新潟県30市町村の新設住宅着工を、H25(2013年度)→R5(2023年度)の10年で用途別に並べ直すと、持家(マイホーム)は岩船郡合算1エントリを除く29市町村すべてで減少、貸家(賃貸アパート・マンション)は伸びたのがわずか4市町村(燕市・加茂市・佐渡市・胎内市)、分譲(分譲マンション・分譲住宅)は逆に12市町村で増加という対照的な動きになっています。
貸家では燕市が+125.4%と唯一「10年で倍増」した一方、妙高市・見附市・十日町市・津南町の4市町村は貸家着工がゼロに落ちて「消滅」しました。
分譲では加茂市が+800%(H25の1戸→R5の9戸)で県内トップ、新潟市(+154.1%)・上越市(+104.2%)・長岡市(+52.9%)の大都市3市は分譲拡大が共通します。
この記事では、国土交通省「建築着工統計調査」をもとに、持家・貸家・分譲の10年変化率で新潟県30市町村を並べ、住宅市場の構成が10年で大きく組み変わった市町村を整理します。
※岩船郡(関川村+粟島浦村)は原データが分離できないため、両村を1エントリに統合しています。
この記事でわかること
- H25→R5の10年で持家着工が減っていないのは岩船郡合算1エントリ(+28.6%・7戸→9戸)だけで、他29市町村はすべて減少しています。減少幅の小さいのは阿賀野市(-15.9%)・聖籠町(-17.4%)、大きいのは津南町(-78.3%)・弥彦村(-70.0%)・胎内市(-66.0%)です
- 貸家着工が10年で伸びたのは4市町村(燕市+125.4%・加茂市+66.7%・佐渡市+23.1%・胎内市+3.4%)のみで、燕市は30市町村で唯一「貸家倍増」、妙高市・見附市・十日町市・津南町の4市町村は貸家がゼロに落ちて「消滅」しました
- 分譲着工が10年で伸びたのは12市町村で、うち6市町村(加茂市・燕市・聖籠町・新潟市・上越市・佐渡市/五泉市)が+100%超。大都市3市(新潟・上越・長岡)は共通して「貸家減・分譲増」の同一方向シフトです
- 用途比率が10ポイント以上動いた市町村は13あり、大きく5パターン(持家→貸家シフト/貸家→持家逆シフト/貸家→分譲シフト/分譲一極拡大/全戸持家→多様化)に分かれます
- 燕市と南魚沼市は「10年で逆方向に動いた対照ペア」で、片や貸家が倍増(17.4%→38.0%)、片や貸家が崩壊(33.5%→7.6%)と、同じ10年で真逆の構造変化が起きています
① 持家変化率ランキング|岩船郡合算を除く29市町村全減
H25→R5の10年で、持家(注文住宅・マイホーム)の着工がどう変わったかを変化率順に並べたランキングです。年間着工が少ない市町村は絶対戸数も併記しています。
| 順位 | 市町村 | 持家変化率 | 持家戸数 H25→R5 |
|---|---|---|---|
| 1 | 岩船郡(関川村+粟島浦村) | +28.6% | 7戸→9戸 |
| 2 | 阿賀野市 | -15.9% | 138戸→116戸 |
| 3 | 聖籠町 | -17.4% | 69戸→57戸 |
| 4 | 燕市 | -29.0% | 328戸→233戸 |
| 5 | 妙高市 | -30.9% | 81戸→56戸 |
| 6 | 湯沢町 | -33.3% | 9戸→6戸 |
| 7 | 長岡市 | -34.7% | 1,026戸→670戸 |
| 8 | 佐渡市 | -37.9% | 87戸→54戸 |
| 9 | 見附市 | -38.0% | 150戸→93戸 |
| 10 | 南魚沼市 | -38.7% | 173戸→106戸 |
| 11 | 上越市 | -39.0% | 710戸→433戸 |
| 12 | 新潟市 | -42.3% | 3,401戸→1,962戸 |
| 13 | 小千谷市 | -44.0% | 100戸→56戸 |
| 14 | 三条市 | -44.3% | 368戸→205戸 |
| 15 | 十日町市 | -44.6% | 112戸→62戸 |
| 16 | 五泉市 | -48.0% | 177戸→92戸 |
| 17 | 加茂市 | -48.9% | 88戸→45戸 |
| 18 | 刈羽村 | -50.0% | 20戸→10戸 |
| 19 | 田上町 | -51.4% | 35戸→17戸 |
| 20 | 魚沼市 | -51.6% | 91戸→44戸 |
| 21 | 村上市 | -54.3% | 186戸→85戸 |
| 22 | 新発田市 | -55.3% | 423戸→189戸 |
| 23 | 阿賀町 | -60.0% | 20戸→8戸 |
| 24 | 柏崎市 | -61.2% | 325戸→126戸 |
| 25 | 糸魚川市 | -61.4% | 140戸→54戸 |
| 26 | 出雲崎町 | -64.3% | 14戸→5戸 |
| 27 | 胎内市 | -66.0% | 94戸→32戸 |
| 28 | 弥彦村 | -70.0% | 20戸→6戸 |
| 29 | 津南町 | -78.3% | 23戸→5戸 |
- 持家着工は岩船郡合算1エントリを除き、29市町村すべてで減少しています
- 減少幅が最も小さいのは阿賀野市(-15.9%)・聖籠町(-17.4%)で、いずれもマイホーム着工の「踏ん張り」が数字に出ています
- 減少幅50%超は12市町村(村上・新発田・阿賀町・柏崎・糸魚川・出雲崎・胎内・弥彦・津南・魚沼・田上・刈羽)にのぼります
- ワースト3は津南町(-78.3%)・弥彦村(-70.0%)・胎内市(-66.0%)で、いずれもH25時点の持家着工が100戸未満の中小規模市町村です
- 大都市3市の減少幅は新潟市 -42.3%・長岡市 -34.7%・上越市 -39.0%で、長岡市の減少幅が最も小さい水準です
- 岩船郡合算の+28.6%は絶対戸数がH25の7戸→R5の9戸と極小のため、変化率だけで「増加傾向」と読むのは難しい水準です
▼【グラフ:h7_owner_change.png 持家の10年変化率ランキング】

※出典:国土交通省(建築着工統計調査 平成25年度・令和5年度)
② 貸家変化率ランキング|伸びたのは4市町村・消滅したのも4市町村
H25→R5の10年で、貸家(賃貸アパート・賃貸マンション)の着工がどう変わったかを変化率順に並べたランキングです。H25で貸家着工が0戸だった市町村(分母0で変化率が算出できない)は末尾に別掲しています。
| 順位 | 市町村 | 貸家変化率 | 貸家戸数 H25→R5 |
|---|---|---|---|
| 1 | 燕市 | +125.4% | 71戸→160戸 |
| 2 | 加茂市 | +66.7% | 18戸→30戸 |
| 3 | 佐渡市 | +23.1% | 13戸→16戸 |
| 4 | 胎内市 | +3.4% | 29戸→30戸 |
| 5 | 村上市 | -3.8% | 26戸→25戸 |
| 6 | 魚沼市 | -11.1% | 18戸→16戸 |
| 7 | 三条市 | -37.1% | 105戸→66戸 |
| 8 | 小千谷市 | -40.9% | 44戸→26戸 |
| 9 | 新発田市 | -48.1% | 108戸→56戸 |
| 10 | 新潟市 | -49.0% | 2,602戸→1,328戸 |
| 11 | 五泉市 | -52.0% | 50戸→24戸 |
| 12 | 柏崎市 | -56.9% | 102戸→44戸 |
| 13 | 長岡市 | -63.6% | 590戸→215戸 |
| 14 | 糸魚川市 | -66.7% | 108戸→36戸 |
| 15 | 上越市 | -72.3% | 386戸→107戸 |
| 16 | 南魚沼市 | -89.8% | 88戸→9戸 |
| 17 | 聖籠町 | -91.7% | 12戸→1戸 |
| ★ | 妙高市 | -100.0%(消滅) | 4戸→0戸 |
| ★ | 見附市 | -100.0%(消滅) | 38戸→0戸 |
| ★ | 十日町市 | -100.0%(消滅) | 12戸→0戸 |
| ★ | 津南町 | -100.0%(消滅) | 8戸→0戸 |
| — | 阿賀野市 | 新規発生 | 0戸→18戸 |
(H25・R5ともに貸家0の市町村:刈羽村・湯沢町・弥彦村・出雲崎町・田上町・阿賀町・岩船郡合算)
- 貸家が10年で伸びたのはわずか4市町村(燕市・加茂市・佐渡市・胎内市)にとどまります
- 燕市は+125.4%と30市町村で唯一「貸家倍増」、H25の71戸からR5の160戸へ2倍以上に増えました
- 妙高市・見附市・十日町市・津南町の4市町村は貸家がH25に着工されていたのにR5では0戸となり、貸家着工が「消滅」した形です。特に見附市はH25で38戸あった貸家がR5でゼロに落ちており、絶対戸数が最大です
- 阿賀野市は逆パターンで、H25は貸家0戸だったのがR5で18戸となり、新たに貸家着工が発生しました
- 大都市3市はすべて貸家が大幅減で、新潟市 -49.0%・長岡市 -63.6%・上越市 -72.3%と、上越市の縮小幅が最大です
▼【グラフ:h7_rental_change.png 貸家の10年変化率ランキング(伸びた/減った/消滅)】

※出典:国土交通省(建築着工統計調査 平成25年度・令和5年度)
③ 分譲変化率ランキング|12市町村で増加・大都市3市は共通拡大
H25→R5の10年で、分譲(分譲マンション・分譲住宅)の着工がどう変わったかを変化率順に並べたランキングです。H25で分譲着工が0戸だった市町村は末尾に別掲しています。
| 順位 | 市町村 | 分譲変化率 | 分譲戸数 H25→R5 |
|---|---|---|---|
| 1 | 加茂市 | +800.0% | 1戸→9戸 |
| 2 | 燕市 | +300.0% | 7戸→28戸 |
| 3 | 聖籠町 | +160.0% | 5戸→13戸 |
| 4 | 新潟市 | +154.1% | 296戸→752戸 |
| 5 | 上越市 | +104.2% | 48戸→98戸 |
| 6 | 佐渡市 | +100.0% | 2戸→4戸 |
| 6 | 五泉市 | +100.0% | 6戸→12戸 |
| 8 | 妙高市 | +66.7% | 3戸→5戸 |
| 9 | 新発田市 | +57.7% | 52戸→82戸 |
| 10 | 長岡市 | +52.9% | 136戸→208戸 |
| 11 | 南魚沼市 | +50.0% | 2戸→3戸 |
| 11 | 村上市 | +50.0% | 2戸→3戸 |
| 13 | 糸魚川市 | ±0.0% | 3戸→3戸 |
| 14 | 小千谷市 | -16.7% | 6戸→5戸 |
| 15 | 見附市 | -37.5% | 16戸→10戸 |
| 16 | 魚沼市 | -40.0% | 5戸→3戸 |
| 17 | 三条市 | -46.2% | 65戸→35戸 |
| 18 | 柏崎市 | -50.0% | 40戸→20戸 |
| 18 | 十日町市 | -50.0% | 2戸→1戸 |
| 20 | 胎内市 | -69.2% | 13戸→4戸 |
| — | 阿賀野市 | 新規発生 | 0戸→7戸 |
(H25・R5ともに分譲0の市町村:刈羽村・湯沢町・弥彦村・出雲崎町・田上町・阿賀町・津南町・岩船郡合算)
- 分譲は貸家と対照的に12市町村で増加、うち6市町村が+100%超(加茂・燕・聖籠・新潟・上越・佐渡/五泉)です
- 大都市3市の分譲拡大が共通しており、新潟市 +154.1%・上越市 +104.2%・長岡市 +52.9%で、分譲マンション・分譲戸建て市場は3市で10年間拡大しました
- 加茂市は+800.0%と県内トップの変化率ですが、絶対戸数はH25の1戸→R5の9戸と小さく、変化率だけで市場規模を判断するのは難しい水準です
- 阿賀野市は貸家と同じく分譲でも「新規発生」パターン(H25は0戸→R5は7戸)で、H25時点で持家100%だった構成に貸家18戸・分譲7戸が加わりました
▼【グラフ:h7_condo_change.png 分譲の10年変化率ランキング】

※出典:国土交通省(建築着工統計調査 平成25年度・令和5年度)
④ 用途構成が10ポイント以上動いた13市町村|5パターンに分類
用途別比率のR5-H25パーセントポイント差を計算し、いずれかの用途で10ポイント以上動いた13市町村を並べました。構造変化のタイプで大きく5パターンに分かれます。
| 市町村 | 持家比率 H25→R5 | 貸家比率 H25→R5 | 分譲比率 H25→R5 | 構造変化のタイプ |
|---|---|---|---|---|
| 燕市 | 80.2%→55.3%(-24.9pt) | 17.4%→38.0%(+20.6pt) | 1.7%→6.7%(+5.0pt) | 持家中心→貸家倍増型 |
| 加茂市 | 82.2%→53.6%(-28.6pt) | 16.8%→35.7%(+18.9pt) | 0.9%→10.7%(+9.8pt) | 持家中心→貸家+分譲多様化 |
| 胎内市 | 68.6%→48.5%(-20.1pt) | 21.2%→45.5%(+24.3pt) | 9.5%→6.1%(-3.4pt) | 持家中心→貸家中心 |
| 南魚沼市 | 65.8%→89.8%(+24.0pt) | 33.5%→7.6%(-25.9pt) | 0.8%→2.5%(+1.7pt) | 貸家縮小→持家一極集中 |
| 見附市 | 73.2%→90.3%(+17.1pt) | 18.5%→0.0%(-18.5pt) | 7.8%→9.7%(+1.9pt) | 貸家消滅→持家一極集中 |
| 新発田市 | 72.6%→57.6%(-15.0pt) | 18.5%→17.1%(-1.4pt) | 8.9%→25.0%(+16.1pt) | 持家縮小→分譲拡大 |
| 上越市 | 62.1%→67.3%(+5.2pt) | 33.7%→16.6%(-17.1pt) | 4.2%→15.2%(+11.0pt) | 貸家縮小→分譲拡大 |
| 長岡市 | 58.4%→61.2%(+2.8pt) | 33.6%→19.7%(-13.9pt) | 7.7%→19.0%(+11.3pt) | 貸家縮小→分譲拡大 |
| 聖籠町 | 80.2%→80.3%(+0.1pt) | 14.0%→1.4%(-12.6pt) | 5.8%→18.3%(+12.5pt) | 貸家消滅→分譲拡大 |
| 新潟市 | 54.0%→48.5%(-5.5pt) | 41.3%→32.8%(-8.5pt) | 4.7%→18.6%(+13.9pt) | 分譲一極拡大型 |
| 阿賀野市 | 100.0%→82.3%(-17.7pt) | 0.0%→12.8%(+12.8pt) | 0.0%→5.0%(+5.0pt) | 全戸持家→貸家・分譲発生 |
| 津南町 | 74.2%→100.0%(+25.8pt) | 25.8%→0.0%(-25.8pt) | 0.0%→0.0%(±0pt) | 貸家消滅→全戸持家化 |
| 岩船郡合算 | 100.0%→52.9%(-47.1pt) | 0.0%→0.0%(±0pt) | 0.0%→0.0%(±0pt) | 給与住宅8戸発生(規模極小) |
- 構造変化のタイプは大きく5パターンに分かれます
- 持家→貸家シフト(燕市・加茂市・胎内市):持家比率が20〜28pt落ち、貸家比率が19〜24pt伸びた
- 貸家→持家逆シフト(南魚沼市・見附市・津南町):貸家比率が18〜26pt落ち、持家比率が17〜26pt伸びた
- 貸家→分譲シフト(上越市・長岡市・聖籠町):貸家比率が13〜17pt落ち、分譲比率が11〜13pt伸びた
- 分譲一極拡大(新潟市・新発田市):分譲比率が14〜16pt伸びた
- 全戸持家→多様化(阿賀野市):H25の持家100%からR5で貸家12.8%・分譲5.0%が発生
- 燕市と南魚沼市は「10年で逆方向に動いた市町村」の対照ペアです。片や貸家倍増(17.4%→38.0%)、片や貸家崩壊(33.5%→7.6%)と、同じ10年で真逆の構造変化が起きています
- 大都市3市(新潟・長岡・上越)は共通して「貸家減・分譲増」の同一方向シフトで、10年で分譲マンション・分譲戸建て中心の市場へ組み変わりました
- 岩船郡合算の-47.1ptは、H25の持家100%からR5で給与住宅8戸が発生したためで、規模は極小(合計17戸)です
※出典:国土交通省(建築着工統計調査 平成25年度・令和5年度)
⑤ 意外な観察4選
観察1:燕市は30市町村で唯一「貸家が10年で倍増した町」
燕市の貸家変化率は+125.4%(71戸→160戸)で、2位加茂市(+66.7%)の2倍近い数字です。
- 持家は -29.0%(29市町村中4位の減少幅の小ささ)で踏ん張っている
- その一方で貸家がH25の71戸からR5の160戸へ急増
- 貸家比率は17.4%→38.0%と+20.6pt上昇し、県内最高水準へ
「持家も貸家も両方増えた」ではなく、「持家は減っているが、貸家が倍増して市場全体が貸家寄りにシフトした」構図で、10年前と用途構成が大きく変わりました。
観察2:見附市の「貸家消滅」(H25:38戸→R5:0戸)
R5に貸家着工がゼロとなった4市町村(妙高・見附・十日町・津南)のうち、見附市はH25時点で貸家38戸が着工されていた市です。
- 妙高市(H25:4戸)・十日町市(12戸)・津南町(8戸)と比べても、見附市の絶対戸数が最大
- 貸家比率は18.5%→0.0%と-18.5pt動き、H30の時点で貸家68戸あった水準からR5でゼロに落ちた急激な変化
10年前は「持家+貸家+分譲」がひととおり揃っていた中規模市が、R5では「持家+わずかな分譲」だけになりました。
観察3:加茂市の「分譲+800%」
加茂市はH25の分譲1戸からR5の9戸で、変化率+800.0%は県内トップです。
- 絶対数は9戸と小さいものの、分譲比率は0.9%→10.7%と+9.8pt上昇
- 加茂市は持家 -48.9%と大きく減らしつつ、貸家+66.7%・分譲+800%と用途構成が持家・貸家・分譲の3種に広がった市町村
「持家中心の町→貸家+分譲の多様型」というシフトは30市町村のなかでも加茂市と燕市の2市に集中しています。
観察4:南魚沼市の「貸家崩壊と持家一極集中」
南魚沼市の貸家変化率は-89.8%(88戸→9戸)と、消滅組4市町村を除けば県内最大の縮小幅です。
- 貸家比率は33.5%→7.6%と-25.9pt急落
- 代わりに持家比率が65.8%→89.8%へ+24.0pt上昇し、持家一極集中の構成に変わった
- 大都市3市の「貸家減・分譲増」とは異なり、南魚沼市は「貸家減・持家増」の方向へ動いた
同じ10年で、燕市は貸家倍増、南魚沼市は貸家崩壊と、県内で真逆の動きが並行して起きています。
⑥ データの見方・注意点
着工数≠住宅需要ではありません
建築着工統計の着工戸数は「建設が始まった住宅の数(供給側の数字)」であり、その市町村の住宅需要の強弱を直接示すものではありません。「貸家が減った=賃貸需要が消えた」ではなく「10年前と比べて新築の貸家着工が減った」までを言える範囲です。既存の中古アパート・空き家等を含む住宅市場全体は、着工データからはわかりません。
小規模市町村の変化率は大きく振れます
年間の着工数が10〜20戸前後の小規模市町村(湯沢町15戸・弥彦村6戸・出雲崎町5戸・津南町5戸・阿賀町8戸・岩船郡合算17戸)では、集合住宅1棟の完成タイミングだけで変化率が数十〜数百パーセント動きます。加茂市の分譲+800%(1戸→9戸)や岩船郡合算の持家+28.6%(7戸→9戸)も絶対戸数で見ると小さい水準です。変化率をランキング上位だけで読むのではなく、絶対戸数を併せて確認するのが自然です。
順位≠豊かさではありません
「10年で構造が変わった」という分類は、着工の用途構成の変化を観察したもので、住みやすさや豊かさを直接示す指標ではありません。人口規模・世帯構成・持家率・地価水準・産業構造など複数の要素が反映された結果としてお読みください。
岩船郡(関川村・粟島浦村)は合算表記です
国土交通省の原データでは、関川村と粟島浦村の着工数が郡単位で公表されており、村単位に分離できません。この記事のランキング・比率計算には岩船郡を1エントリとして統合しています。R5の合計17戸のうち給与住宅8戸で、H25の持家100%(7戸)から構成が大きく変わりました。
まとめ
10年で住宅市場の構造が変わった市町村|要点
- 持家着工は岩船郡合算1エントリを除く29市町村すべてで減少し、減少幅ワースト3は津南町(-78.3%)・弥彦村(-70.0%)・胎内市(-66.0%)です
- 貸家着工が10年で伸びたのは4市町村のみ(燕市+125.4%・加茂市+66.7%・佐渡市+23.1%・胎内市+3.4%)で、燕市は30市町村で唯一の「貸家倍増」、妙高市・見附市・十日町市・津南町の4市町村は貸家がゼロに落ちて「消滅」しました
- 分譲着工は12市町村で増加し、大都市3市(新潟+154.1%・上越+104.2%・長岡+52.9%)は共通して「貸家減・分譲増」の同一方向シフトです
- 用途比率が10ポイント以上動いた市町村は13あり、5パターン(持家→貸家/貸家→持家/貸家→分譲/分譲一極拡大/全戸持家→多様化)に分かれます
- 燕市(貸家倍増)と南魚沼市(貸家崩壊)は10年で真逆に動いた対照ペアで、同じ10年間に県内で反対方向の構造変化が並行して起きています
出典
- 新設住宅着工戸数(市町村別・用途別):
国土交通省(建築着工統計調査 平成25年度・令和5年度) - 人口(規模比較用):
総務省(住民基本台帳に基づく人口 令和7年)
データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成25年度(2013年度)
次回更新推奨:令和6年度データ公表後

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