粟島浦村への観光客はどのくらい来ているのでしょうか。
この記事では、新潟県観光政策課が毎年公表している「観光客入込数・消費額調査」のデータをもとに、粟島浦村の観光客入込数・長期推移・季節パターンを整理します。
県内30市町村の中での位置づけ・コロナ前後の変化・観光の種類の特徴をデータで確認できます。
この記事でわかること
- 粟島浦村の観光客入込数(2024年・約1.1万人)と県内ランキング(30位/30市町村中)
- 2013〜2024年の推移と変化率(コロナ前比22.7%・2021年の完全停止から現在の横ばいへ)
- 観光の種類の内訳(自然観光100%・海水浴・島の自然のみ)
- 月別の観光客の集中パターン(8月に24.4%・冬期は実質ゼロの超季節型)
- 海水浴場データ(2か所・7,417人)
① 粟島浦村の観光客数(2024年)
粟島浦村の2024年(令和6年)の観光客数を確認します。
観光客数サマリー
| 指標 | 2024年 | 前年比 |
|---|---|---|
| 観光客入込数 | 1.1万人 | +0.6% |
| 県内順位(入込数) | 30位/30市町村中 | — |
| 県全体に占める割合 | 約0.02% | — |
| 観光客/人口比 | 約35.4倍(県内15位) | — |
※出典:新潟県観光政策課「令和6年観光客入込数・消費額調査」
粟島浦村は県内第30位(最下位)の観光地です。粟島は新潟県内唯一の有人離島で、定期船でのみアクセスできる自然観光地です。観光は自然観光(100%)のみで、海水浴・島の自然を目的とした来訪が中心です。コロナ前(2019年:4.9万人)比は22.7%(県内30位・最下位)と、コロナ後の回復が最も遅れている市町村です。観光客/人口比は約35.4倍(県内15位)です。
観光客数が少ない市町村であるため、統計的な代表値としての信頼性に限界があります(詳細は⑧参照)。
② 観光客数の推移(2012〜2024年)
年別推移
| 年(和暦) | 観光客入込数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2012年(H24) | 5.6万人 | — |
| 2013年(H25) | 5.5万人 | −2.0% |
| 2014年(H26) | 5.4万人 | −1.5% |
| 2015年(H27) | 5.7万人 | +3.9% |
| 2016年(H28) | 5.6万人 | −0.2% |
| 2017年(H29) | 6.6万人 | +17.6% |
| 2018年(H30) | 6.1万人 | −8.1% |
| 2019年(R1) | 4.9万人 | −20.4% |
| 2020年(R2) | 1.5万人 | −69.1% |
| 2021年(R3) | 0.0万人 | −100.0% |
| 2022年(R4) | 1.1万人 | —※ |
| 2023年(R5) | 1.1万人 | +1.8% |
| 2024年(R6) | 1.1万人 | +0.6% |
※2021年がゼロのため前年比計算不可
粟島浦村の推移は、コロナ禍前後で大きく変化しています。2012〜2018年は5〜6万人台で比較的安定した水準にありました。2017年(6.6万人)が観測期間中のピークです。
2019年(−20.4%)にコロナ前の段階で大幅な落ち込みがあり、その後2020年(−69.1%)・2021年(0人)とほぼ来訪者がいない状態まで落ち込みました。2021年の0人は、コロナ禍による島への定期船運休・渡航自粛の影響とみられます。
2022年から1.1万人台で推移していますが、コロナ前水準(5〜6万人台)への回復は進んでおらず、2022〜2024年は1.1万人前後の横ばいが続いています。
コロナ前(2019年:4.9万人)と比べると、2024年は1.1万人でコロナ前比22.7%(県内30位)です。コロナ前の約5分の1の水準にとどまっており、県内で最もコロナ前比が低い市町村です。
5年ごとの変化(2014→2019→2024年)
| 比較期間 | 変化率 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 2014年→2019年(コロナ前・5年間) | −10.8% | 27位/30市町村中 |
| 2019年→2024年(コロナ後・5年間) | −77.3% | 30位/30市町村中 |
コロナ前の5年間(2014→2019年)でも−10.8%(県内27位)と減少傾向にありました。コロナ後の5年間(2019→2024年)は−77.3%(県内30位・最下位)と、県内で最も大きい落ち込み幅です。長期(H25→R6:2013→2024年)では−80.0%(県内30位)と、12年間で観光客が約5分の1に減少しています。
▼【グラフ:粟島浦村_入込数推移.png 粟島浦村の観光客入込数の推移(2012〜2024年)】

④ 新潟県内での位置づけ
観光客入込数 県内ランキング(2024年)
| 順位 | 市町村 | 観光客入込数(2024年) |
|---|---|---|
| 1位 | 新潟市 | 1,601.9万人 |
| 2位 | 長岡市 | 737.9万人 |
| 3位 | 妙高市 | 517.9万人 |
| 4位 | 上越市 | 318.3万人 |
| 5位 | 湯沢町 | 312.4万人 |
| … | … | … |
| 28位 | 出雲崎町 | 17.0万人 |
| 29位 | 聖籠町 | 14.4万人 |
| 30位 | 粟島浦村 | 1.1万人 |
粟島浦村は県全体(約6,302万人)の約0.02%を占めています。29位の聖籠町(14.4万人)と比較すると約13分の1の水準で、県内の観光客数は最下位です。
▼【グラフ:粟島浦村_県内ランキング.png 新潟県内観光客入込数ランキング(2024年)粟島浦村を強調表示】

⑤ 観光の種類と季節パターン
観光の種類(2024年)
粟島浦村の観光は自然観光(100%)のみです。海水浴・島の自然景観を目的とした来訪で、温泉・スキー・都市型・歴史文化等の分類はゼロです。
月別の観光動向(2024年)
| 月 | 観光客数 |
|---|---|
| 1月 | 0万人 |
| 2月 | 0万人 |
| 3月 | 0万人 |
| 4月 | 0.1万人 |
| 5月 | 0.2万人 |
| 6月 | 0.1万人 |
| 7月 | 0.2万人 |
| 8月 | 0.3万人 |
| 9月 | 0.1万人 |
| 10月 | 0.1万人 |
| 11月 | 0.1万人 |
| 12月 | 0万人 |
ピークは8月(0.3万人)で、年間の24.4%が集中しています。夏集中度(7〜9月)は41.8%と夏季への偏りが明確です。
1〜3月・12月の来訪者は実質ゼロです。粟島は離島であり、冬期は荒天や波浪の影響で定期船の運航が不定期になるとみられ、冬季の来訪がほぼない構造になっています。冬集中度(12〜2月)は0.2%と、県内市町村の中でも極端に低い水準です。
8月ピークの背景として、海水浴(2か所・7,417人)への夏季集中と、夏の自然観光(島内ハイキング・釣り等)への来訪が8月に集中しているとみられます。
▼【グラフ:粟島浦村_月別推移.png 粟島浦村の月別観光客数(2024年)】

▼【グラフ:粟島浦村_分類別.png 粟島浦村の観光分類別内訳(2024年)】

⑥ 主要観光施設・観光資源
粟島浦村では、主要観光地点として計上されている施設はデータ上ありません(2024年)。観光統計上の集計対象施設がなく、観光客数は島全体への来訪者数をもとに推計されているとみられます。
海水浴場補完: 粟島浦村には海水浴場が2か所あります。2024年の海水浴客数は7,417人(県内9位/12市町村中)です。
スキー場補完: データなし(スキー場なし)
⑧ 観光客数データを見るときの注意点
2021年の観光客数はゼロです
2021年(R3)の観光客数は0人です。コロナ禍による島への渡航自粛・定期船運休の影響とみられます。このため、2022年の前年比は計算不可(0→1.1万人の変化)です。コロナ前(2019年:4.9万人)比は22.7%と、県内で最も低い回復率となっています。
主要観光地点データがありません
粟島浦村では、主要観光地点として調査票に記載された施設がないため、施設入込数のデータはありません。観光客数は島全体への来訪者数(定期船乗船者数等)をもとに推計されているとみられます。
観光客入込数は実測値ではなく推計値です
新潟県の観光客入込数・消費額調査は、各市町村から報告された観光施設の利用者数・入場者数などをもとに集計・推計しています。統計手法や報告施設の範囲が市町村によって異なるため、市町村間の数値を厳密に比較することは適切ではありません。
宿泊者・日帰り客の内訳はデータなし
新潟県の市区町村別調査では宿泊者数・日帰り客数の内訳は公表されていません。
まとめ
2024年の観光客数規模
- 粟島浦村の観光客入込数(2024年)は1.1万人で、新潟県内30位(最下位)です。コロナ前比22.7%(30位)は県内で最も低い回復率で、コロナ前水準への回復が最も遅れている市町村です
- 観光は自然観光(100%)のみで、海水浴・島の自然を目的とした来訪が中心の離島型観光地です
- 観光客/人口比は約35.4倍(県内15位)です
長期トレンド
コロナ前(2019年:4.9万人)と比べると、2024年は1.1万人でコロナ前比22.7%と、コロナ前の5分の1の水準にとどまっています。2021年の観光客ゼロ(コロナ禍による渡航停止とみられる)以降、2022〜2024年は1.1万人前後の横ばいが続いており、コロナ前水準への回復は進んでいない状態です。長期(H25→R6)では−80.0%(県内30位)と、12年間で観光客が約5分の1に減少しています。
直近の動向(2022〜2024年)
2022年・2023年(+1.8%)・2024年(+0.6%)と3年連続で1.1万人前後の横ばいが続いています。主要観光地点データがないため、施設単位での内訳は確認できませんが、観光総数は1.1万人で安定しています。
月・施設の集中パターン
- ピーク月: 8月(年間の24.4%が集中)。海水浴(2か所・7,417人)と夏の島内自然観光が8月に集中する夏型パターンです。冬集中度は0.2%と県内最低水準で、冬期(1〜3月・12月)は来訪者が実質ゼロです
- 主要施設: 主要観光地点の登録施設なし
- 離島という地理的条件と自然観光特化の特性が、夏に完全依存する季節パターンを形成しています
伸びている施設・縮小している施設(2024年)
- 主要観光地点データなし(施設別入込数の集計対象施設がありません)
出典
- 観光客入込数:新潟県観光政策課(令和6年観光客入込数・消費額調査)
- 海水浴場入込客数:新潟県観光政策課(令和6年度海水浴客入込状況)
データ基準日:2024年(令和6年)
次回更新推奨:2025年(令和7年)観光客入込数調査公表後

コメント