刈羽村の産業構造|製造業集積型・電気ガス業就業者比率県内1位・付加価値率6位×労働生産性23位の乖離(R2/R4)

市町村

刈羽村(中越地域・日本海に面する中越15番目の就業規模を持つ小規模村)の産業タイプは製造業集積型で、総就業者数2,224人(県内28位/30市町村中)・製造品出荷額約43.9億円(県内28位)・農業産出額約6.0億円(県内27位)の規模を持ちます。第1次産業就業者比率は4.8%(県内22位)、第2次産業就業者比率は34.8%(県内9位)、第3次産業就業者比率は59.3%(県内14位)で、第2次比率は県平均(単純平均30.3%)を+4.52ポイント上回る水準です。

刈羽村の産業構造の最大の特徴は、業種横断で見た電気ガス業就業者比率が4.72%で県内30市町村中の1位(2位柏崎市3.17%を+1.55pt上回る)である点です。同時に製造業指標では付加価値率52.7%が県内6位の高付加価値グループに位置しながら1人あたり付加価値額774万円/人は県内23位で、規模系指標(事業所数26位・従業者数28位・出荷額28位)が下位帯に揃うのに対し「率6位×水準23位」の乖離が観察できます。10年間で総就業者は-11.1%(-279人)減少し、第2次比率-4.2pt×第3次比率+4.4ptの対称的シフトが観察できます。

電気ガス業就業者比率県内1位、付加価値率県内6位×労働生産性23位の乖離、中越15位規模の小規模村という3軸から、刈羽村の産業構造を読み解きます。


この記事でわかること

  • 刈羽村の産業タイプは「製造業集積型」。総就業者数2,224人(県内28位)・第2次産業比率34.8%(県内9位)・中越地域内では中越15位規模(16市町村中)
  • 電気ガス業就業者比率が4.72%で県内30市町村中の1位(105人・絶対数16位)・2位柏崎市3.17%を+1.55pt上回る業種構造上の上振れ
  • 主要業種は製造業499人(22.4%)・医療福祉329人(14.8%)・建設業274人(12.3%)・卸小売198人(8.9%)・他サービス190人(8.5%)の分散構造(上位3業種合計49.5%・1-2位差7.6ポイント)
  • 製造業の付加価値率52.7%は県内6位の高付加価値グループ・1人あたり付加価値額774万円/人は県内23位(県平均加重1,188万円/人を-414万円下回る)の「率高い・水準中位」の乖離
  • 製造業5指標(事業所数17か所・26位/従業者数299人・28位/出荷額約43.9億円・28位/付加価値額約23.1億円・28位/現金給与約11.0億円・28位)は県内下位帯で揃う
  • 10年間で総就業者は-11.1%(-279人)減少・第2次比率-4.2pt(比率減少幅県内1位)×第3次比率+4.4pt(比率増加幅県内2位)の対称的シフト
  • 柏崎刈羽原発が立地し、隣接する柏崎市とセットで電気ガス業就業者比率の県内1〜2位を占める中越地域15位規模の小規模村

① 刈羽村の産業タイプ(製造業集積型・中越15位規模×電気ガス業比率県内1位)

中越地域15位の小規模村ながら第2次産業比率34.8%で県内9位に位置し、電気ガス業就業者比率が県内1位に上振れる構造を併せ持ちます。

刈羽村の産業タイプは「製造業集積型」です。総就業者数2,224人(県内28位)・第2次産業比率34.8%(県内9位)の構成で、判定式(第2次≧30%)により製造業集積型に分類されます。中越地域16市町村内では14位湯沢町(3,822人)に次ぐ中越15位規模(下位16位は出雲崎町1,998人)で、製造業を主要業種1位(499人・22.4%)とする県内25市町村の中位帯に位置します。

刈羽村の産業構造を数値で確認します。

指標数値県内順位(30市町村中)
産業タイプ製造業集積型
総就業者数(2020年)2,224人28位
第1次産業就業者比率4.8%22位
第2次産業就業者比率34.8%9位
第3次産業就業者比率59.3%14位
主要業種1位製造業 499人全就業者の22.4%
製造品出荷額(2022年)約43.9億円28位
付加価値額(2022年)約23.1億円28位
付加価値率52.7%6位
1人あたり付加価値額774万円/人23位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)、経済産業省(経済構造実態調査 令和4年)

→ 総就業者2,224人(県内28位)という小規模村ながら第2次比率34.8%は県内9位・付加価値率52.7%は県内6位に位置し、規模の下位帯と第2次比率・付加価値率の上位帯が並ぶ構造が観察できます。

第2次産業比率34.8%は県平均(単純平均30.3%)を+4.52ポイント上回り、製造業集積型の判定閾値30%を超過します。第1次産業比率4.8%は県平均(単純平均8.6%)を-3.78ポイント下回り、第3次産業比率59.3%は県平均(単純平均59.9%)を-0.60ポイント下回る水準です。

主要業種1位比率22.4%は、県内で製造業を主要業種1位とする25市町村の中では中位帯に位置します。県内の集積型上位(燕市35.2%・三条市28.8%・小千谷市28.6%)と比較すると集積度としては低めですが、隣接する柏崎市(22.5%)・聖籠町(22.3%)とほぼ同水準の分散構造と読み取れます。上位3業種合計比率は49.5%で、主要業種1-2位差は7.6ポイント(製造業22.4%と医療福祉14.8%の差)と、特定業種への集中度は中位帯です。

刈羽村の産業構造は、「製造業集積型」というラベルの通り、製造業を核として医療福祉・建設・卸小売・他サービスが上位業種に並ぶ製造業+生活サービス機能の構造と読み取れます。総就業者数2,224人(県内28位)の小規模村基盤の中で、第2次比率9位・付加価値率6位という上位帯の位置と、章④で確認する電気ガス業就業者比率県内1位という業種構造上の特徴が組み合わさる位置にあります。


② 産業構造サマリー(2020年・小規模村×第2次比率9位×電気ガス業比率1位)

刈羽村の産業別就業者比率と県内順位を整理します。

指標数値県内順位(30市町村中)
総就業者数2,224人28位
第1次産業就業者比率4.8%22位
第2次産業就業者比率34.8%9位
第3次産業就業者比率59.3%14位

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 総就業者2,224人(県内28位)の小規模村ながら、第2次34.8%(県内9位)は県平均+4.52ポイント上回り、第1次4.8%・第3次59.3%は県平均をわずかに下回る位置に揃います。

総就業者数2,224人は県内28位で、中越地域内では14位湯沢町(3,822人)に次ぐ中越15位の規模です(下位16位は出雲崎町1,998人)。第2次産業比率34.8%は県平均(単純平均30.3%)を+4.52ポイント上回り、第1次産業比率4.8%は県平均(単純平均8.6%)を-3.78ポイント下回り、第3次産業比率59.3%は県平均(単純平均59.9%)を-0.60ポイント下回る水準です。

電気ガス業就業者比率が県内1位(4.72%)の業種構造

刈羽村の業種構造の最大の特徴は、業種横断ランキングにおける電気ガス業就業者比率が県内30市町村中の1位(105人・4.72%)に位置する点です。総就業者数県内28位という規模に対して、電気ガス業就業者比率だけ順位が業種横断ランキング上で県内1位まで上振れる乖離パターンが観察できます(詳細は章④)。絶対数は105人で県内16位の水準ですが、総就業者に占める比率で見ると県内1位となり、2位柏崎市3.17%を+1.55ポイント上回ります。

▼【グラフ:kariwa_産業構造.png 新潟県30市町村の産業別就業者比率(2020年・刈羽村を強調)】


③ 10年間の産業構造変化(就業者-11.1%×第2次-4.2pt(29位)×第3次+4.4pt(2位)の対称的シフト)

10年で総就業者は-11.1%減少(順位11位)し、第2次-4.2pt×第3次+4.4ptの対称的なシフトが観察できます。

2010年から2020年までの10年間で、刈羽村の総就業者数は-11.1%(-279人)減少しました。この減少幅は県内30市町村で11番目に大きい水準(隣接する柏崎市-11.0% 12位とほぼ同水準)で、中越地域の中位帯の減少パターンです。産業構造の比率変化では第2次比率-4.2pt(比率減少幅県内1位)×第3次比率+4.4pt(比率増加幅県内2位)の対称的シフトが観察できます。1位は佐渡市(第3次+7.7pt・第2次-3.1pt)で、刈羽村は佐渡市に次ぐ2番手の対称シフトです。

2010年から2020年までの就業者数と産業構造の推移を整理します。

総就業者数第1次比率第2次比率第3次比率
2010年(H22)2,503人39.0%54.9%
2015年(H27)2,501人36.0%57.3%
2020年(R2)2,224人4.8%34.8%59.3%
10年変化-279人(-11.1%)参考値省略-4.2pt+4.4pt

※出典:総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)
※2010年の第1次産業就業者数はCSV上NAのため、第1次比率の10年変化は本表では記載していません。第2次・第3次比率変化はCSV記載値を直接引用しています。

→ 総就業者-11.1%は減少幅が県内11位(中位)、第2次-4.2ptは比率減少幅の県内1位・第3次+4.4ptは比率増加幅の県内2位の対称ペアです。

10年間の総就業者減少率で刈羽村は県内11位(-11.1%)に位置し、隣接する柏崎市(-11.0%・県内12位)とほぼ同水準の減少幅を示します。中越地域の中位帯の減少パターンで、阿賀町(-18.2%)・佐渡市(-18.0%)等の減少幅が大きい市町村と比較すると減少幅は小さい方に属しますが、上越市(-5.4%)・三条市(-3.7%)等の減少幅が小さい市町村と比較すると減少幅は大きい方に属します。

産業構造の比率変化では、第2次産業比率39.0%(2010)→36.0%(2015)→34.8%(2020)と10年で-4.2pt低下し、比率減少幅は県内で最大(粟島浦村NA除外の29市町村中で第2次比率が県内で最も大きく下がった市町村)の水準です。同時期に第3次産業比率は54.9%(2010)→57.3%(2015)→59.3%(2020)と+4.4pt上昇し、比率増加幅は県内で上から2番目の水準です。1位の佐渡市(第3次+7.7pt・第2次-3.1pt)に次ぐ2番手の対称シフトが観察できます。

業種絶対数の変化では、製造業は561人(2010)→542人(2015)→499人(2020)と10年で-62人、建設業は411人(2010)→355人(2015)→274人(2020)と-137人減少し、第2次内訳の主要2業種が同時に減少しました。第3次では医療・福祉が269人(2010)→320人(2015)→329人(2020)と+60人増加し、第3次比率上昇の一部を支える形が浮かびます。10年変化の背景は複数の要因(人口減少・高齢化・産業構造変化等)が絡み合うため、単一の因果として断定はできません。

刈羽村の10年変化は、総就業者数の減少幅(-11.1%)が県内中位帯である一方、第2次比率-4.2pt×第3次比率+4.4ptの対称的シフトは佐渡市に次ぐ2番手の規模で、製造業集積型としての産業構造を維持しながら第2次から第3次への比率シフトが県内トップクラスで進む移行パターンと読み取れます。

▼【グラフ:kariwa_産業変化.png 刈羽村の産業構造推移(2010→2015→2020年・積み上げ棒)】


④ 主要業種の3業種構成(製造業22.4%+医療福祉14.8%+建設業12.3%×電気ガス業就業者比率県内1位)

就業者数の多い上位5業種を確認します。

順位業種名就業者数就業者比率
1位製造業499人22.4%
2位医療・福祉329人14.8%
3位建設業274人12.3%
4位卸売業・小売業198人8.9%
5位他サービス190人8.5%

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

上位3業種(製造業22.4%+医療福祉14.8%+建設業12.3%)の合計は49.5%を占め、1-2位差は+7.6ポイントの分散構造です。1位製造業と2位医療・福祉の間には7.6ポイントの差がありますが、2〜5位は14.8%〜8.5%と近接して並びます。

主要業種1位「製造業」の就業者比率22.4%は、県内で製造業を主要業種1位とする25市町村の中で中位帯に位置します。隣接する柏崎市(22.5%)・聖籠町(22.3%)とほぼ同水準で、県内の集積型上位(燕市35.2%・三条市28.8%・小千谷市28.6%)と比較すると集積度は低めですが、絶対規模(499人)では中越地域15位の小規模村基盤の中の1位業種と読み取れます。上位3業種合計49.5%・主要業種1-2位差+7.6ポイントは、特定業種への集中度が中位帯の分散構造と読み取れます。

電気ガス業就業者比率 県内1位(4.72%・105人)

刈羽村の業種構造の最大の特徴は、業種横断ランキングにおける電気ガス業就業者比率が県内30市町村中の1位(4.72%)に位置する点です。県内上位10市町村の電気ガス業就業者数と比率を整理します。

順位市町村電気ガス業就業者数電気ガス業就業者比率
1刈羽村105人4.72%
2柏崎市1,236人3.17%
3聖籠町150人2.08%
4粟島浦村(参考値)1.52%
5出雲崎町(参考値)0.95%
6糸魚川市(参考値)0.83%
7関川村(参考値)0.72%
8湯沢町(参考値)0.71%
9小千谷市(参考値)0.70%
10佐渡市(参考値)0.70%

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)・比率は電気ガス業就業者数÷総就業者数から算出

→ 刈羽村の電気ガス業就業者比率4.72%は県内30市町村中の1位で、2位柏崎市3.17%を+1.55ポイント上回り、3位聖籠町2.08%とは大きな断絶があります。刈羽・柏崎の2村市が同業種で県内上位2位を占める並びが浮かびます。

刈羽村の電気ガス業就業者105人・比率4.72%は県内30市町村中の1位で、2位柏崎市3.17%を+1.55ポイント上回ります。絶対数(105人)は県内16位ですが、総就業者2,224人という規模に対して比率で見ると県内1位となり、絶対数16位と比率1位の間で15ランクの乖離が生じています。3位以下(聖籠町2.08%・粟島浦村1.52%・出雲崎町0.95%)とは大きな断絶があり、刈羽・柏崎の2村市が電気ガス業就業者比率で県内上位2位を占める並びとなっています。

10年推移では電気ガス業就業者数は115人(2010)→122人(2015)→105人(2020)と、10年で-10人(-8.7%)の横ばい〜微減で推移しました。同時期の総就業者-11.1%(-279人)とほぼ同水準の減少ペースです。総就業者に占める電気ガス業比率は4.59%(2010)→4.88%(2015)→4.72%(2020)と、10年幅で0.13pt上昇しています。

電気ガス業就業者比率が県内1位という位置は、業種横断ランキング上での刈羽村固有の上振れパターンと読み取れます。事業所立地に関連する構造要素と読み取れますが、電気ガス業の内訳(電力業・ガス業・熱供給業・水道業)は本統計では判別できないため、要素の内訳や成立背景は本記事の範囲外です。

▼【グラフ:kariwa_就業者数.png 刈羽村の業種別就業者数(2020年・上位10業種)】


⑤ 製造業の規模(規模5指標は下位帯×付加価値率6位×労働生産性23位の乖離)

規模5指標は県内26〜28位の下位帯で揃う一方、付加価値率52.7%は県内6位・1人あたり付加価値額774万円/人は県内23位の乖離が観察できます。

刈羽村の製造業は製造品出荷額約43.9億円(県内28位)・付加価値額約23.1億円(県内28位)・製造業事業所数17か所(県内26位)・製造業従業者数299人(県内28位)・現金給与総額約11.0億円(県内28位)の規模系5指標が県内下位帯で揃います。一方で付加価値率52.7%は県内6位の高付加価値グループに位置し、1人あたり付加価値額774万円/人は県内23位(県平均加重1,188万円/人を-414万円下回る)と、「率高い・水準中位」の乖離が浮かびます。

2022年の製造業指標を規模と効率の両面で整理します。

指標数値県内順位
製造業事業所数17か所26位
製造業従業者数299人28位
製造品出荷額(2022年)約43.9億円28位
付加価値額(2022年)約23.1億円28位
現金給与総額(2022年)約11.0億円28位
付加価値率52.7%6位
1人あたり付加価値額774万円/人23位
1人あたり出荷額約1,469万円/人
事業所あたり従業者17.59人/事業所

※出典:経済産業省(経済構造実態調査 令和4年)※従業者4人以上の事業所が対象

規模系5指標は県内26〜28位の下位帯で揃うが、付加価値率52.7%だけが県内6位の高付加価値グループに位置し、規模と付加価値率の順位に大きな乖離が浮かびます。

付加価値率上位6市町村の中での刈羽村の位置を整理します。

順位市町村付加価値率
1関川村59.9%
2阿賀町56.2%
3妙高市55.4%
4五泉市55.0%
5胎内市53.8%
6刈羽村52.7%

※出典:経済産業省(経済構造実態調査 令和4年)

→ 関川村・阿賀町・妙高市・五泉市・胎内市に次ぐ高付加価値グループの一員です。

規模系5指標(事業所数17か所・26位/従業者数299人・28位/出荷額43.9億円・28位/付加価値額23.1億円・28位/現金給与11.0億円・28位)は県内下位帯で揃いますが、付加価値率52.7%だけが県内6位の高付加価値グループに位置します。1人あたり付加価値額774万円/人は県内23位で、県平均加重1,188万円/人を-414万円下回る中位帯の水準です。

「付加価値率6位×1人あたり付加価値額23位」の順位乖離は、1人あたり出荷額約1,469万円/人が下位帯で、そこに付加価値率52.7%を掛けた結果774万円/人に収まる構造と読み解けます。出荷額の絶対規模が小さいため、率が高くても水準は中位に留まる位置です。事業所あたり従業者数17.59人/事業所は県内下位帯で、新潟市(33.7人/事業所)・長岡市(29.3人/事業所)等の大都市とは対照的な小規模事業所主体の構造です。

刈羽村の製造業は、規模系5指標が県内下位帯で揃う中で付加価値率が県内6位に位置する乖離構造を持ちます。ただし1人あたり付加価値額774万円/人は県内23位で県平均加重を-414万円下回るため、「率が高い高付加価値グループ」と「水準は中位帯」の両面を併せ持つ位置です。1人あたり付加価値額は製造業事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性指標で、個別事業所の給与や賃金水準そのものではない点に注意が必要です。就職・転職検討者にとっては「県内で規模は下位・付加価値率は6位・1人あたり水準は23位の製造業構造」という判断材料になります。

▼【グラフ:kariwa_県内ランキング.png 新潟県内 製造業指標ランキング(刈羽村を強調)】


⑥ 中越地域の中の刈羽村(柏崎市隣接・柏崎刈羽原発立地×電気ガス業比率県内1〜2位×中越15位規模)

刈羽村は中越16市町村中で総就業者15位に位置し、柏崎刈羽原発が立地する2村市(刈羽・柏崎)として電気ガス業就業者比率の県内1〜2位を占めます。

刈羽村は中越地域の日本海側・柏崎市に隣接する小規模村で、中越地域15位の就業規模を持ちます。刈羽村と隣接する柏崎市には東京電力ホールディングス 柏崎刈羽原子力発電所が立地しており、両村市が県内で電気ガス業就業者比率の上位2位を占める並びが観察できます(事実並置)。本章では、中越地域内での刈羽村の位置と、柏崎市を含む地理的隣接構造の2つの視点で刈羽村の広域構造を整理します。

中越地域16市町村内での刈羽村の位置

中越地域下位4市町村の総就業者と産業タイプを整理します。

中越内順位市町村総就業者数産業タイプ
13田上町(参考値省略)(別記事参照)
14湯沢町3,822人(別記事参照)
15刈羽村2,224人製造業集積型
16出雲崎町1,998人(別記事参照)

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 刈羽村は中越地域15位規模で、下位16位の出雲崎町(1,998人)のみ下位・14位湯沢町(3,822人)よりも規模的に小さい位置にあります。中越地域16市町村中で下から2番目の就業規模です。

刈羽村の総就業者2,224人は中越地域15位で、14位湯沢町(3,822人)よりも規模的に小さく、16位出雲崎町(1,998人)よりわずかに上位の位置にあります。中越地域内で製造業集積型に分類される市町村は長岡・三条・燕・柏崎・見附・小千谷・加茂・魚沼・田上・弥彦・刈羽・出雲崎の12市町村で、刈羽村はそのうち下位帯の規模の一つです。

柏崎刈羽原発立地×電気ガス業就業者比率で県内1〜2位(事実並置)

刈羽村と隣接する柏崎市には、東京電力ホールディングス 柏崎刈羽原子力発電所が立地しています。刈羽村側に1〜4号機、柏崎市側に5〜7号機が配置される構造で、地理的には両村市の境界にまたがる立地です。

同2村市の電気ガス業就業者比率は県内で以下の位置に並びます。

順位市町村電気ガス業就業者数電気ガス業就業者比率
1刈羽村105人4.72%
2柏崎市1,236人3.17%
3聖籠町150人2.08%

※出典:総務省(国勢調査 令和2年)

→ 刈羽・柏崎の2村市が県内上位2位を占め、3位聖籠町(2.08%)とは大きな断絶があります。柏崎刈羽原発が両村市にまたがって立地する事実と、両村市が電気ガス業就業者比率で県内上位2位を占める事実の並置として観察できます(因果関係の断定は本記事の範囲外です)。

長岡市・三条市・燕市の中越地域上位3市はいずれも製造業集積型ですが、電気ガス業就業者比率で見ると刈羽・柏崎の2村市が上位2位に位置します。電気ガス業の内訳(電力業・ガス業・熱供給業・水道業)は本統計では判別できないため、内訳や成立背景は本記事の範囲外です。

刈羽村の農業指標の位置(補足)

刈羽村の農業指標は、農業・林業就業者106人(県内29位)・農業産出額約6.0億円(県内27位)の下位帯で、農業経営体数と経営耕地面積は農林業センサスで「規模小」としてNA計上される構造です(県内で農業経営体数と経営耕地面積の両方がセンサス上NA計上される市町村は刈羽村と粟島浦村のみ)。第1次産業比率4.8%は県平均(単純平均8.6%)を-3.78ポイント下回り、産業構造上の主役ではない位置です。

数値の意味(データから読み取れる範囲):

刈羽村は中越地域16市町村中で総就業者15位(2,224人)に位置する下位帯の小規模村で、産業タイプは製造業集積型です。電気ガス業就業者比率が県内30市町村中の1位(4.72%)に位置する唯一の市町村で、2位柏崎市3.17%を+1.55ポイント上回り、3位聖籠町2.08%とは大きな断絶があります。柏崎刈羽原発が刈羽・柏崎の両村市にまたがって立地する事実と、両村市が電気ガス業就業者比率で県内1〜2位を占める事実は並置して観察でき、刈羽村を「中越地域15位規模の製造業集積型」「電気ガス業就業者比率で県内1位に位置する唯一の市町村」「柏崎刈羽原発立地の2村市の一方」の3面から捉えることが、中越地域内および製造業集積型市町村群の中での構造的な差異を理解するうえで妥当な視点となります。


⑦ 移住検討者・就職転職・在住地域研究への読み方

本章は「刈羽村 産業構造」「刈羽村 電気ガス 就業」「刈羽村 製造業 規模」等の検索意図に対する、産業構造データから読み取れる判断材料の整理です。個別の意思決定を代替するものではありません。

視点1:新潟在住者・地域研究者向け(中越15位×製造業集積型×電気ガス業比率県内1位の位置確認)

刈羽村は中越地域15位規模の小規模製造業集積型村で、県内で電気ガス業就業者比率が県内1位に位置する唯一の市町村です。

読み取り材料データ根拠
中越地域内の位置中越15位規模(2,224人)・16位出雲崎町(1,998人)のみ下位・14位湯沢町(3,822人)より小規模
業種構造の特徴電気ガス業就業者比率4.72%が県内1位(絶対数105人・県内16位)・比率2位柏崎市3.17%を+1.55pt上回る
製造業の位置規模5指標(事業所数17か所・26位/従業者数299人・28位/出荷額約43.9億円・28位/付加価値額約23.1億円・28位/現金給与約11.0億円・28位)は県内下位帯・付加価値率52.7%は県内6位の高付加価値グループ
農業の位置農業・林業就業者106人(県内29位)・農業産出額約6.0億円(県内27位)・農業経営体数と経営耕地面積は農林業センサスで「規模小」としてNA計上
10年変化総就業者-11.1%(減少幅県内11位・柏崎市とほぼ同水準)・第2次比率-4.2pt(比率減少幅県内1位)×第3次比率+4.4pt(比率増加幅県内2位)の対称的シフト
柏崎刈羽原発立地東京電力ホールディングス 柏崎刈羽原子力発電所が刈羽・柏崎の両村市にまたがって立地(刈羽側1〜4号機・柏崎側5〜7号機)

新潟在住者や地域研究者にとって、刈羽村は「中越地域15位規模の製造業集積型で、県内で電気ガス業就業者比率が県内1位に位置する唯一の市町村」として位置づけられます。電気ガス業就業者比率県内1位は他市町村では見られない業種横断ランキング上の上振れで、事業所立地に関連する構造要素と読み解けます(内訳や成立背景は本記事の範囲外)。

視点2:就職・転職検討者向け(小規模村の労働市場×電気ガス業就業機会×付加価値率高い製造業)

刈羽村は総就業者2,224人(県内28位)・製造業就業者499人(22.4%)・電気ガス業就業者105人(比率県内1位・4.72%)の労働市場を持ちます。

読み取り材料データ根拠
労働市場の規模総就業者2,224人(県内28位・中越地域15位)
製造業の就業機会製造業就業者499人(22.4%)・製造業事業所ベース従業者299人(県内28位)・事業所17か所(県内26位)
製造業の生産性水準付加価値率52.7%(県内6位)・1人あたり付加価値額774万円/人(県内23位)・県平均加重1,188万円/人を-414万円下回る中位帯
電気ガス業の就業機会電気ガス業就業者105人(比率県内1位・4.72%)・絶対数は県内16位
医療福祉・建設業・卸小売の就業機会医療・福祉329人(14.8%)・建設業274人(12.3%)・卸小売198人(8.9%)

刈羽村の1人あたり付加価値額774万円/人は製造業事業所ベース(従業者4人以上)の労働生産性指標で、個別事業所の給与そのものではありません。県平均加重を-414万円下回る中位水準ですが、県内で付加価値率52.7%は6位の高付加価値グループに位置します。電気ガス業就業者比率県内1位は業種横断ランキング上の上振れですが、内訳(電力・ガス・熱供給・水道)は本統計では判別できません。総就業者2,224人の小規模村基盤のため、産業別比率は特定業種の入退社で変動する可能性がある点に注意が必要です。

視点3:意外な観察(電気ガス業比率1位×付加価値率6位×第2/第3次対称的シフトの3つの数値パターン)

刈羽村の産業構造データから読み取れる「意外な観察」として3つの数値パターンを整理します。

読み取り材料データ根拠
電気ガス業就業者比率県内1位×絶対数16位の順位乖離業種横断ランキング上で電気ガス業比率だけ大きく上振れ(絶対数16位→比率1位)・2位柏崎市3.17%を+1.55pt上回る・3位以下(聖籠町2.08%)と大きな断絶
付加価値率県内6位×規模5指標下位帯×1人あたり付加価値額23位の順位乖離規模系5指標(事業所数26位・従業者数28位・出荷額28位・付加価値額28位・現金給与28位)は県内下位帯で揃うが、付加価値率52.7%だけが県内6位の高付加価値グループ・1人あたり付加価値額は県内23位で県平均加重を-414万円下回る中位帯
第2次-4.2pt(比率減少幅県内1位)×第3次+4.4pt(比率増加幅2位)の対称的シフト10年で第2次比率が県内で最も大きく下がり(粟島浦村NA除外の29市町村中で最大)、第3次比率が県内で2番目に大きく上がった対称ペア・1位佐渡市(第3次+7.7pt・第2次-3.1pt)に次ぐ2番手・第2次内訳では建設業-137人・製造業-62人が同時進行

これら3つの数値パターンは、刈羽村の産業構造データから機械的に読み取れる観察事実で、他の市町村では見られない刈羽村固有の構造として捉えられます。個別の成立背景や因果関係は本記事の範囲外です。

⚠️ 上記は「データから読み取れる範囲での判断材料」であり、移住・就業・研究の意思決定を代替するものではありません。


⑧ データの見方・注意点

産業タイプ分類は目安です

本記事の「産業タイプ」(製造業集積型・高付加価値製造業型・農業型・複合型・都市サービス型等)は、産業別就業者比率と製造業指標を組み合わせた分類です。同一タイプでも市町村ごとに主要業種・規模・変化パターンは異なるため、タイプラベルだけで判断せず、本文の各指標を合わせて確認してください。

就業者比率と生産性は別指標です

第1/2/3次産業の就業者比率は「誰がどこで働いているか」を示す指標です。1人あたり付加価値額(製造業事業所ベース)は「製造業の労働生産性の目安」を示す別の指標であり、就業者比率が高いほど生産性が高いとは限りません。

製造業指標は事業所ベースです

⑤で提示する製造品出荷額・付加価値額・1人あたり付加価値額は、経済産業省「工業統計調査」の事業所ベース集計です。市町村内に本社を置く企業ではなく、事業所(工場・作業所等)が市町村内にあることが集計基準となります。県外本社の事業所も含まれる場合があります。

農業産出額は推計値です

⑥で参照する農業産出額は農林水産省「市町村別農業産出額(推計)」による推計値です。市町村単位の農業産出額は農林水産省が農業経営体調査・作物統計等から推計しており、実額とは差が生じる場合があります。

農業産出額と農家収入は別です

農業産出額は市町村内で生産された農産物の推定額(生産額ベース)で、農家の手取り収入とは異なります。生産コスト・流通経費・農業経営体の規模差により、産出額と農家収入の関係は市町村ごとに異なります。

主要業種比率の分母は総就業者数です

②〜④で提示する主要業種の比率は、国勢調査「産業(大分類)別就業者数」を分母として計算しています。分母は当該市町村に居住する15歳以上就業者(従業地ではなく居住地ベース)です。市町村外へ通勤する就業者も含まれます。

10年変化は国勢調査5年ごとの比較です

③で提示する2010年→2015年→2020年の10年変化は、国勢調査(5年ごと実施)の3時点比較です。年次データではないため、単年度のショック(特定事業所の開設・閉鎖等)の影響が5年間の中で吸収されている場合があります。

産業タイプは順位ではありません

産業タイプの分類(製造業集積型等)は市町村の産業構造の特徴を示す分類であり、優劣を示すものではありません。「複合型」が「農業型」より優れているという意味ではなく、産業の集中度や分散度の違いを示す指標です。


まとめ

刈羽村の産業構造の特徴(データから読み取れる範囲)

  • 産業タイプは製造業集積型。総就業者数2,224人は県内28位・中越地域15位、第1次産業比率4.8%は県内22位、第2次産業比率34.8%は県内9位、第3次産業比率59.3%は県内14位の構成
  • 電気ガス業就業者比率が4.72%で県内30市町村中の1位(絶対数105人・県内16位)・2位柏崎市3.17%を+1.55pt上回り、3位聖籠町2.08%とは大きな断絶
  • 主要業種は製造業499人(22.4%)・医療福祉329人(14.8%)・建設業274人(12.3%)・卸小売198人(8.9%)・他サービス190人(8.5%)の分散構造(上位3業種合計49.5%・1-2位差+7.6ポイント)
  • 製造業の付加価値率52.7%は県内6位の高付加価値グループ(1位関川村・2位阿賀町・3位妙高市・4位五泉市・5位胎内市・6位刈羽村)・1人あたり付加価値額774万円/人は県内23位で県平均加重1,188万円/人を-414万円下回る中位帯
  • 製造業規模5指標(事業所数17か所・26位/従業者数299人・28位/出荷額約43.9億円・28位/付加価値額約23.1億円・28位/現金給与約11.0億円・28位)は県内下位帯で揃う
  • 中越地域16市町村内で総就業者15位、隣接する柏崎市(中越4位・製造業集積型・電気ガス業比率県内2位)とセットで電気ガス業就業者比率の県内1〜2位を占める
  • 柏崎刈羽原発が刈羽・柏崎の両村市にまたがって立地(事実並置・因果解釈は本記事の範囲外)
  • 農業指標は農業・林業就業者106人(県内29位)・農業産出額約6.0億円(県内27位)・農業経営体数と経営耕地面積は農林業センサスで「規模小」としてNA計上(粟島浦村とともに県内で2市町村のみ)

10年間の産業構造変化

2010年から2020年にかけて総就業者は-11.1%(-279人)減少し、この減少幅は県内で11番目に大きい中位水準です(隣接する柏崎市-11.0%・県内12位とほぼ同水準)。産業構造の比率変化では第2次比率-4.2pt×第3次比率+4.4ptの対称的シフトが浮かび、1位佐渡市(第3次+7.7pt・第2次-3.1pt)に次ぐ2番手の対称シフトです。第2次内訳では建設業-137人・製造業-62人・電気ガス-10人と主要業種の減少が同時進行、第3次では医療・福祉+60人が増加を支える形が確認できます。電気ガス業就業者は10年で115人→122人→105人と-10人(-8.7%)の横ばい〜微減で推移しました。

派生指標で見える意外な観察

  • 電気ガス業就業者比率が県内30市町村中の1位(4.72%):業種横断ランキング上で電気ガス業比率だけ大きく上振れ(絶対数16位→比率1位)・2位柏崎市3.17%を+1.55pt上回り、3位聖籠町2.08%と大きな断絶
  • 付加価値率6位×規模5指標下位帯×1人あたり付加価値額23位の順位乖離:規模系5指標は県内下位帯で揃うが、付加価値率52.7%だけが県内6位の高付加価値グループ・1人あたり付加価値額は県内23位で県平均加重-414万円/人下振れ
  • 第2次-4.2pt×第3次+4.4ptの対称的シフト:10年で第2次比率が県内で最も大きく下がり、第3次比率が県内で2番目に大きく上がった対称ペア・1位佐渡市に次ぐ2番手
  • 農業経営体数と経営耕地面積がセンサス上「規模小」でNA計上:県内30市町村中で農業経営体数と経営耕地面積の両方がセンサス上NA計上される市町村は刈羽村と粟島浦村のみ
  • 中越地域15位×製造業集積型×電気ガス業就業者比率県内1位×柏崎刈羽原発立地という組合せは県内で刈羽村のみ:中越地域15位規模の小規模村基盤の中で、業種横断ランキング上で電気ガス業就業者比率が県内1位に位置し、柏崎刈羽原発が隣接柏崎市にまたがって立地する唯一の市町村

この記事の執筆・データについて

執筆: 新潟データ(新潟県在住の個人運営)
データ基準日: 令和2年(2020年)国勢調査/令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額(推計)/令和2年(2020年)農林業センサス/令和3年(2021年)経済センサス-活動調査
更新日: 2026-09-05
運営者情報: https://niigata-data.com/運営者情報/
データの利用について: https://niigata-data.com/privacy-policy/

本記事は公的統計を整理・解釈したデータ記事です。専門的な投資助言・移住助言・事業判断助言ではありません。移住・就業・起業・出店等の重要な意思決定にあたっては、原典データおよび該当分野の専門家にご確認ください。


出典

  • 産業別就業者数(第1〜3次産業・主要業種):
    総務省(国勢調査 令和2年・平成27年・平成22年)
  • 製造品出荷額・製造業従業者数・付加価値額:
    経済産業省(工業統計調査 令和4年)
  • 農業産出額:
    農林水産省(市町村別農業産出額(推計)令和4年)
  • 農家数・農地面積:
    農林水産省(農林業センサス 令和2年)
  • 事業所数・従業者数:
    総務省・経済産業省(経済センサス-活動調査 令和3年)

派生値の算出方法:

本記事で使用する「県平均・県合計・倍率」等の派生値は、新潟県30市町村の集計値から算出しました。

  • 県平均:30市町村の該当指標の単純平均
  • 県合計:30市町村の該当指標の合計値
  • 県内順位:30市町村を該当指標の降順(または昇順)でソートした順位
  • 1人あたり付加価値額:付加価値額 ÷ 製造業従業者数(工業統計調査の事業所ベース)
  • 主要業種比率:業種別就業者数 ÷ 総就業者数(国勢調査)

データ基準日:令和2年(2020年)国勢調査・令和4年(2022年)工業統計調査・市町村別農業産出額
次回更新推奨:令和7年(2025年)国勢調査データ公表後、令和6年(2024年)工業統計調査データ公表後

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