五泉市の1人当たり所得は県内25位(261.3万円)|10年変化率+14.3%は県内8位・下越製造業集積型9市町村中で最も均衡なバランス型成長(R5年度)

市町村

五泉市(新潟県下越地域・下越製造業集積型9市町村の一つ・所得割納税義務者21,494人)の1人当たり課税対象所得(R5年度)は 261.3万円 で、新潟県30市町村中 25位、下越13市町村中では 10位 です。
10年で +14.3%(+32.6万円) 変化し、変化率の順位は県内 8位(同率グループは五泉市単独)、下越製造業集積型9市町村中では 4位 で、1人当たり所得順位25位から 17ランク上 の乖離が観察されます。前半5年(H25→H30)+6.68%(下越製造業集積型9市町村中2位)・後半5年(H30→R5)+7.11%で 前半後半差は+0.43ポイント、下越製造業集積型9市町村中で 最も均衡した 成長パターンです。
主要業種1位は製造業(就業者比率24.4%・5,878人)で、給与所得者比率 83.1%(県内7位・五泉市単独)・実効税率 3.1%(県内15位・11市町村同率)・農業所得者比率 1.0%(県内7位・五泉市単独)。推計手取り 313.1万円(県内25位)は10年で +20.7万円(+7.1%)、手取り変化率は県内 9位 で、手取り転換率 73.1% は下越製造業集積型9市町村中 3位 です。

この記事は、総務省「市町村税課税状況等の調べ」ほかの公的統計をもとに、五泉市の所得水準・10年変化・所得順位下位帯における変化率上位帯という「17ランク乖離」の構造・前半後半差最小の均衡型成長・下越5市町4.3万円圏内密集帯における位置・移住検討者と地域研究者への読み方までを、記事単体で判断材料が読み取れる構造で整理したものです。


この記事でわかること

  • R5年度の1人当たり課税対象所得は 261.3万円(県内 25位/30市町村中・下越圏 10位/13市町村中)・県平均差-15.8万円・県中央値差-12.1万円
  • H25→R5の10年変化は +14.3%(+32.6万円) で、変化率順位は県内 8位(五泉市単独同率グループ)・下越製造業集積型9市町村中 4位
  • 前半5年(H25→H30)+6.68%は下越製造業集積型9市町村中 2位(聖籠町に次ぐ)、後半5年(H30→R5)+7.11%で 前半後半差+0.43ポイント は同型9市町村中 最小(最均衡)
  • 所得順位25位・変化率順位8位の 17ランク乖離、および所得順位25位・課税対象所得総額11位・納税義務者数11位の 14ランク乖離 が観察される
  • 所得割納税義務者 21,494人(県内シェア2.1%・県内11位)のうち 83.1%が給与所得者(県内7位・単独)、農業所得者は 1.0%(県内7位・単独)
  • 1人当たり住民税(所得割)は約 8.1万円・実効税率 3.1%(県内15位・11市町村同率)
  • 推計手取りはH25の292.4万円からR5の 313.1万円+20.7万円(+7.1%)・変化率順位は県内 9位・手取り転換率 73.1% は下越製造業集積型9市町村中 3位
  • 主要業種は製造業24.4%・卸売業/小売業13.4%・医療/福祉12.8%の構造で、産業タイプは 製造業集積型(第2次産業比率36.2%が同型内上位帯)

① 五泉市の1人当たり所得(261.3万円・県内25位・下越5市町4.3万円圏内密集帯の真ん中)

五泉市の1人当たり所得は 261.3万円(県内25位・下越13市町村中10位)で、県平均277.1万円を 15.8万円 下回り、県中央値273.3万円を 12.1万円 下回ります。10年変化率 +14.3%(県内8位・五泉市単独)は上位帯で、前半5年+6.68%(下越製造業集積型9市町村中2位)から後半5年+7.11%へほぼ同水準で推移した均衡型成長のパターンを示します。

五泉市の住民所得の全体像を数値で確認します。

指標数値県内順位(30市町村中)
1人当たり課税対象所得261.3万円25位
所得割納税義務者数21,494人11位
課税対象所得(総額)約561.6億円11位

※出典:総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年)

261.3万円(県内25位・下越圏10位)で県平均を 15.8万円 下回り、10年変化率 +14.3%(県内8位・五泉市単独同率グループ)は上位帯で、前半5年 +6.68%(下越製造業集積型9市町村中2位)→後半5年 +7.11% への均衡型成長パターンを示します。

1人当たり所得は県内25位で、下越13市町村内では10位に位置します。所得割納税義務者数・課税対象所得総額はいずれも県内11位で、規模指標(納税義務者数・総額)と1人当たり指標(25位)の間には 14ランクの乖離 があります。県平均(277.1万円)を -15.8万円 下回り、県中央値(273.3万円)を -12.1万円 下回ります。所得割納税義務者数の県内シェアは 2.1%、課税対象所得総額のシェアは 1.84% で、両シェアはほぼ同水準です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

五泉市は「規模は県内上位帯(総額・納税義務者数とも県内11位)だが、1人当たりでは下位帯(県内25位)」という指標間の乖離が観察される市です。1人当たり所得261.3万円は、県内1位新潟市(319.5万円)との差 -58.2万円、県内30位津南町(256.7万円)との差 +4.6万円 で、県内下位帯に位置しつつ、県内30位との差はわずか4.6万円という水準です。特に下越13市町村内では、阿賀野市23位・田上町24位・五泉市25位・村上市26位・加茂市27位の5市町が 260.8〜265.1万円の4.3万円圏内 に密集しており、五泉市はその密集帯のちょうど真ん中に位置します。


▼【グラフ:gosen_県内ランキング.png 新潟県30市町村 1人当たり課税対象所得ランキング(R5年度・五泉市を強調)】


② 県内順位と下越圏内での位置づけ(下越10位・下越5市町密集帯の中央)

五泉市の県内順位は25位で、上位10位の外側です。上位10位と五泉市の位置関係を確認します。

この表で分かることは、R5年度の県内上位10位と五泉市(25位)の変化率順位を並記し、上位帯と五泉市の位置関係が把握できるという点です。

順位市町村1人当たり所得10年変化率変化率順位地域
1位新潟市319.5万円+11.3%20位下越
2位上越市305.4万円+11.5%17位(同率)上越
3位長岡市302.5万円+11.5%17位(同率)中越
4位燕市300.8万円+15.6%4位下越
5位三条市297.9万円+13.9%9位中越
6位柏崎市292.8万円+8.8%26位中越
7位刈羽村292.5万円+7.2%29位中越
8位糸魚川市286.6万円+15.0%6位上越
9位妙高市284.3万円+11.7%15位上越
10位新発田市283.9万円+11.7%15位(同率)下越
25位五泉市261.3万円+14.3%8位下越
  • 県平均:277.1万円(五泉市 -15.8万円)
  • 県中央値:273.3万円(五泉市 -12.1万円)
  • 県30位・津南町:256.7万円(五泉市との差 +4.6万円)

→ 五泉市は上位10位圏外の県内25位ですが、変化率順位では 県内8位(五泉市単独同率グループ)で、上位10市町村のうち 新潟市20位・上越市17位・長岡市17位・柏崎市26位・刈羽村29位・妙高市15位・新発田市15位・三条市9位 より変化率順位が上位に位置します。上位10位のうち変化率で五泉市より上位に立つのは、燕市(4位)・糸魚川市(6位)の2市のみです。

下越圏13市町村内での位置づけ

五泉市は下越13市町村(新潟市・燕市・新発田市・聖籠町・胎内市・弥彦村・関川村・阿賀野市・田上町・五泉市・村上市・加茂市・阿賀町)の中で、1人当たり所得順位は 10位、変化率順位は 5位 に位置します。所得順位では下位帯ですが、変化率順位では上位帯に位置し、順位差は 5ランクの逆乖離(変化率順位のほうが5ランク上)が観察されます。

下越13市町村内で新潟市(1人当たり所得1位・変化率20位)より変化率順位が上に位置する市町村は、聖籠町(変化率1位)・燕市(2位)・阿賀町(3位)・関川村(4位)・五泉市(5位)・阿賀野市(6位)・胎内市(7位)・新発田市(8位)の8市町で、五泉市はその中位に位置します。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

五泉市の1人当たり所得順位25位・変化率順位8位という「所得下位帯×変化率上位帯」の位置は、下越製造業集積型9市町村(燕市・弥彦村・聖籠町・阿賀野市・田上町・五泉市・村上市・加茂市・阿賀町)の内訳を確認すると、五泉市は所得順位で同型内6位、変化率順位で同型内4位です。所得順位と変化率順位の差 17ランク は下越製造業集積型9市町村中で最大の乖離であり、五泉市固有の位置関係として観察できます。指標としての順位の意味づけを大きくとらず、県平均差-15.8万円・下位帯という数値の水準をそのまま読むことが妥当な扱いです。


③ 10年間の推移と「所得下位×変化率上位」の17ランク乖離(前半+6.68→後半+7.11の均衡型)

五泉市の10年変化率は +14.3%(県内8位・五泉市単独同率グループ)で、前半5年 +6.68%(+15.3万円・下越製造業集積型9市町村中2位)から後半5年 +7.11%(+17.3万円)へほぼ同水準で推移し、納税義務者数-4.35%(-978人)が減少する中で課税対象所得総額は前半+5.95%・後半+3.16%でどちらもプラス成長して10年 +9.3%(+47.7億円・県内13位)となり、前半後半差 +0.43ポイント は下越製造業集積型9市町村中で 最も均衡した 成長パターンです。

過去10年間(H25→H30→R5)の住民所得の変化を確認します。

この表で分かることは、H25→H30→R5の10年間で1人当たり所得と課税対象所得総額がどう変化したかを追える構造です。

年度1人当たり課税対象所得所得割納税義務者数課税対象所得(総額)
H25年度(2013年度)228.6万円22,472人約513.9億円
H30年度(2018年度)243.9万円22,318人約544.4億円
R5年度(2023年度)261.3万円21,494人約561.6億円
10年変化(H25→R5)+32.6万円(+14.3%)-978人(-4.35%)+47.7億円(+9.3%)

→ 1人当たり所得は前半5年 +6.68%(+15.3万円・下越製造業集積型9市町村中2位)から後半5年 +7.11%(+17.3万円)へほぼ同水準で推移し10年 +14.3%(県内8位・五泉市単独)、納税義務者数は10年 -4.35%(-978人)と減少し、課税対象所得総額は前半 +5.95% と後半 +3.16% でどちらもプラス成長して10年 +9.3%(+47.7億円・県内13位)となりました。

前半5年と後半5年の分割

  • 前半(H25→H30):1人当たり所得 +6.68%(+15.3万円)/課税対象所得総額 +5.95%(+30.5億円)/納税義務者数 -0.68%(-154人)
  • 後半(H30→R5):1人当たり所得 +7.11%(+17.3万円)/課税対象所得総額 +3.16%(+17.2億円)/納税義務者数 -3.69%(-824人)

1人当たり所得は前半+6.68%・後半+7.11%で、前半後半差は +0.43ポイント のみです。総額(課税対象所得)は前半+5.95%・後半+3.16%と後半のほうが減速していますが、納税義務者数の減少(前半-0.68%・後半-3.69%)が分母縮小として作用し、1人当たり所得では前半・後半でほぼ同水準の変化率が観察されます。

「所得下位×変化率上位」の17ランク乖離の観察

五泉市の1人当たり所得ランキングは県内25位、10年変化率ランキングは県内8位で、その差は 17ランク(変化率順位のほうが17ランク上位)です。この乖離は下越製造業集積型9市町村中で 最大 の順位差として観察されます。同型9市町村内の1人当たり所得順位と変化率順位の乖離を並べると次のとおりです。

市町村所得順位変化率順位順位差(変化率-所得)
燕市4位4位0(一致)
聖籠町13位1位12(変化率が上)
弥彦村16位21位-5(変化率が下)
阿賀野市23位12位11(変化率が上)
田上町24位25位-1(変化率が下)
五泉市25位8位17(変化率が上)
村上市26位22位4(変化率が下)
加茂市27位27位0(一致)
阿賀町29位5位24(変化率が上)

五泉市の17ランク上振れは、阿賀町の24ランクに次ぐ大きさで、下越製造業集積型9市町村の中で「所得下位帯×変化率上位帯」パターンの代表例の一つとして観察されます。ただし阿賀町は所得29位(同型9市町村中最下位)からの上振れで五泉市とは水準が異なり、五泉市の25位からの17ランク上振れは所得下位帯と変化率上位帯の組み合わせとして固有のパターンです。

「前半後半差+0.43ポイントは同型内最小」の均衡型成長

下越製造業集積型9市町村の前半5年変化率と後半5年変化率、および前半後半差(絶対値)を並べると次のとおりです。

市町村前半5年変化率後半5年変化率前半後半差(絶対値)
五泉市+6.68%+7.11%+0.43(最小・最均衡)
聖籠町+7.66%+9.11%+1.45
加茂市+3.04%+5.05%+2.01
燕市+6.29%+8.79%+2.50
弥彦村+4.15%+6.71%+2.56
村上市+3.33%+7.35%+4.02
阿賀野市+3.39%+8.20%+4.81
田上町+0.34%+8.76%+8.42
阿賀町+2.81%+12.06%+9.25

五泉市の前半後半差 +0.43ポイント は下越製造業集積型9市町村中で 最小 で、10年を通じて最も均衡した成長パターンとして観察されます。前半変化率+6.68%は同型内2位(聖籠町+7.66%に次ぐ)、後半変化率+7.11%は同型内7位で、両半期ともに+6〜7%台のペースを維持しました。田上町(前半+0.34→後半+8.76・差+8.42)・阿賀町(前半+2.81→後半+12.06・差+9.25)の「前半停滞→後半急伸」の後半集中パターンとは対照的な構造です。

課税対象所得総額と1人当たり所得の順位差

課税対象所得総額の10年変化率は+9.3%(県内13位)、1人当たり所得の10年変化率は+14.3%(県内8位)で、総額(13位)と1人当たり(8位)の順位差は 5ランク です。総額は中位帯、1人当たりは上位帯で、両者の乖離は納税義務者数-4.35%(-978人・下越製造業集積型9市町村中で減少幅は中位)が分母縮小として作用したことに数値上対応します。

推計手取り変化率順位9位も所得順位25位から16ランク上

推計手取り変化率順位は県内9位で、1人当たり所得順位25位から 16ランク上 の位置にあります。所得順位と変化率順位の同じ方向の乖離が、1人当たり所得と推計手取りの両方で観察される構造です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

「所得順位25位・変化率順位8位の17ランク乖離」「前半後半差+0.43ポイントの均衡型成長」「後半集中型市町村との対照」は、下越製造業集積型9市町村の中で五泉市固有の位置関係として観察されます。「所得下位帯にありながら10年で上位帯の速度で伸びた」パターンで、田上町(所得24位・変化率25位・順位差-1)・村上市(所得26位・変化率22位・順位差-4)といった近接順位の市町村とは異なる構造として読み取れます。ただしこれらの数値関係は観察であり、五泉市の産業構造や10年変化率の背景を因果として断定するものではありません。


▼【グラフ:gosen_所得推移.png 五泉市の1人当たり課税対象所得の推移(H25→H30→R5)】


④ 所得種類別の内訳(給与83.1%県内7位単独・農業1.0%県内7位単独)

給与所得者比率 83.1% は県内7位(五泉市単独同率グループ)・下越製造業集積型9市町村中5位の中位帯で、農業所得者比率 1.0% は県内7位(五泉市単独同率グループ)・同型内3位、その他所得者比率 12.7% は同型内5位という中位型の所得構成を持ちます。

所得割納税義務者の所得源泉の内訳を確認します。

この表で分かることは、五泉市の納税義務者21,494人が給与・営業等・農業・その他のどこに分布するかを把握できる構造です。

所得区分納税義務者数比率
給与所得者17,854人83.1%
営業等所得者692人3.2%
農業所得者210人1.0%
その他2,738人12.7%
合計21,494人100%

→ 給与所得者83.1%(17,854人・県内7位・五泉市単独)は下越製造業集積型9市町村中5位の中位帯で、その他所得者比率12.7%(2,738人)も同型内5位、農業所得者比率1.0%(210人・県内7位・単独)は下越製造業集積型9市町村中3位です。

給与所得者比率 83.1% は県内7位で、同率グループは五泉市単独です(数=1)。三条市83.2%・五泉市83.1%・刈羽村83.0%と、上位側と下位側の市町村に狭い間隔で挟まれた単独の順位です。上位10位の給与所得者比率と並べると、聖籠町87.9%(1位)・燕市84.9%(2位)・阿賀野市84.1%(3位)・五泉市83.1%(4位)・弥彦村82.9%(下位側)といった下越製造業集積型9市町村の中で、五泉市は同型内4位の位置です。

農業所得者比率 1.0% も県内7位で、同率グループは五泉市単独です。津南町3.0%(1位)・関川村1.6%(同率)・佐渡市1.6%(同率)・胎内市1.2%(同率)・阿賀野市1.2%(同率)・加茂市1.1%(6位)・五泉市1.0%(7位)・聖籠町/南魚沼市/魚沼市/田上町0.9%(下位側)と続きます。下越製造業集積型9市町村内で農業所得者比率を並べると、阿賀野市1.2%(1位)・加茂市1.1%(2位)・五泉市1.0%(3位)・村上市0.7%と続き、五泉市は同型内3位の位置です。

営業等所得者比率3.2%は県内15位、その他所得者比率12.7%は下越製造業集積型9市町村中5位です。同型9市町村のその他所得者比率を並べると、阿賀町16.4%・田上町15.8%・加茂市15.1%・村上市14.8%・五泉市12.7%・弥彦村12.5%・阿賀野市11.1%・燕市11.0%・聖籠町7.9%と分布し、五泉市は同型内5位の中位帯です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

五泉市の所得構成は下越製造業集積型9市町村内で「給与5位・農業3位・その他5位」と中位帯に位置します。給与所得者比率83.1%は同型内5位(中位帯)であり、県内トップの聖籠町87.9%や燕市84.9%と比べると勤め人比率のさらなる集中度はやや低い位置です。また農業所得者比率1.0%(同型内3位)は同型9市町村の中では相対的に農業所得者が多めですが、絶対値としては1.0%(210人)で、農業依存度は依然として低位です。田上町(給与9位・農業4位・その他2位)の「その他への傾斜」とは異なり、五泉市は「給与・農業・その他がいずれも同型内中位」というバランスした構成です。ただし所得構成の比率と実際の産業構造・生活基盤の関係は複雑で、比率のみから住民の暮らし方を単純に読み取ることはできません。


▼【グラフ:gosen_所得種類別.png 五泉市の所得種類別 所得割納税義務者数(R5年度)】


⑤ 推計手取りと住民税・実効税率(手取り転換率73.1%は下越製造業集積型9市町村中3位)

推計手取り 313.1万円 は県内25位で、10年 +20.7万円(+7.1%・県内9位・上位帯)・手取り転換率 73.1% は下越製造業集積型9市町村中 3位・実効税率 3.1% は県内15位(11市町村同率)です。

住民税(所得割)の推移

住民税(所得割)の実額は、総務省「市町村税課税状況等の調べ」第11表の所得割額を所得割納税義務者数で割って算出しました。

年度1人当たり住民税(所得割)実効税率(住民税÷課税対象所得)
H25年度(2013年度)約7.34万円(73,443円)3.2%
H30年度(2018年度)約7.86万円(78,621円)3.2%
R5年度(2023年度)約8.10万円(80,948円)3.1%
10年変化+0.75万円(+10.2%)-0.1ポイント

R5の実効税率3.1%は 11市町村同率(聖籠町・胎内市・弥彦村・見附市・十日町市・魚沼市・阿賀野市・田上町・五泉市・加茂市・佐渡市)で並んでいます。同率11市町村の中には下越製造業集積型9市町村のうち 6市町村(聖籠・弥彦・阿賀野・田上・五泉・加茂)が含まれ、五泉市はこの大同率グループの中に位置します。

1人当たり住民税80,948円(約8.1万円)は県内25位で、県平均差 -8,330円 です。1人当たり所得順位(25位)と1人当たり住民税順位(25位)は一致しています。実効税率は10年で3.2%→3.1%へ -0.1ポイント 変化しました。この期間には令和2年の税制改正で住民税の基礎控除が33万円から43万円に引き上げられており、実効税率の変化幅がこの改正時期と対応するタイミングで観察されます(改正が原因であるという断定はしません)。

推計手取りの推移

課税対象所得(給与所得)から給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、各年度の公式保険料率・税制を用いて手取りを試算しました。

項目H25(2013年度)H30(2018年度)R5(2023年度)10年変化
課税対象所得(給与所得)228.6万円243.9万円261.3万円+32.6万円
推定給与収入(※1)約353.3万円約372.4万円約381.6万円+28.3万円
ー 社会保険料(※2)50.2万円53.8万円56.3万円+6.1万円
ー 所得税(※3)3.3万円3.9万円4.1万円+0.8万円
ー 住民税(実額)7.34万円7.86万円8.10万円+0.75万円
推計手取り約292.4万円約306.8万円約313.1万円+20.7万円(+7.1%)

→ 推計手取りは 313.1万円(県内25位)で、10年 +20.7万円(+7.1%・県内9位・上位帯) 増加し、実効税率 3.1% は県内15位(11市町村同率)、手取り転換率 73.1% は給与収入増加分の73.1%が手取りに転換した水準で下越製造業集積型9市町村中 3位(田上町68.2%を4.9ポイント上回る)です。

推計手取り変化率+7.1%は県内9位で、1人当たり所得順位25位から 16ランク上 の位置です。所得順位と手取り変化率順位の乖離が観察される構造で、下越製造業集積型9市町村の中では推計手取り変化率順位でも上位帯です。

推定給与収入(額面)の10年増加 +28.3万円 のうち、税・社会保険料の増加を差し引いた後に手取りとして残る割合は約 73.1%(手取り転換率)です。残り約26.9%は社会保険料の増加(+6.1万円)・所得税増(+0.8万円)・住民税実額増(+0.75万円)に吸収されました。

下越製造業集積型9市町村の手取り転換率

下越製造業集積型9市町村の手取り転換率を並べると次のとおりです。

市町村手取り転換率給与収入10年増減手取り10年増減
聖籠町74.7%(略)(略)
燕市74.2%+38.3万円+28.4万円
五泉市73.1%+28.3万円+20.7万円
阿賀町73.0%(略)(略)
弥彦村71.3%(略)(略)
阿賀野市70.8%(略)(略)
村上市70.4%(略)(略)
田上町68.2%+14.8万円+10.1万円
加茂市65.3%(略)(略)

五泉市の手取り転換率73.1%は下越製造業集積型9市町村中 3位 で、田上町68.2%・加茂市65.3%を上回ります。田上町68.2%との差 4.9ポイント は、同水準の所得順位(田上24位・五泉25位)でありながら手取り効率が異なる構造として観察できます。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

五泉市の推計手取りは県内25位(313.1万円)ですが、10年変化率+7.1%は県内9位(上位帯)で、所得順位25位から16ランク上の位置です。給与収入+28.3万円のうち73.1%が手取りに転換したという数値関係は、社保・税負担が同型内の他市町村より抑えられた結果として観察できます。実効税率-0.1ポイントの低下(住民税の基礎控除引き上げの時期と対応)と社保増加+6.1万円の吸収バランスが、田上町(手取り転換率68.2%)・加茂市(65.3%)より効率的な手取り増加につながった数値関係です。ただし推計手取りは想定料率と控除モデルに基づく試算であり、実際の家族構成・扶養・iDeCo等の個別事情で大きく変動します。

※1 給与収入は課税対象所得(給与所得)から各年度の給与所得控除(所得税法の計算式)で逆算した推定値です。
※2 社会保険料は厚生年金(公式保険料率)・健康保険(協会けんぽ新潟県の概算率)・雇用保険(公式料率)を使用。保険料率はH25:厚生年金8.737%・健保4.985%・雇保0.5%、H30:厚生年金9.15%・健保5.0%・雇保0.3%、R5:厚生年金9.15%・健保5.0%・雇保0.6%で試算。
※3 所得税は「給与所得 − 基礎控除(H25・H30: 38万、R5: 48万)− 社会保険料控除 − 配偶者控除 − 扶養控除1人」を課税標準として試算。実際の控除状況・家族構成によって大きく異なります。


⑥ 五泉市の主力産業(製造業集積型・主要業種1位製造業24.4%)

産業タイプは 製造業集積型 で、主要業種1位は製造業24.4%(5,878人・下越製造業集積型9市町村中で製造業就業者数2位・比率5位)、第2次産業比率36.2%(製造業集積型内で上位帯)と第3次産業比率54.1%(県内26位)が並立する構造です。

五泉市は産業構造マスター(総務省 国勢調査 令和2年)で 製造業集積型 に分類されています。産業別就業者比率(2020年)は第1次産業8.5%・第2次産業36.2%・第3次産業54.1%です。総就業者数は 24,053人 で、10年変化率は -9.2%(H22→R2)です。主要業種1位は製造業(24.4%・5,878人)、2位は卸売業・小売業(13.4%・3,220人)、3位は医療・福祉(12.8%・3,086人)で、上位3業種で就業者の50.6%を占めます。第3次産業比率54.1%は県内26位(下位帯)、第2次産業比率36.2%は製造業集積型内で上位帯という対応構造です。

この表で分かることは、産業タイプと就業者上位3業種を1枚で確認できる構造です。

指標五泉市の値位置づけ
産業タイプ製造業集積型下越製造業集積型9市町村の一つ
総就業者数24,053人10年変化率-9.2%
第1次産業比率8.5%
第2次産業比率36.2%製造業集積型内で上位帯
第3次産業比率54.1%県内26位(下位帯)
主要業種1位製造業24.4%(5,878人)
主要業種2位卸売業・小売業13.4%(3,220人)
主要業種3位医療・福祉12.8%(3,086人)

→ 産業タイプ「製造業集積型」で主要業種1位は製造業 24.4%(5,878人・下越製造業集積型9市町村中で製造業就業者数2位・比率5位)、2位卸売業・小売業13.4%・3位医療・福祉12.8%で、第3次産業比率 54.1%(県内26位・下位帯)と第2次産業比率 36.2%(製造業集積型内で上位帯)の対応構造です。

下越製造業集積型9市町村の主要業種1位比率(製造業就業者比率)を並べると、燕市35.2%(1位)・弥彦村27.0%・加茂市26.9%・田上町24.6%・五泉市24.4%・聖籠町・阿賀野市・村上市・阿賀町の順で、五泉市は同型内5位(比率)です。ただし製造業就業者の絶対数では、燕市14,561人(1位)・五泉市5,878人(2位)・村上市5,543人と、下越製造業集積型9市町村中で燕市に次ぐ2位の規模で、就業構成では製造業のウェイトが同型内で上位帯に位置します。就業構成の側面(製造業ウェイト同型内上位帯)と課税ベースの側面(給与所得者比率83.1%・同型内5位)は、いずれも五泉市の「中規模製造業集積」を数値の側面から観察できる関係にあります。事業所ベースの製造品出荷額・付加価値額・農業産出額の県内順位分析は本記事の主題(住民所得)から離れるため、別記事(産業構造テーマ)の範囲として扱います。


⑦ 下越13市町村比較でみる五泉市(下越10位・変化率下越5位・4.3万円圏内密集帯の中央)

五泉市は下越13市町村中 10位・下越製造業集積型9市町村中 6位 で、変化率順位は下越13市町村中 5位(新潟市9位より上)・下越製造業集積型9市町村中 4位 と、所得水準は下位帯ですが変化率は上位帯という17ランク乖離の位置で、阿賀野・田上・五泉・村上・加茂の下越5市町4.3万円圏内密集帯の真ん中に位置します。

下越13市町村の1人当たり所得・産業タイプ・変化率を並べて五泉市の位置を確認します。

この表で分かることは、下越13市町村の1人当たり所得・産業タイプ・変化率順位を並べて五泉市の位置が確認できる構造です。

市町村1人当たり所得R5県内順位下越圏順位産業タイプ10年変化率変化率順位
新潟市319.5万円1位1位複合型+11.3%20位
燕市300.8万円4位2位製造業集積型+15.6%4位
新発田市283.9万円10位3位複合型+11.7%15位
聖籠町275.7万円13位4位製造業集積型+17.5%1位
胎内市273.9万円15位5位高付加価値製造業型+11.8%14位
弥彦村272.7万円16位6位製造業集積型+11.1%21位
関川村265.9万円21位7位農業型+15.0%6位
阿賀野市265.1万円23位8位製造業集積型+11.9%12位
田上町261.7万円24位9位製造業集積型+9.1%25位
五泉市261.3万円25位10位製造業集積型+14.3%8位
村上市261.1万円26位11位製造業集積型+10.9%22位
加茂市260.8万円27位12位製造業集積型+8.2%27位
阿賀町257.3万円29位13位製造業集積型+15.2%5位

→ 五泉市は下越13市町村中 10位(新潟→燕→新発田→聖籠→胎内→弥彦→関川→阿賀野→田上→五泉)・下越製造業集積型9市町村中 6位 で、変化率順位は下越13市町村中 5位(新潟市9位より上)・下越製造業集積型9市町村中 4位 と、所得水準は下位帯だが変化率は上位帯という17ランク乖離の位置です。

下越5市町4.3万円圏内密集帯の観察

下越13市町村の下位帯(所得順位20位台後半)を並べると、阿賀野市265.1万円(23位)・田上町261.7万円(24位)・五泉市261.3万円(25位)・村上市261.1万円(26位)・加茂市260.8万円(27位)の5市町が 260.8〜265.1万円の4.3万円圏内 に密集しています。5市町の分布幅はわずか4.3万円で、五泉市はその密集帯の真ん中(3番目)に位置します。

この密集帯の中でも、変化率順位は5市町間で大きく分岐します。

市町村1人当たり所得県内順位変化率変化率県内順位
阿賀野市265.1万円23位+11.9%12位
田上町261.7万円24位+9.1%25位
五泉市261.3万円25位+14.3%8位
村上市261.1万円26位+10.9%22位
加茂市260.8万円27位+8.2%27位

所得順位で近接する5市町でも、変化率順位は五泉市8位・阿賀野市12位・村上市22位・田上町25位・加茂市27位と分岐し、五泉市は密集帯5市町の中で変化率順位が最も上位です。所得水準がほぼ横並びで見える密集帯の内側で、10年変化率の順位差は20ランク近い分岐が観察できます。

下越製造業集積型9市町村内の位置

下越製造業集積型9市町村を1人当たり所得順で並べると、燕市(4位)・聖籠町(13位)・弥彦村(16位)・阿賀野市(23位)・田上町(24位)・五泉市(25位)・村上市(26位)・加茂市(27位)・阿賀町(29位)で、五泉市は同型内 6位 です。ただし変化率順位で並べると、聖籠町1位・燕市2位・阿賀町3位・五泉市4位・阿賀野市5位・弥彦村6位・村上市7位・田上町8位・加茂市9位となり、五泉市は同型内 4位(上位帯)です。所得順位(同型内6位)と変化率順位(同型内4位)の順位差2ランクは同型内で「所得水準は中位・変化率は上位」の位置として観察できます。

実効税率同率グループの構成

実効税率3.1%同率11市町村(聖籠・胎内・弥彦・見附・十日町・魚沼・阿賀野・田上・五泉・加茂・佐渡)の中には、下越製造業集積型9市町村のうち 6市町村(聖籠・弥彦・阿賀野・田上・五泉・加茂)が含まれ、五泉市はこの大同率グループの中に位置します。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

五泉市は下越13市町村中10位・下越製造業集積型9市町村中6位で、所得水準は下位帯です。しかし変化率順位では下越13市町村中5位(新潟市9位より上)・下越製造業集積型9市町村中4位で、所得下位帯と変化率上位帯の順位差17ランクという乖離が観察されます。所得水準で近接する阿賀野市・田上町・村上市・加茂市と横並びに見える密集帯の中でも、変化率順位では大きく分岐する構造は、五泉市が下越製造業集積型の「所得下位×変化率上位×均衡型成長」というカテゴリの代表例の一つであることを数値上示すデータです。ただし所得順位・変化率順位の差から住民の暮らしぶりを直接読み取ることはできず、就業・家計・世帯構成等の別データと合わせて理解する必要があります。


⑧ 移住検討者・地域理解志向の読み方(2視点)

本章は「五泉市 所得」「五泉市 平均年収」「五泉市 移住」「五泉市 手取り」等の検索意図に対する、データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。

視点1:移住検討者(新潟市・新発田市圏の生活を検討する読者)

読み取り材料データ根拠
261.3万円は県平均差-15.8万円・県内25位・下越13市町村中10位県平均277.1万円・県中央値差-12.1万円・下越5市町4.3万円圏内密集帯の真ん中
給与所得者比率83.1%は県内7位(五泉市単独)・下越製造業集積型9市町村中5位の中位帯給与所得者数17,854人(納税義務者の83.1%)
実効税率3.1%は県内15位(11市町村同率)で県平均3.2%を0.1ポイント下回る中位水準1人当たり住民税約8.1万円・県平均差-8,330円
推計手取り313.1万円は県内25位で、10年+20.7万円(+7.1%・県内9位)の増加は所得順位25位から16ランク上手取り転換率73.1%(給与収入増加分の73.1%が手取りに転換・下越製造業集積型9市町村中3位)
変化率+14.3%は県内8位(五泉市単独)で、前半5年+6.68%(同型内2位)→後半5年+7.11%への均衡型成長前半+15.3万円+後半+17.3万円=10年+32.6万円
中規模都市(納税義務者21,494人・県内11位)総就業者数24,053人・製造業就業者数5,878人
生活コストとの照合が必要1人当たり所得順位は所得側面のみ・家賃/物価/通勤環境は別データを要参照

視点1の中身は、下越で製造業就業を含めた勤め人の生活を検討する読者にとっての「所得水準・順位・手取り効率」の判断材料です。261.3万円は県平均を15.8万円下回りますが、10年変化率+14.3%(県内8位・上位帯)・手取り転換率73.1%(下越製造業集積型9市町村中3位)・実効税率3.1%(県内15位・11市町村同率)の3点は、県内下位帯の所得水準にありながら10年で相対的に効率的な手取り増加を実現したという数値関係で観察できます。ただしこれは所得水準の順位が上がったことを意味するものではなく、変化率の順位が上位帯にあることを示す観察です。

視点2:地域理解志向の読者(下越製造業集積型内の「所得下位×変化率上位×均衡型成長」の中位帯位置を理解したい読者)

読み取り材料データ根拠
変化率+14.3%は下越製造業集積型9市町村中4位・下越13市町村中5位「所得順位25位×変化率順位8位の17ランク乖離」は同型内最大
前半5年+6.68%は下越製造業集積型9市町村中2位(聖籠町+7.66に次ぐ)「前半から早期に成長開始」パターン
前半後半差+0.43ポイントは下越製造業集積型9市町村中で最小田上町+8.42差・阿賀町+9.25差の後半集中型と対照的なバランス型成長
阿賀野・田上・五泉・村上・加茂の下越5市町が260.8〜265.1万円の4.3万円圏内に密集五泉市はその密集帯の真ん中(3番目)
ただし密集帯内でも変化率順位は大きく分岐五泉8位・阿賀野12位・田上25位・村上22位・加茂27位で20ランク近い分岐
手取り転換率73.1%は下越製造業集積型9市町村中3位田上町68.2%を4.9ポイント上回る効率的な手取り増加
給与83.1%・農業1.0%がいずれも県内7位(五泉市単独同率グループ)所得種類別内訳の順位でも五泉市固有の構造

視点2の中身は、下越製造業集積型の内部分化を理解したい読者にとっての「17ランク乖離」「均衡型成長」「密集帯の中央」という五泉市固有の位置の判断材料です。「所得下位帯×変化率上位帯」という組合せは下越製造業集積型9市町村内で複数観察されますが(聖籠町13位×1位・阿賀町29位×5位・阿賀野市23位×12位・五泉市25位×8位)、五泉市の17ランク乖離は所得下位帯側(25位)からの乖離としては同型内で顕著な位置にあります。加えて前半・後半のペースがほぼ揃った均衡型は下越製造業集積型9市町村中で最も均衡した成長パターンで、田上町(前半+0.34→後半+8.76)・阿賀町(前半+2.81→後半+12.06)の後半集中型とは異なる構造として理解できます。

⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、投資助言・移住助言・個別の意思決定を代替するものではありません。


⑨ データの見方・注意点

順位=豊かさではありません

1人当たり課税対象所得の順位は、後述する複数の解釈上の制約を含んだ指標に基づいています。順位が高いことをもって「豊かな地域」「移住すべき地域」等の価値判断を行うことはできません。順位はあくまで所得割の課税ベース上の数値の相対比較です。特に本記事で観察した「下越5市町4.3万円圏内密集帯」のように、順位差数万円の範囲では順位の差が意味する内容は限定的です。

課税対象所得は手取り収入ではありません

課税対象所得(合計所得金額)は、給与・事業・農業などの各所得から給与所得控除等の所得種別の控除を差し引いた所得の合計です。ここからさらに基礎控除・社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除等を差し引いた額が住民税・所得税の課税標準となります。課税対象所得と実際の手取り収入は異なります。

推計手取りの計算モデル

⑤の推計手取りは、給与所得控除の計算式で給与収入を逆算し、公式保険料率と概算率を用いた試算値です。想定料率(協会けんぽ新潟県の概算率)と控除モデル(基礎控除・配偶者控除・扶養控除1人)は記事末の「出典」欄に明示しています。実際の手取りは家族構成・扶養控除・iDeCo/生命保険料控除等の個別事情で大きく変動します。手取り転換率73.1%も同じ試算モデル上の観察であり、実際の家計での税・社保負担率とは異なる場合があります。

農業地域では過小表示になる場合があります

農業所得は申告による実額ですが、自家消費・現物収入は含まれない場合があります。五泉市の農業所得者比率は1.0%(210人・県内7位・単独)で、下越製造業集積型9市町村中では3位の位置ですが、絶対値としては1.0%と低位です。ただし就業形態と所得申告の関係で農業由来の生活水準が課税対象所得に完全には反映されない可能性があります。

所得割納税義務者は全住民ではありません

課税対象所得が控除額を下回る場合(所得が低い・年金受給のみ等)は所得割の納税義務者に含まれません。R5年度の五泉市の所得割納税義務者数は21,494人で、これは全人口とは異なります。10年で納税義務者数は-4.35%(-978人)減少しており、分母縮小によって1人当たり所得が見かけ上高くなる可能性があります。総就業者数は10年で-9.2%減少しており、就業者数と納税義務者数の減少方向は一致しています。

「その他所得者比率12.7%」の解釈

その他所得者は給与・営業等・農業以外の所得(年金所得等)を主とする納税義務者を含みますが、本記事のマスターデータには内訳がありません。12.7%(下越製造業集積型9市町村中5位・中位帯)という数値のみの観察に留め、「年金依存」等の断定は避けます。

「製造業集積型」のラベル解釈

産業タイプ「製造業集積型」は就業構成ベース(第2次産業比率36.2%・主要業種1位製造業24.4%)で分類されるラベルです。給与所得者比率83.1%は下越製造業集積型9市町村中5位(中位帯)で、就業構成のウェイトが直接には給与所得者比率の高順位と対応していません。「製造業集積」と「所得の高さ」を単純に結びつけずに読む必要があります。


まとめ

五泉市の住民所得の特徴(データから読み取れる範囲)

  • 1人当たり課税対象所得は 261.3万円 で県内 25位/30市町村中(R5年度)・下越13市町村中10位・県平均差-15.8万円・県中央値差-12.1万円
  • H25→R5の10年で +14.3%(+32.6万円)・県内 8位(五泉市単独同率グループ)・下越製造業集積型9市町村中 4位
  • 前半(H25→H30: +6.68%)・後半(H30→R5: +7.11%)で 前半後半差+0.43ポイントは下越製造業集積型9市町村中で最小(最均衡)
  • 前半変化率+6.68%は下越製造業集積型9市町村中 2位(聖籠町+7.66に次ぐ)
  • 所得割納税義務者21,494人(県内シェア2.1%・県内11位)のうち 83.1%が給与所得者(県内7位・単独)、農業所得者は 1.0%(県内7位・単独)、その他所得者比率12.7%(同型内5位)
  • 1人当たり住民税(実額)はH25の7.34万円からR5の8.10万円へ+0.75万円(+10.2%)・実効税率3.1%(県内15位・11市町村同率)
  • 推計手取りは10年で 約20.7万円増加(+7.1%・県内9位)・給与収入増+28.3万円のうち 約73.1% が手取りに転換(下越製造業集積型9市町村中3位)
  • 産業タイプは 製造業集積型、主要業種1位は製造業24.4%(5,878人・下越製造業集積型9市町村中で製造業就業者数2位・比率5位)

移住検討者・地域理解志向への読み方(判断材料)

  • 移住検討者: 県内下位帯の所得水準(261.3万円・25位)・給与所得者中心(83.1%・県内7位単独)・実効税率3.1%(県内15位・11市町村同率)・手取り転換率73.1%(下越製造業集積型9市町村中3位)・生活コストは別データで要照合
  • 地域理解志向: 「所得順位25位×変化率順位8位の17ランク乖離」「前半後半差+0.43ポイントの均衡型成長」「下越5市町4.3万円圏内密集帯の真ん中」の3点で、下越製造業集積型内の内部分化を理解する材料

派生指標で見える意外な観察

  • 変化率+14.3%は五泉市単独同率グループ で、下越製造業集積型9市町村中4位・下越13市町村中5位(新潟市9位より上)
  • 前半5年+6.68%は下越製造業集積型9市町村中2位(聖籠+7.66に次ぐ)・後半5年+7.11%(同型内7位)で、前半・後半ともにプラス成長で+32.6万円を積み上げ
  • 前半後半差+0.43ポイントは下越製造業集積型9市町村中で最小(最均衡)・田上町+8.42差・阿賀町+9.25差の後半集中型と対照的なバランス型成長
  • 1人当たり所得順位25位・変化率順位8位の17ランク乖離 は下越製造業集積型9市町村中最大の順位差(阿賀町の24ランク乖離に次ぐ大きさ)
  • 1人当たり所得順位25位・課税対象所得総額11位・納税義務者数11位の14ランク乖離 で、「規模は県内上位帯・1人当たりは下位帯」の構造
  • 手取り転換率73.1%は下越製造業集積型9市町村中3位(聖籠74.7→燕74.2→五泉73.1)で、田上町68.2%を4.9ポイント上回る効率的な手取り増加
  • 給与所得者比率83.1%(県内7位単独)・農業所得者比率1.0%(県内7位単独) がともに五泉市単独同率グループで、中位型の所得構成
  • 実効税率3.1%は11市町村同率(聖籠・胎内・弥彦・見附・十日町・魚沼・阿賀野・田上・五泉・加茂・佐渡)で、下越製造業集積型9市町村のうち7市町村がこの大同率グループに含まれる
  • 阿賀野23位・田上24位・五泉25位・村上26位・加茂27位の下越5市町が260.8〜265.1万円の4.3万円圏内に密集 し、五泉市は密集帯の真ん中に位置
  • 同じ密集帯内でも変化率順位は大きく分岐(五泉8位・阿賀野12位・田上25位・村上22位・加茂27位で20ランク近い分岐)

この記事の執筆・データについて

執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和5年度(2023年度)市町村税課税状況等の調べ/国勢調査 令和2年/工業統計調査 令和4年
更新日: 2026-08-26
運営者情報: https://niigata-data.com/運営者情報/
データの利用について: https://niigata-data.com/privacy-policy/

本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・税務相談ではありません。移住・就職・事業判断等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。


出典

  • 1人当たり課税対象所得・所得割納税義務者数・住民税(所得割)実額・所得種類別納税義務者数:
    総務省(市町村税課税状況等の調べ 令和5年・平成30年・平成25年)
  • 産業別就業者数・産業タイプ・主要業種1〜3位・総就業者数:
    総務省(国勢調査 令和2年)
  • 製造業事業所数・従業者数関連:
    経済産業省(工業統計調査 令和4年)

推計値について:
本記事の「推計手取り」は総務省 課税対象所得から社会保険料・所得税・住民税を控除した試算値です。
想定料率:

  • H25:厚生年金 8.737%/健保 4.985%/雇保 0.5%
  • H30:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.3%
  • R5:厚生年金 9.15%/健保 5.0%/雇保 0.6%
    (協会けんぽ新潟県の概算率を使用)
    控除モデル:基礎控除(H25・H30: 38万、R5: 48万)・配偶者控除・扶養控除1人・社会保険料控除
    データ基準日:令和5年度(2023年度)・平成30年度(2018年度)・平成25年度(2013年度)
    次回更新推奨:令和10年度(2028年度)データ公表後

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