聖籠町は年間 14.4 万人の観光客が訪れる県内 29 位の観光地です。県全体(約 6,336 万人)の 0.23% を占めます。
聖籠町の観光構造で数値上目立つのは、8 月 1 か月で年間の 52.2% が入る点です。ピーク月集中度 52.2% は県内 1 位で、2 位の小千谷市(36.2%)を 16.0 ポイント上回ります。最多の 8 月(7.5 万人)と最少の 12 月(0.1 万人)の比である 振幅 51.0 倍も県内 1 位です。
一方で観光客/人口比は 10.29 倍で県内 30 位(最下位) です。人口 13,986 人に対する観光客の比率は県内で最も低く、8 月の集中度が県内 1 位であることと対照的な位置にあります。
この記事では、聖籠町の観光客数を 13 年間の推移・観光分類の内訳・月別の集客カレンダー・主要観光施設 1 か所の集中度から整理します。2024 年は計上されている施設が −7.2% と減った一方、町全体は +9.9% と増えました。この差がどこで生じたのかも数値で確認します。訪問時期を選ぶとき・移住や出店を検討するときの判断材料になる部分もあわせて示します。
▼【グラフ:聖籠町_県内ランキング.png 新潟県内 30 市町村の観光客入込数ランキング(2024 年・聖籠町を強調表示)】

聖籠町の観光を支える 1 施設と、そこに含まれない 59.7%
聖籠町で主要観光地点として計上されているのは 1 か所です。
| 施設名 | 分類 | 2023 年 | 2024 年 | 町全体シェア | 前年比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 観光ぶどう園 | 歴史・文化 | 62,500 人 | 58,000 人 | 40.3% | −7.2% |
| 施設に計上されない部分 | ─ | 68,500 人 | 86,000 人 | 59.7% | +25.5% |
| 町全体 | ─ | 131,000 人 | 144,000 人 | 100% | +9.9% |
施設は減り、町全体は増えた
2024 年、計上されている観光ぶどう園は 62,500 人から 58,000 人へ −7.2%(−4,500 人)と減りました。一方で町全体は 13.1 万人から 14.4 万人へ +9.9%(+1.3 万人)増えています。
この差は、施設に計上されていない部分が 68,500 人から 86,000 人へ +25.5%(+17,500 人)増えたことによります。施設把握率も 47.7%(2023 年)から 40.3%(2024 年)へ下がりました。
観光ぶどう園の 58,000 人は、県内の主要観光地点を入込数順に並べると 191 位にあたります。
聖籠町にはぶどう狩りができる観光農園が 約 19 軒あり、ぶどう狩りの時期は 9 月 1 日から 10 月下旬です(出典:聖籠町観光協会)。町の観光データでは、この観光ぶどう園が 1 つの主要観光地点としてまとめて計上されています。
海水浴場は 1 か所・県外客ゼロ
聖籠町の海水浴場は網代浜 1 か所で、2024 年の海水浴客は 4,183 人(県内 10 位/12 市町村中)です。前年の 4,820 人から −13.2% でした。
内訳で特徴的なのは、4,183 人すべてが県内からの来訪である点です。県外客は 0 人で、県外比率 0.0% は県内 12 市町村の海水浴場で唯一です(2 位は新潟市の 32.0%)。上越市(87.3%)・糸魚川市(85.2%)のように県外客が中心の海水浴場とは、来訪者の構成が異なります。
13 年推移(2012〜2024 年):2016 年 20.1 万人ピーク・13 年では増加
| 年(和暦) | 観光客入込数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2012 年(H24) | 12.8 万人 | ─ |
| 2013 年(H25) | 12.6 万人 | −1.6% |
| 2014 年(H26) | 14.5 万人 | +15.1% |
| 2015 年(H27) | 17.4 万人 | +20.0% |
| 2016 年(H28) | 20.1 万人(13 年間のピーク) | +15.5% |
| 2017 年(H29) | 17.5 万人 | −12.9% |
| 2018 年(H30) | 18.1 万人 | +3.4% |
| 2019 年(R1) | 18.0 万人 | −0.6% |
| 2020 年(R2) | 12.6 万人 | −30.0% |
| 2021 年(R3) | 14.7 万人 | +16.7% |
| 2022 年(R4) | 15.2 万人 | +3.4% |
| 2023 年(R5) | 13.1 万人 | −13.8% |
| 2024 年(R6) | 14.4 万人 | +9.9% |
13 年では +14.5%(県内 6 位)
2013 年(12.6 万人)と 2024 年(14.4 万人)を比べると +14.5%(県内 6 位) です。県内 30 市町村で 13 年前を上回っている自治体は少なく、聖籠町はその 1 つにあたります。
ただし推移は一本調子ではありません。2012 年 12.8 万人から 2016 年 20.1 万人まで 4 年で 7.3 万人増えたあと、2017 年に −12.9% と下がり、2019 年まで 17.5〜18.1 万人で推移しました。
コロナ後は 13〜15 万人で上下している
2020 年に 12.6 万人(−30.0%)まで下がったあと、14.7 万人・15.2 万人と戻しましたが、2023 年は 13.1 万人(−13.8%)と再び減少しました。2024 年は 14.4 万人(+9.9%・県内 7 位) です。
2019 年(18.0 万人)との差は 3.6 万人で、コロナ前比は 79.8%(県内 18 位) です。13 年変化(6 位)が上位である一方、コロナ前比は中位にとどまります。
▼【グラフ:聖籠町_入込数推移.png 聖籠町の観光客入込数の推移(2012〜2024 年)】

観光の種類(分類別内訳):スポレク 42.2% + 歴史文化 40.3%
| 観光分類 | 比率 | 該当施設 |
|---|---|---|
| スポーツ・レクリエーション | 42.2% | ─ |
| 歴史・文化 | 40.3% | 観光ぶどう園 |
| 行祭事・イベント | 17.5% | ─ |
| 自然 | 0.0% | ─ |
| 都市型観光 | 0.0% | ─ |
| 温泉・健康 | 0.0% | ─ |
スポーツ・レクリエーション 42.2% と歴史・文化 40.3% がほぼ並び、この 2 分類で 82.5% を占めます。このうち歴史・文化 40.3% は観光ぶどう園 1 施設と一致します。
スポーツ・レクリエーション 42.2%(6.1 万人)と行祭事・イベント 17.5%(2.5 万人)に対応する施設は、主要観光地点として個別には計上されていません。
自然・都市型・温泉健康はいずれも 0.0% です。道の駅・スキー場はなく、海水浴場が 1 か所(網代浜・4,183 人)あります。
▼【グラフ:聖籠町_分類別.png 聖籠町の観光分類別内訳(2024 年)】

月別カレンダー:8 月に年間の 52.2%(県内 1 位)・振幅 51.0 倍(県内 1 位)
| 月 | 観光客数 | 年間シェア |
|---|---|---|
| 1 月 | 0.2 万人 | 1.2% |
| 2 月 | 0.3 万人 | 2.2% |
| 3 月 | 0.4 万人 | 2.4% |
| 4 月 | 0.6 万人 | 3.9% |
| 5 月 | 0.6 万人 | 4.5% |
| 6 月 | 1.3 万人 | 9.3% |
| 7 月 | 1.1 万人 | 7.8% |
| 8 月(最多) | 7.5 万人 | 52.2% |
| 9 月 | 0.9 万人 | 6.1% |
| 10 月 | 0.7 万人 | 4.9% |
| 11 月 | 0.6 万人 | 4.4% |
| 12 月(最少) | 0.1 万人 | 1.0% |
8 月だけで年間の半分を超える
8 月(7.5 万人)が年間の 52.2% を占めます。このピーク月集中度は県内 1 位で、2 位の小千谷市(36.2%)を 16.0 ポイント、3 位の津南町(30.0%)を 22.2 ポイント上回ります。県内で 1 か月に年間の半分以上が入る自治体は聖籠町のみです。
2 番目に多い 6 月(1.3 万人・9.3%)は 8 月の 5 分の 1 以下で、8 月とそれ以外の月の差がはっきりしています。
振幅倍率 51.0 倍は県内 1 位
最多の 8 月(75,211 人)と最少の 12 月(1,476 人)の比は 51.0 倍で、これも県内 1 位です(2 位 佐渡市 36.1 倍・3 位 小千谷市 34.2 倍)。
冬集中度(12〜2 月)は 4.5% で、12 月 0.1 万人・1 月 0.2 万人・2 月 0.3 万人と、冬の 3 か月は合わせても 0.6 万人にとどまります。
▼【グラフ:聖籠町_月別推移.png 聖籠町の月別観光客数(2024 年・R4〜R6 の 3 年比較)】

聖籠町の観光を選ぶときの判断材料
8 月かそれ以外か、で分かれる町です。1 か月に寄った人出を数値で示します。
8 月かそれ以外か、で分かれる
| 時期 | 月別入込 | 年間シェア |
|---|---|---|
| 8 月 | 7.5 万人 | 52.2% |
| 6 月・7 月 | 1.1〜1.3 万人 | 7.8〜9.3% |
| 9 月・10 月 | 0.7〜0.9 万人 | 4.9〜6.1% |
| 4 月・5 月・11 月 | 0.6 万人 | 3.9〜4.5% |
| 1 月・2 月・3 月・12 月 | 0.1〜0.4 万人 | 1.0〜2.4% |
8 月の 7.5 万人に対し、2 番目の 6 月は 1.3 万人です。8 月を外すと残る 11 か月はいずれも月 0.1〜1.3 万人で、年間の 47.8% がこの 11 か月に分かれます。
最少の 12 月(0.1 万人)は 8 月の 51 分の 1 です。冬の 4 か月(12〜3 月)は合わせて 1.0 万人で、年間の 6.8% にとどまります。
施設として数値が出ているのは観光ぶどう園 1 か所
主要観光地点は観光ぶどう園 1 か所のみで、町全体の 40.3%(58,000 人)にあたります。残る 59.7%(8.6 万人)は内訳が公表されていません。
観光分類ではスポーツ・レクリエーション 42.2% が最大ですが、この分類に対応する施設は個別に計上されていません。道の駅・スキー場はなく、海水浴場が 1 か所(網代浜・4,183 人)あります。
なお最大施設である観光ぶどう園のぶどう狩り期間は 9 月 1 日〜10 月下旬(出典:聖籠町観光協会)で、月別入込では 9 月 6.1%・10 月 4.9% にあたります。年間の 52.2% が入る 8 月(7.5 万人)は、この期間の前に位置します。8 月の内訳にあたる施設は、主要観光地点としては計上されていません。
移住検討者向け:観光客/人口比は県内 30 位(最下位)
| 月 | 入込 | 住民 1 人あたり |
|---|---|---|
| 8 月(最多) | 7.5 万人 | 5.38 人(県内 19 位) |
| 6 月 | 1.3 万人 | 0.96 人 |
| 12 月(最少) | 0.1 万人 | 0.11 人 |
人口 13,986 人に対して、年間の観光客/人口比は 10.29 倍で県内 30 位(最下位) です。29 位の加茂市(14.36 倍)とも差があり、県内で住民生活に対する観光客の比重が最も小さい町にあたります。
月別で見ると、8 月だけが住民 1 人あたり 5.38 人(県内 19 位)で、それ以外の 11 か月はいずれも住民数を下回ります。最少の 12 月は 0.11 倍で、住民の 9 分の 1 程度です。観光客の人出が生活で意識される場面は、8 月に限られる形です。
観光客/km² は 3,832.4 人(県内 14 位)で、面積 37.57 km² に対しては中位の密度になります。
8 月は、ぶどう園・海水浴場周辺が動く時期にあたります。それ以外の 11 か月は月 0.1〜1.3 万人です。
事業出店検討者向け:需要が 1 か月に集中している
月別需要は 0.1〜7.5 万人で、振幅 51.0 倍(県内 1 位) です。年間の 52.2% が 8 月に入り、残る 11 か月は月 0.1〜1.3 万人という水準です。
観光需要だけで通年営業を組むのは数値上むずかしく、8 月に合わせた季節営業か、地元需要を主体にした設計が前提になります。また町全体の 59.7% は施設別データに表れないため、公開データから需要の所在を特定できる範囲は限られます。
聖籠町のデータを見るときの注意点
1. 主要観光地点が 1 か所のみ
町全体入込 14.4 万人のうち、施設別に内訳が公表されているのは観光ぶどう園 1 か所・58,000 人(40.3%)です。残る 59.7%(8.6 万人)の内訳は公表されていません。
2. 施設と町全体が逆を向いている
2024 年は施設が −7.2% と減った一方、町全体は +9.9% と増えました。施設に計上されていない部分が +25.5%(+17,500 人)増えたためです。施設別データと町全体の数値は同じ動きをしないため、どちらを見ているかを区別する必要があります。
3. ピーク月集中度 52.2% は 1 か月の数値に左右される
年間の 52.2% が 8 月 1 か月に入るため、この月の集計結果が町全体の数値をほぼ決めます。年次比較を行う際は、8 月の値とあわせて見る必要があります。
4. 推計値・宿泊内訳の非公表
観光客入込数は各観光施設の利用者数を市町村が集計・推計した値で、実測値ではありません。市町村ごとに集計対象施設・カウント方法が異なるため、市町村間の比較は「概ねの規模感」として扱う必要があります。宿泊者数・日帰り客数の内訳、消費額の市区町村別データは新潟県の調査で非公表です。
まとめ
2024 年の聖籠町(数値一覧)
| 項目 | 2024 年 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 観光客入込数 | 14.4 万人(県全体の 0.23%) | 29 位 |
| 前年比 | +9.9% | 7 位 |
| コロナ前(2019 年)比 | 79.8% | 18 位 |
| 長期変化(2013 年→2024 年) | +14.5% | 6 位 |
| 最多月 | 8 月 7.5 万人 | ─ |
| ピーク月集中度 | 52.2% | 1 位 |
| 最少月 | 12 月 0.1 万人(1.0%) | ─ |
| 振幅倍率 | 51.0 倍 | 1 位 |
| 冬集中度(12〜2 月) | 4.5% | ─ |
| ピーク月入込/人口比 | 5.38 人 | 19 位 |
| 最大の観光分類 | スポーツ・レクリエーション 42.2% | ─ |
| 主要観光地点数 | 1 か所 | ─ |
| 最大施設 | 観光ぶどう園(40.3%) | 施設集中度 11 位 |
| 海水浴客数 / 海水浴の県外比率 | 4,183 人 / 0.0% | 客数 10 位・県外比率は県内唯一のゼロ |
| 観光客/人口比 | 10.29 倍 | 30 位(最下位) |
この数値が示していること
聖籠町の数値は、県内 1 位と県内最下位が同居しています。ピーク月集中度 52.2% と振幅 51.0 倍はいずれも県内 1 位で、8 月 1 か月に年間の半分以上が入る自治体は県内で聖籠町のみです。一方で観光客/人口比 10.29 倍は 県内 30 位(最下位) で、人口 13,986 人に対する観光客の比率は県内で最も低くなります。「1 か月に集中しているが、町の規模に対する量は多くない」という組み合わせです。
13 年の推移では、県内では数少ない増加自治体にあたります。2013 年 12.6 万人に対して 2024 年は 14.4 万人で +14.5%(県内 6 位) です。ただし 2016 年の 20.1 万人がピークで、そこからは 13.1〜18.1 万人の間を上下しており、一方向に伸びてきたわけではありません。コロナ前比は 79.8%(18 位)で中位です。
2024 年は施設と町全体が逆を向きました。観光ぶどう園は −7.2%(62,500 人 → 58,000 人)と減った一方、町全体は +9.9%(13.1 万人 → 14.4 万人)です。施設に計上されていない部分が +25.5%(68,500 人 → 86,000 人)増えたためで、施設把握率は 47.7% から 40.3% へ下がっています。海水浴(網代浜・4,183 人)は県外客が 0 人で、県内 12 市町村の海水浴場で県外比率が 0.0% なのは聖籠町だけです。
出典
- 観光客入込数:新潟県観光政策課(令和 6 年観光客入込数・消費額調査)
- 主要観光地点入込数:新潟県観光政策課(同調査 表 7)
- 海水浴場入込客数:新潟県観光政策課(同調査)
- 人口:新潟県(住民基本台帳人口 令和 7 年 1 月 1 日現在)
- 観光ぶどう園の軒数・ぶどう狩り期間:聖籠町観光協会

コメント