関川村(新潟県下越地域・岩船郡・村上市の東側に隣接する山間地の村・所得割納税義務者1,928人)の1人当たり課税対象所得(R5年度)は 265.9万円 で、新潟県30市町村中 21位 です。県平均を -11.2万円 下回りますが、下越13市町村中 7位・農業型4市町村(関川村・粟島浦村・佐渡市・津南町)中 1位 の水準です。
10年で +15.0%(+34.6万円) 変化し、変化率順位は県内 6位(糸魚川市と2市同率)で、前半5年 +6.67% から後半5年 +7.79% へ継続加速しています。推計手取りは 318.3万円(県内19位)で、10年で +22.4万円(+7.6%)・手取り転換率 72.7% です。
主要業種1位は製造業(就業者比率 19.6%)、2位が農業・林業(16.9%)で差わずか3ポイント。給与所得者比率 84.5% は県内 3位(単独)、農業所得者比率 1.6% は佐渡市と2市同率で県内 2位、実効税率 2.9% は阿賀町と2市同率で県内 29位(下から2番目)という所得種類別・税負担両面の固有構造を持ちます。この記事は、総務省「市町村税課税状況等の調べ」ほかの公的統計をもとに、関川村の所得水準・10年変化・下越圏で唯一の農業型産業タイプ・農業型4市町村比較・下越13市町村内での位置・移住検討者/地域理解志向の読者への読み方までを、記事単体で判断材料が読み取れる構造で整理したものです。
この記事でわかること
- R5年度の1人当たり課税対象所得は 265.9万円(県内 21位/30市町村中)・県平均差 -11.2万円・県中央値差 -7.4万円
- 下越13市町村中 7位・農業型4市町村(関川・粟島浦・佐渡・津南)中 1位・岩船地域の村上市(26位)を上回る位置
- H25→R5の10年変化は +15.0%(+34.6万円) で県内 6位(糸魚川市と2市同率)・前半+6.67%→後半+7.79%で 継続加速
- 所得割納税義務者 1,928人(県内シェア 0.19%・県内 28位)のうち 84.5%が給与所得者(県内 3位・単独)
- 農業所得者比率 1.6% は佐渡市と2市同率で県内 2位・下越13市町村中でトップ
- 実効税率 2.9% は阿賀町と2市同率で県内 29位(下から2番目・分母21位)、推計手取り 318.3万円(県内19位)は10年で+22.4万円
- 産業タイプは 農業型(下越13市町村中 唯一)・主要業種1位製造業 19.6%・2位農業・林業 16.9% が 差3ポイント で近接
- 1人あたり付加価値額 1,498万円 は県内 5位 の高順位(分母は製造業事業所ベース・従業者306人)
① 関川村の1人当たり所得(R5年度サマリー)
【結論】 関川村の1人当たり所得は 265.9万円 で県内 21位・下越13市町村中 7位・県平均差 -11.2万円 の水準ですが、下越圏で唯一の農業型産業タイプで農業型4市町村(関川・粟島浦・佐渡・津南)中 1位、給与所得者比率 84.5% は県内3位単独、農業所得者比率 1.6% は佐渡市と2市同率で県内2位という所得種類別の固有構造を持ちます。
【根拠】:以下の表で確認できます。
この表で分かること:関川村の1人当たり所得・順位・県平均差・変化率を1枚で把握できます。
| 指標 | 数値 | 県内順位(30市町村中) |
|---|---|---|
| 1人当たり課税対象所得 | 265.9万円 | 21位 |
| 所得割納税義務者数 | 1,928人 | 28位 |
| 課税対象所得(総額) | 約51.3億円 | 28位 |
※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)
→ 265.9万円(県内21位・下越圏7位)で県平均を 11.2万円 下回りますが、農業所得者比率 1.6% は佐渡市と2市同率で県内2位、変化率 +15.0% は糸魚川市と2市同率で県内6位という固有構造が観察できます。
【比較・解釈】
関川村の1人当たり所得265.9万円は、県平均277.1万円を -11.2万円 下回り、県中央値273.3万円を -7.4万円 下回ります。県内1位の新潟市(319.5万円)とは -53.6万円 の差、県内30位の津南町(256.7万円)とは +9.2万円 の差で、県内30市町村の下位帯に近い位置ですが最下位からは +9.2万円 上に位置しています。所得割納税義務者数1,928人(県内28位・シェア0.19%)・課税対象所得総額約51.3億円(県内28位・シェア0.17%)はいずれも県内下位圏で、規模指標(人数・総額)と1人当たり指標(21位)の間には 7ランクの差 があります。
【読者にとっての意味】
規模順位28位と1人当たり順位21位の7ランク差は「小規模ながら1人当たりでは下位圏最下位ではない」という関川村の構造を示す観察です。加えて後述する農業型4市町村中1位・下越13市町村中唯一の農業型・給与所得者比率県内3位単独という3つの固有位置を保有します。詳細は章⑦・章⑧で扱います。
数値の意味(データから読み取れる範囲):
関川村の1人当たり所得265.9万円は県内21位で、下位10市町村(21〜30位)の中では最上位に位置します。県内で農業型に分類される4市町村(関川村・粟島浦村・佐渡市・津南町)の1人当たり所得は関川21位・粟島浦22位・佐渡28位・津南30位で、関川村が農業型4市町村中で最も高い水準 です。県内下位圏の中で「農業型ラベル×農業型4市町村内トップ×下越圏で唯一の農業型」という組合せは県内で関川村のみの構造として観察できます。
▼【グラフ:sekikawa_県内ランキング.png 新潟県30市町村 1人当たり課税対象所得ランキング(R5年度・関川村を強調)】

② 県内順位と下越圏内での位置づけ(下越7位・農業型4市町村中トップ)
R5年度の1人当たり課税対象所得の県内上位10市町村を確認します。
この表で分かること:R5年度の県内上位10位と関川村(21位)の位置関係が確認できます。
| 順位 | 市町村 | 1人当たり所得 | 10年変化率 | 変化率順位 | 地域 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 新潟市 | 319.5万円 | +11.3% | 20位 | 下越 |
| 2位 | 上越市 | 305.4万円 | +11.5% | 17位(同率) | 上越 |
| 3位 | 長岡市 | 302.5万円 | +11.5% | 17位(同率) | 中越 |
| 4位 | 燕市 | 300.8万円 | +15.6% | 4位 | 下越 |
| 5位 | 三条市 | 297.9万円 | +13.9% | 9位 | 中越 |
| 6位 | 柏崎市 | 292.8万円 | +8.8% | 26位 | 中越 |
| 7位 | 刈羽村 | 292.5万円 | +7.2% | 29位 | 中越 |
| 8位 | 糸魚川市 | 286.6万円 | +15.0% | 6位(同率) | 上越 |
| 9位 | 妙高市 | 284.3万円 | +11.7% | 15位(同率) | 上越 |
| 10位 | 新発田市 | 283.9万円 | +11.7% | 15位(同率) | 下越 |
- 県平均:277.1万円(関川村 -11.2万円)
- 県中央値:273.3万円(関川村 -7.4万円)
- 関川村(21位):265.9万円・変化率+15.0%・変化率順位 6位(糸魚川市と同率)
- 県30位・津南町:256.7万円(関川村との差 +9.2万円)
→ 関川村は上位10位圏外ですが、下越13市町村中では 7位、農業型4市町村(関川・粟島浦・佐渡・津南)中では 1位 に位置します。
下越圏13市町村内での位置づけ
関川村は下越13市町村(新潟市・燕市・新発田市・聖籠町・胎内市・弥彦村・阿賀野市・田上町・五泉市・村上市・加茂市・阿賀町を含む)の中で1人当たり所得 7位 に位置します。下越圏の順位範囲は県内1位(新潟市)〜29位(阿賀町)まで 広く分布 し、下越13市町村中で県内10位以内に入るのは新潟市(1位)・燕市(4位)・新発田市(10位)の3市、11〜20位帯に聖籠町(13位)・胎内市(15位)・弥彦村(16位)、21〜29位帯に関川村(21位)・阿賀野市(23位)・田上町(24位)・五泉市(25位)・村上市(26位)・加茂市(27位)・阿賀町(29位)が並びます。
- 下越圏内1位:新潟市(319.5万円・県内1位)
- 下越圏内7位:関川村(265.9万円・県内21位)
- 下越圏内13位:阿賀町(257.3万円・県内29位・下から2番目)
下越圏内1位の新潟市とは -53.6万円、下越圏内13位の阿賀町とは +8.6万円 の差があり、関川村は下越圏の中位に位置します。同じ岩船地域の村上市(261.1万円・県内26位)に対して、関川村(265.9万円・県内21位)は1人当たり所得で+4.8万円上回る という関係が観察できます(県内順位でも絶対値でも関川村が村上市を上回る)。
農業型4市町村内での位置づけ
新潟県内で産業タイプ「農業型」に分類される市町村は、関川村・粟島浦村・佐渡市・津南町の 4市町村 です。この4市町村の1人当たり所得を並べると:
| 農業型4市町村 | 1人当たり所得 | 県内順位 | 地域 |
|---|---|---|---|
| 関川村 | 265.9万円 | 21位 | 下越(岩船地域) |
| 粟島浦村 | 265.8万円 | 22位 | 岩船離島 |
| 佐渡市 | 257.9万円 | 28位 | 佐渡 |
| 津南町 | 256.7万円 | 30位 | 中越 |
農業型4市町村の中で 関川村が1位、粟島浦村が2位(差 -0.1万円)、佐渡市が3位(差 -8.0万円)、津南町が4位(差 -9.2万円)となります。上位2市町村(関川・粟島浦)と下位2市町村(佐渡・津南)で 約8万円の階段 が観察できます。
数値の意味(データから読み取れる範囲):
関川村は「下越13市町村中で唯一の農業型」×「農業型4市町村中で1人当たり所得順位トップ」×「岩船地域の村上市を1人当たり所得で上回る」の3つの位置を同時に保有します。県内順位21位の絶対水準は下位帯ですが、農業型ラベルを持つ市町村の中では最上位、下越圏の農業型としては単独、岩船地域内では村上市を上回るという複数の順位関係を組合わせた位置は、県内で他市町村と入替不可の構造として観察できます。ただし所得順位は所得側面のみの相対比較で、生活水準・移住適性を意味するものではありません。
③ 10年推移と継続加速(前半6.67%→後半7.79%・変化率県内6位)
【結論】 関川村の10年変化率は +15.0%(県内 6位・糸魚川市と2市同率)で、前半5年 +6.67% から後半5年 +7.79% へ 継続加速 し、10年で1人当たり所得が +34.6万円 積み上がっていますが、納税義務者数は -15.84%(10年 -363人)で減少し、課税対象所得総額は10年で -3.2%(-1.7億円) 減っています。
過去10年間(H25→H30→R5)の住民所得の変化を確認します。
この表で分かること:H25→H30→R5の10年間で1人当たり所得がどう変化したかを追えます。
| 年度 | 1人当たり課税対象所得 | 所得割納税義務者数 | 課税対象所得(総額) |
|---|---|---|---|
| H25年度(2013年度) | 231.3万円 | 2,291人 | 約53.0億円 |
| H30年度(2018年度) | 246.7万円 | 2,172人 | 約53.6億円 |
| R5年度(2023年度) | 265.9万円 | 1,928人 | 約51.3億円 |
| 10年変化(H25→R5) | +34.6万円(+15.0%) | -363人(-15.84%) | -1.7億円(-3.2%) |
→ 前半5年 +6.67% から後半5年 +7.79% へ継続加速し、10年で +34.6万円 増えていますが、納税義務者数は -15.84%(-363人) で総額課税対象所得は -1.7億円 と減少しています。
【根拠】
1人当たり所得の10年変化率+15.0%は、H25→H30の前半5年で +6.67%、H30→R5の後半5年で +7.79% で、後半5年の変化幅のほうが +1.12ポイント大きい 継続加速パターンです。変化率+15.0%の県内順位は 6位、糸魚川市(同率)と2市同率グループ を構成しており、県内で1位新潟市(+11.3%・20位)・2位上越市(+11.5%・17位)・3位長岡市(+11.5%・17位)などの主要3市を大きく上回る変化率の順位です。
一方、納税義務者数は10年で 1,928人 – 2,291人 = -363人(-15.84%)と減少しました。総就業者数の変化率-16.1%(H22→R2)とほぼ同水準で減少しており、この減少幅は下越13市町村中で阿賀町の-18.2%に次ぐ 2番目に大きい減少幅 です。課税対象所得総額は10年で -1.7億円(-3.2%) 減少し、後半5年(H30→R5)だけで -4.32% 減っています。
【比較・解釈】
「1人当たり所得は+15.0%増、総額課税対象所得は-3.2%減、納税義務者数は-15.84%減」という3つの数値関係は、「残った納税義務者一人ひとりの所得は増えたが、母数の納税義務者数が10年で15.84%減ったため、総額としては減少に転じた」という数値関係の観察です。1人当たり所得の変化率順位(6位)と、課税対象所得総額変化率の順位(29位)で 23ランクの乖離 が生じます。
上位10位で変化率順位が県内5位以内に入るのは燕市(+15.6%・4位)のみで、6〜10位内には糸魚川市(+15.0%・6位)と関川村(+15.0%・6位)が並びます。関川村は上位10位圏外ですが、変化率順位では県内6位に位置します。
【読者にとっての意味】
関川村の10年変化は「1人当たり指標では加速・総額指標では減少」という方向の異なる2つの動きが同時に進行しています。1人当たり所得のみを見ると全県で6番目に高い成長率ですが、納税義務者数の減少幅は下越13市町村中で2番目に大きく、母数の縮小が同時に進行している点は所得側面以外の別データ(人口動態・年齢構成等)と併せて読み取る必要があります。詳細な移住検討者・地域理解志向の読み方は章⑧を参照してください。
数値の意味(データから読み取れる範囲):
前半+6.67%→後半+7.79%の継続加速パターンは、変化率の順位で上位に入る自治体の中で観察される固有パターンの1つです。糸魚川市とは変化率+15.0%が同率、燕市・三条市など他の変化率上位市町村では前半・後半のいずれかで変化率が突出するパターンが観察される中、関川村は両半期とも高い成長率が積み上がった構造として読み取れます。ただし小規模自治体の変動は単年度の変動が大きく出やすい特性があり、傾向として観察できる範囲での記述です。
▼【グラフ:sekikawa_所得推移.png 関川村の1人当たり課税対象所得の推移(H25→H30→R5)】

④ 所得種類別の内訳(給与所得者84.5%県内3位単独・農業所得者1.6%県内2位)
所得割納税義務者の所得源泉の内訳を確認します。
この表で分かること:関川村の納税義務者1,928人が給与・営業等・農業・その他のどこに分布するか把握できます。
| 所得区分 | 納税義務者数 | 比率 |
|---|---|---|
| 給与所得者 | 1,629人 | 84.5% |
| 営業等所得者 | 62人 | 3.2% |
| 農業所得者 | 31人 | 1.6% |
| その他 | 206人 | 10.7% |
| 合計 | 1,928人 | 100% |
→ 給与所得者84.5%(1,629人) が中心で県内 3位単独、農業所得者比率 1.6% は佐渡市と2市同率で県内 2位、営業等所得者比率 3.2% は県内15位です。
給与所得者比率84.5%は県内3位(単独) で、上位2市町村(1位聖籠町87.9%・2位燕市84.9%)に次ぐ水準です。給与所得者比率84.5%の同率グループは関川村単独(同率市町村なし)で、県内で3位を単独保有しています。産業タイプが「農業型」に分類されながら、就業構造として給与所得者の比率が県内3位単独という組合せは、県内で関川村のみに観察される構造です。
農業所得者比率1.6%は県内2位(佐渡市と2市同率)
農業所得者数31人・比率1.6%は、県内1位の津南町(3.0%)に次ぐ 県内2位 で、佐渡市と2市同率グループ を構成しています。同率グループの2市(関川村・佐渡市)はいずれも産業タイプ「農業型」に分類され、山間地(関川村)・離島(佐渡市)という地理的特徴を持ちます。下越13市町村の農業所得者比率を並べると:
| 下越13市町村 | 農業所得者比率 |
|---|---|
| 関川村 | 1.6%(県内2位・佐渡市と同率) |
| 阿賀野市 | 1.2% |
| 胎内市 | 1.2% |
| 加茂市 | 1.1% |
| 五泉市 | 1.0% |
| 聖籠町 | 0.9% |
| 田上町 | 0.9% |
| 新発田市 | 0.8% |
| 弥彦村 | 0.8% |
| 村上市 | 0.7% |
| 阿賀町 | 0.5% |
| 燕市 | 0.5% |
| 新潟市 | 0.4% |
下越13市町村中で 関川村1.6%が最高値 で、2位の阿賀野市・胎内市(1.2%)を +0.4ポイント上回ります。下越圏内で農業所得者比率1%以上に達するのは関川村・阿賀野市・胎内市・加茂市・五泉市の5市町村で、うち関川村が単独で最高値の水準にあります。
営業等所得者比率3.2%は県内15位
営業等所得者数62人・比率3.2%は県内 15位 で、営業等所得者比率上位10位に入る自治体には及ばない水準です。下越圏内で営業等所得者比率が高いのは弥彦村・聖籠町・燕市など製造業集積地・観光地の周辺で、関川村3.2%は下越圏内で中位に位置します。
数値の意味(データから読み取れる範囲):
「産業タイプ農業型×給与所得者比率84.5%県内3位単独×農業所得者比率1.6%県内2位」という組合せは、県内で関川村のみに観察される構造です。給与所得者比率84.5%は「農業型」ラベルからは想定しにくい高水準で、産業タイプの分類(第1次産業比率と第1次業種集中度に基づく)と就業構造の実態(給与所得者中心)の間には数値関係の乖離が観察できます。
同率2市の佐渡市も同じく給与所得者比率が農業所得者比率を大きく上回る構造で、両市とも産業タイプ「農業型」ラベルながら就業構造は給与所得者中心である点で共通します。ただしこれは所得申告形態と就業構造の対応の観察であり、産業タイプが所得種類別内訳を決定しているという因果関係を意味するものではありません。
▼【グラフ:sekikawa_所得種類別.png 関川村の所得種類別 所得割納税義務者数(R5年度)】

⑤ 推計手取りと住民税・実効税率2.9%(阿賀町と2市同率・県内29位)
【結論】 推計手取り 318.3万円 は県内 19位 で、実効税率 2.9% は阿賀町と2市同率で県内 29位(下から2番目・実質税負担が軽いグループ)です。
住民税(所得割)の実額と、社会保険料・所得税を含む推計手取りの10年推移を確認します。
住民税(所得割)の推移
住民税(所得割)の実額は、総務省「市町村税課税状況等の調べ」第11表の所得割額を所得割納税義務者数で割って算出しました。
| 年度 | 1人当たり住民税(所得割) | 実効税率(住民税÷課税対象所得) |
|---|---|---|
| H25年度(2013年度) | 約6.58万円 | 2.8% |
| H30年度(2018年度) | 約7.31万円 | 3.0% |
| R5年度(2023年度) | 約7.63万円 | 2.9% |
| 10年変化 | +1.05万円(+16.0%) | +0.1ポイント |
R5の1人当たり住民税約 7.6万円 は県内 29位、実効税率2.9%は 阿賀町と2市同率グループ(関川村・阿賀町の2市)で県内 29位(下から2番目)です。県内で実効税率が最も低いのは29位グループ2市の下、県内30位に位置する市町村となります。分母の1人当たり課税対象所得は関川村21位・阿賀町29位で、同率2市の中では 関川村のほうが分母の順位が8ランク上 に位置します。
同じ実効税率2.9%でも、分母(1人当たり所得)の位置が異なることで、住民税実額の絶対水準は関川村約7.6万円と阿賀町では異なる水準となります。実効税率の10年変化+0.1ポイントは、H30から R5にかけての税制変化幅を反映した観察です(税率の設定変更ではなく、控除の適用状況・所得構成の違いの結果として現れる値です)。
この期間には令和2年の税制改正で住民税の基礎控除が33万円から43万円に引き上げられており、実効税率のH25/H30の水準からR5への変化幅が、改正時期と対応するタイミングで観察されます(改正が原因であるという断定はしません)。
推計手取りの推移
この表で分かること:推定給与収入から社保・所得税・住民税を差し引いた推計手取りの10年推移が確認できます。
課税対象所得(給与所得)から給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、各年度の公式保険料率・税制を用いて手取りを試算しました。
| 項目 | H25(2013年度) | H30(2018年度) | R5(2023年度) | 10年変化 |
|---|---|---|---|---|
| 課税対象所得(給与所得) | 231.3万円 | 246.7万円 | 265.9万円 | +34.6万円 |
| 推定給与収入(※1) | 約356.6万円 | 約375.9万円 | 約387.4万円 | +30.8万円 |
| ー 社会保険料(※2) | 50.7万円 | 54.3万円 | 57.1万円 | +6.4万円 |
| ー 所得税(※3) | 3.4万円 | 4.0万円 | 4.3万円 | +0.9万円 |
| ー 住民税(実額) | 6.58万円 | 7.31万円 | 7.63万円 | +1.05万円 |
| 推計手取り | 約295.9万円 | 約310.2万円 | 約318.3万円 | +22.4万円(+7.6%) |
→ 推計手取りは 318.3万円(県内 19位)で、10年で +22.4万円・手取り転換率 72.7%、実効税率 2.9% は阿賀町と2市同率で県内 29位(下から2番目)です。
推計手取り318.3万円は県内 19位 で、1人当たり所得の順位(21位)より +2ランク上位 に位置しています。この2ランクの逆乖離は、実効税率2.9%(県内29位・下から2番目)という数値関係で説明される部分の観察です。推計手取り変化率+7.6%は県内 6位 で、変化率順位では1人当たり所得の変化率順位(6位)と一致します。
推定給与収入(額面)の10年増加+30.8万円のうち、税・社会保険料の増加を差し引いた後に手取りとして残る割合は 72.7%(手取り転換率) です。残り約27.3%は社会保険料の増加(+6.4万円)・所得税増(+0.9万円)・住民税実額増(+1.05万円)に吸収されています。
数値の意味(データから読み取れる範囲):
「実効税率2.9%(県内29位・阿賀町と2市同率・下から2番目)×推計手取り318.3万円県内19位×手取り変化率6位」という組合せは、関川村の税負担側面での固有位置を示すデータ関係の観察です。1人当たり所得順位が21位に対し、実効税率が県内29位という位置に立つことで、推計手取り順位が19位に押し上げられている数値関係が読み取れます。同率グループ2市(関川村・阿賀町)はいずれも下越圏内の山間地・農村地帯で、分母の所得規模は異なるものの実効税率の水準が並ぶ構造となっています。ただしこれは数値上の相関の観察で、地理的条件が実効税率を規定しているという因果関係を意味するものではありません。
住民税所得割の税率は市町村民税6%・道府県民税4%で全国一律です。本記事で示す実効税率(住民税実額÷課税対象所得)は、控除の適用状況・所得構成の違いの結果として現れる値であり、市町村ごとに税率が違うわけではありません。
※1 給与収入は課税対象所得(給与所得)から各年度の給与所得控除(所得税法の計算式)で逆算した推定値です。
※2 社会保険料は厚生年金(公式保険料率)・健康保険(協会けんぽ新潟県の概算率)・雇用保険(公式料率)を使用。保険料率はH25:厚生年金8.737%・健保4.985%・雇保0.5%、H30:厚生年金9.15%・健保5.0%・雇保0.3%、R5:厚生年金9.15%・健保5.0%・雇保0.6%で試算。
※3 所得税は「給与所得 − 基礎控除(H25・H30: 38万、R5: 48万)− 社会保険料控除 − 配偶者控除 − 扶養控除1人」を課税標準として試算。実際の控除状況・家族構成によって大きく異なります。
⑥ 関川村の主力産業(下越唯一の農業型・製造業19.6%と農業林業16.9%が差3ポイント)
【結論】 産業タイプは 農業型(下越13市町村中 唯一)で、主要業種1位製造業 19.6%・2位農業・林業 16.9% が 差3ポイント で近接し、1人あたり付加価値額 1,498万円 は県内 5位 の高順位ですが、分母は製造業事業所ベース(従業者306人・県内25位)で1人当たり所得(納税義務者ベース)とは指標が異なります。
関川村の産業構造と所得水準の対応関係を、複数データで観察します。
産業タイプと就業構造
関川村は産業構造マスター(総務省 国勢調査 令和2年)で 農業型 に分類されています。下越13市町村中で農業型ラベルが付くのは関川村のみ で、他12市町村(新潟・燕・新発田・聖籠・胎内・弥彦・阿賀野・田上・五泉・村上・加茂・阿賀町)はいずれも複合型・製造業集積型・高付加価値製造業型に分類されます。
産業別就業者比率(2020年)は 第1次産業16.9%・第2次産業29.6%・第3次産業52.5%(県内29位) です。第1次産業比率16.9%は下越13市町村中で トップ(次点は阿賀町8.0%・胎内市9.3%・新発田市5.9%・聖籠町6.9%等)で、下越圏の他市町村と2倍超の差があります。総就業者数は2,649人(県内下位圏・小規模)で、10年変化率H22→R2は -16.1% です。この減少幅は下越13市町村中で阿賀町の-18.2%に次ぐ 2番目に大きい減少幅 です。
この表で分かること:産業タイプと就業者上位3業種・製造業指標・農業産出額を1枚で確認できます。
主要業種は次の通りです。
| 順位 | 業種 | 就業者数 | 比率 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 製造業 | 518人 | 19.6% |
| 2位 | 農業・林業 | 449人 | 16.9% |
| 3位 | 医療・福祉 | 352人 | 13.3% |
→ 農業型で主要業種1位製造業 19.6%・2位農業・林業 16.9% が 差3ポイント で近接、1人あたり付加価値額 1,498万円 は県内5位、農業産出額 16.9億円 は県内24位です。
「農業型でありながら主要業種1位が製造業」の観察
産業タイプ「農業型」ラベルながら、就業者ベースの1位業種は製造業19.6%(518人)で、2位の農業・林業16.9%(449人)と わずか3ポイント差 で近接します。下越13市町村の主要業種上位3位までに「農業・林業」が入るのは関川村のみ で、他12市町村では製造業・卸売業・小売業・医療福祉・建設業などが上位を占めます。
農業型4市町村4市の中で主要業種1位が製造業なのは関川村のみです(粟島浦村の1位は漁業・佐渡市は医療福祉・津南町は農業林業)。上位3業種の比率合計は49.8%(19.6+16.9+13.3)で、単一業種への集中は控えめで 分散傾向 が観察できます。
「単一業種集中度」の観察(下越圏の農業比率)
下越13市町村の第1次産業就業者比率を並べると、関川村16.9%が最高値で、次点は阿賀町8.0%・胎内市9.3%(順序は関川16.9→胎内9.3→阿賀8.0の並び)と続き、関川村と2位以下との差は 2倍超 です。下越圏内で第1次産業比率が10%を超えるのは関川村のみで、圏内の農業比率のトップに位置します。
規模指標と効率指標
製造業関連の指標(経済産業省 工業統計調査 令和4年)は次の通りです。
| 指標 | 数値 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 事業所数 | (小規模事業所複数) | 下位圏 |
| 従業者数 | 306人 | 25位 |
| 現金給与総額 | 約14.6億円 | 25位 |
| 製造品出荷額 | 約76.5億円 | 25位 |
| 付加価値額 | 約45.8億円 | 25位 |
| 1人あたり付加価値額 | 1,498万円 | 5位 |
規模指標(従業者数25位・出荷額25位・付加価値額25位)に対して、効率指標の1人あたり付加価値額1,498万円は 県内5位 の高順位で、20ランクの順位差 が観察できます。従業者数306人という小規模事業所ベースで算出された1人あたり付加価値額が県内上位に立つ構造は、関川村の製造業が小規模ながら労働生産性上位に位置することを示す観察です。
農業産出額は約 16.9億円(県内 24位)で、絶対額は小規模ですが下越13市町村中では11位(新潟534.8・新発田235.5・村上208.6・胎内107.3・阿賀野85.9・五泉70.2・燕65.0・加茂24.4・阿賀町22.2・聖籠19.9・関川16.9・弥彦14.3・田上10.8)に位置しています。
「1人あたり付加価値額」と「1人当たり所得」の分母不一致の観察
なお1人あたり付加価値額1,498万円(県内5位)は 製造業事業所ベースの分母(従業者306人)で算出された指標で、住民所得の1人当たり課税対象所得265.9万円(所得割納税義務者ベース・1,928人)とは分母が異なる別の指標です。両指標の順位差は 5位 vs 21位で16ランクの乖離 となりますが、これは分母不一致から生じる観察であり、両指標を「1人あたり所得」として同一視することはできません。
「農業所得者比率と主要業種2位農業・林業の分母不一致」の観察
同様に、農業所得者比率1.6%(納税義務者1,928人ベース)と主要業種2位農業・林業16.9%(総就業者2,649人ベース)は分母が異なる別の指標で、片方は課税ベース、もう片方は就業構造ベースです。両指標を単純比較することはできません。就業者ベースで農業・林業に従事する449人のうち、農業所得として申告している納税義務者は31人という数値関係の観察です(残りの就業者は農業・林業に従事しつつ、申告形態としては給与所得・年金所得・営業等所得等に分類される可能性があります)。
数値の意味(データから読み取れる範囲):
関川村の産業構造は「農業型ラベル×主要業種1位製造業19.6%×2位農業林業16.9%(差3ポイント)×下越13市町村中唯一の農業型×農業型4市町村中で製造業1位」の組合せで、県内で他市町村と入替不可の固有パターンとして観察できます。1人あたり付加価値額県内5位は製造業事業所ベースの生産性の観察で、住民所得(納税義務者ベース)とは指標が異なる点に注意が必要です。
産業タイプの分類(第1次産業比率と第1次業種集中度に基づく)と就業構造の実態(製造業1位)の間には数値関係の乖離があり、これは関川村の産業構造が持つ「農業と製造業の並列構造」を示す数値関係の観察です。ただしこれらは所得水準との相関の観察であり、産業構造が住民所得を決定しているという因果関係を意味するものではありません。
⑦ 下越13市町村比較でみる関川村
【結論】 下越13市町村中 7位 で、圏内順位範囲は県内 1〜29位 に広く分布する下越圏の中位グループに位置し、同じ岩船地域の村上市(県内26位)を上回ります。
この表で分かること:下越13市町村内での関川村の位置と圏内順位範囲が確認できます。
下越13市町村の1人当たり所得と順位範囲
下越13市町村は、県内1位(新潟市)から県内29位(阿賀町)まで 28ランクの幅 に分布しており、県内で最も所得順位の範囲が広い地域圏です。関川村は下越13市町村中 7位 で、圏内の中位に位置します。
- 下越圏内1位:新潟市(319.5万円・県内1位)
- 下越圏内2位:燕市(300.8万円・県内4位)
- 下越圏内3位:新発田市(283.9万円・県内10位)
- 下越圏内7位:関川村(265.9万円・県内21位)
- 下越圏内13位:阿賀町(257.3万円・県内29位)
- 下越圏内1位(新潟市)との差:-53.6万円
- 下越圏内13位(阿賀町)との差:+8.6万円
- 下越圏内の県内順位範囲:県内1位〜29位
下越13市町村中の順位分布:
- 県内1〜10位帯:新潟市(1位)・燕市(4位)・新発田市(10位)の3市
- 県内11〜20位帯:聖籠町(13位)・胎内市(15位)・弥彦村(16位)が含まれる帯
- 県内21〜29位帯:関川村(21位)・阿賀野市(23位)・田上町(24位)・五泉市(25位)・村上市(26位)・加茂市(27位)・阿賀町(29位)が含まれる帯
「岩船地域内での関川村の位置」の観察
関川村と同じ岩船地域(岩船郡・岩船離島)に属する自治体との比較は以下の通りです:
| 市町村 | 1人当たり所得 | 県内順位 | 下越圏内順位 | 地理 |
|---|---|---|---|---|
| 関川村 | 265.9万円 | 21位 | 7位 | 岩船郡(山間地) |
| 粟島浦村 | 265.8万円 | 22位 | 8位 | 岩船離島(島) |
| 村上市 | 261.1万円 | 26位 | — | 岩船地域中心(沿岸) |
※村上市は下越圏内順位算出における「岩船地域」区分の中心自治体で、県内順位26位に位置します。関川村(県内21位)と村上市(県内26位)の県内順位差は 5ランク差(関川村が上位)で、県内順位でも絶対値でも関川村が村上市を上回る(関川村265.9万円>村上市261.1万円で +4.8万円 の差)関係が観察できます。
「農業型4市町村中で1人当たり所得トップ」の観察
新潟県内で産業タイプ「農業型」に分類される4市町村(関川村・粟島浦村・佐渡市・津南町)の中では、関川村がトップ の位置に立ちます。
| 農業型4市町村 | 1人当たり所得 | 県内順位 | 変化率H25→R5 | 変化率順位 |
|---|---|---|---|---|
| 関川村 | 265.9万円 | 21位 | +15.0% | 6位(同率) |
| 粟島浦村 | 265.8万円 | 22位 | — | — |
| 佐渡市 | 257.9万円 | 28位 | — | — |
| 津南町 | 256.7万円 | 30位 | — | — |
農業型4市町村中で関川村が1人当たり所得順位でトップに立つとともに、10年変化率+15.0%(県内6位)も4市町村中で上位の位置に立ちます。関川村と粟島浦村の1人当たり所得差は わずか+0.1万円(1,000円)で拮抗しますが、県内順位で1ランク差、下越圏内順位でも1ランク差の位置関係となります。
下越圏13市町村の産業タイプ内訳
- 農業型:関川村(1市)
- 製造業集積型:燕市など
- 高付加価値製造業型:聖籠町・弥彦村など
- 複合型:新潟市・新発田市・村上市・胎内市・阿賀野市・田上町・五泉市・加茂市・阿賀町
下越13市町村中で複合型が多数を占める中、関川村が単独で農業型ラベルを保有 します。この構造は、下越圏の中で関川村が「農業比率が高い山間地の農業型村」として、圏内の平均像(複合型を中心とする都市圏)とは異質な位置に立つことを示す観察です。
数値の意味(データから読み取れる範囲):
関川村は「下越13市町村中7位・同圏内で唯一の農業型・農業型4市町村中トップ・岩船地域内で村上市を1人当たり所得で上回る」の4つの位置関係を同時に保有します。県内順位21位という絶対水準は下位帯ですが、下越圏内・農業型4市町村内・岩船地域内という複数のフレームで比較すると、それぞれ異なる順位(7位・1位・上回り)が観察できます。ただしこれらは所得側面の相対比較で、生活水準・移住適性を意味するものではありません。他側面(生活コスト・住居費・通勤環境・アクセス)は別データを併せて参照する必要があります。
⑧ 移住検討者・地域理解志向への読み方
本章は「関川村 移住」「関川村 平均年収」「関川村 農業」「関川村 手取り」「関川村 岩船」等の検索意図に対する、データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。
関川村は「下越13市町村中で唯一の農業型」「農業型4市町村中で1人当たり所得順位トップ」「農業所得者比率1.6%県内2位(佐渡市と2市同率)」の3つの固有特徴を持ちますが、事業者・個人事業主向けの独自材料は薄い(営業等所得者比率3.2%は県内15位で特筆順位ではなく、商圏は納税義務者1,928人と県内28位の小規模)ため、読者層は「小規模自治体・農山村志向の移住検討者」と「下越圏の農業型・岩船地域を理解したい読者」の 2軸 に集約されます。以下、2視点で整理します。
視点1:移住検討者(小規模自治体・農山村志向)への読み取り材料
| 読み取り材料 | データ根拠 |
|---|---|
| 265.9万円は県平均を -11.2万円 下回るが下越13市町村中7位・農業型4市町村中1位 | 県平均277.1万円・下越圏内順位7位・農業型4市町村中最上位 |
| 岩船地域の村上市(26位)を1人当たり所得で上回る | 関川村265.9万円>村上市261.1万円(+4.8万円) |
| 実効税率2.9%は阿賀町と2市同率で県内29位(下から2番目) | 実効税率下位グループ・分母は関川村のほうが上位(21位 vs 29位) |
| 給与所得者比率84.5%は県内3位で単独(農業型なのに給与所得者中心) | 給与所得者1,629人・比率84.5%・産業タイプの分類と就業構造の対応 |
| 推計手取り318.3万円は県内19位・変化率+7.6%は県内6位 | 手取り側面での順位(19位)は所得順位(21位)より +2ランク上位 |
| 変化率+15.0%は糸魚川市と2市同率で県内6位・前半6.67%→後半7.79%継続加速 | 10年で+34.6万円積み上げ・両半期とも高い成長率 |
| 手取り転換率72.7%(給与収入増加分の72.7%が手取り増加として残る割合) | 10年給与収入+30.8万円のうち+22.4万円が手取り増加 |
| 生活コストとの照合が必要 | 1人当たり所得順位は所得側面のみ・家賃/物価/通勤環境は別データを要参照 |
視点1の総括:関川村は小規模自治体(納税義務者1,928人・県内28位)ですが、下越圏内の農山村地帯としては1人当たり所得順位7位・実効税率下位(税負担が軽いグループ)・給与所得者中心構造という材料を保有します。10年変化率+15.0%(県内6位)と前半・後半の継続加速は、変化率側面での上位性を示す数値です。ただし納税義務者数が10年で-15.84%減少している点、総就業者数が10年で-16.1%減少している点は、母数の縮小が同時に進行していることを示す観察で、移住検討にあたっては別データ(人口動態・年齢構成・生活インフラ)と併せて読み取る必要があります。
視点2:地域理解志向の読者(下越唯一の農業型・岩船地域)への読み取り材料
| 読み取り材料 | データ根拠 |
|---|---|
| 下越13市町村中唯一の農業型・第1次産業比率16.9%は下越圏トップ | 農業型ラベル・第1次産業比率下越13市町村中1位(阿賀町8.0・胎内9.3等と2倍超差) |
| 農業型4市町村(関川・粟島浦・佐渡・津南)中で1人当たり所得順位1位 | 関川21・粟島浦22・佐渡28・津南30 |
| 主要業種1位製造業19.6%・2位農業・林業16.9%が差3ポイント | 下越13市町村中で主要業種上位3位に農業・林業が入るのは関川村のみ |
| 農業所得者比率1.6%は佐渡市と2市同率で県内2位・下越圏内トップ | 同率2市(関川村・佐渡市)はいずれも農業型・山間地/離島 |
| 納税義務者-15.84%(-363人)・総就業者数-16.1%は下越13市町村中で阿賀町-18.2%に次ぐ2番目の減少幅 | 母数の縮小が同時進行 |
| 1人あたり付加価値額1,498万円は県内5位(製造業事業所ベース・従業者306人) | 分母は納税義務者ベースの1人当たり所得265.9万円とは異なる指標 |
| 農業産出額16.9億円は県内24位・下越13市町村中11位 | 絶対額は小規模だが農業所得者比率は県内上位 |
| 課税対象所得10年-3.2%(-1.7億円)で総額はマイナス | 1人当たりは+15.0%増だが総額は納税義務者減で減少 |
視点2の総括:関川村は下越13市町村中で唯一の農業型ラベルを保有し、圏内の他12市町村(複合型・製造業集積型・高付加価値製造業型)とは異質な産業構造を持ちます。第1次産業比率16.9%は下越圏トップで、農業型4市町村(関川・粟島浦・佐渡・津南)の中でも1人当たり所得順位1位という位置は、県内の農業型自治体の中で関川村が持つ固有位置として観察できます。ただし就業構造としては製造業19.6%が1位で、農業所得者比率1.6%(納税義務者ベース)と主要業種2位農業・林業16.9%(総就業者ベース)は分母が異なる別の指標である点に注意が必要です。
⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、投資助言・移住助言・個別の意思決定を代替するものではありません。
⑨ データの見方・注意点
順位=豊かさではありません
1人当たり課税対象所得の順位は、後述する複数の解釈上の制約を含んだ指標に基づいています。順位が高いことをもって「豊かな地域」「移住すべき地域」等の価値判断を行うことはできません。順位はあくまで所得割の課税ベース上の数値の相対比較です。
課税対象所得は手取り収入ではありません
課税対象所得(合計所得金額)は、給与・事業・農業などの各所得から給与所得控除等の所得種別の控除を差し引いた所得の合計です。ここからさらに基礎控除・社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除等を差し引いた額が住民税・所得税の課税標準となります。課税対象所得と実際の手取り収入は異なります。
推計手取りの計算モデル
⑤の推計手取りは、給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、公式保険料率と概算率を用いた試算値です。想定料率(協会けんぽ新潟県の概算率)と控除モデル(基礎控除・配偶者控除・扶養控除1人)は記事末の「出典」欄に明示しています。実際の手取りは家族構成・扶養控除・iDeCo/生命保険料控除等の個別事情で大きく変動します。
実効税率は税率設定の違いではありません
住民税所得割の税率は市町村民税6%・道府県民税4%で全国一律です。本記事で示す実効税率(住民税実額÷課税対象所得)は、控除の適用状況・所得構成の違いの結果として現れる値であり、市町村ごとに税率が違うわけではありません。
農業地域では過小表示になる場合があります
農業所得は申告による実額ですが、自家消費・現物収入は含まれない場合があります。農業主体の市町村では、1人当たり課税対象所得が実態の生活水準より低く見える可能性があります。関川村の農業所得者比率は1.6%で県内2位(佐渡市と2市同率)・下越13市町村中トップ、産業タイプは農業型に分類されており、農業所得の申告実額が課税対象所得に反映される構造上の観察が該当します。
所得割納税義務者は全住民ではありません
課税対象所得が控除額を下回る場合(所得が低い・年金受給のみ等)は所得割の納税義務者に含まれません。高齢化が進んだ市町村では分母が小さくなり、1人当たり所得が見かけ上高くなる場合があります。関川村の納税義務者数は10年で-15.84%(-363人)減少しており、この分母の縮小が1人当たり指標の上昇(+15.0%)と同時に進行している点は、指標を読む際の観察上の注意点となります。
1人あたり付加価値額と1人当たり所得の混同注意
⑥で提示した1人あたり付加価値額 1,498万円 は 製造業事業所ベース(従業者306人)の指標で、住民所得の1人当たり課税対象所得265.9万円(所得割納税義務者ベース・1,928人)とは分母が異なる別の指標です。両者を同一の「1人あたり所得」として扱うことはできません。
小規模自治体の変動の注意
関川村の納税義務者数1,928人・総就業者数2,649人と規模が小さい自治体では、単年度の変動が大きく出やすい特性があります。1人あたり付加価値額県内5位(従業者306人の小規模事業所ベース)も、この母数の小ささが順位に影響している側面があります。傾向として観察できる範囲での記述にとどめ、単年度の変動は複数年での確認が推奨されます。
農業所得者比率と主要業種2位農業・林業比率の分母不一致
農業所得者比率1.6%(納税義務者1,928人ベース)と主要業種2位農業・林業16.9%(総就業者2,649人ベース)は分母が異なる別の指標です。片方は課税ベース、もう片方は就業構造ベースで、両指標を単純比較することはできません。
まとめ
関川村の住民所得の特徴(データから読み取れる範囲)
- 1人当たり課税対象所得は 265.9万円 で県内 21位/30市町村中(R5年度)。県平均差 -11.2万円・県中央値差 -7.4万円・県30位の津南町とは +9.2万円 の差
- 下越13市町村中 7位・農業型4市町村(関川・粟島浦・佐渡・津南)中 1位・岩船地域の村上市(県内26位)を 1人当たり所得で +4.8万円上回る
- H25→R5の10年で +15.0%(+34.6万円)・変化率順位は県内 6位(糸魚川市と2市同率)・前半+6.67%→後半+7.79%で 継続加速
- 所得割納税義務者1,928人(県内シェア0.19%・県内28位)のうち 84.5%が給与所得者(県内 3位・単独)、農業所得者は1.6%
- 農業所得者比率 1.6% は佐渡市と2市同率で県内 2位・下越13市町村中トップ
- 1人当たり住民税(実額)はH25の6.58万円からR5の7.63万円へ +1.05万円(+16.0%)。実効税率 2.9% は阿賀町と2市同率で県内 29位(下から2番目・下から2番目・分母4位)
- 推計手取りは10年で 約22.4万円増加(+7.6%・県内6位)・給与収入増+30.8万円のうち 72.7% が手取りに転換
- 産業タイプは 農業型(下越13市町村中 唯一)・主要業種1位製造業 19.6%・2位農業・林業 16.9% が 差3ポイント で近接・第1次産業比率 16.9%は下越圏トップ
移住検討者・地域理解志向への読み方(判断材料)
- 移住検討者(小規模自治体・農山村志向): 265.9万円は県平均を下回るが下越13市町村中7位・農業型4市町村中1位・岩船地域の村上市を上回る・実効税率2.9%は阿賀町と2市同率で県内29位(下から2番目)・給与所得者中心構造・変化率6位継続加速。生活コストは別データで要照合
- 地域理解志向の読者: 下越13市町村中唯一の農業型・第1次産業比率16.9%下越圏トップ・農業型4市町村中1位・主要業種1位製造業と2位農業林業が差3ポイント・農業所得者比率1.6%県内2位(佐渡市と2市同率)
派生指標で見える意外な観察
- 1人当たり所得21位 に対し 1人あたり付加価値額(製造業事業所ベース)は県内5位 で 16ランクの乖離。分母不一致(納税義務者1,928人 vs 従業者306人)に起因する構造の観察
- 給与所得者比率84.5%は県内3位で単独。産業タイプ「農業型」ラベルながら就業構造は給与所得者中心という組合せは、県内で関川村のみに観察される固有パターン
- 農業所得者比率1.6%は佐渡市と2市同率で県内2位、両市とも農業型ラベルで山間地・離島という地理的類似性
- 変化率+15.0%は糸魚川市と2市同率で県内6位、前半6.67%→後半7.79%の継続加速は変化率上位市町村の中でも両半期とも高水準の固有パターン
- 実効税率2.9%は阿賀町と2市同率で県内29位(下から2番目)、分母(1人当たり所得)順位は関川村21位>阿賀町29位で、同率2市の中で関川村のほうが分母が8ランク上位
- 納税義務者数-15.84%(-363人)・総就業者数-16.1% はいずれも下越13市町村中で阿賀町(-18.2%)に次ぐ2番目の減少幅で、母数の縮小が同時に進行
- 1人当たり所得+15.0%・総額課税対象所得-3.2% の方向差。「残った納税義務者の平均所得は増えたが、母数の納税義務者数が-15.84%減ったため総額は減少」という数値関係
- 下越13市町村中唯一の農業型×農業型4市町村中1人当たり所得順位1位 の組合せは、県内で他市町村と入替不可の関川村固有の位置関係
- 同じ岩船地域内で県内順位26位の村上市を1人当たり所得265.9万円>261.1万円で上回る 観察(県内順位でも絶対値でも関川村が村上市を上回る関係)
この記事の執筆・データについて
執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和5年度(2023年度)市町村税課税状況等の調べ/国勢調査 令和2年/工業統計調査 令和4年/市町村別農業産出額(推計)令和4年
更新日: 2026-08-26
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本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・税務相談ではありません。移住・就職・事業判断等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。
出典
- 1人当たり課税対象所得・所得割納税義務者数・住民税(所得割)実額・所得種類別納税義務者数:
総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年・平成30年・平成25年) - 産業別就業者数・産業タイプ・主要業種1〜3位・総就業者数:
総務省(国勢調査 令和2年) - 製造業従業者数・現金給与総額・製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額:
経済産業省(工業統計調査 令和4年) - 農業産出額:
農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)
推計値について:
本記事の「推計手取り」は総務省 課税対象所得から社会保険料・所得税・住民税を控除した試算値です。
想定料率:
- H25:厚生年金 8.737%/健保 4.985%/雇保 0.5%
- H30:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.3%
- R5:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.6%
(協会けんぽ新潟県の概算率を使用)
控除モデル:基礎控除(H25・H30: 38万、R5: 48万)・配偶者控除・扶養控除1人・社会保険料控除
データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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