この記事でわかること
- 新潟県30市町村の高齢化率が2015年から2025年にかけてどう変化したか(変化幅ランキング)
- 社人研(国立社会保障・人口問題研究所)の令和5年推計による、2050年の高齢化率ランキング
- 現在のランキングと2050年のランキングで大きく順位が変わる市町村
▼【グラフ:ranking_変化幅_2015_2025.png 新潟県30市町村の高齢化率 変化幅ランキング(2015年→2025年)】

① 2015年から2025年、どこが最も変化したか
新潟県の30市町村のうち、2015年から2025年の10年間で高齢化率が上昇したのは24市町村、低下したのは5市町村、変化がなかったのは1市町村です。
上昇幅が大きい市町村(上位5):
- 田上町(三条市の南東・+4.9ポイント 32.1%→37.0%)
- 弥彦村(燕市・三条市に隣接・+4.0ポイント 27.7%→31.7%)
- 刈羽村(柏崎市に隣接・+3.9ポイント 28.3%→32.2%)
- 加茂市(三条市の東・+3.4ポイント 32.9%→36.3%)
- 魚沼市(上越国境・+2.9ポイント 32.9%→35.8%)
変化なし:
妙高市(上越市に隣接・0.0ポイント 33.8%→33.8%)。10年間まったく変化がなかった市町村はシリーズのなかで妙高市だけです。内部では2020年に推計値(37.3%)に向けて上昇しかけましたが、高齢者コーホート(年齢集団)の急速な退場によって押し下げられ、2015年と同じ水準に戻りました。
低下した5市町村:
- 佐渡市(▲2.1ポイント 40.3%→38.2%)
- 津南町(▲1.3ポイント 39.0%→37.7%)
- 出雲崎町(▲1.2ポイント 40.4%→39.2%)
- 粟島浦村(▲1.1ポイント 40.5%→39.4%)
- 阿賀町(▲0.7ポイント 45.3%→44.6%)
低下した市町村は、いずれも2015年時点でも高齢化率が高かった市町村です。「高齢化率が下がった=若返った」ではなく、1930〜1940年代生まれの特に大きな世代が亡くなって分母(総人口)が縮みながらも、65歳以上の比率が一時的に下がるという構造的な現象です。
② 上昇幅が大きい市町村の共通点
田上町・弥彦村・刈羽村・加茂市・魚沼市の5市町村が10年間で+3ポイント以上の上昇を記録しました。これらに共通するのは、2015年時点の高齢化率がすでに高く、かつ出生数が少ない小規模自治体という点です。
なかでも田上町(+4.9ポイント)は、出生数が年間27人(2024年)に対して死亡数が185人と約6.9倍の差があります。自然減が続くなかで若い世代も流出しており、高齢者の割合が急速に高まっています。社人研の2050年推計では57.7%に達する見通しで、田上町は将来ランキングでも大きく順位を上げます(後述)。
③ 「低下」した市町村に何が起きているか
低下した5市町村(佐渡市・津南町・出雲崎町・粟島浦村・阿賀町)について、「高齢化が改善した」と読むのは誤りです。
これらは2015年に全国でも特に高い高齢化率を持っていた市町村です。1930〜1940年代に生まれた大規模な世代が高齢期を迎え、2015年以降に急速に亡くなっています。高齢者の絶対数が一時的に減ることで高齢化率の数値が下がりますが、2030〜2040年代には現在50〜60代の世代が65歳以上に移行するため、再び上昇する見通しです。
このような一時的な数値の低下を「∩字型パターン」と呼びます。将来推計(後述)でも、これら5市町村の高齢化率は2030年以降に再び急上昇する見込みです。
④ 2050年の高齢化率ランキング(社人研推計)
以下は、社人研の令和5年推計をもとにした2050年の高齢化率ランキングです。カッコ内は2025年現在の順位です。
▼【グラフ:ranking_2050推計.png 新潟県30市町村の高齢化率 2050年推計ランキング(社人研 令和5年推計)】

- 阿賀町(63.8%・現在1位)
- 田上町(57.7%・現在9位)
- 出雲崎町(56.9%・現在4位)
- 関川村(55.7%・現在2位)
- 加茂市(54.3%・現在11位)
- 佐渡市(53.3%・現在5位)
- 村上市(52.4%・現在10位)
- 湯沢町(51.8%・現在13位)
- 妙高市(51.6%・現在16位)
- 魚沼市(51.3%・現在12位)
- 津南町(50.8%・現在6位)
- 五泉市(50.5%・現在14位)
- 十日町市(50.1%・現在8位)
- 糸魚川市(49.5%・現在7位)
- 弥彦村(48.8%・現在22位)
- 阿賀野市(48.6%・現在19位)
- 小千谷市(47.3%・現在17位)
- 胎内市(46.6%・現在15位)
- 柏崎市(45.4%・現在18位)
- 三条市(45.3%・現在24位)
- 南魚沼市(44.9%・現在21位)
- 見附市(44.0%・現在23位)
- 上越市(43.9%・現在25位)
- 燕市(43.1%・現在28位)
- 新発田市(42.9%・現在26位)
- 長岡市(41.1%・現在27位)
- 新潟市(40.0%・現在29位)
- 刈羽村(35.6%・現在20位)
- 聖籠町(34.1%・現在30位)
- 粟島浦村(30.2%・現在3位)
2050年には13市町村が50%を超える見通しです。住民の2人に1人以上が65歳以上という状態が、新潟県の3分の1以上の市町村で現実になると推計されています。
⑤ 現在と2050年でランキングが大きく変わる市町村
最大の逆転:粟島浦村(現在3位→2050年30位・27ランク低下)
現在3位(39.4%)の粟島浦村が、2050年には30位(30.2%)に下がる推計です。日本海の離島という地理的な特性上、若い世代が島を離れる動きが続いており、島に残る高齢者の数自体が急減していきます。絶対数が小さいため、少数の人口変動でランキングが激しく変動する特殊な構造です。推計値の解釈には注意が必要ですが、少なくとも「現在3位が将来も高位を維持する」とは言えない状況です。
上昇が大きい市町村:
- 田上町(現在9位→2050年2位・7ランク上昇):変化幅でも1位を記録した通り、上昇ペースが30市町村で最も速く、2050年には県内2番目に高い高齢化率になると推計されています。
- 弥彦村(現在22位→2050年15位・7ランク上昇):2015年から10年で+4.0ポイントと急上昇しており、将来も順位を上げる見通しです。
- 妙高市(現在16位→2050年9位・7ランク上昇):10年間は変化がなかったものの、2030年以降の急上昇が推計されています。
下落が大きい市町村:
- 刈羽村(現在20位→2050年28位・8ランク低下):現在は中位にいますが、2050年推計では28位まで下がります。原子力発電所関連の就業者が支える比較的若い人口構成が2050年にかけて変化する見通しです。ただし35.6%という絶対値は県内でも低い水準を保ちます。
- 糸魚川市(現在7位→2050年14位・7ランク低下):現在は高位ですが、2050年の49.5%は県内中位に落ち着く推計です。
まとめ
- 2015年から2025年の10年間で高齢化率が最も上昇したのは田上町(+4.9ポイント)で、低下したのは佐渡市(▲2.1ポイント)です
- 低下した5市町村は「若返り」ではなく、高齢者コーホートの急速な退場による一時的な現象で、2030年以降に再上昇する見通しです
- 2050年の推計では13市町村が高齢化率50%超になると見込まれており、30市町村すべてが30%以上の水準を維持します
- 最大の順位変動は粟島浦村(現在3位→2050年30位)で、小規模離島特有の人口構造変化が影響しています
出典
- 高齢化率・年齢別人口(2025年):総務省(住民基本台帳)
- 高齢化率(2015年):総務省(国勢調査2015)
- 将来推計人口:国立社会保障・人口問題研究所(社人研、令和5年推計)
データ基準日:2025年(令和7年)1月1日現在
次回更新推奨:2026年住民基本台帳公表後(2026年夏以降)

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