町村(新潟11,520人・佐渡4,189人・長岡4,180人・上越4,047人)はすべて総就業者2万人以上の主要市で、南魚沼市は総就業者28,656人と5市の中では最小規模ながら5位に入る位置となります。

経営耕地面積約5,720.87haは県内8位、農業産出額約75.8億円は県内9位で、就業者・経営体・面積の各指標が総就業者順位(8位)と同等かそれ以上の順位に並び、農業拠点性の高さが確認できます。

「経営体数上位×1戸あたり産出額下位」の分散経営構造

一方、農家1戸あたり産出額は約256万円/戸で県内25位(下位)となります。他市町村の農業産出額上位市町村(新発田市1,266万円/戸・胎内市1,039万円/戸等)と比較すると1戸あたり産出額の差は明確で、南魚沼市は「農業経営体が数として多い(県内5位)×1戸あたりの規模は県内下位」という分散経営構造と読み取れます。農地1haあたり産出額132万円/haは農地1haあたりで見ても中位帯の水準となります。

「農業が弱い」ということではなく、小規模経営体が数として多く上位を占める構造の現れとして読み取れます。中越地域内では長岡市(農業産出額約172.1億円・県内4位)・三条市(約71.0億円・県内10位)等と規模の位置関係を持ちますが、農業就業者数(3,401人)と農業経営体数(2,959戸)の絶対値では中越地域内でも上位帯にあります。

魚沼産コシヒカリの主要産地

南魚沼市は農業産出額県内9位・第1次産業比率12.0%(県内5位)と、農業指標が両基準で上位帯に位置します。南魚沼市は魚沼産コシヒカリの主要産地の一つで、塩沢地区・大和地区・六日町地区は魚沼米の産地区分(南魚沼市・魚沼市・十日町市・湯沢町等)に含まれます。魚沼米ブランドの詳細(産地区分・作付面積・出荷量等)は南魚沼市公式サイト・JAみなみ魚沼・農林水産省の関連資料を参照してください。


⑦ 中越地域の中の南魚沼市(複合型2市町村トップ×分散度最下位×農業拠点性×魚沼圏サービスハブの4構造併存)

南魚沼市は中越地域16市町村中で総就業者5位に位置し、中越地域の複合型2市町村のトップを占めます。県内で主要業種1位比率が最も低く(15.6%)、農業就業者県内5位・建設業県内6位という業種構造は県内で唯一のパターンです(章⑦ サマリー)。

南魚沼市は中越地域の魚沼盆地に位置する市域で、中越地域5位の就業規模を持ちます。本章では、中越地域内での南魚沼市の位置と、複合型5市町村の中での南魚沼市の位置の2つの視点で広域構造を整理します。

中越地域16市町村内での南魚沼市の位置

中越地域主要7市町村の総就業者と産業タイプを整理します。

中越内順位市町村総就業者数産業タイプ
1長岡市128,543人製造業集積型
2三条市49,378人製造業集積型
3燕市41,335人製造業集積型
4柏崎市38,970人製造業集積型
5南魚沼市28,656人複合型
6十日町市26,103人複合型
7見附市20,045人製造業集積型

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 南魚沼市は中越地域5位規模で、中越地域内の複合型2市町村(南魚沼・十日町)のトップに位置します。中越地域上位4市(長岡・三条・燕・柏崎)はいずれも製造業集積型で、南魚沼市は中越地域における複合型の代表として位置づけられます。

南魚沼市の総就業者28,656人は中越地域5位で、4位の柏崎市(38,970人)とは約10,000人の差、6位の十日町市(26,103人)とは約2,500人の差の位置にあります。中越地域の産業構造は製造業集積型が中心で、南魚沼市の複合型ラベルは中越地域内で相対的に少数派といえます。

複合型5市町村の中での南魚沼市の位置

県内で複合型に分類される5市町村(新潟市・新発田市・十日町市・南魚沼市・湯沢町)を主要業種1位比率で並べます。

市町村主要業種1位就業者比率
湯沢町宿泊・飲食業27.9%
新発田市18.9%
新潟市17.6%
十日町市製造業16.0%
南魚沼市製造業15.6%

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 複合型5市町村のうち、湯沢町(宿泊飲食業27.9%)を除く4市町村は主要業種1位比率が20%未満で、南魚沼市の15.6%がその中で最も低く、県内30市町村全体でも最下位の分散度となります。

南魚沼市固有の3つの構造パターン

南魚沼市の産業構造は、複合型5市町村の中でも以下の3つの構造パターンを併せ持つ位置にあります。

  • 主要業種1位比率15.6%が県内30市町村中で最下位(複合型の中でも最も分散した業種構成)
  • 農業・林業就業者県内5位・農業経営体県内5位で、総就業者県内8位を上回る農業拠点性(複合型の中で農業就業者順位が最も高い)
  • 上位10位以内に入る業種11業種が並び、うち5業種が総就業者順位を上回る魚沼圏サービスハブ性(複合型の中で業種カバレッジが広い)

この3つの構造パターン(分散度最下位×農業拠点性×広い業種カバレッジ)を併せ持つのは県内で南魚沼市のみとなります。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

南魚沼市は中越地域16市町村中で総就業者5位(28,656人)に位置し、中越地域内の複合型2市町村のトップを占めます。主要業種1位比率15.6%は県内30市町村中で最下位で、主要5業種が3,401〜4,462人の狭い範囲に収まる「県内で最も業種分散した複合型」の構造と読み取れます。

同時に農業・林業就業者・経営体が県内5位、建設業就業者が県内6位という総就業者順位(8位)を上回る業種構造を併せ持ち、上位10位以内に入る業種が11業種並ぶ広い業種カバレッジを持ちます。南魚沼市を「中越地域5位規模の複合型」と「県内で唯一の分散度最下位×農業拠点性×魚沼圏サービスハブ性の3構造」の両面から捉えることが、複合型市町村群および中越地域内での構造的な差異を理解するうえで妥当な視点となります。


⑧ 移住検討者・就職転職・在住地域研究への読み方(分散度最下位×農業拠点性×中越5位規模の3視点整理)

本章は「南魚沼市 産業構造」「南魚沼市 主要産業」「南魚沼市 農業」等の検索意図に対する、産業構造データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。

視点1:新潟在住者・地域研究者向け(中越5位×複合型トップ×分散度県内最下位の位置確認)

南魚沼市は中越地域5位規模の複合型都市で、県内で唯一「主要業種1位比率県内最下位×農業拠点性×魚沼圏サービスハブ性」の3構造を併せ持ちます。

読み取り材料データ根拠
中越地域内の位置中越5位規模(28,656人)・上位4市(長岡・三条・燕・柏崎)に次ぐ・中越の複合型2市町村のトップ
業種構造の特徴19業種中11業種が県内10位以内・農業林業5位・宿泊飲食業5位・複合サービス5位・建設業6位・不動産業6位の5業種が総就業者順位(8位)を上回る
主要業種の分散度主要業種1位比率15.6%が県内30市町村中で最下位・上位3業種合計42.0%・1-2位差2.3pt
農業拠点性農業・林業就業者3,401人(県内5位)・農業経営体2,959戸(県内5位)・農業産出額約75.8億円(県内9位)
10年変化総就業者△6.6%(減少幅県内23位)・第1次比率+0.0pt(県内2位・ほぼ横ばい)・第2次△1.8pt(県内24位・低下幅大)

新潟在住者や地域研究者にとって、南魚沼市は「県内で最も業種分散した複合型・中越地域5位規模の魚沼圏サービスハブ」として位置づけられます。主要業種1位比率15.6%が県内最下位である点は他市町村では見られない業種分散のパターンで、主要5業種が3,401〜4,462人の狭い範囲に収まる分散構造と読み取れます。

視点2:就職・転職検討者向け(主要5業種3,401〜4,462人狭範囲の分散労働市場×製造業中位×農業就業機会県内5位)

南魚沼市は総就業者28,656人(県内8位)・主要5業種が3,401〜4,462人の狭い範囲に分散する労働市場を持ちます。

読み取り材料データ根拠
労働市場の規模総就業者28,656人(県内8位・中越地域5位)
主要5業種3,401〜4,462人狭範囲製造業4,462人・医療福祉3,802人・卸小売3,744人・建設業3,462人・農業林業3,401人(1位と5位の差約1,000人)
製造業の就業機会主要業種1位・就業者4,462人(15.6%)・工業統計ベース従業者3,662人(県内15位)・事業所141か所(県内10位)
製造業の生産性水準付加価値率38.4%(県内23位)・1人あたり付加価値額855万円/人(県内19位)・県平均加重1,188万円/人を△333万円/人下回る下位帯
農業・建設業の就業機会農業林業3,401人(県内5位)・建設業3,462人(県内6位)(総就業者順位8位を上回る業種順位)
その他業種医療福祉3,802人(県内10位)・卸小売3,744人(県内9位)・宿泊飲食業2,118人(県内5位)

南魚沼市の1人あたり付加価値額855万円/人は工業統計調査の事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性指標で、個別事業所の給与そのものではありません。県平均加重を△333万円/人下回る下位帯水準ですが、章②で示した通り主要5業種が3,401〜4,462人の狭い範囲に集中する分散型の労働市場である点が構造的な特徴となります。農業就業機会(県内5位)・建設業就業機会(県内6位)・宿泊飲食業就業機会(県内5位)が総就業者順位を上回る位置にある点は、業種選択の幅と読み取れます。

視点3:意外な観察(分散度最下位×農業就業者5位×第1次比率変化2位の3つの数値パターン)

南魚沼市の産業構造データから読み取れる「意外な観察」として3つの数値パターンを整理します。

読み取り材料データ根拠
主要業種1位比率15.6%が県内30市町村中の最下位主要5業種が3,401〜4,462人の狭い範囲に集中・1-2位差2.3pt・上位3業種合計42.0%と、県内で最も業種分散した構造
農業就業者県内5位×総就業者県内8位の順位乖離農業・林業就業者3,401人(県内5位)・農業経営体2,959戸(県内5位)が、総就業者順位(8位)を3ランク上回る農業拠点性
第1次比率変化+0.0pt県内2位(10年でほぼ横ばい)10年で総就業者は△6.6%減少したが、農業・林業就業者の減少率△6.4%が総就業者減少率とほぼ同水準で、第1次比率がほぼ横ばいを維持

これら3つの数値パターンは、南魚沼市の産業構造データから機械的に読み取れる観察事実で、他の市町村では見られない南魚沼市固有の構造として位置づけられます。個別の成立背景や因果関係は本記事の範囲外です。

⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、移住・就業・研究の意思決定を代替するものではありません。


⑨ データの見方・注意点

産業タイプ分類は目安です

本記事の「産業タイプ」(製造業集積型・高付加価値製造業型・農業型・複合型・都市サービス型等)は、産業別就業者比率と製造業指標を組み合わせた分類です。同一タイプでも市町村ごとに主要業種・規模・変化パターンは異なるため、タイプラベルだけで判断せず、本文の各指標を合わせて確認してください。

就業者比率と生産性は別指標です

第1/2/3次産業の就業者比率は「誰がどこで働いているか」を示す指標です。1人あたり付加価値額(製造業事業所ベース)は「製造業の労働生産性の目安」を示す別の指標であり、就業者比率が高いほど生産性が高いとは限りません。

製造業指標は事業所ベースです

⑤で提示する製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額は、経済産業省「工業統計調査」の事業所ベース集計です。市町村内に本社を置く企業ではなく、事業所(工場・作業所等)が市町村内にあることが集計基準となります。県外本社の事業所も含まれる場合があります。

農業産出額は推計値です

⑥で提示する農業産出額は農林水産省「市町村別農業産出額(推計)」による推計値です。市町村単位の農業産出額は農林水産省が農業経営体調査・作物統計等から推計しており、実額とは差が生じる場合があります。

農業産出額と農家収入は別です

農業産出額は市町村内で生産された農産物の推定額(生産額ベース)で、農家の手取り収入とは異なります。生産コスト・流通経費・農業経営体の規模差により、産出額と農家収入の関係は市町村ごとに異なります。

主要業種比率の分母は総就業者数です

②〜④で提示する主要業種の比率は、国勢調査「産業(大分類)別就業者数」を分母として計算しています。分母は当該市町村に居住する15歳以上就業者(従業地ではなく居住地ベース)です。市町村外へ通勤する就業者も含まれます。

10年変化は国勢調査5年ごとの比較です

③で提示する2010年→2015年→2020年の10年変化は、国勢調査(5年ごと実施)の3時点比較です。年次データではないため、単年度のショック(特定事業所の開設・閉鎖等)の影響が5年間の中で吸収されている場合があります。

産業タイプは順位ではありません

産業タイプの分類(複合型等)は市町村の産業構造の特徴を示す分類であり、優劣を示すものではありません。「複合型」が「農業型」より優れているという意味ではなく、産業の集中度や分散度の違いを示す指標です。


まとめ

南魚沼市の産業構造の特徴(データから読み取れる範囲)

  • 産業タイプは複合型。総就業者数28,656人は県内8位・中越地域5位、第1次産業比率12.0%は県内5位、第2次産業比率27.8%は県内25位、第3次産業比率59.9%は県内12位の構成
  • 主要業種1位(製造業)の就業者比率15.6%が県内30市町村中で最下位:次に低いのは十日町市16.0%・新潟市17.6%・新発田市18.9%で、複合型5市町村の中でも最も低い分散度
  • 主要5業種が3,401〜4,462人の狭い範囲に収まる分散型:製造業4,462人・医療福祉3,802人・卸小売3,744人・建設業3,462人・農業林業3,401人(1位と5位の差約1,000人・1-2位差+2.3pt)
  • 農業・林業就業者3,401人が県内5位・農業経営体2,959戸が県内5位(総就業者県内8位を上回る農業拠点性)・農業産出額約75.8億円(県内9位)・経営耕地約5,720.87ha(県内8位)
  • 製造業(工業統計ベース)は事業所141か所(県内10位)・従業者3,662人(県内15位)・出荷額約815.4億円(県内16位)・付加価値額約313.0億円(県内17位)・生産性855万円/人(県内19位)の中位規模×下位生産性
  • 19業種中11業種が県内10位以内:うち総就業者順位(8位)を上回る5業種=農業林業5位・宿泊飲食業5位・複合サービス5位・建設業6位・不動産業6位
  • 中越地域16市町村内で総就業者5位、中越地域の複合型2市町村(南魚沼・十日町)のトップに位置

10年間の産業構造変化

2010年から2020年にかけて総就業者は△6.6%(△2,030人)減少し、この減少幅は県内で23位(減少幅は相対的に大きい方)に入ります。産業構造の比率変化では第1次産業比率+0.0pt(県内2位・ほぼ横ばい)・第2次比率△1.8pt(県内24位・低下幅大)・第3次比率+1.6pt(県内17位)という指標間で非対称な変化パターンとなっています。

10年推移で農業・林業就業者は3,633人→3,401人(△232人・△6.4%)、製造業就業者は4,965人→4,462人(△503人・△10.1%)と、農業就業者の減少率が総就業者と同水準・製造業就業者の減少率が総就業者を上回る動きが第1次比率横ばいと第2次比率低下幅大の背景と読み取れます。

派生指標で見える意外な観察

  • 主要業種1位比率15.6%が県内30市町村中で最下位:複合型5市町村の中でも最も分散した業種構成・上位3業種合計42.0%・1-2位差+2.3ptと業種の主役が定まらない構造
  • 農業就業者県内5位×総就業者県内8位の順位乖離:農業・林業就業者3,401人(県内5位)・農業経営体2,959戸(県内5位)が、総就業者順位(8位)を3ランク上回る農業拠点性
  • 経営体数上位×1戸あたり産出額下位の分散経営構造:農業経営体県内5位(2,959戸)×1戸あたり産出額256万円/戸で県内25位という「小規模経営体が数として多い」構造
  • 第1次比率変化+0.0pt(県内2位・ほぼ横ばい)×第2次比率△1.8pt(県内24位・低下幅大)の非対称10年変化:10年で総就業者△6.6%減少下でも第1次比率は横ばいを維持
  • 中越地域5位×複合型2市町村のトップ×分散度県内最下位×農業拠点性×魚沼圏サービスハブ性の組合せは県内で南魚沼市のみ:中越地域の複合型代表として、業種横断ランキング上で他市町村では見られないパターンを持つ位置

この記事の執筆・データについて

執筆:新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日:令和2年(2020年)国勢調査/令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額(推計)/令和2年(2020年)農林業センサス/令和3年(2021年)経済センサス-活動調査
更新日:2026-09-05
運営者情報:https://niigata-data.com/運営者情報/
データの利用について:https://niigata-data.com/privacy-policy/

本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・事業判断助言ではありません。移住・就業・起業・出店等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。


出典

  • 産業別就業者数(第1〜3次産業・主要業種):
    総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)
  • 製造品出荷額・製造業従業者数・付加価値額:
    経済産業省(工業統計調査 令和4年)
  • 農業産出額:
    農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)
  • 農家数・農地面積:
    農林水産省(農林業センサス 令和2年)
  • 事業所数・従業者数:
    総務省・経済産業省(経済センサス-活動調査 令和3年)

派生値の算出方法:

本記事で使用する「県平均・県合計・倍率」等の派生値は、新潟県30市町村の集計値から算出しました。

  • 県平均:30市町村の該当指標の単純平均
  • 県合計:30市町村の該当指標の合計値
  • 県内順位:30市町村を該当指標の降順(または昇順)でソートした順位
  • 1人あたり付加価値額:付加価値額 ÷ 製造業従業者数(工業統計調査の事業所ベース)
  • 主要業種比率:業種別就業者数 ÷ 総就業者数(国勢調査)

データ基準日:令和2年(2020年)国勢調査・令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額
次回更新推奨:令和7年(2025年)国勢調査データ公表後、令和6年(2024年)工業統計調査データ公表後

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