村上市の1人当たり所得は県内26位(261.1万円)|課税対象所得総額9位・納税義務者数9位で規模は下越製造業集積型9市町村中2位・前半+3.33→後半+7.35の後半増加型(R5年度)

市町村

村上市(新潟県下越地域・下越製造業集積型9市町村の一つ・所得割納税義務者24,374人)の1人当たり課税対象所得(R5年度)は 261.1万円 で、新潟県30市町村中 26位、下越13市町村中では 11位 です。
一方、課税対象所得総額は 約636.5億円(県内 9位・県内シェア2.08%)、所得割納税義務者数は 24,374人(県内 9位・県内シェア2.38%)といずれも県内上位帯で、下越製造業集積型9市町村中では 2位(燕市に次ぐ)の規模を持ち、1人当たり所得順位26位と規模指標順位9位の 17ランク乖離 が村上市の構造的な特徴です。
10年変化率は +10.9%(+25.7万円) で県内22位(村上市単独同率グループ)、前半5年(H25→H30) +3.33% から後半5年(H30→R5) +7.35% への 後半増加型 で推移し、前半後半差 +4.02ポイント は下越製造業集積型9市町村中6位(中位)です。主要業種1位は製造業(19.4%・5,543人)、給与所得者比率 81.3%(県内19位・村上市単独)・実効税率 3.0%(県内26位・3市町村同率)。推計手取り 313.1万円(県内25位)は10年で +13.8万円(+4.6%・県内22位)、手取り転換率 70.4% は下越製造業集積型9市町村中 7位 です。

この記事は、総務省「市町村税課税状況等の調べ」ほかの公的統計をもとに、村上市の所得水準・10年変化・「規模は同型内2位・1人当たりは同型内7位」の17ランク乖離・前半低迷から後半に回復した後半増加型のパターン・下越5市町4.3万円圏内密集帯の下位側から2番目に位置する構造・移住検討者と地域研究者への読み方までを、記事単体で判断材料が読み取れる構造で整理したものです。


この記事でわかること

  • R5年度の1人当たり課税対象所得は 261.1万円(県内 26位/30市町村中・下越圏 11位/13市町村中)・県平均差-15.9万円・県中央値差-12.2万円
  • 課税対象所得総額 約636.5億円(県内 9位・県内シェア2.08%)・所得割納税義務者数 24,374人(県内 9位・県内シェア2.38%)で、下越製造業集積型9市町村中 2位(燕市に次ぐ)の規模
  • 1人当たり所得順位26位×課税対象所得総額順位9位×納税義務者数順位9位の 17ランク乖離(規模上位×1人当たり下位)
  • H25→R5の10年変化は +10.9%(+25.7万円) で変化率順位は県内 22位(村上市単独同率グループ)
  • 前半5年(H25→H30) +3.33%(+7.8万円・下越製造業集積型9市町村中6位)から後半5年(H30→R5) +7.35%(+17.9万円・同型内6位)への 後半増加型 で、前半後半差 +4.02ポイント は同型内6位(中位)
  • 所得種類別は 給与所得者81.3%(19,814人・県内19位・村上市単独)・農業所得者0.7%(182人・県内16位・単独)・その他所得者比率14.8%(3,603人・同型内4位で比率高め)
  • 1人当たり住民税(所得割)は約 8.0万円(79,626円・県内27位)・実効税率 3.0%(県内26位・出雲崎町/村上市/津南町の3市町村同率)
  • 推計手取りは10年で +13.8万円(+4.6%)・変化率順位は県内 22位・手取り転換率 70.4% は下越製造業集積型9市町村中 7位
  • 主要業種は製造業19.4%(5,543人・下越製造業集積型9市町村中で製造業就業者数3位)・卸売業/小売業14.2%・医療/福祉14.2%(比率同率)で、産業タイプは 製造業集積型・総就業者数28,555人は同型内 2位

① 村上市の1人当たり所得(261.1万円・県内26位・規模は同型内2位で17ランク乖離)

【結論】村上市は「1人当たり所得261.1万円は県内26位・下越圏13市町村中11位」と下位帯である一方、「課税対象所得総額約636.5億円・所得割納税義務者数24,374人はいずれも県内9位」と規模は上位帯で、下越製造業集積型9市町村中では2位(燕市に次ぐ)、1人当たり所得順位26位と規模指標9位の17ランク乖離が村上市の構造的な特徴です。

村上市の1人当たり所得は 261.1万円(県内26位・下越13市町村中11位)で、県平均277.0万円を 15.9万円 下回り、県中央値273.3万円を 12.2万円 下回ります。10年変化率 +10.9%(県内22位・村上市単独)は下位帯ですが、規模指標(課税対象所得総額・納税義務者数)では県内9位で、規模は下越製造業集積型9市町村中で燕市に次ぐ2位の位置にあります。

【根拠】村上市の住民所得の全体像

この表を見ると、村上市の1人当たり所得・順位・課税対象所得総額・所得割納税義務者数を一枚で把握でき、1人当たり指標と規模指標の順位差が読み取れます。

指標数値県内順位(30市町村中)
1人当たり課税対象所得261.1万円26位
所得割納税義務者数24,374人9位
課税対象所得(総額)約636.5億円9位

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)

261.1万円(県内26位・下越圏11位)で県平均を 15.9万円 下回りますが、課税対象所得総額 約636.5億円(県内9位・シェア2.08%)・所得割納税義務者数 24,374人(県内9位・シェア2.38%)はいずれも県内上位帯で、下越製造業集積型9市町村中 2位(燕市に次ぐ)の規模を持ち、1人当たり所得順位26位との 17ランク乖離 が村上市固有の位置関係です。

【比較・解釈】規模と1人当たりの乖離

1人当たり所得261.1万円は、県内1位新潟市(319.5万円)との差 -58.4万円、県内30位津南町(256.7万円)との差 +4.4万円 で、県内下位帯に位置しつつ、県内30位との差はわずか4.4万円という水準です。一方、課税対象所得総額約636.5億円と所得割納税義務者数24,374人は、下越製造業集積型9市町村(燕・弥彦・聖籠・阿賀野・田上・五泉・村上・加茂・阿賀町)の中で、燕市(総額6位・納税義務者6位)に次ぐ2位です。総就業者数 28,555人 も同型9市町村中2位(燕41,335→村上28,555→五泉24,053)で、規模指標では一貫して同型内2位という位置です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

村上市は 「規模は下越製造業集積型9市町村中2位(総額9位・納税義務者9位・総就業者数2位のいずれも同型内2位)」×「1人当たりでは同型内7位・県内26位」 という指標間の乖離が観察される市です。同じ下越製造業集積型9市町村の五泉市(総額11位・1人当たり25位・14ランク乖離)より 3ランク大きい17ランクの乖離 で、燕市を除いた同型内で最大級の乖離幅です。県平均差-15.9万円という水準は所得側面の観察であり、規模面では県内上位帯にあるという構造は分けて読む必要があります。


▼【グラフ:murakami_県内ランキング.png 新潟県30市町村 1人当たり課税対象所得ランキング(R5年度・村上市を強調)】


② 県内順位と下越圏内での位置づけ(26位・規模は上位帯・下越5市町密集帯の下位側から2番目)

村上市の県内順位は26位で、上位10位の外側です。上位10位と村上市の位置関係を確認します。

この表を見ると、R5年度の県内上位10位と村上市(26位)の位置関係が確認できます。

順位市町村1人当たり所得10年変化率変化率順位地域
1位新潟市319.5万円+11.3%20位下越
2位上越市305.4万円+11.5%17位(同率)上越
3位長岡市302.5万円+11.5%17位(同率)中越
4位燕市300.8万円+15.6%4位下越
5位三条市297.9万円+13.9%9位中越
6位柏崎市292.8万円+8.8%26位中越
7位刈羽村292.5万円+7.2%29位中越
8位糸魚川市286.6万円+15.0%6位上越
9位妙高市284.3万円+11.7%15位上越
10位新発田市283.9万円+11.7%15位(同率)下越
26位村上市261.1万円+10.9%22位下越
  • 県平均:277.0万円(村上市 -15.9万円)
  • 県中央値:273.3万円(村上市 -12.2万円)
  • 県30位・津南町:256.7万円(村上市との差 +4.4万円)

→ 村上市は上位10位圏外の県内26位ですが、課税対象所得総額では県内9位で上位10市町村に入る規模 を持ち、1人当たり所得順位26位との 17ランク乖離 が「規模は同型内2位・1人当たりは同型内7位」という村上市固有の位置を示します。

下越圏13市町村内での位置づけ

村上市は下越13市町村(新潟市・燕市・新発田市・聖籠町・胎内市・弥彦村・関川村・阿賀野市・田上町・五泉市・村上市・加茂市・阿賀町)の中で、1人当たり所得順位は 11位/13(下位帯)、変化率順位は 11位/13(下位帯)です。所得水準・変化率とも下位帯という位置で、下越13市町村中で村上市より変化率順位が下は田上町(12位)・加茂市(13位)の2市町のみです。

一方、規模指標では下越13市町村中で村上市の課税対象所得総額は新潟市・燕市・新発田市に次ぐ4位相当(県内9位)、所得割納税義務者数も同じ4位相当(県内9位)で、規模面では下越圏でも上位帯に位置します。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

村上市の 「1人当たり所得26位・下越圏11位・変化率11位という下位帯」×「規模指標では下越圏4位相当・県内9位という上位帯」 の位置は、下越製造業集積型9市町村内の内部分化を代表する構造の一つです。指標としての順位を過剰に意味付けせず、県平均差-15.9万円という水準の側面と、下越製造業集積型9市町村中2位の規模指標の側面を分けて読むことが妥当な扱いです。


③ 10年間の推移と「後半増加型」(前半+3.33→後半+7.35・差+4.02の中位パターン)

【結論】村上市の10年変化率は+10.9%(県内22位・村上市単独)で下位帯ですが、前半5年+3.33%(下越製造業集積型9市町村中6位)から後半5年+7.35%(同型内6位)へ後半に回復した「後半増加型」で推移し、前半後半差+4.02ポイントは同型内6位の中位パターンです。

村上市の10年変化率は +10.9%(県内22位・村上市単独同率グループ)で、前半5年 +3.33%(+7.8万円・下越製造業集積型9市町村中6位)から後半5年 +7.35%(+17.9万円・同型内6位)へ回復し、納税義務者数-6.06%(-1,572人)が減少する中で課税対象所得総額は前半+2.46%と後半+1.7%でどちらも小さいプラス成長を続けて10年 +4.2%(+25.7億円・県内21位)となりました。

【根拠】過去10年間(H25→H30→R5)の住民所得の変化

この表を見ると、H25→H30→R5の10年間で1人当たり所得・所得割納税義務者数・課税対象所得総額がどう変化したかを追える構造です。

年度1人当たり課税対象所得所得割納税義務者数課税対象所得(総額)
H25年度(2013年度)235.4万円25,946人約610.8億円
H30年度(2018年度)243.3万円25,728人約625.9億円
R5年度(2023年度)261.1万円24,374人約636.5億円
10年変化(H25→R5)+25.7万円(+10.9%)-1,572人(-6.06%)+25.7億円(+4.2%)

→ 1人当たり所得は前半5年 +3.33%(+7.8万円・下越製造業集積型9市町村中6位)から後半5年 +7.35%(+17.9万円・同型内6位)へ 後半増加型 で推移して10年 +10.9%(県内22位・村上市単独同率グループ)、納税義務者数は10年 -6.06%(-1,572人)と減少し、課税対象所得総額は前半 +2.46% と後半 +1.7% でどちらも小さいプラス成長を続けて10年 +4.2%(+25.7億円・県内21位)となりました。

【比較・解釈】前半5年と後半5年の分割

  • 前半(H25→H30):1人当たり所得 +3.33%(+7.8万円)/課税対象所得総額 +2.46%(+15.0億円)/納税義務者数 -0.84%(-218人)
  • 後半(H30→R5):1人当たり所得 +7.35%(+17.9万円)/課税対象所得総額 +1.7%(+10.7億円)/納税義務者数 -5.26%(-1,354人)

1人当たり所得の前半後半差は +4.02ポイント で、後半のペースが前半の2倍強に上がった後半増加型のパターンです。総額(課税対象所得)は前半+2.46%・後半+1.7%とどちらも小さいプラス成長ですが、納税義務者数の減少(前半-0.84%・後半-5.26%)が分母縮小として作用し、1人当たり所得では後半+7.35%と前半+3.33%を大きく上回る伸びが観察されます。

「後半増加型・前半後半差+4.02ポイントは同型内6位(中位)」の観察

下越製造業集積型9市町村の前半5年変化率と後半5年変化率、および前半後半差(絶対値)を並べると次のとおりです。

市町村前半5年変化率後半5年変化率前半後半差(絶対値)
五泉市+6.68%+7.11%+0.43(最小・最均衡)
聖籠町+7.66%+9.11%+1.45
加茂市+3.04%+5.05%+2.01
燕市+6.29%+8.79%+2.50
弥彦村+4.15%+6.71%+2.56
村上市+3.33%+7.35%+4.02(同型内6位・中位)
阿賀野市+3.39%+8.20%+4.81
田上町+0.34%+8.76%+8.42
阿賀町+2.81%+12.06%+9.25

村上市の前半後半差 +4.02ポイント は下越製造業集積型9市町村中で 6位(中位) です。田上町(+8.42差)・阿賀町(+9.25差)の「前半停滞→後半急伸」の後半集中型ほど極端ではなく、五泉市(+0.43差)の均衡型より大きい、中位の後半増加型として観察できます。前半変化率+3.33%は同型内6位(聖籠+7.66→五泉+6.68→燕+6.29→弥彦+4.15→阿賀野+3.39→村上)で下位帯、後半変化率+7.35%は同型内6位(阿賀町+12.06→聖籠+9.11→燕+8.79→田上+8.76→阿賀野+8.20→村上)で中位帯まで回復した位置です。

課税対象所得総額と1人当たり所得の並記

課税対象所得総額の10年変化率は+4.2%(県内21位)、1人当たり所得の10年変化率は+10.9%(県内22位・村上市単独)で、総額(21位)と1人当たり(22位)は下位帯で並びます。総額前半+2.46%・後半+1.7%はどちらも小さいプラス成長で、1人当たりの前半+3.33%・後半+7.35%より低い水準です。納税義務者数-6.06%(-1,572人・下越製造業集積型9市町村中で減少幅は中位より大きい6位)が分母縮小として作用し、1人当たりの伸び(+10.9%)が総額の伸び(+4.2%)を上回る構造として観察できます。

推計手取り変化率+4.6%も所得順位から4ランク上のみの小さな乖離

推計手取り変化率順位は県内22位で、1人当たり所得順位26位から 4ランク上のみ の位置です。五泉市(所得順位25位・推計手取り変化率順位9位・16ランク乖離)とは対照的な、所得順位と手取り変化率順位の乖離が小さい構造です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

「前半+3.33%(同型内6位・下位帯)→後半+7.35%(同型内6位・中位帯)の後半増加型」「前半後半差+4.02ポイントは同型内6位(中位)」 は、下越製造業集積型9市町村の中で村上市の位置関係として観察されます。田上町・阿賀町のような「前半ほぼゼロ→後半急伸」の極端な後半集中型でもなく、五泉市・聖籠町のような均衡型でもない、中位の後半増加型として読み取れます。ただしこれらの数値関係は観察であり、村上市の産業構造や10年変化率の背景を因果として断定するものではありません。


▼【グラフ:murakami_所得推移.png 村上市の1人当たり課税対象所得の推移(H25→H30→R5)】


④ 所得種類別の内訳(給与81.3%県内19位単独・農業0.7%県内16位単独)

給与所得者比率 81.3% は県内19位(村上市単独同率グループ)・下越製造業集積型9市町村中6位、農業所得者比率 0.7% は県内16位(村上市単独同率グループ)、その他所得者比率 14.8% は下越製造業集積型9市町村中4位(比率高め)という中位帯下位の所得構成を持ちます。

所得割納税義務者の所得源泉の内訳を確認します。

この表を見ると、村上市の納税義務者24,374人が給与・営業等・農業・その他のどこに分布するかを把握できる構造です。

所得区分納税義務者数比率
給与所得者19,814人81.3%
営業等所得者775人3.2%
農業所得者182人0.7%
その他3,603人14.8%
合計24,374人100%

→ 給与所得者 81.3%(19,814人・県内19位・村上市単独)は下越製造業集積型9市町村中6位で、その他所得者比率 14.8%(3,603人)は同型内4位(比率高め)、農業所得者比率 0.7%(182人・県内16位・単独)は同型内で下位帯です。

給与所得者比率81.3%は県内19位・村上市単独

給与所得者比率81.3%の同率グループは村上市単独(数=1)です。県内順位を並べると、阿賀町81.1%→村上市81.3%→加茂市80.8%と上位側・下位側の市町村に挟まれた単独の順位です。下越製造業集積型9市町村内の給与所得者比率を並べると、聖籠町87.9%(1位)・燕市84.9%(2位)・阿賀野市84.1%(3位)・五泉市83.1%(4位)・弥彦村82.9%(5位)・村上市81.3%(6位)・阿賀町81.1%(7位)・加茂市80.8%(8位)・田上町80.0%(9位)で、村上市は同型内6位の位置です。

農業所得者比率0.7%は県内16位・村上市単独

農業所得者比率0.7%も同率グループは村上市単独(数=1)です。県内順位を並べると、津南3.0%(1位)・関川/佐渡1.6%(同率)・胎内/阿賀野1.2%(同率)・加茂1.1%(6位)・五泉1.0%(7位)・聖籠/南魚沼/魚沼/田上0.9%(同率)・村上0.7%(16位) と続きます。下越製造業集積型9市町村内で農業所得者比率を並べると、阿賀野1.2%(1位)・加茂1.1%(2位)・五泉1.0%(3位)・聖籠/田上0.9%(同率4位)・弥彦0.8%(6位)・村上0.7%(7位) と続き、村上市は同型内で下位帯です。

その他所得者比率14.8%は下越製造業集積型9市町村中4位(比率高め)

その他所得者比率14.8%(3,603人)は下越製造業集積型9市町村中4位で、比率高めの位置です。同型9市町村のその他所得者比率を並べると、阿賀町16.4%(1位)・田上町15.8%(2位)・加茂市15.1%(3位)・村上市14.8%(4位)・五泉市12.7%(5位)・弥彦村12.5%(6位)・阿賀野市11.1%(7位)・燕市11.0%(8位)・聖籠町7.9%(9位)と分布します。村上市は同型内で「給与6位×その他4位」の対応構造です。

営業等所得者比率3.2%(775人)は県内15位で、下越製造業集積型9市町村内では中位です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

村上市の所得構成は下越製造業集積型9市町村内で 「給与6位・農業7位・その他4位」 と、給与所得者比率が下位帯・その他所得者比率が高めという中位帯下位のパターンです。五泉市(給与5位・農業3位・その他5位)と比較すると、村上市はその他所得者比率がやや高く・給与所得者比率が低めの構造として観察できます。ただし所得構成の比率と実際の産業構造・生活基盤の関係は複雑で、比率のみから住民の暮らし方や年金依存の有無を単純に読み取ることはできません。


▼【グラフ:murakami_所得種類別.png 村上市の所得種類別 所得割納税義務者数(R5年度)】


⑤ 推計手取りと住民税・実効税率(手取り転換率70.4%は下越製造業集積型9市町村中7位)

【結論】推計手取り313.1万円は県内25位で、10年+13.8万円(+4.6%・県内22位・下位帯)・手取り転換率70.4%は下越製造業集積型9市町村中7位・実効税率3.0%は県内26位(出雲崎町/村上市/津南町の3市町村同率)です。

住民税(所得割)の推移

住民税(所得割)の実額は、総務省「市町村税課税状況等の調べ」第11表の所得割額を所得割納税義務者数で割って算出しました。

年度1人当たり住民税(所得割)実効税率(住民税÷課税対象所得)
H25年度(2013年度)約7.45万円(74,470円)3.2%
H30年度(2018年度)約7.69万円(76,949円)3.2%
R5年度(2023年度)約7.96万円(79,626円)3.0%
10年変化+0.52万円(+6.9%)-0.2ポイント

R5の実効税率3.0%は 3市町村同率(出雲崎町・村上市・津南町)で並んでいます。実効税率3.0%の同率グループは県内26位で、下越製造業集積型9市町村9市町村の中で3.0%まで下がっているのは村上市のみで、他の同型市町村は3.1%(聖籠・弥彦・阿賀野・田上・五泉・加茂の6市町村)ないし3.2%(燕・阿賀町)の水準にあります。

1人当たり住民税79,626円(約8.0万円)は県内27位で、県平均差 -9,652円 です。1人当たり所得順位(26位)と1人当たり住民税順位(27位)は近接した下位帯で並んでいます。実効税率は10年で3.2%→3.2%→3.0%へと変化し、後半5年で -0.2ポイント 低下しました。この期間には令和2年の税制改正で住民税の基礎控除が33万円から43万円に引き上げられており、実効税率の変化幅がこの改正時期と対応するタイミングで観察されます(改正が原因であるという断定はしません)。

推計手取りの推移

課税対象所得(給与所得)から給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、各年度の公式保険料率・税制を用いて手取りを試算しました。

この表を見ると、推定給与収入から社保・所得税・住民税を差し引いた推計手取りの10年推移が確認できます。

項目H25(2013年度)H30(2018年度)R5(2023年度)10年変化
課税対象所得(給与所得)235.4万円243.3万円261.1万円+25.7万円
推定給与収入(※1)約361.8万円約371.6万円約381.4万円+19.6万円
ー 社会保険料(※2)51.5万円53.7万円56.3万円+4.8万円
ー 所得税(※3)3.6万円3.9万円4.1万円+0.5万円
ー 住民税(実額)7.45万円7.69万円7.96万円+0.51万円
推計手取り約299.3万円約306.3万円約313.1万円+13.8万円(+4.6%)

→ 推計手取りは 313.1万円(県内25位)で、10年 +13.8万円(+4.6%・県内22位・下位帯) 増加し、実効税率 3.0% は県内26位(3市町村同率)、手取り転換率 70.4% は給与収入増加分の70.4%が手取りに転換した水準で下越製造業集積型9市町村中 7位(五泉市73.1%を2.7ポイント下回る)です。

推計手取り変化率+4.6%は県内22位で、1人当たり所得順位26位から 4ランク上のみ の位置です。所得順位と手取り変化率順位の乖離が小さい構造で、五泉市(所得順位25位・変化率順位9位・16ランク乖離)とは対照的な「所得下位×手取り効率も下位」の並行構造として観察できます。

推定給与収入(額面)の10年増加 +19.6万円 のうち、税・社会保険料の増加を差し引いた後に手取りとして残る割合は約 70.4%(手取り転換率)です。残り約29.6%は社会保険料の増加(+4.8万円)・所得税増(+0.5万円)・住民税実額増(+0.51万円)に吸収されました。社保増加+4.8万円が最大の減額項目で、住民税増加+0.51万円は実効税率-0.2ポイントの低下を反映して小さい増加に留まっています。

下越製造業集積型9市町村の手取り転換率

下越製造業集積型9市町村の手取り転換率を並べると次のとおりです。

市町村手取り転換率位置づけ
聖籠町74.7%同型内1位
燕市74.2%同型内2位
五泉市73.1%同型内3位
阿賀町73.0%同型内4位
弥彦村71.3%同型内5位
阿賀野市70.8%同型内6位
村上市70.4%同型内7位
田上町68.2%同型内8位
加茂市65.3%同型内9位

村上市の手取り転換率70.4%は下越製造業集積型9市町村中 7位 で、五泉市73.1%を 2.7ポイント 下回り、田上町68.2%を2.2ポイント上回る中位より下の位置です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

村上市の推計手取りは県内25位(313.1万円)で、10年変化率+4.6%(県内22位・下位帯)は所得順位26位から 4ランク上のみ の小さな乖離で、手取り転換率70.4%は下越製造業集積型9市町村中 7位 の下位帯です。給与収入+19.6万円のうち70.4%が手取りに転換した数値関係は、社保・税負担を差し引いた効率の側面で同型内では下位帯に位置することを示します。五泉市(手取り転換率同型内3位・変化率順位9位)とは異なる 「所得下位帯×手取り効率も下位帯」の並行構造 として観察できます。ただし推計手取りは想定料率と控除モデルに基づく試算であり、実際の家族構成・扶養・iDeCo等の個別事情で大きく変動します。

※1 給与収入は課税対象所得(給与所得)から各年度の給与所得控除(所得税法の計算式)で逆算した推定値です。
※2 社会保険料は厚生年金(公式保険料率)・健康保険(協会けんぽ新潟県の概算率)・雇用保険(公式料率)を使用。保険料率はH25:厚生年金8.737%・健保4.985%・雇保0.5%、H30:厚生年金9.15%・健保5.0%・雇保0.3%、R5:厚生年金9.15%・健保5.0%・雇保0.6%で試算。
※3 所得税は「給与所得 − 基礎控除(H25・H30: 38万、R5: 48万)− 社会保険料控除 − 配偶者控除 − 扶養控除1人」を課税標準として試算。実際の控除状況・家族構成によって大きく異なります。


⑥ 村上市の主力産業(製造業集積型・製造業19.4%・総就業者数28,555人は同型内2位)

産業タイプは 製造業集積型 で、主要業種1位は製造業19.4%(5,543人・下越製造業集積型9市町村中で製造業就業者数3位・比率8位)、総就業者数 28,555人 は同型内 2位(燕市に次ぐ)で、就業構成では「製造業比率は同型内で下位帯だが就業規模は上位帯」の対応構造を持ちます。

村上市は産業構造マスター(総務省 国勢調査 令和2年)で 製造業集積型 に分類されています。産業別就業者比率(2020年)は第1次産業8.9%・第2次産業31.5%・第3次産業59.3%(県内14位・中位帯)です。総就業者数は 28,555人 で、10年変化率は -8.5%(H22→R2)、納税義務者数-6.06%とほぼ同方向で減少しています。主要業種1位は製造業(19.4%・5,543人)、2位は卸売業・小売業(14.2%・4,045人)、3位は医療・福祉(14.2%・4,041人・比率同率)で、上位3業種で就業者の47.8%を占めます。

この表を見ると、産業タイプと就業者上位3業種を1枚で確認できる構造です。

指標村上市の値位置づけ
産業タイプ製造業集積型下越製造業集積型9市町村の一つ
総就業者数28,555人下越製造業集積型9市町村中 2位(燕市に次ぐ)
第1次産業比率8.9%
第2次産業比率31.5%製造業集積型内で中位
第3次産業比率59.3%県内14位(中位帯)
主要業種1位製造業19.4%(5,543人・同型内比率8位・就業者数3位)
主要業種2位卸売業・小売業14.2%(4,045人)
主要業種3位医療・福祉14.2%(4,041人・比率同率)

→ 産業タイプ「製造業集積型」で主要業種1位は製造業 19.4%(5,543人) で、下越製造業集積型9市町村中で製造業就業者数3位(燕14,561→五泉5,878→村上5,543)・比率8位(下位帯)、総就業者数 28,555人は同型内2位(燕市41,335→村上→五泉24,053)と、就業規模は上位帯・製造業比率は下位帯の対応構造です。

下越製造業集積型9市町村の主要業種1位比率(製造業就業者比率)を並べると、燕市35.2%(1位)・弥彦村27.0%・加茂市26.9%・田上町24.6%・五泉市24.4%・聖籠町22.3%・阿賀野市20.0%・村上市19.4%・阿賀町の順で、村上市は同型内で比率8位(下位帯)です。ただし製造業就業者の絶対数では、燕市14,561人(1位)・五泉市5,878人(2位)・村上市5,543人(3位)・阿賀野市4,123人と、下越製造業集積型9市町村中で3位の規模を持ちます。「比率下位×人数上位」の対応構造は、総就業者数28,555人(同型内2位)という規模の裾野の広さを反映した位置です。就業構成の側面と課税ベースの側面(給与所得者比率81.3%・同型内6位)は、いずれも「規模上位×比率下位帯」という村上市の対応構造の一部として観察できます。事業所ベースの製造品出荷額・付加価値額・農業産出額の県内順位分析は本記事の主題(住民所得)から離れるため、別記事(産業構造テーマ)の範囲として扱います。


⑦ 下越13市町村比較でみる村上市(下越11位・変化率下越11位・4.3万円圏内密集帯の下位側から2番目)

村上市は下越13市町村中 11位・下越製造業集積型9市町村中 7位 で、変化率順位は下越13市町村中 11位(新潟市9位・弥彦村10位より下)・下越製造業集積型9市町村中 7位 と、所得水準・変化率とも下位帯ですが、規模指標(総額9位・納税義務者9位・総就業者2位)は同型内2位という「規模上位×1人当たり下位」の17ランク乖離の位置で、阿賀野・田上・五泉・村上・加茂の下越5市町4.3万円圏内密集帯の下位側から2番目に位置します。

下越13市町村の1人当たり所得・産業タイプ・変化率を並べて村上市の位置を確認します。

この表を見ると、下越13市町村の1人当たり所得・産業タイプ・変化率順位を並べて村上市の位置が確認できる構造です。

市町村1人当たり所得R5県内順位下越圏順位産業タイプ10年変化率変化率順位
新潟市319.5万円1位1位複合型+11.3%20位
燕市300.8万円4位2位製造業集積型+15.6%4位
新発田市283.9万円10位3位複合型+11.7%15位
聖籠町275.7万円13位4位製造業集積型+17.5%1位
胎内市273.9万円15位5位高付加価値製造業型+11.8%14位
弥彦村272.7万円16位6位製造業集積型+11.1%21位
関川村265.9万円21位7位農業型+15.0%6位
阿賀野市265.1万円23位8位製造業集積型+11.9%12位
田上町261.7万円24位9位製造業集積型+9.1%25位
五泉市261.3万円25位10位製造業集積型+14.3%8位
村上市261.1万円26位11位製造業集積型+10.9%22位
加茂市260.8万円27位12位製造業集積型+8.2%27位
阿賀町257.3万円29位13位製造業集積型+15.2%5位

→ 村上市は下越13市町村中 11位(新潟→燕→新発田→聖籠→胎内→弥彦→関川→阿賀野→田上→五泉→村上)・下越製造業集積型9市町村中 7位 で、変化率順位は下越13市町村中 11位(新潟市9位・弥彦村10位より下)・下越製造業集積型9市町村中 7位 と所得水準・変化率とも下位帯ですが、規模指標(総額9位・納税義務者9位・総就業者数2位)では同型内2位と、17ランク乖離の位置を占めます。

下越5市町4.3万円圏内密集帯の下位側から2番目

下越13市町村の下位帯(所得順位20位台後半)を並べると、阿賀野市265.1万円(23位)・田上町261.7万円(24位)・五泉市261.3万円(25位)・村上市261.1万円(26位)・加茂市260.8万円(27位)の5市町が 260.8〜265.1万円の4.3万円圏内 に密集しています。5市町の分布幅はわずか4.3万円で、村上市はその密集帯の 下位側から2番目(下から2番目・上から4番目)に位置します。

この密集帯の中でも、変化率順位は5市町間で大きく分岐します。

市町村1人当たり所得県内順位変化率変化率県内順位
阿賀野市265.1万円23位+11.9%12位
田上町261.7万円24位+9.1%25位
五泉市261.3万円25位+14.3%8位
村上市261.1万円26位+10.9%22位
加茂市260.8万円27位+8.2%27位

所得順位で近接する5市町でも、変化率順位は五泉市8位・阿賀野市12位・村上市22位・田上町25位・加茂市27位と大きく分岐し、村上市は密集帯5市町の中で変化率順位が5位中3位(中位)です。所得水準がほぼ横並びで見える密集帯の内側で、10年変化率の順位差は20ランク近い分岐が観察できます。

下越製造業集積型9市町村内の位置

下越製造業集積型9市町村を1人当たり所得順で並べると、燕市(4位)・聖籠町(13位)・弥彦村(16位)・阿賀野市(23位)・田上町(24位)・五泉市(25位)・村上市(26位)・加茂市(27位)・阿賀町(29位)で、村上市は同型内 7位 です。変化率順位で並べると、聖籠町1位・燕市2位・阿賀町3位・五泉市4位・阿賀野市5位・弥彦村6位・村上市7位・田上町8位・加茂市9位となり、村上市は同型内 7位(下位帯)です。所得順位・変化率順位ともに同型内7位で並ぶ位置ですが、規模指標(総額・納税義務者・総就業者)では同型内2位(燕市に次ぐ)という差が村上市固有の構造です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

村上市は下越13市町村中11位・下越製造業集積型9市町村中7位で、所得水準・変化率とも下位帯です。しかし規模指標(総額9位・納税義務者9位・総就業者2位)では同型内で2位と上位帯にあり、「規模は同型内2位・1人当たりは同型内7位」の17ランク乖離 が村上市の位置関係として観察されます。所得順位で近接する下越5市町4.3万円圏内密集帯の中でも、変化率順位では大きく分岐し、村上市は密集帯5市町中の変化率順位で中位(3位)です。ただし所得順位・規模順位・変化率順位の差から住民の暮らしぶりを直接読み取ることはできず、就業・家計・世帯構成等の別データと合わせて理解する必要があります。


⑧ 移住検討者・地域理解志向の読み方(2視点)

本章は「村上市 所得」「村上市 平均年収」「村上市 移住」「村上市 手取り」等の検索意図に対する、データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。

視点1:移住検討者(下越北部・岩船地域を含む下越圏の生活を検討する読者)

読み取り材料データ根拠
261.1万円は県平均差-15.9万円・県内26位・下越13市町村中11位県平均277.0万円・県中央値差-12.2万円・下越5市町4.3万円圏内密集帯の下位側から2番目
給与所得者比率81.3%は県内19位(村上市単独)・下越製造業集積型9市町村中6位給与所得者数19,814人(納税義務者の81.3%)
実効税率3.0%は県内26位(3市町村同率=出雲崎町・村上市・津南町)で県平均3.2%を0.2ポイント下回る中位より下1人当たり住民税約8.0万円(79,626円・県内27位)・県平均差-9,652円
推計手取り313.1万円は県内25位で、10年+13.8万円(+4.6%・県内22位・下位帯)の増加は所得順位26位から4ランク上のみ手取り転換率70.4%(給与収入増加分の70.4%が手取りに転換・下越製造業集積型9市町村中7位)
変化率+10.9%は県内22位(村上市単独)で、前半5年+3.33%(同型内6位)→後半5年+7.35%(同型内6位)への後半増加型前半+7.8万円+後半+17.9万円=10年+25.7万円
中規模都市(納税義務者24,374人・県内9位)総就業者数28,555人(下越製造業集積型9市町村中2位)・製造業就業者数5,543人(同型内3位)
生活コストとの照合が必要1人当たり所得順位は所得側面のみ・家賃/物価/通勤環境は別データを要参照

視点1の中身は、下越北部で製造業就業を含めた勤め人の生活を検討する読者にとっての「所得水準・順位・手取り効率」の判断材料です。261.1万円は県平均を15.9万円下回り、給与所得者比率81.3%(県内19位・単独)・手取り転換率70.4%(下越製造業集積型9市町村中7位)・実効税率3.0%(県内26位・3市町村同率)は、いずれも下越製造業集積型9市町村内で下位帯の水準です。10年変化率+10.9%(県内22位・単独)は下位帯ですが、前半+3.33%→後半+7.35%の後半増加型で推移した数値関係が観察できます。ただしこれは所得水準の順位や生活の質を評価するものではなく、下越北部の中規模都市の所得指標の現状を数値で示す観察です。

視点2:地域理解志向の読者(下越製造業集積型内の「規模上位×1人当たり下位×後半増加型」の複合構造を理解したい読者)

読み取り材料データ根拠
課税対象所得総額9位×納税義務者数9位×1人当たり所得26位の17ランク乖離下越製造業集積型9市町村中で規模2位(燕市に次ぐ)・1人当たり7位
総就業者数28,555人は下越製造業集積型9市町村中2位燕市41,335→村上28,555→五泉24,053の順序
製造業就業者数5,543人は下越製造業集積型9市町村中3位燕14,561→五泉5,878→村上5,543の順序
前半5年+3.33%(同型内6位)→後半5年+7.35%(同型内6位)の後半増加型前半後半差+4.02ポイントは同型内6位(中位)
田上町(+8.42差)・阿賀町(+9.25差)の後半急伸型ほど極端ではなく、五泉市(+0.43差)の均衡型より大きい中位パターン中位の後半増加型
手取り転換率70.4%は下越製造業集積型9市町村中7位五泉市73.1%を2.7ポイント下回る下位帯
阿賀野・田上・五泉・村上・加茂の下越5市町が260.8〜265.1万円の4.3万円圏内に密集村上市は密集帯の下位側から2番目
ただし密集帯内でも変化率順位は大きく分岐五泉8位・阿賀野12位・村上22位・田上25位・加茂27位で20ランク近い分岐
給与81.3%・農業0.7%がいずれも県内単独同率グループ所得種類別内訳の順位でも村上市固有の構造

視点2の中身は、下越製造業集積型の内部分化を理解したい読者にとっての「17ランク乖離」「後半増加型」「手取り効率の同型内位置」という村上市固有の判断材料です。規模指標(総額・納税義務者・総就業者)で同型内2位という位置は、燕市を除いた下越製造業集積型8市町村の中で最大規模で、五泉市(規模指標同型内3位・14ランク乖離)より 3ランク大きい17ランクの乖離 です。加えて前半+3.33%(同型内6位)→後半+7.35%(同型内6位)の後半増加型は、田上町・阿賀町の後半急伸型と五泉市の均衡型の中間に位置する中位パターンで、後半だけで見ると同型内6位まで回復した成長として観察できます。手取り転換率70.4%(同型内7位)は「所得下位×手取り効率も下位」の並行構造で、五泉市(所得下位×手取り効率3位)とは対照的な位置として整理できます。

⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、投資助言・移住助言・個別の意思決定を代替するものではありません。


⑨ データの見方・注意点

順位=豊かさではありません

1人当たり課税対象所得の順位は、後述する複数の解釈上の制約を含んだ指標に基づいています。順位が高いことをもって「豊かな地域」「移住すべき地域」等の価値判断を行うことはできません。順位はあくまで所得割の課税ベース上の数値の相対比較です。特に本記事で観察した「下越5市町4.3万円圏内密集帯」のように、順位差数千円〜数万円の範囲では順位の差が意味する内容は限定的です。

課税対象所得は手取り収入ではありません

課税対象所得(合計所得金額)は、給与・事業・農業などの各所得から給与所得控除等の所得種別の控除を差し引いた所得の合計です。ここからさらに基礎控除・社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除等を差し引いた額が住民税・所得税の課税標準となります。課税対象所得と実際の手取り収入は異なります。

推計手取りの計算モデル

⑤の推計手取りは、給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、公式保険料率と概算率を用いた試算値です。想定料率(協会けんぽ新潟県の概算率)と控除モデル(基礎控除・配偶者控除・扶養控除1人)は記事末の「出典」欄に明示しています。実際の手取りは家族構成・扶養控除・iDeCo/生命保険料控除等の個別事情で大きく変動します。手取り転換率70.4%も同じ試算モデル上の観察であり、実際の家計での税・社保負担率とは異なる場合があります。

実効税率は税率設定の違いではありません

住民税所得割の税率は市町村民税6%・道府県民税4%で全国一律です。本記事で示す実効税率(住民税実額÷課税対象所得)は、控除の適用状況・所得構成の違いの結果として現れる値であり、市町村ごとに税率が違うわけではありません。村上市の実効税率3.0%が県内26位(同率3市町村)にある構造も、税率設定の差ではなく、控除・所得構成の側面から観察できる数値です。

農業地域では過小表示になる場合があります

農業所得は申告による実額ですが、自家消費・現物収入は含まれない場合があります。村上市の農業所得者比率は0.7%(182人・県内16位・単独)で、下越製造業集積型9市町村内では下位帯の位置ですが、絶対値としては0.7%と低位です。ただし就業形態と所得申告の関係で農業由来の生活水準が課税対象所得に完全には反映されない可能性があります。

所得割納税義務者は全住民ではありません

課税対象所得が控除額を下回る場合(所得が低い・年金受給のみ等)は所得割の納税義務者に含まれません。R5年度の村上市の所得割納税義務者数は24,374人で、これは全人口とは異なります。10年で納税義務者数は-6.06%(-1,572人)減少しており、分母縮小によって1人当たり所得が見かけ上高くなる可能性があります。総就業者数は10年で-8.5%(H22→R2)減少しており、就業者数と納税義務者数の減少方向は一致しています。

「その他所得者比率14.8%」の解釈

その他所得者は給与・営業等・農業以外の所得(年金所得等)を主とする納税義務者を含みますが、本記事のマスターデータには内訳がありません。14.8%(下越製造業集積型9市町村中4位・比率高め)という数値のみの観察に留め、「年金依存」等の断定は避けます。

「製造業集積型」のラベル解釈

産業タイプ「製造業集積型」は就業構成ベース(第2次産業比率31.5%・主要業種1位製造業19.4%)で分類されるラベルです。給与所得者比率81.3%は下越製造業集積型9市町村中6位で、就業構成のウェイトが直接には給与所得者比率の高順位と対応していません。「製造業集積」と「所得の高さ」を単純に結びつけずに読む必要があります。また村上市は同型内で製造業比率19.4%は8位(下位帯)ですが総就業者数28,555人が大きいため製造業就業者数5,543人は3位(規模上位)という「比率下位×人数上位」の対応構造です。

1人あたり付加価値額と1人当たり所得の混同注意

⑥で提示する製造業関連の指標は 製造業事業所ベース の数値で、住民所得の1人当たり課税対象所得(所得割納税義務者ベース)とは分母が異なる別の指標です。両者を同一の「1人あたり所得」として扱うことはできません。


まとめ

村上市の住民所得の特徴(データから読み取れる範囲)

  • 1人当たり課税対象所得は 261.1万円 で県内 26位/30市町村中(R5年度)・下越13市町村中11位・県平均差-15.9万円・県中央値差-12.2万円
  • 一方、課税対象所得総額は 約636.5億円(県内 9位・シェア2.08%)・所得割納税義務者数は 24,374人(県内 9位・シェア2.38%)で、下越製造業集積型9市町村中 2位(燕市に次ぐ)の規模を持つ
  • 1人当たり所得順位26位×課税対象所得総額順位9位×納税義務者数順位9位の 17ランク乖離(規模上位×1人当たり下位)が村上市の構造的特徴
  • H25→R5の10年で +10.9%(+25.7万円)・県内 22位(村上市単独同率グループ)・下越製造業集積型9市町村中 7位
  • 前半(H25→H30: +3.33%・同型内6位)から後半(H30→R5: +7.35%・同型内6位)への 後半増加型・前半後半差 +4.02ポイント は下越製造業集積型9市町村中6位(中位)
  • 所得割納税義務者24,374人(県内シェア2.38%)のうち 81.3%が給与所得者(県内19位・単独)、農業所得者は 0.7%(県内16位・単独)、その他所得者比率14.8%(同型内4位で比率高め)
  • 1人当たり住民税(実額)はH25の7.45万円からR5の7.96万円へ+0.51万円(+6.9%)・実効税率 3.0%(県内26位・3市町村同率=出雲崎町・村上市・津南町)
  • 推計手取りは10年で 約13.8万円増加(+4.6%・県内22位)・給与収入増+19.6万円のうち 約70.4% が手取りに転換(下越製造業集積型9市町村中7位)
  • 産業タイプは 製造業集積型、主要業種1位は製造業19.4%(5,543人・下越製造業集積型9市町村中で製造業就業者数3位・比率8位)・総就業者数28,555人は同型内 2位(燕市に次ぐ)

移住検討者・地域理解志向への読み方(判断材料)

  • 移住検討者: 県内下位帯の所得水準(261.1万円・26位)・給与所得者中心(81.3%・県内19位単独)・実効税率3.0%(県内26位・3市町村同率)・手取り転換率70.4%(下越製造業集積型9市町村中7位)・下越北部の中規模都市(納税義務者24,374人・県内9位)・生活コストは別データで要照合
  • 地域理解志向: 「規模指標(総額9位・納税義務者9位・総就業者2位)は下越製造業集積型9市町村中2位・1人当たり所得26位との17ランク乖離」「前半+3.33→後半+7.35の後半増加型・前半後半差+4.02ポイントは同型内6位(中位)」「下越5市町4.3万円圏内密集帯の下位側から2番目・変化率順位で大きく分岐」の3点で、下越製造業集積型内の内部分化を理解する材料

派生指標で見える意外な観察

  • 1人当たり所得順位26位×課税対象所得総額順位9位×納税義務者数順位9位の17ランク×17ランクの二重乖離 は下越製造業集積型9市町村中で燕市を除くと最大級の乖離
  • 総就業者数28,555人は下越製造業集積型9市町村中2位(燕41,335→村上→五泉24,053)で、規模指標が一貫して同型内2位という構造
  • 変化率+10.9%は村上市単独同率グループ(数=1)で、下越製造業集積型9市町村中7位・下越13市町村中11位(新潟9位・弥彦10位より下)の下位帯
  • 前半5年+3.33%は下越製造業集積型9市町村中6位(聖籠+7.66→五泉+6.68→燕+6.29→弥彦+4.15→阿賀野+3.39→村上)で下位帯・後半5年+7.35%は同型内6位で中位帯まで回復
  • 前半後半差+4.02ポイントは下越製造業集積型9市町村中6位(中位・後半増加型)で、田上+8.42差・阿賀町+9.25差の後半急伸型ほど極端ではなく、五泉+0.43差の均衡型より大きい
  • 推計手取り変化率順位22位は所得順位26位から4ランク上のみ(五泉市の16ランク乖離とは対照的な小さな乖離)で、「所得下位帯×手取り効率も下位帯」の並行構造
  • 手取り転換率70.4%は下越製造業集積型9市町村中7位(聖籠74.7→燕74.2→五泉73.1→阿賀町73.0→弥彦71.3→阿賀野70.8→村上)で、五泉市73.1%を2.7ポイント下回る
  • 給与所得者比率81.3%(県内19位単独)・農業所得者比率0.7%(県内16位単独) がともに村上市単独同率グループで、給与下位・農業下位・その他4位の中位帯下位の所得構成
  • 実効税率3.0%は3市町村同率(出雲崎町・村上市・津南町)で、下越製造業集積型9市町村の中で3.0%まで下がっているのは村上市のみ
  • 阿賀野23位・田上24位・五泉25位・村上26位・加茂27位の下越5市町が260.8〜265.1万円の4.3万円圏内に密集 し、村上市は密集帯の下位側から2番目
  • 同じ密集帯内でも変化率順位は大きく分岐(五泉8位・阿賀野12位・村上22位・田上25位・加茂27位で20ランク近い分岐)

この記事の執筆・データについて

執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和5年度(2023年度)市町村税課税状況等の調べ/国勢調査 令和2年/工業統計調査 令和4年/市町村別農業産出額(推計)令和4年
更新日: 2026-08-27
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本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・税務相談ではありません。移住・就職・事業判断等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。


出典

  • 1人当たり課税対象所得・所得割納税義務者数・住民税(所得割)実額・所得種類別納税義務者数:
    総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年・平成30年・平成25年)
  • 産業別就業者数・産業タイプ・主要業種1〜3位・総就業者数:
    総務省(国勢調査 令和2年)
  • 製造業従業者数・現金給与総額・製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額:
    経済産業省(工業統計調査 令和4年)
  • 農業産出額:
    農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)

推計値について:
本記事の「推計手取り」は総務省 課税対象所得から社会保険料・所得税・住民税を控除した試算値です。
想定料率:

  • H25:厚生年金 8.737%/健保 4.985%/雇保 0.5%
  • H30:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.3%
  • R5:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.6%
    (協会けんぽ新潟県の概算率を使用)
    控除モデル:基礎控除(H25・H30: 38万、R5: 48万)・配偶者控除・扶養控除1人・社会保険料控除
    データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
    次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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