粟島浦村の気候を、気温と降水量の2つの指標からまとめます。
粟島浦村の気候の特徴は、年間の雨量が県内で2番目に少ないのに、1日の雨量は県内6番目に多いという降り方にあります。
粟島浦村の気温と降水の数字は、粟島観測所の値です。観測所の標高は4 mで、村役場から0.4 km離れています。この観測所を使うのは粟島浦村だけです。
年間の雨量は1,668.6 mmで県内30市町村のうち2番目に少ない値ですが、1日に100 mmを超えた日は年0.5 日で県内5番目に多い日数です。この記事の数字と、粟島浦村のハザードマップを合わせて見ると、備えを考えるときの参考になります。島には主要河川がなく、見る対象は土砂災害の指定区域と大雨の基準です。
- 年間の雨量は1,668.6 mmで、県内30市町村のうち2番目に少ない値です。ただし1日の雨量は102.8 mmで県内6番目に多く、1日に100 mmを超えた日は年0.5 日で県内5番目に多い日数です。
- 1994〜2023年の30年で一番強く降ったのは1時間79.0 mm(2022年)で、気象庁の階級では「非常に激しい雨」にあたります。記録的短時間大雨情報の基準100 mmに達した年はありません。
- 年間平均気温は14.2 ℃で県内7番目に高い値です。ただし35 ℃以上の日は年1.8 日で県内2番目に少なく、最低気温が25 ℃以上の日は年14.3 日で県内5番目に多い日数です。
- 2019〜2023年と1994〜1998年を比べると、年間平均気温は+1.58 ℃で県内で最も上がり、年間の雨量は+311.0 mmで県内で最も増えました。
市街地標高4 m・海岸距離0 kmの島にある観測地点
この記事の気温と降水は、島に1か所だけある観測地点で測った値です。
気温と降水量は観測地点で測った値で、市町村ごとに測っているものではありません。粟島浦村の場合は島内の粟島観測所が1か所あり、この観測所の値を使うのは粟島浦村だけです。観測所は標高4 mの場所にあり、村役場からの距離は0.4 kmです。1時間雨量の観測は1994年から2023年までの30年分がそろっていて、気温計・降水量計・積雪計の3つが設置されています。
粟島浦村の土地の条件は次のとおりです。
| 項目 | 値 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 市街地標高 | 4 m | 2番目に低い |
| 海岸距離(市街地から) | 0 km | 1番目に近い |
| 海岸線長 | 44.4 km | – |
| 海に面するか | 面する | – |
| 主要河川 | なし | – |
| 境界を接する市町村の数 | 0 | – |
| 豪雪地帯の区分 | 豪雪地帯(全域) | – |
市街地標高の4 mは県内で2番目に低い値で、海岸距離は0 kmです。海岸距離0 kmは新潟市・柏崎市・村上市・糸魚川市・上越市・佐渡市・出雲崎町と並ぶ値で、市街地が海岸にあることを示します。島の外周である海岸線長は44.4 kmで、主要河川は1本もありません。
島の市街地は海岸に接していて、県内で隣り合う市町村はありません。
年間では2番目に少ない雨量、1日に100 mmを超えた日は5番目に多い
年間の雨量は県内で2番目に少ない値ですが、1日の雨量は県内で6番目に多い値です。
年間平均気温14.2 ℃と年間降水量1,668.6 mm、30年の動き
年間降水量は1年に降った雨と雪を合わせた量で、雪は水に換算して数えます。
2014〜2023年の10年平均では、年間降水量は1,668.6 mmで県内30市町村のうち2番目に少ない値です。県内で一番少ないのは聖籠町の1,652.3 mm、一番多いのは妙高市と上越市の2,922.5 mmです。年間平均気温は14.2 ℃で県内7番目に高く、三条市・新発田市・加茂市・燕市・胎内市と並ぶ値です。
月別で数えた12〜3月の降水量は522.2 mmで、1年の合計の31%にあたります。粟島浦村は豪雪地帯に全域が指定されていますが、これは豪雪地帯対策特別措置法にもとづく国の指定で、新潟県は30市町村すべてが豪雪地帯、うち18が特別豪雪地帯です。
▼【グラフ:awashima_dodai_suii.png 年間平均気温と年間降水量の5年区間平均6区間(左が気温・右が降水)】

▼【グラフ:awashima_dodai_sanpu.png 県内30市町村の年間平均気温と年間降水量(2014〜2023年の10年平均)】

30年を重ならない5年ずつに区切ると、次のように動いています。
| 区間 | 年間平均気温 | 年間降水量 |
|---|---|---|
| 1994〜1998年 | 13.10 ℃ | 1,453.2 mm |
| 1999〜2003年 | 13.30 ℃ | 1,477.8 mm |
| 2004〜2008年 | 13.44 ℃ | 1,583.9 mm |
| 2009〜2013年 | 13.44 ℃ | 1,793.2 mm |
| 2014〜2018年 | 13.80 ℃ | 1,573.0 mm |
| 2019〜2023年 | 14.68 ℃ | 1,764.2 mm |
気温は直近の2019〜2023年が一番高い区間で、県内での位置も15番目に高い値から4番目に高い値へ動いています。降水量は区間ごとに上下していますが、県内での位置は6区間とも29番目か30番目に多い値のままです。
年間・1日・1時間・10分間で見た県内順位
1年の合計で見るか、1日や1時間で見るかによって、県内での位置が変わります。年最大日降水量は1年のうち1日の降水量が一番多かった1日の値、年最大1時間降水量は1時間の降水量が一番多かった1時間の値、年最大10分間降水量は10分間の降水量が一番多かった10分間の値です。
| 指標 | 値(2014〜2023年の10年平均) | 県内順位 |
|---|---|---|
| 年間降水量 | 1,668.6 mm | 2番目に少ない |
| 年最大日降水量 | 102.8 mm | 6番目に多い |
| 年最大1時間降水量 | 36.5 mm | 11番目に多い |
| 年最大10分間降水量 | 14.3 mm | 9番目に多い |
▼【グラフ:awashima_jikan_scale.png 年間・1日・1時間・10分間で見た県内順位(多い順の順位。年間降水量の29番目は、少ない順では2番目)】

年間の合計では県内で2番目に少ない値ですが、1日の雨量では6番目に多い値になります。1時間の雨量は36.5 mmで県内11番目に多く、10分間の雨量は14.3 mmで県内9番目に多い値です。年間の合計が少ないことと、1日に降る量が少ないことは別の話です。1日の雨量102.8 mmに同じ値の市町村はなく、県内で一番多いのは関川村の138.2 mmです。
1日に100 mmを超えた日は年0.5 日、30年で一番強かったのは1時間79.0 mm
日50mm超日数は1日の降水量が50 mmを超えた日の数、日100mm超日数は100 mmを超えた日の数です。
| 指標 | 値(2014〜2023年の10年平均) | 県内順位 |
|---|---|---|
| 日50mm超日数 | 年2.5 日 | 5番目に少ない |
| 日100mm超日数 | 年0.5 日 | 5番目に多い |
▼【グラフ:awashima_over100.png 1日に100 mmを超えた日数の県内の並びと粟島浦村の位置】

50 mmで区切ると県内で5番目に少ない日数(佐渡市と並ぶ値)ですが、100 mmで区切ると5番目に多い日数になります。年0.5 日は新発田市・村上市・糸魚川市・胎内市と並ぶ値です。県内で一番多いのは関川村の年0.8 日、一番少ないのは長岡市・小千谷市・見附市の年0.0 日です。
1994〜2023年の30年の記録では、1時間で79.0 mm(2022年)、1日で189.5 mm(2022年)が観測されています。79.0 mmは気象庁が1時間雨量で分けた階級の「非常に激しい雨」(1時間50 mm以上80 mm未満)にあたり、10年平均の36.5 mmは「激しい雨」(30 mm以上50 mm未満)にあたります。1時間に50 mm以上を記録した年は30年のうち3年、30 mm以上を記録した年は11年です。記録的短時間大雨情報は気象庁が発表する情報で、粟島浦村を含む下越では1時間に100 mmが基準ですが、30年のうち達した年はありません。
25年で+1.58 ℃と+311.0 mm、どちらも県内で最も大きい変化
2019〜2023年の5年平均から、1994〜1998年の5年平均を引いた差です。
| 指標 | 25年前の5年平均との差 | 県内順位(29市町村) |
|---|---|---|
| 年間平均気温 | +1.58 ℃ | 上がった量が1番目に大きい |
| 年間降水量 | +311.0 mm | 増えた量が1番目に大きい |
| 夏日数 | +35.6 日 | 増えた量が1番目に大きい |
| 熱帯夜数 | +17.2 日 | 増えた量が1番目に大きい |
| 真夏日数 | +21.8 日 | 増えた量が7番目に大きい |
| 猛暑日数 | +2.4 日 | 県内で3番目に増えなかった |
| 冬日数 | ▲15.6 日 | 県内で1番目に減った |
| 真冬日数 | ▲2.2 日 | 県内で3番目に減った |
| 年最大日降水量 | +23.0 mm | 増えた量が2番目に大きい |
| 年最大1時間降水量 | +17.9 mm | 増えた量が4番目に大きい |
| 日100mm超日数 | ±0.0 日 | 変わっていない |
▼【グラフ:awashima_diff25.png 25年前の5年平均との差で見た県内順位(7指標)】

4つの指標で県内1番目です。年間平均気温は+1.58 ℃で、2番目の長岡市・小千谷市・見附市・佐渡市の+1.22 ℃と開きがあります。年間の雨量も+311.0 mmで県内で最も増えました。いっぽう35 ℃以上の日は+2.4 日で県内で3番目に増えておらず、最低気温が0 ℃を下回る日は▲15.6 日で県内で最も減っています。1日に100 mmを超えた日の数は25年で変わっていません。この表の順位が29市町村なのは、聖籠町に1994〜1998年の値がないためです。
平均気温は7番目に高いのに、35 ℃以上の日は2番目に少ない
気温も、平均で見るか日数で見るかで位置が変わります。夏日は最高気温が25 ℃以上の日、真夏日は30 ℃以上の日、猛暑日は35 ℃以上の日、熱帯夜は最低気温が25 ℃以上の日、冬日は最低気温が0 ℃を下回る日、真冬日は最高気温が0 ℃を下回る日です。
| 指標 | 値(2014〜2023年の10年平均) | 県内順位 |
|---|---|---|
| 年間平均気温 | 14.2 ℃ | 7番目に高い |
| 夏日数 | 年93.4 日 | 3番目に少ない |
| 真夏日数 | 年30.0 日 | 2番目に少ない |
| 猛暑日数 | 年1.8 日 | 2番目に少ない |
| 熱帯夜数 | 年14.3 日 | 5番目に多い |
| 冬日数 | 年27.2 日 | 2番目に少ない |
| 真冬日数 | 年1.0 日 | 19番目に多い |
昼の暑さを数える3つの指標は、どれも県内で2番目か3番目に少ない日数です。35 ℃以上の日は年1.8 日で、年2日に届きません。いっぽう最低気温が25 ℃以上の日は年14.3 日で県内5番目に多く、1番目は聖籠町の年17.1 日です。最低気温が0 ℃を下回る日も年27.2 日で県内2番目に少ない日数です。
年間の合計では県内で2番目に少なく、1日で見ると6番目に多い位置にあります。
土砂災害の指定区域49 件と、村に1つの代表値がない大雨の基準
ここからは、島のなかで備える対象になる区域の数です。
土砂災害警戒区域は土砂災害のおそれがあるとして指定された区域、特別警戒区域はそのうち建物が壊れて人に危害が及ぶおそれがある区域で、合計は両方を足した数です。
| 項目 | 値 | 県内順位 |
|---|---|---|
| 合計区域数 | 49 件 | 2番目に少ない |
| 警戒区域数 | 28 件 | 2番目に少ない |
| 特別警戒区域数 | 21 件 | 2番目に少ない |
| 表面雨量指数の基準にかかる1km格子数 | 21 | – |
▼【グラフ:awashima_dosha.png 土砂災害の警戒区域と特別警戒区域の積み上げ】

内訳は警戒区域28 件と特別警戒区域21 件です。1日に100 mmを超えた日の数は県内で5番目に多いのに、指定された区域の数は県内で2番目に少ない数です。区域の数は指定された区域の数で、被害が起きた回数ではありません。大雨注意報・警報に「1時間雨量◯ mm」という基準はなく、1km四方の格子ごとの指数で決まります。粟島浦村にかかる格子は21で、村に1つの代表値はありません。
指定区域の数は県内で2番目に少ない数ですが、確かめる場所は村のハザードマップに決まります。
まとめ
粟島浦村は、年間の雨量が1,668.6 mmで県内30市町村のうち2番目に少なく、年間平均気温は14.2 ℃で県内7番目に高い土地です。35 ℃以上の日は年1.8 日で県内2番目に少なく、1年の合計で見るかぎり、雨でも暑さでも備えの負担は小さい土地といえます。
ただし、分けて見ると見え方が変わります。
- 1日の雨量は102.8 mmで県内6番目に多く、1日に100 mmを超えた日は年0.5 日で県内5番目に多い日数です。
- 1994〜2023年の30年では、1時間に79.0 mm(2022年)の「非常に激しい雨」を記録しています。
- 25年前と比べると、年間平均気温は+1.58 ℃、年間の雨量は+311.0 mmで、どちらも県内で最も大きい変化です。
- 土砂災害の指定区域は49 件で県内2番目に少なく、島には主要河川がありません。
雨の備えを考えるときは、年間の合計ではなく1日の雨量と100 mmを超えた回数を見て、粟島浦村のハザードマップで指定区域を確かめておくと参考になります。
この記事の数値が示す範囲
- 気温と降水の値は、粟島観測所1地点の観測値です。村役場から0.4 km離れた場所にある観測所の値で、島全体の気候を表すものではありません。
- 年間平均気温・夏日・真夏日・猛暑日・熱帯夜・冬日・真冬日・年間降水量・年最大日降水量・年最大1時間降水量・年最大10分間降水量・日50mm超日数・日100mm超日数は、2014〜2023年の10年平均です。単年の値ではありません。
- 観測史上最大の値と、1時間に50 mm・30 mm以上を記録した年数は、1994〜2023年の30年の観測値です。10年平均とは別の基準です。
- 5年区間平均と25年前との差も、10年平均とは別の基準です。25年前との差は、2019〜2023年の5年平均と1994〜1998年の5年平均を比べたものです。
- 25年前との差の順位は29市町村で数えています。聖籠町に1994〜1998年の値がないためです。
- 日100mm超日数は「日」の数です。1日の合計が100 mmを超えた日が年に何日あったかで、1時間に100 mm降ったという意味ではありません。
- 日100mm超日数0.5 日・猛暑日1.8 日・真冬日1.0 日は、もとの日数が小さい指標です。1回の増減で順位が動きます。
- 土砂災害の区域数は、県が指定した区域の数です。崩れた回数でも、危険の度合いでもありません。
- 大雨注意報・警報の基準は1km四方の格子ごとです。村に1つの代表値はありません。
- 海岸距離0 kmは市街地から海岸までの距離です。市域が海に面するかどうかは別に記録されています。
- 年間降水量には雪の分が水に換算して含まれます。積雪の深さや降雪量の統計は使っていません。
- 豪雪地帯は法律にもとづく指定で、気象の分類ではありません。積雪の深さで決まる順位でもありません。
- 市街地標高と海岸距離は概数です。市街地標高は代表点の高さ、海岸距離は5 km刻みで記録されています。
- 月別の降水量は10年平均を月ごとに数えたものです。年間の値とは別に数えた値で、月別の県内順位はありません。
出典・情報基準日
| 出典 | 基準日・年次 | 使っている値 |
|---|---|---|
| 気象庁『アメダス観測所一覧』 | 基準日なし | 観測所名・標高・村役場からの距離・この観測所を使う市町村数・計測器 |
| 気象庁『過去の気象データ検索』 | 2014〜2023年の10年平均/1994〜2023年の観測値/5年区間平均6区間/25年前との差/月別の10年平均 | 気温・降水のすべて |
| 気象庁『雨の強さと降り方』 | 全国共通の階級(基準日なし) | 「激しい雨」「非常に激しい雨」の区分 |
| 気象庁『気象防災速報(記録的短時間大雨)の発表基準一覧表』 | 2026年5月28日現在 | 記録的短時間大雨情報の1時間雨量基準100 mm・一次細分区域・表面雨量指数の格子数 |
| 新潟県『土砂災害警戒区域等マップ』 | 2025年3月31日現在 | 土砂災害の警戒区域・特別警戒区域・合計 |
| 国土交通省『豪雪地帯対策特別措置法に基づく指定地域』 | 2026年4月1日現在 | 豪雪地帯の指定と範囲 |
| 国土交通省 国土数値情報『行政区域(N03)』 | 2026年1月1日基準 | 境界を接する市町村の数・海に面するか・海岸線長 |
| 各市町村公式サイト | 概数(基準日なし) | 市街地標高・海岸距離・主要河川 |
データの見方
- 10年平均は、その期間に観測された値を平均したものです。単年の値とは一致しません。
- 5年区間平均は1994〜1998年から2019〜2023年までの6区間で、1年も重なりません。
- 表の「-」は、その項目に県内順位が無いことを表します。
- 県内順位は新潟県の市町村のうちの順位です。同じ値の市町村があるときは同じ順位に並び、次の順位が飛びます。1日に100 mmを超えた日数は、2番目が3市町村の同率のため3番目と4番目が空きます。
免責
本記事は公表統計をもとに作成したもので、個別の判断の結果について責任を負いません。
運営者情報
新潟県の公的データをもとに、市町村別のデータ記事を作成しています。


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