観光客数1位の新潟市(1,601.9万人)は、観光客/人口比では21位(21.0倍)にとどまります。一方、人口8,268人の湯沢町が比率1位(377.8倍)を占めており、絶対数と比率では順位が全く異なります。
この記事では、新潟県の調査をもとに、2024年の観光客数を住民人口で割った「観光客/人口比」で30市町村をランキングします。この指標は、地域が日常的にどれだけ観光集客に依存しているかを示します。
この記事でわかること
- 新潟県30市町村の観光客/人口比ランキング(1位湯沢町377.8倍〜30位聖籠町10.3倍)
- 湯沢町(377.8倍)・弥彦村(312.2倍)が突出して高い理由
- 観光客数ランキング1位の新潟市が観光客/人口比では21位にとどまる構造
- 人口が少なく観光客が多い「小規模高依存型」市町村の特徴
- 観光客/人口比が最も低い市町村
① 観光客/人口比ランキング(全30市町村)
観光客/人口比=年間観光客数 ÷ 住民基本台帳人口(令和7年)
| 順位 | 市町村 | 観光客/人口比 | 年間観光客数 | 人口 | 主な観光タイプ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 湯沢町 | 377.8倍 | 312.4万人 | 8,268人 | スポーツ・レクリエーション |
| 2位 | 弥彦村 | 312.2倍 | 235.2万人 | 7,534人 | 歴史文化 |
| 3位 | 妙高市 | 175.5倍 | 517.9万人 | 29,514人 | 都市型 |
| 4位 | 関川村 | 111.8倍 | 52.4万人 | 4,691人 | 都市型 |
| 5位 | 阿賀町 | 78.2倍 | 70.7万人 | 9,047人 | 自然 |
| 6位 | 田上町 | 74.7倍 | 79.1万人 | 10,581人 | 都市型 |
| 7位 | 南魚沼市 | 54.8倍 | 287.0万人 | 52,376人 | スポーツ・レクリエーション |
| 8位 | 刈羽村 | 54.4倍 | 23.0万人 | 4,222人 | スポーツ・レクリエーション |
| 9位 | 糸魚川市 | 45.5倍 | 173.2万人 | 38,041人 | 都市型 |
| 10位 | 十日町市 | 45.2倍 | 212.9万人 | 47,124人 | 行祭事・イベント |
| 11位 | 阿賀野市 | 44.9倍 | 175.7万人 | 39,165人 | 都市型 |
| 12位 | 見附市 | 44.0倍 | 167.3万人 | 38,061人 | 都市型 |
| 13位 | 出雲崎町 | 43.7倍 | 17.0万人 | 3,886人 | 都市型 |
| 14位 | 魚沼市 | 43.2倍 | 140.5万人 | 32,522人 | 都市型 |
| 15位 | 粟島浦村 | 35.4倍 | 1.1万人 | 312人 | 自然 |
| 16位 | 長岡市 | 28.9倍 | 737.9万人 | 255,261人 | 都市型 |
| 17位 | 津南町 | 27.8倍 | 23.5万人 | 8,456人 | スポーツ・レクリエーション |
| 18位 | 村上市 | 27.3倍 | 145.8万人 | 53,492人 | 都市型 |
| 19位 | 柏崎市 | 26.6倍 | 202.5万人 | 76,217人 | 行祭事・イベント |
| 20位 | 胎内市 | 25.8倍 | 69.0万人 | 26,791人 | スポーツ・レクリエーション |
| 21位 | 新潟市 | 21.0倍 | 1,601.9万人 | 761,503人 | 都市型 |
| 22位 | 新発田市 | 20.9倍 | 192.0万人 | 91,677人 | 温泉健康 |
| 23位 | 佐渡市 | 20.4倍 | 97.9万人 | 48,103人 | 歴史文化 |
| 24位 | 三条市 | 18.8倍 | 171.6万人 | 91,178人 | 都市型 |
| 25位 | 五泉市 | 18.2倍 | 83.1万人 | 45,690人 | 都市型 |
| 26位 | 上越市 | 17.6倍 | 318.3万人 | 180,440人 | 歴史文化 |
| 27位 | 小千谷市 | 17.4倍 | 56.7万人 | 32,602人 | 行祭事・イベント |
| 28位 | 燕市 | 16.0倍 | 121.6万人 | 75,935人 | 都市型 |
| 29位 | 加茂市 | 14.4倍 | 34.6万人 | 24,079人 | スポーツ・レクリエーション |
| 30位 | 聖籠町 | 10.3倍 | 14.4万人 | 13,986人 | スポーツ・レクリエーション |
※出典:新潟県(観光客入込数・消費額調査)、住民基本台帳(令和7年)
▼【グラフ:R11_観光客人口比ランキング.png 新潟県30市町村の観光客/人口比ランキング(2024年)横棒グラフ】

② 1位 湯沢町(377.8倍)・2位 弥彦村(312.2倍)の構造
1位 湯沢町(377.8倍)は住民人口8,268人に対して年間312.4万人の観光客が訪れます。住民1人あたり約378人の観光客を受け入れている計算です。苗場・かぐら・GALA湯沢などのスキーリゾートと越後湯沢温泉が観光の中心で、首都圏からの日帰り・宿泊需要を集める構造です。
2位 弥彦村(312.2倍)は住民人口7,534人に対して年間235.2万人。彌彦神社(107.2万人・2024年)への参拝・観光が集客の核で、村の面積(25.17km²)・人口規模に対して極めて多くの来訪者を受け入れています。
3位 妙高市(175.5倍)は人口29,514人に対して517.9万人。道の駅あらいを軸とした高速道路沿いの通過型集客と、スキーリゾート・温泉が組み合わさっています。
③ 観光客数1位の新潟市が21位の理由
観光客数の絶対数では断然1位の新潟市(1,601.9万人)ですが、観光客/人口比では21位(21.0倍)にとどまります。
住民人口761,503人という政令指定都市の規模が、比率を押し下げているためです。新潟市には観光客だけでなく、ビジネス客・コンベンション参加者・地元住民が施設を利用するケースも多く、「観光専用地域」としての性格は薄い構造です。
同様に観光客数2位の長岡市(737.9万人)も観光客/人口比では16位(28.9倍)で、大都市ほど比率が下がる傾向があります。
④ 小規模・高依存型市町村の特徴
観光客/人口比が高い市町村の多くは人口が少なく、観光が地域経済の主要な柱となっている特徴があります。
4位 関川村(111.8倍)は人口4,691人の小規模な村で、地域文化交流施設「ちぐら」(30.1万人)・えちごせきかわ温泉郷(11.1万人)が年間52.4万人を集めています。人口に対して100倍を超える来訪者を受け入れている数少ない自治体です。
8位 刈羽村(54.4倍)は人口4,222人でぴあパークとうりんぼ(20.1万人)が観光の核です。2024年は前年比+18.0%と増加し、観光客/人口比も上昇傾向にあります。
13位 出雲崎町(43.7倍)は人口3,886人で、天領の里(5.97万人)が観光施設の中心です。人口が少ない分、観光客1人1人が地域に与えるインパクトが相対的に大きくなります。
⑤ 観光客/人口比が低い市町村
観光客/人口比が低い市町村は、住民人口に対して観光客が少ない、または住民が多い大都市型です。
30位 聖籠町(10.3倍)は海水浴場・観光ぶどう園が主な観光施設で、年間観光客数は14.4万人と県内最少クラス(29位)。住民13,986人に対して10倍程度の集客にとどまります。
29位 加茂市(14.4倍)・28位 燕市(16.0倍)は製造業が主産業の都市で、観光よりも産業・就労目的の来訪が多い構造です。
26位 上越市(17.6倍)は観光客数4位(318.3万人)ながら、人口180,440人の規模により比率は26位にとどまります。コロナ前比59.0%(30市町村中最低水準)と観光客回復が遅れていることも影響しています。
⑥ データの見方・注意点
「観光客」の定義に注意が必要です
新潟県の観光客入込数は、各市町村が報告した観光施設・行事の利用者数を集計したものです。通勤・業務・買い物目的の来訪は含まれませんが、施設によっては地元住民の利用も含まれています。そのため「純粋な観光目的の来訪者 ÷ 人口」とは異なります。
人口データは令和7年住民基本台帳
本記事の人口は令和7年の住民基本台帳を使用しています。
観光客/人口比が高いことが「良い」わけではありません
観光客/人口比が高い市町村は観光集客力が高い一方、住民の生活インフラへの観光客集中(渋滞・混雑・環境負荷)が課題になる場合もあります。この指標は観光依存度の構造を示すデータです。
まとめ
- 観光客/人口比の1位は湯沢町(377.8倍)、続いて弥彦村(312.2倍)・妙高市(175.5倍)・関川村(111.8倍)で、人口の少ない観光地型市町村が上位を占めます
- 観光客数1位の新潟市(1,601.9万人)は人口76万人の大都市のため、観光客/人口比は21位(21.0倍)にとどまります
- 4位以内の関川村・湯沢町・弥彦村・妙高市はいずれも観光が地域経済の重要な柱となっている構造で、100倍を超える比率を持つ自治体は湯沢町・弥彦村・妙高市・関川村の4市町村です
- 30位 聖籠町(10.3倍)が最も低く、製造・農業主体の市町村が観光客/人口比の下位に集まる傾向があります
出典
- 観光客入込数:新潟県(観光客入込数・消費額調査)
- 人口:住民基本台帳(令和7年)
データ基準日:2024年(令和6年)
次回更新推奨:2025年(令和7年)調査データ公表後

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