胎内市の観光客データ 前年比−28.8%は県内で最も大きい減少、年間69.0万人は県内22位

市町村

胎内市は年間 69.0 万人の観光客が訪れる県内 22 位の観光地です。県全体(約 6,336 万人)の 1.09% を占めます。

2024 年の胎内市で数値上最も目立つのは、前年比 −28.8% という減少幅です。これは県内 30 市町村で 最も大きい減少にあたります。一方で主要観光地点として計上されている 4 施設の合計は +2.9% と増えており、施設と市全体が逆を向いています。

前年の 2023 年(96.8 万人)は 13 年間で最も多い年でした。2024 年の 69.0 万人はそこから 27.8 万人減った水準ですが、コロナ前(2019 年 73.8 万人)比では 93.5%(県内 10 位) と、13 年の中では中位の水準に戻った形になります。

この記事では、胎内市の観光客数を 13 年間の推移・観光分類の内訳・月別の集客カレンダー・主要観光施設 4 か所の集中度から整理します。市全体が −28.8% と減った一方で施設が増えたという差が、どこで生じたのかを数値で確認します。訪問時期を選ぶとき・移住や出店を検討するときの判断材料になる部分もあわせて示します。


▼【グラフ:胎内市_県内ランキング.png 新潟県内 30 市町村の観光客入込数ランキング(2024 年・胎内市を強調表示)】


2024 年:施設は +2.9%、市全体は −28.8%

胎内市で主要観光地点として計上されているのは 4 か所です。

施設名分類2023 年2024 年市全体シェア前年比
はまなすの丘展望台自然103,820 人101,080 人14.6%−2.6%
観光交流センター(道の駅胎内)その他57,080 人62,530 人9.1%+9.5%
樽ヶ橋遊園・カントリーパークスポーツ・レクリエーション57,200 人61,210 人8.9%+7.0%
チューリップフェスティバルスポーツ・レクリエーション54,310 人55,530 人8.0%+2.2%
施設 4 か所 合計─272,410 人280,350 人40.6%+2.9%
施設に計上されない部分─695,590 人409,650 人59.4%−41.1%
市全体─968,000 人690,000 人100%−28.8%

4 施設はすべて横ばいか増加

計上されている 4 施設のうち 3 施設が増加し(道の駅胎内 +9.5%・樽ヶ橋遊園 +7.0%・チューリップフェスティバル +2.2%)、最大のはまなすの丘展望台も −2.6% とほぼ横ばいでした。4 施設の合計は 272,410 人から 280,350 人へ +2.9% です。

減ったのは施設に計上されていない部分

市全体は 96.8 万人から 69.0 万人へ −27.8 万人(−28.8%) 減りました。施設に計上されていない部分が 695,590 人から 409,650 人へ −41.1%(−285,940 人)減ったためです。

施設把握率も 28.1%(2023 年)から 40.6%(2024 年)へ変わっています。市全体の 59.4% が内訳の公表されていない部分にあたるため、この減少がどこで起きたかは公表データからは追えません。

最大施設の集中度は県内 27 位

最大のはまなすの丘展望台でも市全体の 14.6%(県内 27 位)で、上位 3 施設を合わせても 32.6%(県内 24 位)です。1 施設に集客が寄る構造ではありません。


13 年推移(2012〜2024 年):2023 年 96.8 万人ピークの翌年に −28.8%

年(和暦)観光客入込数前年比
2012 年(H24)61.8 万人─
2013 年(H25)72.5 万人+17.3%
2014 年(H26)77.8 万人+7.3%
2015 年(H27)82.3 万人+5.8%
2016 年(H28)79.1 万人−3.9%
2017 年(H29)75.9 万人−4.0%
2018 年(H30)72.8 万人−4.1%
2019 年(R1)73.8 万人+1.4%
2020 年(R2)46.6 万人−36.9%
2021 年(R3)63.5 万人+36.3%
2022 年(R4)67.4 万人+6.1%
2023 年(R5)96.8 万人(13 年間のピーク)+43.6%
2024 年(R6)69.0 万人−28.8%

2023 年だけ水準が異なる

2012〜2019 年は 61.8〜82.3 万人の幅で推移していました。コロナ禍の 2020 年に 46.6 万人まで下がったあと、63.5 万人・67.4 万人と戻し、2023 年に 96.8 万人(+43.6%) と 13 年間で最も多い年になりました。

2024 年の 69.0 万人は、この 2023 年から 27.8 万人減った水準です。ただし 2012〜2019 年の幅(61.8〜82.3 万人)の中には収まっており、コロナ前比は 93.5%(県内 10 位) です。

前年比 −28.8% は県内 30 位

2024 年の前年比 −28.8% は県内 30 市町村で最も大きい減少です。29 位の柏崎市(−12.7%)とも 16.1 ポイントの差があります。ただし 13 年変化は −4.8%(県内 11 位)・コロナ前比は 93.5%(10 位)といずれも県内上位で、長期で見た水準は保たれています。


▼【グラフ:胎内市_入込数推移.png 胎内市の観光客入込数の推移(2012〜2024 年)】


観光の種類(分類別内訳):スポレク 34.4% + 自然 14.6%

観光分類比率該当施設
スポーツ・レクリエーション34.4%樽ヶ橋遊園・チューリップフェスティバル
自然14.6%はまなすの丘展望台
行祭事・イベント14.4%─
温泉・健康8.3%─
歴史・文化7.1%─
都市型観光5.7%─

スポーツ・レクリエーション 34.4% が最大で、樽ヶ橋遊園・カントリーパーク(8.9%)とチューリップフェスティバル(8.0%)がここに含まれます。自然 14.6% ははまなすの丘展望台と一致します。

6 つの分類がいずれも 5〜35% の範囲にあり、単一分類が 4 割を超えません。県内で分類が比較的分かれている自治体にあたります。

補助データでは、スキー場利用客 15,784 人(県内 10 位/16 市町村中)、道の駅利用者数 62,530 人(県内 15 位/15 市町村中)、海水浴客数 1,574 人(県内 12 位/12 市町村中)です。道の駅・海水浴はいずれも県内最下位の規模になります。


▼【グラフ:胎内市_分類別.png 胎内市の観光分類別内訳(2024 年)】


月別カレンダー:4 月ピーク 19.0%・振幅 7.7 倍

月観光客数年間シェア
1 月2.9 万人4.2%
2 月3.2 万人4.7%
3 月2.9 万人4.2%
4 月(最多)13.1 万人19.0%
5 月10.1 万人14.6%
6 月5.0 万人7.3%
7 月4.6 万人6.6%
8 月8.1 万人11.8%
9 月7.4 万人10.7%
10 月5.5 万人8.0%
11 月4.5 万人6.5%
12 月(最少)1.7 万人2.5%

4〜5 月に年間の 33.6%

最多は 4 月(13.1 万人・19.0%)で、5 月(10.1 万人・14.6%)が続きます。この 2 か月で年間の 33.6% が入ります。4 月にはチューリップフェスティバル(55,530 人)が開催され、この施設だけで 4 月入込の 42.4% にあたります。

2024 年に 4 月が最多月となったのは県内で上越市・五泉市・胎内市の 3 市です。

8〜9 月に第 2 の山

8 月(8.1 万人・11.8%)と 9 月(7.4 万人・10.7%)が第 2 の山で、この 2 か月で 22.5% です。一方で 6 月(5.0 万人)・7 月(4.6 万人)は 4〜5 月と 8〜9 月の間で一度落ちます。

振幅倍率 7.7 倍

最多の 4 月(131,080 人)と最少の 12 月(17,060 人)の比は 7.7 倍です。冬集中度(12〜2 月)は 11.3% で、12 月 1.7 万人・1 月 2.9 万人・3 月 2.9 万人と、冬の月は 3 万人前後で推移します。


▼【グラフ:胎内市_月別推移.png 胎内市の月別観光客数(2024 年・R4〜R6 の 3 年比較)】


胎内市の観光を選ぶときの判断材料

2024 年は市全体と施設の動きが逆を向きました。需要の所在が読み取りにくい年として数値を並べます。

4〜5 月と 8〜9 月に 2 つの山がある

時期月別入込年間シェア
4 月13.1 万人19.0%
5 月10.1 万人14.6%
8 月・9 月7.4〜8.1 万人10.7〜11.8%
10 月・6 月5.0〜5.5 万人7.3〜8.0%
7 月・11 月4.5〜4.6 万人6.5〜6.6%
2 月・1 月・3 月2.9〜3.2 万人4.2〜4.7%
12 月1.7 万人2.5%

4〜5 月(33.6%)と 8〜9 月(22.5%)の 2 つの時期で年間の 56.1% が入ります。その間の 6〜7 月は月 4.6〜5.0 万人まで落ち、冬の 4 か月(12〜3 月)は月 1.7〜3.2 万人です。

施設は分散、ただし把握できるのは 40.6%

主要観光地点は 4 か所で、最大のはまなすの丘展望台でも市全体の 14.6%(県内 27 位)です。上位 3 施設を合わせても 32.6%(県内 24 位)、4 施設合計でも 40.6% で、残る 59.4% は施設別データに表れません。

4 施設は海側(はまなすの丘展望台)・道の駅(観光交流センター)・内陸部(樽ヶ橋遊園・チューリップフェスティバル)に分かれており、1 か所に集中する構造ではありません。一方で道の駅(62,530 人・県内 15 位)と海水浴(1,574 人・県内 12 位)はいずれも県内最下位の規模です。

移住検討者向け:ピーク月は住民の 4.89 倍、最少月は 0.64 倍

月入込住民 1 人あたり
4 月(最多)13.1 万人4.89 人(県内 21 位)
8 月8.1 万人3.04 人
12 月(最少)1.7 万人0.64 人

人口 26,791 人に対して、最も混む 4 月でも住民 1 人あたり 4.89 人で県内 21 位です。最少の 12 月は 0.64 倍で住民数を下回ります。年間の観光客/人口比は 25.75 倍(県内 20 位)で中位にあたります。

観光客/km² は 2,606.1 人(県内 20 位)で、面積 264.76 km² に対しては下位の密度です。施設が海側・道の駅・内陸部に分かれているため、混雑する場所も時期によって変わります。人出が集中するのは 4 月のチューリップフェスティバル期です。

4〜5 月のイベント期と 8〜9 月は、会場周辺の運営・飲食が最も動く時期にあたります。

事業出店検討者向け:2024 年は需要の所在が読み取りにくい

月別需要は 1.7〜13.1 万人で、振幅 7.7 倍です。4〜5 月と 8〜9 月に山があり、冬の 4 か月は月 1.7〜3.2 万人まで落ちます。

ただし 2024 年は市全体(−28.8%)と施設(+2.9%)が逆を向いた年でした。施設に計上されていない部分が −41.1%(−28.6 万人)減っており、市全体の 59.4% を占めるこの部分の内訳は公表されていません。市全体の数値だけで需要の増減を判断しにくい年にあたります。


胎内市のデータを見るときの注意点

1. 市全体と施設が逆を向いている

2024 年は市全体が −28.8% と減った一方、計上されている 4 施設の合計は +2.9% と増えました。施設に計上されていない部分が −41.1%(−285,940 人)減ったためです。施設別データと市全体の数値は同じ動きをしないため、どちらを見ているかを区別する必要があります。

2. 施設把握率が年によって大きく変わる

4 施設の合計が市全体に占める比率は、2023 年 28.1% → 2024 年 40.6% と変わっています。市全体の数値が減り、施設の数値が増えた結果です。年次比較の際は把握率の変化も含めて見る必要があります。

3. 2023 年は 13 年間で最も多い年

2023 年の 96.8 万人は 13 年間のピークで、前年比 +43.6% でした。2024 年の −28.8% はこの水準からの減少です。2012〜2019 年の 61.8〜82.3 万人という幅の中で見ると、2024 年の 69.0 万人は中位に位置します。基準年をどこに置くかで評価が変わります。

4. 推計値・宿泊内訳の非公表

観光客入込数は各観光施設の利用者数を市町村が集計・推計した値で、実測値ではありません。市町村ごとに集計対象施設・カウント方法が異なるため、市町村間の比較は「概ねの規模感」として扱う必要があります。宿泊者数・日帰り客数の内訳、消費額の市区町村別データは新潟県の調査で非公表です。


まとめ

2024 年の胎内市(数値一覧)

項目2024 年県内順位
観光客入込数69.0 万人(県全体の 1.09%)22 位
前年比−28.8%30 位(最も大きい減少)
コロナ前(2019 年)比93.5%10 位
長期変化(2013 年→2024 年)−4.8%11 位
最多月4 月 13.1 万人(19.0%)─
最少月12 月 1.7 万人(2.5%)・振幅 7.7 倍─
4〜5 月の 2 か月集中度33.6%─
冬集中度(12〜2 月)11.3%─
ピーク月入込/人口比4.89 人21 位
最大の観光分類スポーツ・レクリエーション 34.4%─
主要観光地点数4 か所─
最大施設はまなすの丘展望台(14.6%)施設集中度 27 位
施設 4 か所の把握率40.6%(2023 年は 28.1%)─
道の駅利用者数62,530 人15 位(最下位)
海水浴客数1,574 人12 位(最下位)
観光客/人口比25.75 倍20 位

この数値が示していること

2024 年の胎内市は、前年比 −28.8% が県内 30 位(最も大きい減少)である一方、コロナ前比 93.5%(10 位)・13 年変化 −4.8%(11 位)はいずれも県内上位という、方向の異なる数字が並びます。基準年をどこに置くかで見え方が変わる年にあたります。

この差は 2023 年の位置づけによります。2023 年の 96.8 万人は 13 年間で最も多い年で、前年比 +43.6% でした。2024 年の 69.0 万人はそこから 27.8 万人減った水準ですが、2012〜2019 年の 61.8〜82.3 万人という幅の中には収まっています。2019 年(73.8 万人)との差は 4.8 万人です。

減少がどこで起きたかは、施設別の数字に表れています。計上されている 4 施設の合計は 272,410 人から 280,350 人へ +2.9% と増えており、4 施設中 3 施設が増加、最大のはまなすの丘展望台も −2.6% とほぼ横ばいでした。市全体が −28.8% となったのは、施設に計上されていない部分が −41.1%(695,590 人 → 409,650 人)減ったためです。この部分は市全体の 59.4% を占めますが、内訳は公表されていません。

施設の集中度は県内でも低い部類です。最大のはまなすの丘展望台で 14.6%(27 位)、上位 3 施設で 32.6%(24 位)にとどまり、海側・道の駅・内陸部に分かれています。補助データでは道の駅(62,530 人)・海水浴(1,574 人)がいずれも県内最下位の規模です。


出典

  • 観光客入込数:新潟県観光政策課(令和 6 年観光客入込数・消費額調査)
  • 主要観光地点入込数:新潟県観光政策課(同調査 表 7)
  • スキー場利用客数:新潟県観光政策課(令和 5-6 シーズン スキー場利用客数)
  • 人口:新潟県(住民基本台帳人口 令和 7 年 1 月 1 日現在)

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