十日町市の観光客数は?推移と観光の特徴をデータで見る(2024年)

市町村

十日町市への観光客はどのくらい来ているのでしょうか。

この記事では、新潟県観光政策課が毎年公表している「観光客入込数・消費額調査」のデータをもとに、十日町市の観光客入込数・長期推移・季節パターン・主要施設の入込数を整理します。

県内30市町村の中での位置づけ・コロナ前後の変化・観光の種類の特徴をデータで確認できます。


この記事でわかること

  • 十日町市の観光客入込数(2024年・約212.9万人)と県内ランキング(8位/30市町村中)
  • 2012〜2024年の推移と変化率(コロナ前比94.3%・前年比+22.6%)
  • 観光の種類の内訳(行祭事イベント31.5%+都市型26.9%の大地の芸術祭・清津峡型)
  • 月別の観光客の集中パターンとピーク月(8月・夏から秋にかけての長いハイシーズン)
  • 主要観光施設別の入込数(7施設・大地の芸術祭 越後妻有 アートトリエンナーレ2024が最大)

① 十日町市の観光客数(2024年)

十日町市の2024年(令和6年)の観光客数を確認します。

観光客数サマリー

指標2024年前年比
観光客入込数212.9万人+22.6%
県内順位(入込数)8位/30市町村中
県全体に占める割合約3.36%
観光客/人口比約45.2倍(県内10位)

※出典:新潟県観光政策課「令和6年観光客入込数・消費額調査」

十日町市は県内第8位の観光地です。2024年は3年に一度開催される「大地の芸術祭 越後妻有 アートトリエンナーレ2024」の開催年にあたり、前年比+22.6%の大幅増となりました。清津峡渓谷歩道トンネルを中心とした自然観光が年間を通じた集客基盤を支え、芸術祭開催年には行祭事・イベント観光が重なって観光客が急増する構造です。コロナ前比は94.3%で、2024年時点では2019年水準の完全回復には至っていません。


② 観光客数の推移(2012〜2024年)

年別推移

年(和暦)観光客入込数前年比
2012年(H24)234.8万人
2013年(H25)187.1万人−20.3%
2014年(H26)154.9万人−17.2%
2015年(H27)238.7万人+54.1%
2016年(H28)177.2万人−25.8%
2017年(H29)177.9万人+0.4%
2018年(H30)257.9万人+44.9%
2019年(R1)225.7万人−12.5%
2020年(R2)126.0万人−44.2%
2021年(R3)102.4万人−18.8%
2022年(R4)191.9万人+87.5%
2023年(R5)173.6万人−9.5%
2024年(R6)212.9万人+22.6%

コロナ前(2019年:225.7万人)と比べると、2024年は212.9万人でコロナ前比94.3%です。コロナ前水準の回復率は県内8番目で、2024年時点ではわずかにコロナ前を下回っています。

十日町市の年別推移には、他の市町村にはない独特のパターンが見られます。3年に一度開催される大地の芸術祭 越後妻有 アートトリエンナーレに連動して、開催年に大幅増・非開催年に反落というサイクルが明確に繰り返されています。2015年(+54.1%)・2018年(+44.9%)・2022年(+87.5%)・2024年(+22.6%)がそれぞれ開催年です。

コロナ禍(2020〜2021年)では126.0万人・102.4万人と激減し、12年間の最低水準を記録しましたが、2022年の芸術祭開催で+87.5%と急回復しています。なお、2019年(225.7万人)は芸術祭非開催年でありながら比較的高い水準を維持しており、清津峡渓谷歩道トンネルの内部改修(2018年)以降の集客定着が要因とみられます。

5年ごとの変化(2014→2019→2024年)

比較期間変化率県内順位
2014年→2019年(コロナ前・5年間)+45.7%1位/30市町村
2019年→2024年(コロナ後・5年間)−5.7%8位/30市町村

コロナ前の5年間(2014→2019年)は+45.7%と県内最大の増加率でした。清津峡渓谷歩道トンネルの改修整備と芸術祭の集客拡大が重なった時期にあたります。コロナ後の5年間(2019→2024年)は−5.7%とマイナスに転じており、コロナ禍の落ち込みが完全には回復していない状況を示しています。長期的(H25→R6:2013→2024年)には+13.8%の増加で、県内7番目の変化率となっています。


▼【グラフ:十日町市_入込数推移.png 十日町市の観光客入込数の推移(2012〜2024年)】


④ 新潟県内での位置づけ

観光客入込数 県内ランキング(2024年)

順位市町村観光客入込数(2024年)
1位新潟市1,601.9万人
2位長岡市737.9万人
3位妙高市517.9万人
4位上越市318.3万人
5位湯沢町312.4万人
6位南魚沼市287.0万人
7位弥彦村235.2万人
8位十日町市212.9万人
9位柏崎市202.5万人
10位新発田市192.0万人
11位阿賀野市175.7万人
28位出雲崎町17.0万人
29位聖籠町14.4万人
30位粟島浦村1.1万人

十日町市は県全体(約6,334万人)の約3.36%を占めています。2024年は大地の芸術祭の開催年にあたり、前年(173.6万人)から+22.6%増加した結果、7位弥彦村(235.2万人)には届かないものの、9位柏崎市(202.5万人)を上回る8位に位置しています。


▼【グラフ:十日町市_県内ランキング.png 新潟県内観光客入込数ランキング(2024年)十日町市を強調表示】


⑤ 観光の種類と季節パターン

観光の種類(2024年)

十日町市の観光は大地の芸術祭と清津峡を2本柱とした行祭事・自然観光型です。

行祭事・イベント(31.5%)が最も大きく、2024年開催の大地の芸術祭 越後妻有 アートトリエンナーレへの集客が主な押し上げ要因です。次いで都市型観光(26.9%)が高く、クロス10・まつだいふるさと会館などへの来訪が含まれます。自然(20.1%)は清津峡渓谷歩道トンネル・美人林への来訪が主な集客要素です。温泉・健康(11.0%)はまつだい芝峠温泉雲海などへの来訪が含まれます。

観光分類比率
行祭事・イベント31.5%
都市型観光26.9%
自然20.1%
温泉・健康11.0%
歴史・文化7.5%
スポーツ・レクリエーション2.9%
その他0.0%

月別の観光動向(2024年)

観光客数
1月7.3万人
2月15.0万人
3月9.9万人
4月10.5万人
5月13.7万人
6月11.2万人
7月20.1万人
8月37.6万人
9月27.6万人
10月32.9万人
11月21.2万人
12月6.0万人

ピークは8月(37.6万人)で、年間の17.6%が集中しています。夏の集客が最大ですが、大地の芸術祭2024の秋会期(7月〜11月)の影響で10月(32.9万人)も突出して高い点が特徴的です。9月(27.6万人)・11月(21.2万人)と合わせて、7月〜11月の5か月間で全体の63.6%が集まっています。

1月(7.3万人)・12月(6.0万人)と厳冬期は最も閑散しており、冬集中度(12〜2月合計)は13.3%です。夏集中度(7〜8月合計)は27.1%で、夏から秋にかけて長いハイシーズンが続くのが十日町市の月別パターンの特徴です。

2月(15.0万人)はスキーシーズンにあたり、1月・3月より高い傾向があります。スキー場利用客がある程度の集客を担っているとみられます(R5-6スキー場利用者数44,339人・県内7位/16市町村)。


▼【グラフ:十日町市_月別推移.png 十日町市の月別観光客数(2024年)】

▼【グラフ:十日町市_分類別.png 十日町市の観光分類別内訳(2024年)】


⑥ 主要観光施設・観光資源

十日町市で主要観光地点として計上されている施設は7か所です(2024年)。

施設名分類2024年入込数2023年入込数前年比
大地の芸術祭 越後妻有 アートトリエンナーレ2024行祭事・イベント54.6万人
清津峡渓谷歩道トンネル自然34.7万人32.3万人+7.6%
クロス10都市型観光27.9万人20.5万人+36.5%
まつだいふるさと会館都市型観光10.3万人11.8万人−12.7%
美人林自然8.2万人6.5万人+25.4%
まつだい芝峠温泉雲海温泉・健康6.1万人6.2万人−1.7%
越後妻有里山現代美術館[MonET]歴史・文化5.1万人2.1万人+140.1%

大地の芸術祭 越後妻有 アートトリエンナーレ2024は2024年のみの開催イベントのため、前年比データは対象外です。

スキー場補完: スキー場の利用客数は44,339人(県内7位/16市町村)です。主要観光地点とは別集計です。

施設への集中度

十日町市で最も入込数が多い施設は「大地の芸術祭 越後妻有 アートトリエンナーレ2024」(54.6万人)で、市全体入込数の25.6%を占めます(県内18位の集中度)。上位3施設(大地の芸術祭・清津峡渓谷歩道トンネル・クロス10)の合計は全体の55.1%です(県内13位)。

大地の芸術祭という大型イベントが最大施設ではありますが、清津峡(34.7万人)・クロス10(27.9万人)という複数の施設が分散して集客していることがわかります。最大施設集中度(25.6%)が県内18位と低めなのは、清津峡を軸とした年間定常集客が芸術祭集客と並ぶほどの規模を持つためとみられます。

前年比が大きく変化した施設(2024年)

  • 大きく増加した施設(+20%以上): 越後妻有里山現代美術館[MonET](前年比+140.1%・2.1万人→5.1万人)、クロス10(前年比+36.5%・20.5万人→27.9万人)、美人林(前年比+25.4%・6.5万人→8.2万人)
  • 大きく減少した施設(−20%以下): 該当なし

越後妻有里山現代美術館[MonET]は大地の芸術祭2024の開催と連動して入込数が大幅増加した施設です。同館は芸術祭の常設作品会場を兼ねており、芸術祭開催年に入込数が増加するとみられます。クロス10・美人林も芸術祭開催効果で増加したとみられます。まつだいふるさと会館(−12.7%)・まつだい芝峠温泉雲海(−1.7%)は前年と比べて小幅な変動にとどまっています。


⑧ 観光客数データを見るときの注意点

観光客入込数は実測値ではなく推計値です

新潟県の観光客入込数・消費額調査は、各市町村から報告された観光施設の利用者数・入場者数などをもとに集計・推計しています。統計手法や報告施設の範囲が市町村によって異なるため、市町村間の数値を厳密に比較することは適切ではありません。

宿泊者・日帰り客の内訳はデータなし

新潟県の市区町村別調査では宿泊者数・日帰り客数の内訳は公表されていません。市町村の観光の特徴(宿泊型か日帰り型か)は、観光分類別データ(温泉健康・スポーツレクリエーションの比率)や施設種別から間接的に読み取ります。


まとめ

2024年の観光客数規模

  • 十日町市の観光客入込数(2024年)は212.9万人で、新潟県内8位です
  • 観光の中心は行祭事・イベント(31.5%)都市型(26.9%)・自然(20.1%)で、大地の芸術祭・清津峡渓谷歩道トンネル・クロス10が集客を支える芸術祭・自然観光型の観光構造です
  • 観光客/人口比は約45.2倍(県内10位)です

長期トレンド

コロナ前(2019年:225.7万人)と比べると、2024年は212.9万人でコロナ前比94.3%です。コロナ前水準にはまだわずかに届いていない状況です(県内8番目の回復率)。一方、コロナ前の5年間(2014→2019年)には+45.7%と県内1位の増加率を記録した実績があります。長期的(H25→R6)にも+13.8%(県内7位)と増加傾向が続いています。

直近の動向(2022〜2024年)

2022年(+87.5%:大地の芸術祭開催)・2023年(−9.5%:非開催年)・2024年(+22.6%:大地の芸術祭開催)と、芸術祭の3年サイクルに連動した変動が続いています。開催年に大幅増・非開催年に反落というパターンは、十日町市の観光の最大の特徴です。

月・施設の集中パターン

  • ピーク月: 8月(年間の17.6%が集中)。大地の芸術祭秋会期の影響で10月(32.9万人)も高く、夏から秋にかけて長いハイシーズンが続く
  • 最大施設: 「大地の芸術祭 越後妻有 アートトリエンナーレ2024」が全体の25.6%を担う(県内18位の集中度)
  • 上位3施設合計: 55.1%(県内13位)。大地の芸術祭・清津峡・クロス10の3施設が集客の中心

伸びている施設・縮小している施設(2024年)

  • 大きく増加: 越後妻有里山現代美術館[MonET](+140.1%)・クロス10(+36.5%)・美人林(+25.4%)。いずれも大地の芸術祭開催の効果を受けたとみられます
  • 大きく減少: 該当なし

出典

  • 観光客入込数:新潟県観光政策課(令和6年観光客入込数・消費額調査)
  • 主要観光地点入込数:新潟県観光政策課(同調査 表7)
  • スキー場利用客数:新潟県観光政策課(令和6年観光客入込数・消費額調査)

データ基準日:2024年(令和6年)
次回更新推奨:2025年(令和7年)観光客入込数調査公表後

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