糸魚川市の産業構造|製造業集積型・付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位・上越地域規模2位・海岸山間部の複合構成(R2/R4)

市町村

糸魚川市(上越地域西端・日本海に面する海岸山間部の市域)の産業タイプは製造業集積型で、総就業者数19,998人(県内15位/30市町村中)・製造品出荷額約1,468.9億円(県内10位)・農業産出額約18.4億円(県内23位)の規模を持ちます。第1次産業就業者比率は5.1%(県内21位)、第2次産業就業者比率は35.5%(県内6位)、第3次産業就業者比率は59.1%(県内16位)で、第2次比率は県平均(単純平均30.3%)を大きく上回る水準です。

糸魚川市の産業構造の中心となる特徴は3つ。第一に、上越地域3市中で規模2位・唯一の「製造業集積型」という位置(上越市・妙高市はいずれも高付加価値製造業型)。第二に、製造業では付加価値率34.3%(県内27位・下位3番目)でありながら1人あたり付加価値額1,281万円/人(県内9位)という組合せで、県平均加重1,188万円/人を+93万円上回る装置産業型に該当する構造。第三に、主要業種2位が建設業(2,806人・14.0%・県内絶対値順位10位)という県内で少数派の業種構成です。10年間で総就業者は△13.6%(減少幅県内4位)減少しました。

上越地域規模2位・製造業付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位の乖離構造、漁業県内2位・鉱業県内6位という一次資源業種の位置、糸魚川ジオパークを含む上越地域最北端の産業構造を読み解きます。


  1. この記事でわかること
  2. ① 糸魚川市の産業タイプ(製造業集積型・上越地域規模2位×付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位の乖離構造)
  3. ② 産業構造サマリー(2020年・第2次比率県内6位×第1次産業に漁業・鉱業を含む構成)
  4. ③ 10年間の産業構造変化(就業者△13.6%×減少幅県内4位×第2次比率△2.1pt×第3次比率+3.1pt)
  5. ④ 主要業種の詳細(就業者数上位5業種・主要業種2位建設業14.0%×県内で少数派の業種構成)
  6. ⑤ 製造業・漁業(県内2位)・鉱業(県内6位)・農業(付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位の海岸山間部型産業構成)
    1. 製造業の規模と質(付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位×事業所あたり従業者45.7人の装置産業型該当構造)
    2. 漁業県内2位・鉱業県内6位(海岸線と山間部を反映した一次資源業種)
    3. 農業の規模と特徴(産出額23位×経営体17位×耕地21位×1戸あたり27位×1haあたり21位の下位グループ)
    4. 節末統合まとめ(製造業+一次資源業種+農業の統合構造)
  7. ⑥ 上越地域の中の糸魚川市(規模2位×製造業集積型×上越地域内で唯一の型)
  8. ⑦ 移住検討者・就職転職・在住地域研究への読み方
    1. 視点1:就職・転職検討者向け(製造業集積型×装置産業該当構造×建設業就業者県内10位)
    2. 視点2:新潟在住者・地域研究者向け(上越地域規模2位×型では唯一×漁業県内2位・鉱業県内6位)
    3. 視点3:意外な観察(付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位×漁業県内2位の3つの数値パターン)
  9. ⑧ データの見方・注意点
  10. まとめ
    1. 糸魚川市の産業構造の特徴(データから読み取れる範囲)
    2. 10年間の産業構造変化
    3. 派生指標で見える意外な観察
  11. この記事の執筆・データについて
  12. 出典

この記事でわかること

  • 糸魚川市の産業タイプは「製造業集積型」。総就業者数19,998人(県内15位)・第2次産業比率35.5%(県内6位)・第3次産業比率59.1%(県内16位)・第1次産業比率5.1%(県内21位)
  • 上越地域3市中で規模2位・唯一の「製造業集積型」(上越市94,235人・糸魚川市19,998人・妙高市14,978人/上越市・妙高市は高付加価値製造業型)
  • 製造業は付加価値率34.3%(県内27位・下位3番目)×1人あたり付加価値額1,281万円/人(県内9位・県平均加重+93万円)×事業所あたり従業者45.7人の装置産業型に該当する組合せ構造
  • 主要業種2位が建設業(2,806人・14.0%・県内絶対値順位10位)で、県内で製造業を1位とする25市町村の多くが2位に卸小売や医療福祉を置く中では少数派の構成
  • 業種横断ランキングで漁業県内2位(208人)・鉱業県内6位(55人)という海岸線・山間部の一次資源業種の順位
  • 農業関連指標はいずれも県内下位グループ(産出額23位・経営体17位・耕地21位・1戸あたり27位・1haあたり21位)
  • 10年間で総就業者は△13.6%(減少幅県内4位)減少・第2次比率△2.1pt(下がり幅順位25)・第3次比率+3.1pt(順位6)の同時進行

① 糸魚川市の産業タイプ(製造業集積型・上越地域規模2位×付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位の乖離構造)

糸魚川市は上越地域3市中で規模2位・唯一の「製造業集積型」を占め、製造業では付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位の装置産業型に該当する構造を持ちます(章① サマリー)。

糸魚川市の産業タイプは「製造業集積型」です。総就業者数19,998人(県内15位)・第2次産業就業者比率35.5%(県内6位)の構成で、判定式(第2次≧30%)により製造業集積型に分類されます。

上越地域3市(上越市・糸魚川市・妙高市)の中では規模2位の位置ですが、上越市と妙高市がいずれも「高付加価値製造業型」に分類される中で、糸魚川市は上越地域内で唯一の「製造業集積型」として位置します。

糸魚川市の産業構造を数値で確認します。

指標数値県内順位(30市町村中)
産業タイプ製造業集積型
総就業者数(2020年)19,998人15位
第1次産業就業者比率5.1%21位
第2次産業就業者比率35.5%6位
第3次産業就業者比率59.1%16位
主要業種1位製造業 4,244人全就業者の21.2%
主要業種2位建設業 2,806人全就業者の14.0%
製造品出荷額(2022年)約1,468.9億円10位
付加価値額(2022年)約503.3億円14位
付加価値率(2022年)34.3%27位
1人あたり付加価値額1,281万円/人9位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)、経済産業省(経済構造実態調査 令和4年)

→ 出荷額10位・1人あたり付加価値額9位で規模順位を上回る位置にあります。

上越地域3市の総就業者と産業タイプを整理します。

上越地域内順位市町村総就業者数産業タイプ
1上越市94,235人高付加価値製造業型
2糸魚川市19,998人製造業集積型
3妙高市14,978人高付加価値製造業型

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 上越地域3市中で規模2位(上越市の約21%・妙高市の約1.3倍)・産業タイプでは唯一「製造業集積型」に分類される市です。

「製造業集積型」の判定条件は「第2次産業就業者比率≧30%」のみで、付加価値の高低は問いません。糸魚川市の第2次比率35.5%は判定閾値30%を+5.5ポイント上回る水準で県内6位に位置し、県平均(単純平均30.3%)を大きく上回ります。

「高付加価値製造業型」は「1人あたり付加価値額≧県平均加重×1.5」の追加条件を満たす必要があり、糸魚川市の1人あたり付加価値額1,281万円/人は判定閾値約1,782万円/人を下回るため、本タイプには分類されません。

糸魚川市の産業構造は、「製造業集積型」のラベルの通り、第2次産業比率が県内6位と高い水準を保つ製造業中心の構成です。上越地域内では、上越市・妙高市がいずれも「高付加価値製造業型」(1人あたり付加価値額が県平均加重の1.5倍以上)に分類される中で、糸魚川市は付加価値率27位・1人あたり付加価値額9位という装置産業型に該当する構造を持ちながら、上越地域内では異なる型として位置します。産業タイプ「製造業集積型」の詳細な内訳は章②〜⑥で確認できます。


② 産業構造サマリー(2020年・第2次比率県内6位×第1次産業に漁業・鉱業を含む構成)

糸魚川市の産業別就業者比率と県内順位を整理します。

指標数値県内順位(30市町村中)
総就業者数19,998人15位
第1次産業就業者比率5.1%21位
第2次産業就業者比率35.5%6位
第3次産業就業者比率59.1%16位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 第2次35.5%(県内6位)が県平均を大きく上回る一方、第1次5.1%(21位)・第3次59.1%(16位)は県平均並みの水準です。

総就業者数19,998人は県内15位で、上越地域3市中では上越市(94,235人)に次ぐ2位・妙高市(14,978人)を上回る位置にあります。

第2次産業比率35.5%は県平均(単純平均30.3%)を+5.2ポイント上回り県内6位、第3次産業比率59.1%は県平均(単純平均59.9%)を△0.8ポイント下回り県内16位、第1次産業比率5.1%は県平均(単純平均8.6%)を△3.5ポイント下回り県内21位という構成です。

第1次産業比率としては県内21位と中位以下の水準ですが、業種横断ランキング上では漁業県内2位・鉱業県内6位という一次資源業種の順位を持ちます。これは日本海に面する海岸線と山間部を含む地形に対応した構成で、詳細は章⑤で製造業・農業と統合して整理します。

▼【グラフ:itoigawa_産業構造.png 新潟県30市町村の産業別就業者比率(2020年・糸魚川市を強調)】


③ 10年間の産業構造変化(就業者△13.6%×減少幅県内4位×第2次比率△2.1pt×第3次比率+3.1pt)

10年で総就業者は△13.6%減少し、減少幅は県内で大きい方から4番目です。同時に第2次比率△2.1pt・第3次比率+3.1ptと就業者総数の減少と業種構成変化が同時進行しています(章③ サマリー)。

2010年から2020年までの10年間で、糸魚川市の総就業者数は△13.6%(△3,135人)減少しました。この減少幅は県内30市町村で大きい方から4番目に位置します。産業構造の比率変化では第2次産業比率△2.1pt(下がり幅順位25)・第3次産業比率+3.1pt(上がり幅順位6)と、就業者総数の減少と業種構成変化が同時進行しています。

2010年から2020年までの就業者数と産業構造の推移を整理します。

総就業者数第1次比率第2次比率第3次比率
2010年(H22)23,133人6.4%37.6%56.0%
2015年(H27)21,510人5.9%35.5%58.2%
2020年(R2)19,998人5.1%35.5%59.1%
10年変化△3,135人(△13.6%)△1.3pt△2.1pt+3.1pt

※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)

→ 総就業者△13.6%は減少幅が県内4位。第2次比率△2.1pt・第3次比率+3.1ptで、就業者総数の減少と第2次→第3次のシフトが同時に進んでいます。

主要業種の10年間の就業者数変化を整理します。

業種2010年2020年10年変化
建設業3,774人2,806人△968人
製造業4,813人4,244人△569人
医療・福祉2,349人2,603人+254人

※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)

→ 第2次側では建設業△968人・製造業△569人と建設業の減少幅が大きく、第3次側では医療・福祉が+254人増加しました。

糸魚川市の10年変化の特徴は、総就業者△13.6%の減少にもかかわらず「製造業集積型」の分類が10年間で維持されている点です。第2次産業比率は37.6%→35.5%と△2.1pt下がりましたが、判定閾値30%を+5.5ポイント上回る水準で製造業集積型を維持しています。

第2次側の減少内訳では建設業(△968人)の絶対減が製造業(△569人)を上回り、第3次側では医療・福祉が+254人と増加しました。

10年減少率が県内で大きい方から並ぶ市町村(阿賀町・佐渡市・関川村・糸魚川市・十日町市・津南町等)はいずれも豪雪地・山間部・離島・海岸山間部を中心とする地域構造で、糸魚川市も海岸線と山間部を含む地形に位置します。10年変化の背景は複数の要因(人口減少・高齢化・産業構造変化等)が絡み合うため、単一の因果として断定はできません。

糸魚川市の10年変化は、総就業者数の減少幅(△13.6%)が県内で大きい方から4番目に位置しますが、産業構造の分類としては「製造業集積型」を維持しながら業種構成が緩やかに変化する移行パターンです。第2次比率の下がり幅(△2.1pt)は県内で大きい側にあり、就業者総数の減少と業種構成変化が同時進行する構造となっています。人口動態・高齢化との対応は本記事の範囲外です(詳細は人口テーマ記事を参照)。

▼【グラフ:itoigawa_産業変化.png 糸魚川市の産業構造推移(2010→2015→2020年・積み上げ棒)】


④ 主要業種の詳細(就業者数上位5業種・主要業種2位建設業14.0%×県内で少数派の業種構成)

就業者数の多い上位業種を確認します。

順位業種名就業者数就業者比率県内絶対値順位
1位製造業4,244人21.2%県内13位
2位建設業2,806人14.0%県内10位
3位医療・福祉2,603人13.0%県内13位
参考卸売業・小売業2,559人12.8%県内15位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 上位3業種合計は48.2%・1-2位差は7.2ポイントの分散構造で、主要業種2位「建設業」の県内絶対値順位10位が総就業者順位(15位)を上回ります。

主要業種1位「製造業」の就業者比率21.2%は、県内で製造業を主要業種1位とする25市町村の中では中位帯に位置します。県内の集積型上位(燕市35.2%・三条市28.8%)と比較すると集積度は低めですが、絶対規模(4,244人・県内13位)では中位帯を保ちます。上位3業種合計48.2%・主要業種1-2位差7.2ポイントは、特定業種への集中度が中位帯の分散構造です。

主要業種2位が建設業(14.0%・県内絶対値順位10位)という県内で少数派の構成

糸魚川市の業種構成の特徴は、主要業種2位が建設業(2,806人・14.0%)である点です。県内で製造業を主要業種1位とする25市町村の多くは、2位に卸売業・小売業か医療・福祉を置きます(新発田市・小千谷市・加茂市・十日町市・見附市・村上市など)。

主要業種2位に建設業が入る市町村は少数派で、糸魚川市はそのひとつです。業種横断ランキングで見ても糸魚川市の建設業就業者2,806人は県内10位の水準で、総就業者順位(15位)を5ランク上回る位置にあります。

主要業種3位「医療・福祉」(2,603人・13.0%)は県内絶対値順位13位で、章③で確認したとおり10年で+254人増加した業種です。糸魚川市の業種別10年変化で主要業種の中で唯一の増加業種となっています。

参考として卸売業・小売業(2,559人・12.8%)は県内絶対値順位15位で、総就業者順位(15位)と同位の水準です。上位3業種合計比率48.2%は、県内の集積型市町村(燕市・三条市・小千谷市等)と比較すると業種分散度は中位帯となります。

▼【グラフ:itoigawa_就業者数.png 糸魚川市の業種別就業者数(2020年・上位10業種)】


⑤ 製造業・漁業(県内2位)・鉱業(県内6位)・農業(付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位の海岸山間部型産業構成)

糸魚川市の第2次〜第1次産業の位置を統合すると、製造業は付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位の装置産業型該当構造、第1次側では漁業県内2位・鉱業県内6位という海岸線・山間部の一次資源業種を持ち、農業は下位グループにとどまる構成となっています(節サマリー)。

糸魚川市は日本海に面する海岸線と山間部を含む地形に位置します。この地形的特徴は業種横断ランキング上で漁業県内2位・鉱業県内6位という一次資源業種の順位に反映される一方、農業は下位グループにとどまる構成となっており、製造業(付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位)と合わせて糸魚川市固有の複合構成を形成しています。本章では、製造業・漁業・鉱業・農業を統合して糸魚川市の第2次〜第1次産業の位置を整理します。

製造業の規模と質(付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位×事業所あたり従業者45.7人の装置産業型該当構造)

糸魚川市の製造業は製造品出荷額約1,468.9億円(県内10位)・付加価値額約503.3億円(県内14位)・製造業事業所数86か所(県内17位)・製造業従業者数3,928人(県内14位)の規模を持ちます。

生産性指標では付加価値率34.3%(県内27位・下位3番目)でありながら1人あたり付加価値額1,281万円/人(県内9位)が県平均加重1,188万円/人を+93万円上回る組合せです。事業所あたり従業者45.7人は県内で「1事業所あたりの規模が大きい側」の水準で、少数の大規模事業所を中心とする装置産業型に該当する構造となっています。

2022年の製造業指標を規模と効率の両面で整理します。

指標数値県内順位
製造品出荷額(2022年)約1,468.9億円10位
付加価値額(2022年)約503.3億円14位
付加価値率34.3%27位(下位3番目)
製造業事業所数86か所17位
製造業従業者数3,928人14位
1人あたり出荷額約3,740万円/人
1人あたり付加価値額1,281万円/人9位
加重平均差+93万円
事業所あたり従業者45.7人/事業所

※出典:経済産業省(経済構造実態調査 令和4年)※従業者4人以上の事業所が対象

→ 出荷額10位・事業所数17位・従業者数14位の規模指標に対し、付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位で18ランクの乖離が観察できます。

付加価値率が糸魚川市に近い水準の市町村と、1人あたり付加価値額の対応を整理します。

市町村付加価値率順位
田上町35.8%26位
糸魚川市34.3%27位
加茂市33.9%28位
見附市28.2%29位

※出典:経済産業省(経済構造実態調査 令和4年)

→ 付加価値率が近い加茂市・見附市・田上町と比較しても、糸魚川市は1人あたり付加価値額の順位(県内9位)が明確に高い位置にあります。

糸魚川市の付加価値率34.3%(県内27位)×1人あたり付加価値額1,281万円/人(県内9位)という組合せは、「出荷額のうち付加価値の割合は低いが、従業者1人あたりの付加価値額は高い」という構造を示します。これは出荷額規模が大きい×従業者1人あたりの機械化・装置化が進んでいるタイプの可能性を示す組合せです。

事業所あたり従業者45.7人/事業所は、県内の上位10市町村(例:上越市42.9人・新発田市41.8人)と比較して同水準ないし上回る規模で、小規模事業所が主体ではなく、少数の大規模事業所を中心とする装置産業型に該当する構造となっています。

1人あたり付加価値額1,281万円/人は県内9位で、県平均加重1,188万円/人を+93万円上回ります。県内で1人あたり付加価値額の上位に並ぶのは高付加価値製造業型3市町村(妙高市・胎内市・上越市)や大規模装置産業を持つ市町村が中心で、糸魚川市もこの中位上の水準に位置します。

糸魚川市の製造業は、付加価値率が県内下位(27位)でありながら1人あたり付加価値額は県内上位(9位)という「一見矛盾する組合せ」の構造を持ち、少数の大規模事業所を中心とする装置産業型に該当する構造と観察できます。

1人あたり付加価値額1,281万円/人は製造業事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性指標であり、個別事業所の給与や賃金水準そのものではありません。県平均加重を+93万円上回る中位上の水準ですが、上越地域内の高付加価値製造業型2市町村(上越市・妙高市)と比較すると1人あたり付加価値額の水準は下回ります。

▼【グラフ:itoigawa_県内ランキング.png 新潟県内 1人あたり付加価値額ランキング(糸魚川市を強調)】

漁業県内2位・鉱業県内6位(海岸線と山間部を反映した一次資源業種)

糸魚川市の第1次産業就業者比率は5.1%(県内21位)と中位以下の水準ですが、業種横断ランキング上では漁業と鉱業の順位が明確に上位に位置します。総就業者順位(15位)を上回る業種を整理します。

業種糸魚川市の就業者数県内順位
漁業208人県内2位
鉱業55人県内6位
電気ガス165人県内8位
建設業2,806人県内10位
製造業4,244人県内13位
医療・福祉2,603人県内13位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 漁業208人が県内2位(佐渡市477人に次ぐ)・鉱業55人が県内6位で、海岸線と山間部を持つ地形に対応した一次資源業種の順位が総就業者順位(15位)を大きく上回る位置にあります。

漁業就業者208人は佐渡市(477人)に次ぐ県内2位の水準で、糸魚川市の日本海に面する海岸線の地理的特徴が業種横断ランキング上で反映されている構造です。糸魚川市には能生漁港・糸魚川港等の複数の漁港が位置し、県内で漁業就業者の絶対数が2桁後半以上に達する市町村は限られる中で糸魚川市は上位に位置します。

鉱業就業者55人は県内6位で、絶対数は総就業者19,998人に対して0.3%と小さいものの、県内順位では中位に入ります。糸魚川市域は山間部を含み、糸魚川ジオパーク(日本海沿岸から山間部にかけての地質資源)を持つ地域構造となっています。

両業種とも比率としては小さい(漁業1.0%・鉱業0.3%)ものの、業種横断ランキング上で総就業者順位(15位)を大きく上回る位置にある点は、糸魚川市の第1次産業構成の中で「農業は下位・漁業と鉱業は上位」という海岸山間部型の構成を示す観察と位置づけられます。

農業の規模と特徴(産出額23位×経営体17位×耕地21位×1戸あたり27位×1haあたり21位の下位グループ)

糸魚川市の農業は産出額約18.4億円(県内23位)・経営体881戸(17位)・耕地約1,435ha(21位)と規模下位で、1戸あたり209万円(27位)・1haあたり128万円(21位)と単位あたり指標も県内下位です。

農業の規模と効率を整理します。

指標数値県内順位
農業産出額(2022年推計)約18.4億円23位
農業経営体数(2020年)881戸17位
経営耕地面積(2020年)約1,435.31ha21位
農家1戸あたり産出額209万円/戸27位
農地1haあたり産出額128万円/ha21位

※出典:農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年・農林業センサス 令和2年)

→ 産出額23位・耕地21位・1戸あたり27位・1haあたり21位のいずれも県内下位グループで、経営体数(17位)に対して単位あたり産出額の順位が下位となる構造です。

「経営体数中位×産出額・単位あたり指標下位」の構造

糸魚川市の農業経営体数881戸は県内17位で、規模順位としては下位ではありません。一方、農業産出額約18.4億円は県内23位、農家1戸あたり産出額209万円/戸は県内27位、農地1haあたり産出額128万円/haは県内21位で、いずれも下位グループに位置します。経営体数の順位(17位)に対して産出額(23位)と単位あたり指標(27位・21位)が下位に位置する構造で、経営体数の割に産出額が伸びていない構成となっています。

糸魚川市は日本海に面する海岸線と、市域内陸部に山間地形を含む地形で、平野部を中心とする大規模水田経営や高収益作物の展開に地形的な制約があるとみられる面はありますが、根拠となる作目データはマスターDBには含まれないため断定はできません。

製造業集積型の中の農業の位置

糸魚川市は産業タイプ「製造業集積型」で第1次産業就業者比率5.1%(県内21位)と中位以下です。農業産出額約18.4億円(県内23位)の水準は、県内の農業産出額上位群(新潟市約534.8億円・新発田市約235.5億円・村上市約208.6億円等)と比較すると規模が小さく、糸魚川市の産業構造の中では農業は主役ではなく、製造業・建設業・医療福祉等の非農業業種が中心となる構成です。

糸魚川市の主要農産品(コメ品種・野菜・果樹等)の詳細は本記事の範囲外です。糸魚川市公式サイト・JAひすい・農林水産省の関連資料を参照してください。

節末統合まとめ(製造業+一次資源業種+農業の統合構造)

糸魚川市の第2次〜第1次産業を統合して整理すると、以下の3層構造が観察できます。

  • 製造業:付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位(18ランク乖離)・事業所あたり従業者45.7人の装置産業型該当構造
  • 一次資源業種:漁業県内2位(208人)・鉱業県内6位(55人)という海岸線・山間部の地形に対応した業種順位
  • 農業:産出額23位・経営体17位・単位あたり指標も下位グループ

この3層は、日本海に面する海岸線(漁業)と山間部(鉱業)を持ちながら平野部の大規模水田経営には制約がある(農業下位)という地形的条件、そして大規模装置産業を中心とする製造業の存在が組み合わさった糸魚川市固有の複合構成として位置づけられます。上越地域内で唯一の「製造業集積型」という産業タイプ分類の背景には、この海岸山間部型の産業構成があると読み取れます。


⑥ 上越地域の中の糸魚川市(規模2位×製造業集積型×上越地域内で唯一の型)

糸魚川市は上越地域3市中で総就業者規模2位に位置し、上越地域内で唯一の「製造業集積型」の市です

糸魚川市は上越地域の西端・日本海に面する海岸山間部の市域に位置します。本章では、上越地域3市の中での糸魚川市の位置と、産業タイプ分類の中での糸魚川市の位置の2つの視点で糸魚川市の広域構造を整理します。

上越地域3市の中での糸魚川市の位置

上越地域(上越市・糸魚川市・妙高市)の総就業者と1人あたり付加価値額を整理します。

上越地域内順位市町村産業タイプ総就業者数1人あたり付加価値額
1上越市高付加価値製造業型94,235人1,798万円/人
2糸魚川市製造業集積型19,998人1,281万円/人
3妙高市高付加価値製造業型14,978人2,000万円/人超

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)・経済産業省(経済構造実態調査 令和4年)

→ 上越地域3市中で規模2位・産業タイプでは上越地域内で唯一「製造業集積型」に分類される市です。

糸魚川市の総就業者19,998人は上越地域3市中で2位・上越市(94,235人)の約21%・妙高市(14,978人)の約1.3倍の規模です。

1人あたり付加価値額1,281万円/人は、上越市(1,798万円/人)や妙高市(2,000万円/人超)と比較して低い水準ですが、県平均加重(1,188万円/人)を+93万円上回る位置にあります。上越地域は県内で高付加価値製造業型が2市町村集中する地域ですが、糸魚川市はその中で「製造業集積型」として異なる型に位置します。

製造業集積型グループの中の糸魚川市の位置

産業タイプ「製造業集積型」に分類される18市町村の中で、糸魚川市は総就業者19,998人・製造品出荷額約1,468.9億円・1人あたり付加価値額1,281万円/人という水準を持ちます。同グループ内では県内の中規模製造業市町村群(新発田・村上・十日町・南魚沼・胎内以外の中位帯)に位置します。付加価値率34.3%(県内27位)は同グループ内で低い側に位置しますが、1人あたり付加価値額(1,281万円/人・県内9位)では中位上の水準を保つ組合せ構造となっています。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

糸魚川市は上越地域3市中で総就業者規模2位に位置し、上越地域内で唯一の「製造業集積型」の市です。1人あたり付加価値額1,281万円/人は県内9位で県平均加重を+93万円上回る中位上の水準ですが、上越地域内の高付加価値製造業型2市町村(上越市1,798万円・妙高市2,000万円超)と比較すると水準は下回ります。

主要業種2位が建設業(14.0%・県内絶対値順位10位)、業種横断ランキングで漁業県内2位・鉱業県内6位という一次資源業種の順位を持つ点も、海岸線と山間部を含む地形に対応した業種構成となっています。糸魚川市を「上越地域内で規模2位×型では唯一の製造業集積型」「装置産業型に該当する構造×主要業種2位が建設業」の両面から捉えることが、上越地域内および製造業集積型市町村群の中での構造的な差異を理解するうえで妥当な視点です。


⑦ 移住検討者・就職転職・在住地域研究への読み方

本章は「糸魚川市 産業構造」「糸魚川市 製造業」「糸魚川市 雇用」等の検索意図に対する、産業構造データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。

視点1:就職・転職検討者向け(製造業集積型×装置産業該当構造×建設業就業者県内10位)

糸魚川市は総就業者19,998人(県内15位・上越地域2位)・製造業就業者4,244人(21.2%・県内絶対値順位13位)・建設業就業者2,806人(14.0%・県内絶対値順位10位)・医療福祉就業者2,603人(13.0%・県内絶対値順位13位)の労働市場を持ちます。

読み取り材料データ根拠
労働市場の規模総就業者19,998人(県内15位・上越地域2位)
製造業の就業機会製造業就業者4,244人(21.2%・県内13位)・事業所ベース従業者3,928人(県内14位)・事業所86か所(県内17位)・事業所あたり45.7人
製造業の生産性水準付加価値率34.3%(県内27位・下位3番目)・1人あたり付加価値額1,281万円/人(県内9位)・県平均加重を+93万円上回る中位上帯
建設業の就業機会建設業就業者2,806人(14.0%・県内10位)・主要業種2位・県内で少数派の業種構成
医療・福祉の就業機会医療福祉2,603人(13.0%・県内13位)・10年で+254人と主要業種の中で唯一の増加業種

糸魚川市の1人あたり付加価値額1,281万円/人は製造業事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性指標で、個別事業所の給与そのものではありません。県平均加重を+93万円上回る中位上の水準ですが、上越地域内の高付加価値製造業型2市町村(上越市1,798万円・妙高市2,000万円超)と比較すると水準は下回ります。

事業所あたり従業者45.7人という規模から少数の大規模事業所を中心とする装置産業該当構造として観察でき、就職・転職検討者にとっては「県内中位帯の製造業就業機会と、主要業種2位の建設業労働市場」という判断材料になります。

視点2:新潟在住者・地域研究者向け(上越地域規模2位×型では唯一×漁業県内2位・鉱業県内6位)

糸魚川市は上越地域の西端・日本海に面する海岸山間部の市域で、上越地域3市中で規模2位・産業タイプでは上越地域内で唯一の「製造業集積型」の位置を持ちます。

読み取り材料データ根拠
上越地域内の位置上越地域3市中で規模2位(19,998人)・上越市の約21%・妙高市の約1.3倍
産業タイプの位置上越地域内で唯一の「製造業集積型」(上越市・妙高市はいずれも高付加価値製造業型)
業種構造の特徴主要業種2位が建設業(14.0%・県内絶対値順位10位)・業種横断で漁業県内2位(208人)・鉱業県内6位(55人)
製造業の位置事業所数86か所(県内17位)・従業者数3,928人(県内14位)・出荷額約1,468.9億円(県内10位)・付加価値率34.3%(県内27位)×1人あたり付加価値額1,281万円/人(県内9位)
10年変化総就業者△13.6%(減少幅県内4位)・第2次比率△2.1pt・第3次比率+3.1pt

新潟在住者や地域研究者にとって、糸魚川市は「上越地域内で規模2位×型では唯一の製造業集積型」として位置づけられます。業種横断ランキング上の漁業県内2位・鉱業県内6位は、海岸線と山間部を含む地形に対応した一次資源業種の順位で、他市町村では見られない業種構成の特徴となっています。

10年変化では総就業者数の減少幅が県内で大きい方から4番目に位置しますが、産業タイプ「製造業集積型」の分類は10年間維持されています。

視点3:意外な観察(付加価値率27位×1人あたり付加価値額9位×漁業県内2位の3つの数値パターン)

糸魚川市の産業構造データから読み取れる「意外な観察」として3つの数値パターンを整理します。

読み取り材料データ根拠
付加価値率下位×1人あたり付加価値額上位の順位乖離付加価値率34.3%(県内27位・下位3番目)に対して、1人あたり付加価値額1,281万円/人(県内9位)と18ランクの上振れがあり、県平均加重を+93万円上回る
主要業種2位が建設業(県内絶対値順位10位)の少数派構成県内で製造業を主要業種1位とする25市町村の多くが2位に卸小売・医療福祉を置く中、糸魚川市は建設業が2位・業種横断で県内10位(総就業者順位15位を5ランク上回る)
漁業県内2位(208人)×鉱業県内6位(55人)の一次資源業種の上振れ業種横断ランキング上で漁業が佐渡市(477人)に次ぐ県内2位・鉱業が県内6位で、日本海に面する海岸線と山間部を含む地形に対応した一次資源業種の順位

これら3つの数値パターンは、糸魚川市の産業構造データから機械的に読み取れる観察事実で、他の市町村では見られない糸魚川市固有の構造として位置づけられます。個別の成立背景や因果関係は本記事の範囲外です。

⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、移住・就業・研究の意思決定を代替するものではありません。


⑧ データの見方・注意点

産業タイプ分類は目安です

本記事の「産業タイプ」(製造業集積型・高付加価値製造業型・農業型・複合型・都市サービス型等)は、産業別就業者比率と製造業指標を組み合わせた分類です。同一タイプでも市町村ごとに主要業種・規模・変化パターンは異なるため、タイプラベルだけで判断せず、本文の各指標を合わせて確認してください。

就業者比率と生産性は別指標です

第1/2/3次産業の就業者比率は「誰がどこで働いているか」を示す指標です。1人あたり付加価値額(製造業事業所ベース)は「製造業の労働生産性の目安」を示す別の指標であり、就業者比率が高いほど生産性が高いとは限りません。

製造業指標は事業所ベースです

⑤で提示する製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額は、経済産業省「工業統計調査」の事業所ベース集計です。市町村内に本社を置く企業ではなく、事業所(工場・作業所等)が市町村内にあることが集計基準となります。県外本社の事業所も含まれる場合があります。

農業産出額は推計値です

⑤で提示する農業産出額は農林水産省「市町村別農業産出額(推計)」による推計値です。市町村単位の農業産出額は農林水産省が農業経営体調査・作物統計等から推計しており、実額とは差が生じる場合があります。

農業産出額と農家収入は別です

農業産出額は市町村内で生産された農産物の推定額(生産額ベース)で、農家の手取り収入とは異なります。生産コスト・流通経費・農業経営体の規模差により、産出額と農家収入の関係は市町村ごとに異なります。

主要業種比率の分母は総就業者数です

②〜④で提示する主要業種の比率は、国勢調査「産業(大分類)別就業者数」を分母として計算しています。分母は当該市町村に居住する15歳以上就業者(従業地ではなく居住地ベース)です。市町村外へ通勤する就業者も含まれます。

10年変化は国勢調査5年ごとの比較です

③で提示する2010年→2015年→2020年の10年変化は、国勢調査(5年ごと実施)の3時点比較です。年次データではないため、単年度のショック(特定事業所の開設・閉鎖等)の影響が5年間の中で吸収されている場合があります。

産業タイプは順位ではありません

産業タイプの分類(製造業集積型等)は市町村の産業構造の特徴を示す分類であり、優劣を示すものではありません。「複合型」が「農業型」より優れているという意味ではなく、産業の集中度や分散度の違いを示す指標です。


まとめ

糸魚川市の産業構造の特徴(データから読み取れる範囲)

  • 産業タイプは製造業集積型。総就業者数19,998人は県内15位上越地域3市中で規模2位、第1次産業比率5.1%は県内21位、第2次産業比率35.5%は県内6位、第3次産業比率59.1%は県内16位の構成
  • 上越地域内で唯一の「製造業集積型」(上越市・妙高市はいずれも高付加価値製造業型)
  • 製造業は付加価値率34.3%(県内27位・下位3番目)×1人あたり付加価値額1,281万円/人(県内9位・県平均加重+93万円)×事業所あたり従業者45.7人の装置産業型に該当する組合せ構造
  • 主要業種は製造業4,244人(21.2%)建設業2,806人(14.0%・県内絶対値順位10位)・医療福祉2,603人(13.0%)・卸小売2,559人(12.8%)の分散構造で、主要業種2位が建設業は県内で少数派の業種構成
  • 業種横断で漁業県内2位(208人)・鉱業県内6位(55人)という海岸線・山間部の一次資源業種の順位
  • 農業指標は農業産出額約18.4億円(県内23位)・経営体881戸(17位)・耕地約1,435ha(21位)・1戸あたり209万円(27位)・1haあたり128万円(21位)の下位グループ

10年間の産業構造変化

2010年から2020年にかけて総就業者は△13.6%(△3,135人)減少し、この減少幅は県内で大きい方から4番目に位置します。産業構造の比率変化では第2次産業比率△2.1pt(下がり幅順位25)第3次産業比率+3.1pt(上がり幅順位6)と、就業者総数の減少と業種構成変化が同時進行しました。業種別絶対減の内訳では建設業△968人製造業△569人と建設業の減少幅が製造業を上回り、第3次側では医療・福祉+254人と主要業種の中で唯一の増加業種と読み取れます。産業タイプ「製造業集積型」の分類は10年間で維持されました。

派生指標で見える意外な観察

  • 付加価値率27位(下位3番目)×1人あたり付加価値額9位の18ランク乖離:出荷額のうち付加価値の割合は県内下位ですが、従業者1人あたりの付加価値額は県内上位で、県平均加重を+93万円上回る中位上帯の水準
  • 事業所あたり従業者45.7人×少数大規模事業所構造:県内の上位10市町村と同水準ないし上回る規模で、小規模事業所主体ではなく少数の大規模事業所を中心とする装置産業型に該当する構造として観察できる
  • 主要業種2位が建設業(14.0%・県内絶対値順位10位):県内で製造業1位の25市町村の多くが2位に卸小売・医療福祉を置く中、糸魚川市は建設業2位・業種横断で県内10位という県内で少数派の業種構成
  • 漁業県内2位(208人)×鉱業県内6位(55人):業種横断ランキング上で総就業者順位(15位)を大きく上回る位置にある一次資源業種の順位で、日本海に面する海岸線と山間部を含む地形に対応した業種構成
  • 上越地域規模2位×上越地域内で唯一の製造業集積型:上越市・妙高市がいずれも高付加価値製造業型に分類される上越地域内で、糸魚川市は規模2位ながら異なる型に位置する構造

この記事の執筆・データについて

執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和2年(2020年)国勢調査/令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額(推計)/令和2年(2020年)農林業センサス/令和3年(2021年)経済センサス-活動調査
更新日: 2026-08-28
運営者情報: https://niigata-data.com/運営者情報/
データの利用について: https://niigata-data.com/privacy-policy/

本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・事業判断助言ではありません。移住・就業・起業・出店等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。


出典

  • 産業別就業者数(第1〜3次産業・主要業種):
    総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)
  • 製造品出荷額・製造業従業者数・付加価値額:
    経済産業省(工業統計調査 令和4年)
  • 農業産出額:
    農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)
  • 農家数・農地面積:
    農林水産省(農林業センサス 令和2年)
  • 事業所数・従業者数:
    総務省・経済産業省(経済センサス-活動調査 令和3年)

派生値の算出方法:

本記事で使用する「県平均・県合計・倍率」等の派生値は、新潟県30市町村の集計値から算出しました。

  • 県平均:30市町村の該当指標の単純平均
  • 県合計:30市町村の該当指標の合計値
  • 県内順位:30市町村を該当指標の降順(または昇順)でソートした順位
  • 1人あたり付加価値額:付加価値額 ÷ 製造業従業者数(工業統計調査の事業所ベース)
  • 主要業種比率:業種別就業者数 ÷ 総就業者数(国勢調査)

データ基準日:令和2年(2020年)国勢調査・令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額
次回更新推奨:令和7年(2025年)国勢調査データ公表後、令和6年(2024年)工業統計調査データ公表後

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