新潟県で令和5年度に確認されたクマの目撃・痕跡件数は1,440件(目撃1,114件・痕跡326件)で、
このうち217件が南魚沼市に集中し、県全体の15.07%を占めています。
「新潟県のクマ出没が多い市町村はどこか」と検索してこの記事に辿り着いた方のために、
新潟県30市町村のクマ目撃・痕跡件数を客観データでランキング化しました。本記事では、順位・地域分布・上位と下位の差を数値で示し、
データから見える構造的特徴と読者への示唆をまとめます。
なお、順位は「目撃通報と痕跡確認の合計件数の順」であり、「危険度の順」や「実際の生息数の順」ではありません。
この記事でわかること
- 新潟県30市町村のクマ目撃・痕跡件数ランキング(1位〜30位)
- 上位5市(南魚沼・阿賀・長岡・新発田・村上)で県全体の53.54%を占める集中構造
- 最多の南魚沼市(217件)と最少非ゼロの田上町(4件)の差は54倍
- 痕跡>目撃となる自治体は小千谷市のみなど、目撃と痕跡の関係の観察
① ランキングの前提
- データ源:新潟県「クマ出没情報」/環境省
- 対象期間:令和5年度(2023年度)
- 対象:新潟県30市町村
- 県全体の総量:目撃・痕跡合計1,440件(目撃1,114件・痕跡326件)
- 目撃比率:77.36%/痕跡比率:22.64%
- 発生あり自治体:23市町村/0件自治体:7市町村
※ 本記事では、公表数値をそのまま順位付けしています。人口比・面積比・森林面積比等の
派生指標は本記事では扱いません。
② 上位10市町村
| 順位 | 市町村名 | 目撃 | 痕跡 | 合計 | 県全体比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 南魚沼市 | 135件 | 82件 | 217件 | 15.07% |
| 2 | 阿賀町 | 152件 | 2件 | 154件 | 10.69% |
| 3 | 長岡市 | 98件 | 48件 | 146件 | 10.14% |
| 4 | 新発田市 | 112件 | 17件 | 129件 | 8.96% |
| 5 | 村上市 | 106件 | 19件 | 125件 | 8.68% |
| 6 | 魚沼市 | 68件 | 55件 | 123件 | 8.54% |
| 7 | 十日町市 | 69件 | 36件 | 105件 | 7.29% |
| 8 | 五泉市 | 52件 | 27件 | 79件 | 5.49% |
| 9 | 上越市 | 73件 | 0件 | 73件 | 5.07% |
| 10 | 湯沢町 | 44件 | 2件 | 46件 | 3.19% |
▼【グラフ:bear_ranking_top10.png クマ目撃・痕跡件数ランキング 上位10市町村】

⚠️ 注意: 順位は「目撃通報件数+痕跡確認件数」の順であり、「危険度」の順ではありません。
目撃件数は住民からの通報件数のため、住宅地や生活道路に近い場所ほど記録されやすい報告バイアスがあります。
また、目撃0件の自治体は「クマがいない」ことを意味せず、「通報がない」ことを示すものです。
③ 全30市町村ランキング
| 順位 | 市町村名 | 目撃 | 痕跡 | 合計 | 県全体比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 南魚沼市 | 135件 | 82件 | 217件 | 15.07% |
| 2 | 阿賀町 | 152件 | 2件 | 154件 | 10.69% |
| 3 | 長岡市 | 98件 | 48件 | 146件 | 10.14% |
| 4 | 新発田市 | 112件 | 17件 | 129件 | 8.96% |
| 5 | 村上市 | 106件 | 19件 | 125件 | 8.68% |
| 6 | 魚沼市 | 68件 | 55件 | 123件 | 8.54% |
| 7 | 十日町市 | 69件 | 36件 | 105件 | 7.29% |
| 8 | 五泉市 | 52件 | 27件 | 79件 | 5.49% |
| 9 | 上越市 | 73件 | 0件 | 73件 | 5.07% |
| 10 | 湯沢町 | 44件 | 2件 | 46件 | 3.19% |
| 11 | 糸魚川市 | 38件 | 4件 | 42件 | 2.92% |
| 12 | 津南町 | 34件 | 1件 | 35件 | 2.43% |
| 13 | 小千谷市 | 14件 | 17件 | 31件 | 2.15% |
| 14 | 関川村 | 21件 | 0件 | 21件 | 1.46% |
| 15 | 妙高市 | 19件 | 0件 | 19件 | 1.32% |
| 16 | 柏崎市 | 13件 | 3件 | 16件 | 1.11% |
| 16 | 阿賀野市 | 12件 | 4件 | 16件 | 1.11% |
| 16 | 三条市 | 11件 | 5件 | 16件 | 1.11% |
| 19 | 胎内市 | 15件 | 0件 | 15件 | 1.04% |
| 20 | 加茂市 | 12件 | 1件 | 13件 | 0.90% |
| 21 | 新潟市 | 8件 | 1件 | 9件 | 0.62% |
| 22 | 見附市 | 6件 | 0件 | 6件 | 0.42% |
| 23 | 田上町 | 2件 | 2件 | 4件 | 0.28% |
| 24 | 燕市 | 0件 | 0件 | 0件 | 0.00% |
| 24 | 佐渡市 | 0件 | 0件 | 0件 | 0.00% |
| 24 | 聖籠町 | 0件 | 0件 | 0件 | 0.00% |
| 24 | 弥彦村 | 0件 | 0件 | 0件 | 0.00% |
| 24 | 出雲崎町 | 0件 | 0件 | 0件 | 0.00% |
| 24 | 刈羽村 | 0件 | 0件 | 0件 | 0.00% |
| 24 | 粟島浦村 | 0件 | 0件 | 0件 | 0.00% |
▼【グラフ:bear_ranking_full.png クマ目撃・痕跡件数ランキング 全30市町村】

④ ランキングから見える構造
上位集中度
上位5市町村(南魚沼市・阿賀町・長岡市・新発田市・村上市)で県全体の53.54%(771件/1,440件)を占めています。
さらに上位10市町村まで広げると県全体の83.12%(1,197件/1,440件)に達します。
新潟県30市町村のうち、県全体のおよそ半数が上位5市町村、8割強が上位10市町村に集中している構造です。
上位と下位の差
最多の南魚沼市(217件)と、発生件数が確認された最少自治体である田上町(4件)の差は54倍です。
なお燕市・佐渡市・聖籠町・弥彦村・出雲崎町・刈羽村・粟島浦村の7市町村は令和5年度の目撃・痕跡がいずれも0件でした。
中央値は17.5件で、上位10市町村と下位20市町村の間には大きな件数差があります。
地域集中パターン
- 中越(13市町村・南魚沼市・長岡市・魚沼市・十日町市・湯沢町・津南町・小千谷市・柏崎市・三条市・加茂市・見附市・燕市・出雲崎町):0件〜217件のレンジ・合計754件(県全体の52.36%)
- 下越(12市町村・阿賀町・新発田市・村上市・五泉市・関川村・阿賀野市・胎内市・田上町・新潟市・聖籠町・弥彦村・粟島浦村):0件〜154件のレンジ・合計552件(県全体の38.33%)
- 上越(3市町村・上越市・糸魚川市・妙高市):19件〜73件のレンジ・合計134件(県全体の9.31%)
- 佐渡(1市・佐渡市):0件
さらに地形帯で見ると、以下2つの帯で県全体の73.96%(1,065件)を占めています。
- 魚沼地域(6市町村・南魚沼市・魚沼市・十日町市・湯沢町・津南町・小千谷市):合計557件(県全体の38.68%)
- 下越山間部(5市町村・阿賀町・関川村・村上市・五泉市・新発田市):合計508件(県全体の35.28%)
意外な観察
- 痕跡>目撃となる自治体は小千谷市のみ:小千谷市は目撃14件・痕跡17件で、県内で唯一「痕跡確認件数が目撃通報件数を上回る」構造でした。
- 阿賀町の目撃/痕跡比が突出:阿賀町は目撃152件に対し痕跡2件で、目撃/痕跡比は76倍です。県2位の合計件数(154件)を目撃件数がほぼ占めています。
- 上越市は73件すべてが目撃:上越市(9位・73件)は令和5年度の痕跡確認が0件でした。合計件数上位10市町村の中で痕跡0件は上越市のみです。
- 新潟市は下位帯:政令市の新潟市は21位・9件で、県内では下位の件数帯に位置しています。
- 佐渡市0件:離島の佐渡市は0件で、島嶼のため生息記録に構造的差異があります。
- 痕跡0件で発生ありの5市町村:見附市・妙高市・上越市・胎内市・関川村は痕跡確認が0件ながら目撃通報がありました。
⑤ このデータが示すこと・読者への示唆
クマ出没件数が多い地域を通過・訪問する際の意識
上位5市町村で県全体の53.54%を占めるという事実は、以下の意味を持ちます。
- 通過・訪問頻度が高い地域の認識:南魚沼市・阿賀町・長岡市・新発田市・村上市を通過または訪問する機会が多い方は、県内の他の地域と比べて目撃・痕跡の報告件数が多い自治体を通行していることを認識しておくとよいでしょう。
- 地形帯の把握:魚沼地域6市町村と下越山間部5市町村の計11市町村で県全体の73.96%を占めています。登山・キャンプ・釣り・山菜採り・林道走行等でこれらの地域に入る場合は、鈴・ラジオ等の音出し装備や単独行動を避ける行動を事前に確認しておくとよいでしょう。
- 目撃と痕跡の違い:目撃は住民通報の集計であるため、住宅地に近い場所ほど記録されやすい報告バイアスがあります。一方、痕跡(フン・足跡・食痕等)は山中でも確認されるため、痕跡が多い自治体は「人目につかない場所での活動」が確認されている自治体ともいえます。
順位下位の見方
下位市町村(15件以下の胎内市以下)は年間件数が少ないため、単年の統計変動が大きく、
翌年に順位が入れ替わる可能性があります。単年の順位だけで安全性を判断せず、
複数年のトレンドや地域固有の要因を併せて確認することが望ましいでしょう。
また、目撃0件の7市町村(燕・佐渡・聖籠・弥彦・出雲崎・刈羽・粟島浦)は「クマがいない」ことを意味するものではなく、「令和5年度に住民からの通報および痕跡確認の報告が0件だった」ことを示すものです。
データの見方の注意
- 本記事の件数は令和5年度(2023年度)単年度の新潟県「クマ出没情報」/環境省の集計値です。年により変動があります。
- 順位は「目撃通報件数+痕跡確認件数」の順であり、「危険度」の順や「生息数」の順ではありません。
- 目撃件数は住民通報件数のため報告バイアスがあります。住宅地・生活道路に近い場所ほど記録されやすく、山奥では通報自体が発生しにくい構造です。
- 目撃0件は「クマがいない」ことを意味せず、「通報がなかった」ことを示すものです。生息の有無は別途生息調査データを参照する必要があります。
まとめ
クマ目撃・痕跡件数ランキングから見える新潟県の実態
- 上位5市町村(南魚沼・阿賀・長岡・新発田・村上)で県全体の53.54%を占める集中構造
- 上位10市町村まで広げると県全体の83.12%に達する
- 最多(南魚沼市217件)と最少非ゼロ(田上町4件)の差は54倍、中央値は17.5件
- 魚沼地域6市町村と下越山間部5市町村で県全体の73.96%を占める地形帯集中
- 痕跡>目撃となる自治体は小千谷市のみ、阿賀町の目撃/痕跡比は76倍
- 順位は「目撃通報+痕跡確認の合計件数の順」であり、「危険度の順」や「生息数の順」ではない点に注意
- 各市町村の詳細は個別記事を参照
出典
- クマ目撃・痕跡件数:新潟県「クマ出没情報」/環境省(令和5年度公表値)
- マスターDB:新潟県30市町村危険場所データベース(自作・令和5年度時点)
データ基準日:令和5年度(2023年度)
次回更新推奨:翌年度公表データ発表後

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